「政府の唱える消費税10%をさしたる意見もなく既成事実として掲載する新聞業界だが、その新聞だけは特例によって減免することは筋が通らない」
子供のころに父純一郎の促しで国道16号線の隣家の並びにあった朝日新聞の販売所で、早朝の新聞配達をしていた進次郎氏の言だとすれば、より納得させる意見だ。
このブログでは産経新聞の一面コラムの筆風がおかしくなり、日替わりのように読者を惑わしていた頃のことを記したことがある。ながらく執筆していた産経元老院の前筆者が引退した頃のことだ。
筆者も永年の購読者としての眼で少しは落ち着いたと思ったら、今度は政権御用新聞と揶揄されるようになった。それからは東京新聞も併読している
「聖賢」ならまだしも、産業経済新聞なら為政者の意向に沿えば景気が良くなり、広告主も増えるとの算段だが、暗がりの道を歩く為政者の足元を照らす提灯(ちょうちん)新聞にならないことを念じている。
標記だが、その小泉氏が新聞業界の減免を御上に強請(ねだる)姿勢に一言を投じた。
一方の評者は裏読みをした。
「安倍政権に対して旗幟を明確にはしていない小泉氏が新聞業界にブラフのようなことを言えば、逆に憲法でも消費税でも慎重な論にせざるを得なくなる。そう考えてもよい・・・」
の類の論旨で書かれていた。
それは中堅となり、少しはハナシの通し方を覚えた小泉氏が、その発言力をテコに権力にこびを売ったかのような論調だ。
親父純一郎も愛用していたスカジャン (横須賀ジャンバー) 写真はイメージ
彼はよく「スジが通ってない」ことを歯に衣着せず発言している。
ましてや魑魅魍魎な欲の交差点のなかで、彼以外にこの種の発言をしたら親分から叱責され変わり者あつかいされて当然な世界だ。
彼の意見が幼き頃の早朝に駆け回った横須賀の同僚をおもい、その下座観を抱いて経営者の変質を、言論界の堕落として俯瞰視していたとしたら、他言は気にすることはない。まして他と異なることを恐れない気概は背景に自裁すらいとわない責を有しているはずだからだ。
一言で流れが変わる選挙で大敗する者もいた。みなその口舌に気を付けて萎縮している。
そんな中で、気概ある意見を求め期待される数少ない小泉氏の角を矯めてはならない。
「進ちゃんには感心したょ」
老いた新聞配達の同僚の思いは忘れてはいならない。