北海道美術ネット別館

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LEBENS(生命・人生)展 6月17日まで

2006年06月15日 07時15分35秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
 亀井由利、柴崎康男、渋谷美智子、竹田博、名畑美由紀、細木博子、林教司、横山隆の8氏によるグループ展。いつもとはちがって抽象画にチャレンジしている人が多く、見ごたえがありました。
 柴崎さんは、鋭い黒や青の縦線による漁港風景を毎年二科に出している人ですが、今回の「ウォール」(50F)は、完全な抽象です。支持体のキャンバスはたわみ、ところどころ切れ目が入れられています。その上に青の絵の具が分厚く塗られています。画面の上方には黄色の帯が入れられ、大きなアクセントになっています。存在感のある絵だと思います。
 ほかに「デリレット」「花」。
 やわらかいタッチの人物像や風景を描く渋谷さん(新道展会員)も、今回はめずらしく抽象です。「作品」と題された3点は、緑や白の色斑がメーンの作品。
 細木さん(同)は、ふだんは木馬などの出てくる幻想的な作風ですが、やはり今回抽象画に挑戦しています。サムホールの「青い抽象」と「白い抽象」、F30「白い抽象」の3点。白の中からオレンジや青が浮かぶ、どこかあたたかみの漂う作品です。
 横山さん(同)の「彼方へ」(100号)は迫力があります。支持体(板?)の上に、ダンボールの破片と棒きれをはりつけたもの。地には縦横の線が走り、全体はピンクに着彩されています。
 今年に入り、発表の頻度が高まっている林さんは、立体造形をほとんど発表しなくなっており、絵画ばかりになっています。今回は「舟人」「月の湖」(同題2点)「月花」の、小品4点。
 どこかマーク・ロスコを思わせる沈んだ色調ですが、「舟人」には、大きな円と、舟をこぐ人が描かれており、ロマン派的な雰囲気がにじみ出た佳作となっています。
 亀井さん「象(かたち)」3点は、いつもと同様、モノクロームで人体の一部分を描いた作品。ただ、その手前に、ことばが書かれた紙をシュレッダーにかけた「罵詈雑言」という一風かわった作品(?)が置かれています。
 名畑さんの「作品」も抽象画。竹田さんは「雑事のコンポジション」「ニセコ附近図」「鉄ぽう百合」「黄色のコンポジション」「ピーマン・トマト・ナス・玉ねぎ」。竹田さんは最近、過去の絵と近作の抽象画を続けて並べる平面インスタレーション的なアプローチをとりつづけています。

6月5日(月)-17日(土)11:00-19:00
ギャラリーたぴお(中央区北2西2、道特会館 地図A


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