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追記あり■さっぽろ雪像彫刻祭2015 (1月23~25日、札幌)

2015年01月31日 08時04分18秒 | 展覧会の紹介-彫刻、立体
 
 2010年のときにも書いたのだが、さっぽろ雪まつりの小雪像が、誰でも知っているキャラクターなどに偏りがちなのに対し、海外ではもっとアーティスティックな雪像づくりが行われているという話を聞いたことがある。札幌でも大通公園の西11丁目で毎年実施されている国際コンクールは造形的にすぐれた作品が並ぶし、写真でしか見たことはないが名寄の国際雪像彫刻大会(International Snow Sculpting Competition JAPAN CUP in NAYORO)もなかなかのものらしい。

 というわけで、札幌の雪像祭である。
 昨年伺ったときは、吹雪だったが、ことしは夕ぐれで、美しい情景を見ることができた。
 厳しい冬を、このように楽しめるのはいいことだよなあと、すなおに思う。
 なお、これはコンクールではないので、賞などはない。

 これから全作品をアップするけれど、どうも題と作家と写真が対応していないような気がする。間違いがあったらどしどし指摘してください。ごめんなさい。




 千葉有造「cream」
 冷たい氷菓をあえて雪で造るというところがなんとなくおもしろい。
 シンプルな造形。




 清水宏晃「Naked Sun」
 ただの球よりも、穴ぼこがあったほうが、裸の太陽というか、太陽の骨格(というものがあったとして)があらわになった感じがして、力強い。
 清水さんは木彫家で、今回の実行委員長。




 板本伸雄「ボクはもうここをうごかない」。
 ことしのえとと同じ、羊がモティーフ。どっしりとした量感があります。




 若手造形作家の児玉晴美さん。
「ふたりっきり」は、熱さとシンプルさをあわせもった作品。




 野村裕之「自然の家」
 最近「家」を題材にした石の彫刻を発表している野村さん。
 今回の彫刻祭の中でもぶっちぎりで巨大な作品だった。
 中に入ることはできないが、壁の文様がきれい。塀もついている。




 北海道芸術デザイン専門学校「swell」
 正門から入って右側にあった唯一の作品。




 北海道札幌平岸高等学校「玉響」
 ガラス器のようなフォルムだと思った。




 この作品だけ、作者と題がわからない。ごめんなさい。
 こどもが中をくぐれるようになっている。

(追記)札幌平岸高等学校デザインアートコースの 「gocce」です。会場・主催の美術館の学芸員の方から教えていただきました。ありがとうございます。


 渡部陽平「融」。
 ねじのような、抽象彫刻的な作品。


 ところで、思いつき発言。
 この催しはたいへんいいと思うのだが、会場が、出品者にとっても見る側にとってもいささか遠いのは否定できない。
 1時間に1、2本しかないバスに乗り、いちばん近いバス停から徒歩で10分かかる(駐車場はあるが)。会期も、公開制作をのぞけば3日間と、非常に短い。
 これを機に、札幌彫刻美術館まで足を運んでもらえれば、という気持ちもあるが、しかしもっと多くの人に見てほしいと切に願う。
 この催しは、さっぽろ雪まつりと同時に実施してはどうだろうか。

 といっても、メーン会場の大通公園は1丁目から12丁目まで埋まっている(昔は、石山通までだった)。大通公園の西隣にある札幌市資料館の裏庭を使用すればいいのではないか。
 雪まつり期間中、資料館を訪れる観光客は実はけっこう多いのだ。ミニギャラリーではいつもどおり、アマチュアの写真展などが開かれているのだが、この期間中だけは、芳名録に道外の人の名が多くなるのである。
 制作途中の管理など課題はあるだろうが、検討してほしいなあ。


2015年1月23日(金)~25日(日)午前10時~午後5時半
本郷新記念札幌彫刻美術館(札幌市中央区宮の森4の12)

さっぽろ雪像彫刻展 (2014)
札幌雪像彫刻 (2010)



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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ありがとうございます! (清水宏晃)
2015-01-31 14:11:50
ブログに記事を書いていただき、ありがとうございます。
雫のさがったような作品は、平岸高校デザインアートコースの学生の作品で「gocce」というタイトルです。
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ありがとうございます (ねむいヤナイ@北海道美術ネット)
2015-01-31 14:24:15
追記した直後、このコメントを拝見しました。
ありがとうございます!

清水さんは主催者ということで、いろいろたいへんだったと思います。お疲れさまでした。

力作も短い命ですね。なんだかもったいない感じがいたします。
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どういたしまして。 (清水宏晃)
2015-02-01 01:01:37
私はその儚さも雪像の魅力だと思ってます。
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はかなさ (ねむいヤナイ@北海道美術ネット)
2015-02-01 05:26:08
なるほど…。
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