池さんで働くおばさんの日記

デイサービス「池さん」の大ちゃんママのブログです。

言葉が心に沁みる時

2023-02-19 22:28:06 | デイサービス池さん

どんなに大切な言葉を伝えようとしても、聞く人が聞く気になって聞かなければ、心には届かない。

言葉は心に沁みずにボロボロと口元から零れ落ちてしまう。

どんなに大切な言葉を伝えようとしても、伝える方法を間違うと心には残らないだろう。

 

子育ても一緒。

かつて学んだ母子相互の働きかけの指針に

「 目標の正しさ  方法の巧みさ  適切な時期 」

というのがあった。

確かな言葉を誰かに伝えようと思う時、

いつも、いつ、どんなふうに伝えたら心に届くかを考える。

そして、その言葉が、

どんなふうに心に刻まれたかを考える。

もし、その時にその言葉が心に届かないとしても、

大切なことは方法を間違えずに伝え続けていると、

「その時」が来ると必ず心に蘇る。

言葉は形を持たない。

形のない言葉によって、人は傷つくこともあるけれど、反対に救われたり、癒されたり、暖められたりする。

言葉の重みは、無限大。

言葉の力も、無限大。

人の心に届く言葉を発することができるように、

優しく大きな心で、生きられるよう、

日々精進したいと思う日々。

 

庭の梅も咲き始めた。

何年かぶりに押し入れからお雛様をだして飾る。

私と娘のお雛様と、大正の時代を生きた義母や義姉たちのお雛様も一緒に並んで、座敷一杯に懐かしい空気を漂わせている。

戦争を生き、幼かった時代は苦しい時代だったにちがいない。

けれども、一緒にお雛様を見る人たちは苦しさだけでなく、暖かい言葉を語ってくれる。

お人形にまつわる記憶は、暖かくて懐かしさや愛しさと共に、皆の記憶に刻まれているのだと思う。

若い人には、たくさんの優しさと暖かさに溢れた言葉に満ちた人生を、生きてほしいと思う。

 

言葉の力を信じて。

信じた言葉を支えにして。

 

 

 

 

 

 

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立春には

2023-02-05 21:18:27 | デイサービス池さん

自宅前の梅の木。まだ硬い小さな蕾に、ほのかな赤い色と白い色がつきはじめています。

池さんの玄関の前のさくらんぼの木も、花芽がついています。

雪柳の木には白い花が咲き始めました。

大頭の池さんには、水仙と菜の花がたくさん咲いています。

こんなに寒くても、強い風が吹いても、山に雪がかかっていても、

戦車が火を噴き、爆弾がアパートに落ちていても、

沢山の人が亡くなり、子どもたちが怯えていても、

お腹を空かせた人たちが未来を語ることができないとしても、

木は若葉の用意をし、蕾を育て、季節が訪れると美しく花を咲かせてくれるのです。

 

人の愚かさを知りながら、

社会の矛盾を感じながら、

世界の行く末を案じながらも、

時は過ぎ、春めく風景に心が緩んでいきます。

 

体調のすぐれない人が、ちょっと良くなったり、

食欲のなかった人が、ご飯を食べてくれたり、

人と関われなかった人が、お弁当が届く日を楽しみにしてくれたり、

独りぼっちの人が、手紙を書いてくれたり、

驚くほどの野菜を持ってきてくれたり、

先の見えない大変な世の中だけど、

池さんに繋がっている沢山の小さな命と優しさのおかげで、

毎日の出来事が、

限りなく大きな感動と喜びに繋がっていることを、

いつも感謝しています。

 

小さな暮らしと小さな日常を、

大切に大切に慈しんで、

新しい春を過ごしたいなと思っています。

立春。

春はもうすぐそこまで来ています。

 

 

 

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