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■第49回日本水彩画会北海道支部展 (7月20日で終了)

2008年07月27日 21時52分46秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
 水彩をメーンとする公募展は日本水彩画会と水彩連盟のふたつがある。このうち、道内の関係者が多く、道展とも出品者がだぶっているのは、日本水彩画会の方である。
 穏当な写実の絵が多いが、筆者はそういう画風ではない絵のほうにひかれてしまう。
 毎年書いているが、支部長宮川美樹さんの絵はすごい。単に写実の描写力が高いだけではない。無常観のようなものが全面を覆っているのと同時に、悠久の時の流れを感じさせるのだ。この絵では、刹那と永遠が同居しているようだ。
 ことしは、モンシロチョウと二枚貝が、砂浜にちいさな生命の痕跡を刻んでいる。
 栗山巽さんは、この会ではめずらしい抽象画。宇宙空間の広がりを感じさせる作風だ。
 大藤淳子さんの「凍る森」。描かれているのは、冬の川と森だが、厳冬期に凍り付く窓ガラスのような文様が重ね合わされているのがユニーク。
 「昼下り」「懐郷」を出品した柴垣誠さんは、個人的に「新人賞」をおくりたい。日本家屋の中庭や縁側、門などを、丁寧に描写しているが、道内でこういうモティーフにじっくり取り組む人はめずらしい。観ていて心のいやされる絵だと思う。

(以上、8月1日追記) 


 出品作は次のとおり。

青田淑子「海への追想」(60号)
及川幸子「鮭干し」(同)
尾川和彦「新雪のファクトリー」(同)「新雪のファクトリー」(50号)
桂島和香子「秋の贈り物」(40号)
金子恵子「一隅 I」(20号)「一隅 II」(同)
北野清子「夕紅」(60号)「マドンナ」(20号)
倉本英子「想」(40号)「想」(同)
近藤武義「待春の里」(60号)
近藤幸子「陽だまり」(40号)
斎藤由美子「緑雨のあと II」(30号)
佐々木和雄「荒れる岩礁の海(積丹)」(40号)
佐藤京子「はな A」(20号)「はな B」(40号)
佐藤富子「北に咲いて」(50号)
佐藤信子「秋風」(40号)
佐藤祐子「トランポリン」(同)「読書」(30号)
志賀迪「過ぎゆく時」(60号)
柴垣誠「昼下り」(20号)「懐郷」(20号)
大藤淳子「凍る森」(60号)
武田貢「漁師の道」(50号)「不忍池」(40号)
谷勲「繋船」(40号)
寺井宣子「天の窓」(20号)「映」(同)
寺西冴子「野の詩」(40号)「海風」(40号)
成田一男「洞爺湖・有珠山」(同)
中井戸紀子「記憶の情景」(60号)「人物」(20号)「人物」(同)
西江恭子「花の使者・北へ」(40号)「花の宙(みち)」(同)
富士田夏子「利尻島に咲く」(60号)「がくあじさい」(20号)
三井幸子「冬の窓辺」(40号)
森井光恵「アダージョ」(同)
 =以上札幌
栗山巽「宙-群星 1」(S40号)「宙-群星 2」(60号)
中西京子「渓流」(40号)
 =以上江別
河合幹夫「厚田の牧」(40号)
川端良子「一休み」(40号)
笹川誠吉「フチとエカシとカムイ達」(60号)「昆布盛漁港」(20号)
舎川栄子「納戸」(40号)
三留市子「トンガリ屋根の街(アルベロベッロ)」(60号)
 =以上小樽
宮川美樹「刻」(50号)
 =岩見沢
竹山幹子「咲く」(40号)
 =室蘭


08年7月15日(火)-20日(日) 10:00-18:00(初日13:00-、最終日-17:00)
札幌市民ギャラリー(中央区南2東6 地図G)

□日本水彩画会 http://www.nihonsuisai.or.jp/

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第46回
2003年(7月19日の項)
01年(21日の項)


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