ぐらのにっき

主に趣味のことを好き勝手に書き綴っています。「指輪物語」とトールキンの著作に関してはネタバレの配慮を一切していません。

椿三十郎

2007年12月06日 | 映画
私としては珍しいジャンルの映画を、しかも公開1週目から見に行ってきました。早かったのは単に日程の都合ですが・・・
公開1週目のレディースデーなのにガラガラ・・・しかもレディースデーなのに観客はほとんど男性でした。こんなの初めて(汗)
予告を見たら松山ケンイチがいい感じかなーと思って見に行って見ました。
実はお友達のNちゃんがオリジナルの黒澤映画を絶賛してまして。かなーり昔ですが、椿の花咲く伊豆大島で彼女が熱く語っていたのが印象に残ってたので、どんな話なのかなというのが気になったのも見に行った理由のひとつでした。
(そんなに印象に残ってるわりに黒澤映画未だにみてなくてごめん・・・)
しかし、ちょっと不安も。今まで角川映画で面白いと思ったためしがなかったんですよね(汗)邦画を見に行く気が失せてしまったかなりの原因が角川映画にあったりもして・・・
でもまあ、とにかく見に行ってみました。
感想としては、まあ今まで見た角川映画の中では一番面白かった、と言っていいでしょう。おそらくはオリジナルどおりの脚本の力だと思いますが。
その一方で、「もっと面白くできたんじゃないか?」とも思いましたが・・・
決してつまらなくはなかったけれど、そんなにものすごく面白かった、というわけでもなかったです、トータルな感想としては。
特に、コミカルな場面をもっと面白くできたんじゃないかなあと。
松山ケンイチさんは期待どおりでした。特に千鳥が絡んだ時のおたおたした感じ良かったですねえ。特に、真剣に怒ってる時に千鳥がやってきて「んもう~」な感じが非常に良かったです(笑)
一方で、他の若侍があんまり上手くなかったな・・・(汗)
佐々木蔵之介さんの押入れ侍(勝手にそう呼んでたけど、ホントにそういうんですね(笑))も面白かった。出番少ないのに豪華なキャスティングだな・・・と思いましたが、あのくらい上手い人がやったから面白かったんですよね。いいキャスティングだと思いました。
最初出てきた時はほんとうにちょい役だと思ってたので、しばらく「この人佐々木蔵之介に似てるなあ・・・」とか思ってました(汗)
あと、気が弱い悪役の竹林の風間杜夫さんがいい味出してましたね~。この人も笑えました。
しかし、良かったなあと思ったのが実はこの3人だけでした・・・(汗)
あ、トヨエツの室戸はなかなかでしたが。まあこの人、三十郎を簡単に信用しすぎだったりと、キャラとしてはツメが甘い感じなのですが、彼が演じることで薄っぺらにならずに済んでいたように思います。
・・・いや、裏がありそうな渋い演技のわりに実は単純なキャラだった、というのが拍子抜けだったとも言えますが・・・
個人的にはトヨエツの三十郎が見てみたかったかも・・・(大汗)
悪役3人組みはもっと面白くできたような気がするけどなあ。小林念侍さんとか勿体無い感じでした。ただいるだけというか・・・
中村玉緒さんの奥方も、いい感じかな・・・と思ったんですが、うーん、何かもうひとつ。もっとすっとぼけた感じを期待してたのですが・・・
鈴木杏ちゃんの千鳥ももうひとつ・・・なんか中村玉緒さんとのコンビネーションが今イチ、だったかな。彼女もっと上手いと思ってたんだけどなあ。
どうも娘が鈴木杏で両親が中村玉緒&藤田まことというのはちょっと年取りすぎではないかと思うのですが・・・そういうもの? まあ、このくらいの御大じゃないと貫禄がない、というのはわからないでもないし、千鳥も若い方がいいのはわかるのですが。でも奥方はもうちょっと若い人でも良かった気が・・・
で、主役の三十郎なんですが・・・うーん(汗)もともと私の好みの役者さんじゃないというのもあるかもなんですが、なんかイメージ違うかなと・・・いやオリジナル見たことはないんですが・・・
真剣なシーン、特に人を斬った後の演技なんかは良かったのですが、コミカルな場面とか、もうちょっと余裕が欲しかったですかねえ・・・
なんかキャストの感想ばかりになってしまいましたが(汗)もともとの話が結構シンプルなので、コミカルなシーン如何で面白くなるかどうかが決まる話なのかなあ、と感じたもので。
部分的には面白かったけれど、もっと面白くできたのでは、という印象でした。
話としては、コミカルなシーンもありつつ、奥方の「いい刀は鞘に収まっているもの」という言葉や、人を斬った後の三十郎の苦しそうな姿など、「いい話」も上手く収まっていて、よくできてるなあと思いました。
事件解決までの流れはシンプルですが。もうちょっと三十郎と菊井の頭脳戦みたいになるのかと思ったら全然違った・・・
しかし、その割りに全体の印象は「まあまあかな」という程度・・・。だから、もっと面白くできたのでは、と思ってしまうのかも。
サントラは、黒澤映画をわざと模倣したような音楽にしたようですが、うーん、今の時代にあの音楽はちょっと違和感でしたねえ。

てな訳で今年見た映画の順位。
1.パンズ・ラビリンス / 2.恋愛睡眠のすすめ / 3.ディパーテッド / 4.それでもボクはやってない / 5.パリ、ジュテーム / 6.ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団 / 7.ミス・ポター / 8.300 / 9.拍手する時に去れ / 10.魔笛 / 11.ストリングス / 12.バベル / 13.マリー・アントワネット / 14.ボビー / 15.シッコ / 16.椿三十郎 / 17.スターダスト / 18.墨攻 / 19.トランスフォーマー / 20.あるスキャンダルの覚え書き / 21.ハッピーフィート 22.リトルレッド レシピ泥棒は誰だ!? / 23.ヘアスプレー / 24.自虐の詩
あれー、順位結構上だなあ・・・いいのかこれで?(汗)
あと、「スターダスト」の評価辛すぎだったかな・・・と思いなおしてちょっと順位上げてみました。

