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「練上(ねりあげ)」という技法を駆使して、精緻な文様の陶器を作り出す、石狩管内新篠津村の尾形さん。大同ギャラリーでの個展は毎年10月です。
その作品は、ニューヨークのメトロポリタン美術館に所蔵されているそうです。日本工芸会正会員であり、東日本伝統工芸展にも入賞を重ねています。
練上は、異なる種類の土を使って成形する技法ですが、いつ見ても、その文様の細かさには驚かざるを得ません。さらに尾形さんのすごいところは、毎年なにがしか、新しい展開を試しているという点です。
冒頭の画像で、手前は、飛び鉋(かんな)によるもの。
飛び鉋といえば、九州の小鹿田焼(おんたやき)などが有名で、ろくろで陶器を回して刃でガッガッと傷のような模様を付けていく技法です。
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この画像ではよくわかりませんが、壺などの表面は、さまざまな色の土が織りなす模様と同時に、細い溝が規則的に被っていて、ふたつの異なる模様が、複雑な世界をつくりだしています。まさに「眩暈」という題にふさわしい、じっと見ているとめまいを起こしそうな作です。
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もうひとつ、ことしの新しい試みとして、水面にできる波紋のようにまるい凹凸が表面にほどこされた壺などが出品されています。
また、皿などのほかに、ペンダントや石(文鎮のかわり?)もありました。たしかに、練上の華麗な模様は、アクセサリーにも似合います。
練上以外にも炭化の技法でつくられた食器なども出品されています。
「だんだん思うようにつくれるようになりましたが、まだ途中です」
と尾形さんはおだやかな表情で語っておられました。
2008年10月23日(木)-28日(火)10:00-18:00(最終日-17:00)
大同ギャラリー(中央区北3西3 大同生命ビル3階 地図A)
□http://www.phoenix-c.or.jp/~ogatak-m/
■尾形香三夫陶芸展(2007年)
■06年の個展
■03年の個展(画像なし)
■02年の個展