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■大崎和男 喜寿ひとり展「七つの秘密」 十勝へ(2)

2015年09月02日 20時49分08秒 | 展覧会の紹介-複数ジャンル
(承前)

 大崎さんは十勝管内新得町在住の元国鉄マン。
 SL(蒸気機関車)などの写真を撮るかたわら、絵筆を執り、さらに、型破りな陶芸もつくる。そこから派生して鉄の造形も手がける。
 また、現在、北海道新聞全道版の名物コラム「朝の食卓」の執筆陣の一人でもあり、詩や俳句も手がける。
 「七つの秘密」というのは、絵画、造形、俳句、写真、陶芸、詩、コラムの7分野のことであるらしい。

 北海道新聞十勝版の記事によると、作品総数は410点にも上るという。

 展示されている絵画はほぼ100号大で、40点ほど。
 絵画といっても相当型破りで、たとえば、冒頭画像の右側の作品は、廃品の鍵をびっしりと貼り付けて作られている。
 聞くと、十勝管内の国鉄広尾線や士幌線が廃止になったとき、「もう使わないから」ともらってきたものであるらしい。

 国鉄といえば、行き先の駅名が記されているスタンプ(学校で生徒名が刻まれていて、通信簿などに押すのと同じタイプ)をたくさん紙に押して、模様を作っている絵もあった。

 大崎さんというと、近年は水色を基調にした抽象絵画のイメージが強いが、冒頭画像の中央にもあるように、枠の中は糸を張って部品を組み合わせ、壁側が透けて見える作品もあるなど、(いい意味で)かなり型破りというか、自由に制作してきているのだなあ。

 なお、今回は題名が付された作は1点もない。




 こちらの右から2点目は、人の首をくくるのも、人をつなぎとめておくのもワイヤーであるということから発想した、というような話をご本人からお聞きしたような…。






 鉄のオブジェは、陶芸から発展したそう。
 陶芸といっても、これまた型破りの作品ばかり。

 写真も、長時間露光で夜の光を撮るなど、実験的なことをしている(SLや列車の写真、風景写真もあるけど)。


 大崎さんの自宅には、国鉄時代の列車のサボ(行き先表示板)など「お宝」が相当あるらしく、以前鉄道ファンが来たときは一日がかりで見ていったとのこと。筆者も「これから来ませんか」と大崎さんから誘われたが、帯広に行けなくなりそうなので、泣く泣く断念した。



2015年8月20日(木)~9月2日(水)午前9時~午後9時(最終日~午後4時)
新得町公民館(十勝管内新得町4南4)




・JR新得駅から約860メートル、徒歩11分


□大崎ミュージアム http://osakimuseum.com/index-japanese.html

【告知】大崎和男鉄道写真展「峠」 (2013年10月5日~14年2月2日、ニセコ)
「火夫の像」 (十勝管内新得町)
自由美術北海道グループ展 (2009)
自由美術/北海道グループ展 (2007)=画像あり
第53回写真道展・審査会員・会友写真展 (2006)


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