ぐらのにっき

主に趣味のことを好き勝手に書き綴っています。「指輪物語」とトールキンの著作に関してはネタバレの配慮を一切していません。

太平洋序曲2023

2023年03月27日 | ミュージカル・演劇

太平洋序曲については色々なバージョン見る度にブログに書いて来たので、今回も書いておこうと思います。

最初に書いておきますが、亜門版大好き人間ですので…💦
そして、これからご覧になる方にはネタバレですのでご注意下さい。
 
今回のバージョン、短縮されると言うので騒ぎになっていたそうですが、ジョン・ワイドマン氏の説明によるとカットされたのは菊の花茶1曲だと。
確かに、あの場面面白いけど、日本人が観ていて一番「???」となる場面でもあると思うので、まあありかなと。まあ「???」となるのが先送りになっただけとも言えるけど💦
突然将軍になった阿部、可愛かったけどな。香山との同志的な繋がりも、阿部の方があったと思います。
たまての自決も以前より自然な形になったかなと思います。菊の花茶とたまての自決、日本人が一番違和感を感じる場面だと思うので。
 
日本人が演じることで、日舞的な動きとか所作とか殺陣とかがカッコ良かったのは亜門版と同じくですね。
あと、歌が上手いキャストが揃っていたのは良かったですね。亜門版は見習って欲しい💦(アンサンブルは上手いけどメインキャストが…な亜門版💦)
山本耕史さんは歌が上手いだけでなく、語り手としての貫禄もあって、やっぱり上手いですね〜。
 
アンサンブルも上手い方ばかりで、プリーズハローとか圧巻でしたね。
今回の改定にあたって、香山と万次郎の物語に焦点を当てたそうですが、今までは香山と万次郎は少し目立つだけでナレーター以外は全員がアンサンブル、みたいなところがあってそこが好きだったんだけどな…
あと香山と万次郎の物語なら、香山を斬った後の万次郎もう少し感情が欲しかったな…
他にも黒船が来た時の庶民や大名の慌てぶりを示す場面がカットされていましたね。香山と万次郎の物語が主となるならなるほどという感じですが、物語のポイントが大分変わったなあとも思いました。異文化に遭遇した日本人、というのが主体ではないのですね。(もちろんそれもありますが)
(そしてじゃあ「木の上に誰か」はどうなんだよ、ともちょっと思ったり。ソンドハイムが一番気に入っていた曲らしいのでカットはあり得ないですけどね💦)
 
アンサンブルの出番が減った部分としては、帰り待つ鳥(There is no other way)が香山とたまてのデュエットになってましたが、これもありだなと思いつつ、第三者のシテが代わりに歌うからこその良さがあったのにな、とちょっと残念です。
本人たちが歌うとどうしても抑えた感じになるけど、第三者が歌うことで、哀れに思う感情をより豊かに表現できていたと思うんですよね。
たまての亡骸を見て立ち尽くす香山の代わりにナレーターが泣き叫ぶのもなくなって残念ですね。本人の押し殺した感情を代わりに表現するのが、とても日本的で良かったのですが。
 
太平の浮島(The Advantages of Floating of the Middle of the Sea)は、なかなか演出難しいですよね。以前ロンドンで観た時も観客は???と言う感じでした💦亜門版のリズムに合わせた演出はちょっと傑出していたなあ。割れんばかりの拍手が起きていたの、多分亜門版だけだと思う…(他のプロダクション1つしか見てないですけど(^^;)
黒い竜が4匹(For Black Dragons)あたりから曲の迫力に圧倒されて引き込まれて行った感じですね。漁師と盗っ人のお二人も良かったです。
 
俳句(Poem)は歌の上手いお二人で聞けて、いい曲だな〜と思いましたね。(海宝&ウェンツ組でした)
 
木の上に誰か(Someone on the Tree)は、老人が明治風の衣装になっていてなるほどと。(庶民は和装だった気もするけど…)
少年を女性がやるのもなるほど、と思いましたが、ちょっとキー高すぎかなあ。きれいに出てましたけど。
老人がだんだん元気になって、最後は木に登ってしまうのもちょっと泣けました。
でも、全体的に明るくて、切なさがもう少し欲しかったかなあ。目指している方向が違うのでしょうけど。
 
プリーズハローも面白かったです。皆さん歌上手くて、フランス提督は踊りも上手くて(笑)オランダ提督の風車が回った時には噴いてしまいました(笑)
ロシア提督のコート、朝海ひかるさんの将軍まで触りに行っていて可愛かった(笑)
しかし朝海ひかるさんはほぼずっとバカ殿みたいな将軍の格好で、カーテンコールも将軍の姿で、大丈夫なのでしょうか…💦
 
Nextは、やはり日本人の演出じゃないので、その後の日本に対してのメッセージ性はあまりなかったかな。どういう風に日本が変わったのかという視点が。まあ「かつて外国を受け入れなかった時代があった」という台詞からもそのあたりは伺えましたが。もともとそういうもの?
浮世絵風の背景が移動して行くCGの演出にはちょっと感動しました。曲との相乗効果の演出ですね。
 
訳詞はかなり話の流れがわかりやすいものになっていたと思います。特にボーラーハットとか。
発音的にも無理のない音節になっていましたね。Four black dragonsを「竜がよんひき〜」とか歌いにくかったろうなと💦
Don’t touch the coatも思い切ってコートを無視して「さわるな」だけにしてましたが、歌ではないけど曲の流れは良くなったと思いました。「コートに触るな!」も面白かったですけどね(笑)
 
ついつい亜門版との比較みたいな感想になってしまいましたけど💦やはり演出次第でどうとでもなる作品でもあるな、というのも実感しました。
そしてやっぱり曲が良いですよね。何度も書きますが、歌の上手いキャストで音楽を堪能できてよかったです。
良い作品なので、国内外問わずまたやって欲しいですね。また違う演出も見てみたいです。(今は海外でやられてもおいそれと観に行けませんが…)
亜門版もまたやって欲しいですね…!
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