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田村陽子展「50名の記憶する足形」

2006年05月13日 05時40分51秒 | 展覧会の紹介-現代美術
 札幌のファイバーアーティスト田村陽子さんは、2000年の12月から、ほかの人の足形を取るというプロジェクトをつづけています。具体的には、麻系の糸(というか、紐のような太さ)を足にまいていくつも結び目をつくり、すっぽり足を覆うタイプのスリッパみたいなかたちにするというものです。糸というやわらかい素材でありながら足のかたちがそのままのこるのが、おもしろいと思います。
 片足でおよそ1時間ぐらいかかるそう。知る人ぞ知るシンガーソングライター兼イラストレーターの原マスミさんは、わざわざ東京の自宅まで、形を取りに行ったそうです。
 それぞれの足形は透明な樹脂の板に載せられ、横一列にならべられています。大柄の彫刻家のものは大きく、子どものは小さい。人間の足は、手や顔とはちがったふうに、その人となりを、語ります。手や顔が、その人をずばり語るのに対して、漠然としているからこそ、見る側が想像力を発揮する余地が大きくて、おもしろいのかもしれません。
 或るワークショップで、糸で足形をつくったのがきっかけで、山岸せいじさんを皮切りに足形取りを始めた田村さん。今後も、100人を目標につづけていくそうです。

5月10日-20日 11:00-19:00 会期中無休
ギャラリー門馬アネックス(中央区旭ヶ丘2の3の38 地図F

■北海道立体表現展03
■2002年7月の個展
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2 コメント

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不思議な足 (shino)
2006-05-13 23:05:07
まるで50人の人が勢ぞろいして並んでいるかのような錯覚を覚えました。

50人分を編んだパワーにも乾杯です。

実際に編んでいる様子の写真ファイルもあって、編まれるアーティストさんたちが各自様々の表情をしているのも楽しかったです。



作品を見ているうちに、なんだか「形見」っぽいと思って作家に申し上げたところ、実際に亡くなった方の分もあって、その一角が妙にしみじみと感じられました。



爽やかな初夏にピッタリの楽しい展示でした。

門馬ANNEXの奥のテラスから木蓮がきれいでした。

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Unknown (ねむいヤナイ@北海道美術ネット)
2006-05-14 12:39:50
shinoさん、いつもどうも。

編むには2時間かかるので、その時々の思いが、田村さんのなかに詰まっていくのでしょうね。
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