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11 コメント

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オリジナル (SOW)
2007-12-07 15:58:22
是非とも見てください。
今回のリメイクに意味があるとしたら、「オリジナルがどんなもんか気になるから見よう」という人が現れることだと思っているので(^_^;)
音楽はオリジナルを意識させすぎた監督の失敗だと思います。
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いつかぜひ (ぐら)
2007-12-07 19:53:04
オリジナル、やっぱり見てみないとですね。よくなかったところはもちろん、良かったところもオリジナルではどうだったかな、と気になりますし。
井坂伊織は加山雄三さんだったんですね~。どんなんだか想像もつきません!
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三船の三十郎はいいですよぉ (SAS)
2007-12-08 00:00:52
やっぱ三十郎は、世界の三船のものですよ。「用心棒」も面白いですよ~。三十郎二部作では、どちらかといえば「椿三十郎」より「用心棒」派です。黒澤作品については、名作「七人の侍」を去年はじめて観て感銘を受けたぐらいなんで、語る資格はあまりないのですが、これまたリメイクされるらしい「隠し砦の三悪人」も、お薦めです。「隠し砦」は、なんとなく、LotR好きにも相性良さそうな気がする黒澤作品なんで。
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見ちゃったデス (くまんちゅう)
2007-12-08 00:19:30
いや、これ目的じゃなかったんですけど、なんとなく。
やっぱりオリジナルは超えられないという法則を確認してしまった。
主役意外は上手くはまってたと思うけどいかんせん、主役のキャラが違いすぎでした。
LotR好きの話が出ているので、黒澤では「蜘蛛の巣城」がオススメ。下敷きがマクベスですが、森が動くかどうか注目してみるのもどうかな?
「隠し砦」はSWの元ネタだから要チェックでしょう。
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世界の黒澤! (ぐら)
2007-12-08 22:23:33
>SASさん
「用心棒」って三十郎の続編?だったんですね。
「用心棒」も「七人の侍」もNちゃんが絶賛してたなあ・・・
そういえば映画FotRの旅の仲間が名乗り出るシーンも「七人の侍」のまねっこ(オマージュ?)だそうですし、黒澤映画のLotRへ与えた影響も結構あるのでしょうね。
そのうち見てみたいです。「隠し砦の三悪人」も。

>くまさん
主演はねえ・・・。オリジナル知らない私でも、なんか違うんじゃあ、と思いましたもの。
主演が良かったらもうちょっと映画全体の印象も変わってたでしょうか・・・
黒澤映画、SWにも影響を与えてるんですねえ。やっぱり世界の黒澤ですねえ。
黒澤映画のおススメを色々教えていただいたので、そのうち見てみたいと思います。新文芸座とかでやらないかなあ・・・
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逆です (SOW)
2007-12-08 22:47:59
『用心棒』の続編が『椿三十郎』です。まあ、時系列がどうなってるか描かれてないので、どっちでもいいんですが。
『用心棒』が大ヒットしたので続編を作れと言われたものの、黒澤は続編に興味がない。たまたま別の小説の主人公を三十郎にして上手くいきそうなんで作ったという経緯です。コメディタッチなのは原作の味で、『用心棒』にはコメディ要素はあまりありません。黒澤自身は失敗作だと考えていたようです。
三十郎のキャラは三船敏郎に決めて脚本を書かれているので、同じ台詞で織田裕二がやるのは無理がありすぎますわ。どっちも同じくらいの年齢なのに三船は貫禄が……。
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用心棒が先ですか (ぐら)
2007-12-08 23:18:43
>SOWさん
「用心棒」が先なんですね。なるほど、「椿三十郎」が作られるのにはそんな経緯があったのですか。
コメディタッチなのとそうでないのとでは大分違うように思うので、続編としてはなんだか違う感じだったんでしょうかね。
最近の人は昔と同じ年齢でもずっと若く見えますが、それが災いしてる部分もあるんでしょうねえ。
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うらぁ~! ()
2007-12-09 20:40:43
○田○二~!
ちゃぶ台ひっくり返してやる~!
とび蹴りだー!
コブラツイストだ~!

以上。
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観ちゃったのね・・・ (ぐら)
2007-12-10 21:38:01
Nちゃん・・・?
観ちゃったのね~。ご愁傷様・・・(汗)

しかし、「椿三十郎」にこんなにたくさん反応があるとは思ってませんでした。やっぱり名作なんですね、オリジナル。これは観なければ、ですねえ。
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Unknown (いんどのとら)
2011-02-19 20:40:18
>コメディタッチなのは原作の味で、『用心棒』にはコメディ要素はあまりありません。黒澤自身は失敗作だと考えていたようです。

椿の原作は映画とはほとんど別物です。
椿の元になった脚本(監督は黒澤ではなく、自分の助監督だった堀川にまかせるつもりだった)の方は比較的原作に忠実なのですが、ラストは全く違うものに変えてます。
原作=追いかけてきた若侍に「実は、追いかけてくれるのを期待してたんです。」
脚本=追いかけてきた若侍に、にっこり笑って立ち去る。(決闘の場面などない)
ちなみにこちらの脚本の主人公に黒澤が想定してたのが押入れ侍役の小林桂樹だったのです。

それから黒澤は用心棒も椿も気に入ってますよ。
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