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■光の音 影の香り~確かにそこにあるのに存在しないモノ~ CROSS ROAD (2016年3月18~30日、札幌)

2016年04月05日 01時02分03秒 | 展覧会の紹介-写真
 案内状には

光の音 影の香り~確かにそこにあるのに存在しないモノ~ ……五つの個性が交差する… CROSS ROAD Photographic Exhibition

とある。「CROSS ROAD」展のテーマが「光の音 影の香り」ということなんだろうか。

 会場は北24条の繁華街にある画廊喫茶チャオ。
 近年は集まる客層を反映して、絵画よりも写真の展示が多くなってきている。

 今回は男女5人が3点ずつを出品。
 モデルの女性を写したものや、静物をとらえた写真などさまざまだが、全体として、幻想的で、隅々にまで気を配った作品が多い。

 山川真さんは、やや暗い室内で、傘をさして立つ帽子姿の男を撮った。窓の外には冬の景色が広がる。室内には電話などが置いてある。物語性を宿した、印象的な一枚だ。

 五十嵐稔さんは、逆光を生かしてとらえた女性像など。暗い背景に女性が存在感をもって浮かび上がる。

 津村明彦さんも女性モデルの写真。白いベールをまとう、西洋人っぽい女性像をアップで撮っている。女性が床に横たわっている作品もある。



 七苗恭己さんは、薄暮の海岸にたたずむ人物をロングで撮っている。空の月は大きすぎるので合成だろう。はるか遠い記憶の世界のような、青い色調のみずみずしい作品だ。

 池田伸子さんは3枚とも、ガラス器に盛られた植物。青い器と、光や影が織りなす階調は美しく、これでは絵画は、なかなかかなわないという思いを強くする。


 壁面にキャプションがいっさいなく、全写真を小さく印刷して撮影者の名前を添えた紙を置いてあるだけのシンプルな展示法も、おしゃれ。
 というか、一枚一枚すべてに題名をつけ、煩雑な展示になっている人が、札幌ではけっこう多い(とくに学生)ので、これは見習ってほしいと思った。


2016年3月18日(水)~30日(木)正午~午後10時(日祝日~午後6時)。第1、3、5日曜休み
画廊喫茶チャオ(札幌市北区北24西4 モンレーブビル3階)

・地下鉄南北線、北24条駅からすぐ
・中央バス「北24条西5丁目」から約190メートル、徒歩3分


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