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4月1日に見た絵画展(すべて2日限り)

2006年04月02日 07時24分08秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
 竹津昇スペインスケッチ展
 ことしの水彩連盟展で奨励賞を受賞した札幌の竹津さんは、スペインに魅せられて毎年冬にスケッチ旅行をしています。
 昨年暮れから正月にかけて24日間も旅していたそうで、うらやましい。大都市を避けて、アラゴンやカタルーニャの農村や小さな町並みを描いています。
 にじみを生かした水彩スケッチの数々を眺めていると、ほんとに竹津さんは、スペインと肌が合っているのだなあと思いました。
 作品は20点余りで、一部、先日「チャオ」で発表したものと重複しているようです。

 3月28日-4月2日 11:00-19:00(最終日-17:00)
 ギャラリーユリイカ(中央区南3西1、和田ビル2階 地図B)

 □竹津さんのサイト「水彩の旅」


 ACRYL AWARD 2005

 アクリル絵の具会社などが主催して開かれているコンクールの巡回展で、大丸藤井の企画展です。一般、学生の2部にわかれ、42点が展示されています(うち3点が立体)。いわゆる公募展の枠とは無関係に、現代の絵画の傾向を見て取れる機会だと思います。
 一般の部大賞は御法川哲郎「真昼の散歩道」。小さな人と巨大な花の組み合わせが目を引きます。
 渡辺おさむ「multi color」は、ケーキのデコレーションそっくりのユニークな作品でした。
 藏本秀彦「二つの祈り 05-2」、永山亨「作品0503-0006」はいずれも、人間の精神の奥深いところを絵にしたような、味わいのある作品でした。
 賞以外の作品では、益村司「生」が、アルミ箔のような光沢を持つふしぎな物体をリアルに描いていておもしろいと思いました。
 学生の部では、北海道芸術デザイン専門学校の、榎本真留美さん「雨の日」と竹中友希さん「Currydscope R」が入選しています。1校から複数入選しているのはめずらしいです。
 それにしても、全国に、美術を教える学校がこんなにあるんだと、びっくりしました。

 3月28日-4月2日 10:00-19:00(最終日-17:00)
 スカイホール(中央区南1西3、大丸藤井セントラル7階 地図B)


 大内晴夫作品展

 スペイン・バルセロナ在住の画家。札幌での個展は7年ぶりになりますが、前回とは画風がだいぶ変わっています。
 「プレゼンテーション」は、厚みのあるマティエールの上に、即興的な細い線で引っかいたように天使を描いた作品(チューリップに見えますが、天使なんだそうです)。最小限度の要素で、どのようにしたら絵画空間が保持できるかという試みのようにも思えました。
 「追憶-赤」も、即興的な細い線によるかたちが躍る作品で、声高に主張しないささやかなたたずまいは、どこかクレーを連想させました。
 
 3月28日-4月2日 10:00-19:00(最終日-17:00)
 コンチネンタルギャラリー(中央区南1西11、コンチネンタルビル地下1階 地図C


 金澤巌個展-北の自然を描く
 
 写実的なタッチによる、おもに山の風景画約40点。手稲山などが、穏やかな色調で描かれています。
 「北の山なみ(忠別岳、トムラウシ山、十勝岳)」は、キャンバス三つを横につなげた、パノラマ的な作品です。
 
 おなじ会場では、カルチュレ2006展、小松平国子・高桑みち子水彩画展、広地登志子個展もひらかれています。
 カルチュレ2006は女性4人による絵画と版画のグループ展。抽象的なぼわーっとした感じの作品が多くておもしろいです。
 小松平国子・高桑みち子水彩画展は
「これくらい描けると面白いだろうなあ」
と思ったほど、写実的な風景画の展覧会。小松平さんは京都や札幌、高桑さんはチェコなどが題材です。
 広地さんは道内の風景画27点。いずれも写実的な画風です。小さい作品ばかりでした。

 3月28日-4月2日 10:00-19:00(最終日-17:00)
 ギャラリー大通美術館(中央区大通西5、大五ビル 地図A

 


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2 コメント

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金澤巌展、竹津さんスケッチ展 (川上@道都書房)
2006-04-03 02:30:02
金澤巌さんは2000メートル級の山に登るのですね。お元気そうです。入り口のパノラマに圧倒されました。他にはトムラウシ温泉からのぼったトムラウシの頂上の岩山も印象的でした。

竹津昇スケッチ展は、本人に会えませんでしたが、偶然透明水彩グループ「マリー・ゴールド」のお三方にお会いできました。今度5月9日から14日ユリイカでグループ(5人)展が開催されることが決まりました。

竹津さんの絵はアンバー系の絵の具が印象的でしたが、実はバーントアンバーではなくイカスミを原料にした絵の具だそうです。我々には手に入らないものらしいです。

光沢のある色面になる不思議な絵の具です。

題材はスペインの田舎町ですが、光の印象を非常に強調した中にも階調が豊富で重厚感はこの辺にあるのだと思います。また目立たないですが面相を使った線描で細部を描く独特の表現が画面の粗と密のリズムを生み出しているように思えます。

私が書くまでもないですが心境著しく、今年の道展での連続受賞に期待しております。

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竹津さん (ねむいヤナイ@北海道美術ネット)
2006-04-03 21:01:22
 ほんとうにここ数年の画業はめざましいものがありますね。そんなにめずらしい絵の具を、スペインで買ってくるのでしょうか。

 面相も使いすぎると、ごちゃごちゃしがちですよね。川上さんのおっしゃる「粗と密のリズム」、なるほどなあと思います。
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