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八木保次・伸子展(10月31日まで)

2006年10月18日 04時03分45秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
 札幌在住で、夫婦ともども全道展のベテラン画家である八木保次さんと伸子さんの二人展が、札幌でひらかれています。保次さんは水彩の抽象、伸子さんは油彩の具象と、画風はまったく異なるのですが、会場にはなんともいえない落ち着きがただよっているようです。
 保次さんは、1922年生まれということが信じられないほど、熱い抽象です。
 縦220センチ、横100センチという大作が3点あり、「冬声」は黒、青、水色の色斑が重なり合い、「バイオレットローズ」では、紫や白の絵の具が垂れ落ちています。「森の音」では、飛沫が全面にとびちり、エネルギーがほとばしっています。
 また、小品では和紙に描いたものもあり、紙の色が作品にやわらかさを帯びさせています。
 伸子さんは、花々を描いて日本画のふすま絵などをどこか思わせる「秋花譜」や、黒々とした木の幹を前景に配した冬景色「冬の木」、窓外の冬景色と、ポットやレモンなどが置かれた室内風景とをたくみに融合した「冬日」などを出品しています。冬景色が多いのですが、どこかにあたたかみも感じられるようです。
 ちょっと注目したのは、近年はわりあい平滑な画肌の多かった伸子さんの絵に、物質感のあるマティエールが復活しているように見えたことです(「冬の木」など)。この変化が、なにを意味しているのかはわかりませんが。

 出品作は次のとおり。
保次さん「冬声」「バイオレットローズ」「青」「森の音」「作品 ローズ」「作品 黒」「青の風景A」「青の風景B」「太陽」「作品1」「作品2」「作品3」「作品4」「作品5」「作品6」「作品7」「作品8」
伸子さん「雪野」(50F)「冬の木」(120P)「冬日」(80M)「ジュール・ジョフラン教会」(8F)「窓から」(水彩)「あねもね」(3F)「フランス人形」(サムホール)「リラの季節」(6F)「秋の公園」(0号)「モンマルトルの家」(6F)「ばら」(3F)「萩」(20F)「秋花譜」(80M)「冬の石狩」(50F)
 なお、伸子さんは、春陽会会員、女流画家協会委員も務めています。

 作品の画像は、ギャラリーのサイトにたくさんあります。

10月1日(日)-31日(火)8:00-19:00(最終日-17:00)、会期中無休
ギャラリーどらーる(中央区北4西27、ホテルDORAL 地図D)


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