池さんで働くおばさんの日記

デイサービス「池さん」の大ちゃんママのブログです。

沢山の人の想い

2021-11-29 21:38:40 | デイサービス池さん

16周年を過ぎた池さん。

いろんな状況は厳しくて、頭の痛い時期が続く中にあるけれど、でも辛いことばかりではなくて、嬉しいこともいっぱいある。

沢山の人たちが毎日池さんに想いを寄せて下さっていることに、改めて感謝の気持ちが一杯になる。

沢山の人の想いは、皆を暖かい気持ちにしてくれる。

 

朔風払葉(北風木の葉を払う)

紅葉した葉を散らすような風が吹く季節だけれど、今日も池さんの皆の心は満たされたように暖かで穏やか。

沢山の人たちが、いろんな想いを届けてくれる。

ご近所さんも遠方の方も、

「皆で食べてよ~」と言いながらいろんなものを届けてくれる。

そんな沢山の方たちの気持ちを大事に想うから、頑張ってご飯を作る。

今日も頂いたもので一生懸命ご飯を作る。

 

お迎えに行くと、

「おはよう。菜っ葉持ってきたよ~。」

「おはよう。大根食べてよ。」

ばあちゃんたちのおはようという声と一緒に、野菜が車に乗ってやってくる。

夕方の送りの時、

「今度は、芋を持ってくるけんね。」と笑いながら、ばあちゃんたちが帰って行く。

「ありがとう。よろしくね。」と皆を見送る。

 

みんなが持ってきてくれたお野菜は、間違いなく地産地消。

知り合いが育てて、知った人が消費するから知産知消。

池さんの自慢。

有難すぎて涙腺が緩む池さんの自慢。

大切に想ってくれる人がいることに感謝しながら、

そんな想いに胸を熱くしながら、

今日も菜っ葉を刻む。

 

美味しいお弁当は他にもあるだろうけれど、

沢山の人の想いがいっぱいの材料で作ったご飯だから、池さんのご飯は誰にも負けない。

なので、想いを込めて大根を刻む。

決して豪華ではないけれど、

おしゃれではないかもしれないけれど、

たっぷりと愛情を込めて、

今日もお芋を茹でる。

ご飯を炊く。

皆の笑顔を想いながら、

今日もお汁を沸かす。

池さんのご飯は、16年前と何にも変わらずに、

いろんな人に支えられた、

質素だけれど、贅沢なご飯。

皆の想いが込められたご飯。

 

小雪の頃。

人の優しさに心が緩む冬の日。

11月も終わり。

今年もあとわずか。

 

 

 

 

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不合理な世の中

2021-11-24 22:58:24 | デイサービス池さん

「世の中、不合理なことばかり」というワードを目にした。

 

確かに、世の中、結構いろんなことがいっぱいあって、

不合理だなあと思うことが結構目につく。

不合理というか、理不尽というか、無茶苦茶というか、

まあそんなことが確かに多い。

格差だらけの社会、一生懸命働いても苦しい生活はよくならず、求人と採用のアンバランス、

政治と透明感、ばらまかれる支援金。

石油の価格、発電所の再稼働、エネルギー政策の未来にみえるものは。

大海を流れる軽石の量。

世界では、思想統制や社会を制圧する力は増大し続けて争いを生み出している。

国を捨てる人は増え、子どもたちは飢え苦しんでいる。

遠い世界の話だけではない。

近くにも気づかないけれど、いろんな理不尽が存在する。

手を差し伸べられなくて、人間の暮らしとも思えない暮らしを続けるしかない人の命があり、

学校では早朝から大声で怒鳴られる子どもたちの姿があり、

心無い飼い主の下で、哀れな環境で生きるしかない犬や猫の命もある。

廃棄される食材があまたあり、

消費社会に疑問を持たずに駆り立てられてゆく人の姿がある。

 

どうすれば、世の中の不合理なことに納得できる答えが見つかるのだろう。

無茶苦茶な事柄に、正義の姿を見いだせるのだろう。

穏やかな姿になるのだろう。

暖かい姿に変わるのだろう。

 

世の中に存在する理不尽に、最近ひどく胸が痛む。

胸は痛みつつも、終わりの見えかけた自粛生活にやっぱり嬉しい部分もあって、つくづく私って身勝手な生き物だと思ったりしている。

どこに行っても沢山の人に出会うようになってきて、

でもまだちょっと人ごみに慣れていない自分を感じた時に、

不安と嬉しさが交じり合ったような気持ちになる。

 

社会に存在する不合理に、大いなる矛盾を感じつつも、

怒りだけでなく、

あきらめでもなく、

ただ必要な時にはちゃんと感じて、気づいて、判断できる自分でありたい。

そんな風に老いてゆきたいと思ったりする。

 

 

 

 

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16周年です

2021-11-15 21:25:51 | デイサービス池さん

本日、池さんは16周年です。

今日まで支えて下さった皆様、本当にありがとうございました。

いつも池さんを応援して下さっている皆様、感謝です。ありがとうございます。

皆の想いと、皆の支えで、今日まで無事に池さんを続けてくることができました。

感謝です。

 

「あの人はこれ好きよね」と皆の顔を思い浮かべながら、心を込めてオードブルを作り、皆でノンアルコールでお祝い。

ノンアルなのに、なぜかほろ酔い気分の殿方に、鯛のあらにかじりつく人や、死にそうな顔でやってきたのにエビに夢中の人や、サンドイッチとフルーツ一緒に食べる人なんかがいっぱいで、いつものカオスに、鼻の奥がやっぱり今日もツンとする。

こんな賑やかでどうしようもない皆と一緒に、

今日という一日を過ごせることが、悩ましいほどに嬉しい。

反応は人それぞれ。

でもみんなが美味しいと言ってくれる食事を用意できることが嬉しい。

例え嬉しいと言ってくれない人でも、いっぱい食べてくれることが嬉しい。

 

池さんは16周年。

16年の間、池さんのご飯を作って来れたことが嬉しい。

年取って、いろんなことができなくなっていっても、食べることは最後までできるし、できるだけ最後まで美味しいと言ってご飯を食べてほしいと思う。

いろんな悩みはあるけれど、

皆の食事を作れることが、嬉しい。

元気の源のご飯を作れることが嬉しい。

 

ここで、

みんなと一緒に過ごせることが、

ただただ、

嬉しい。

 

17年も皆でお祝いしようねと約束して、お腹いっぱいになって、みんな笑顔で帰って行った。

 

17年めの新しい時間が、

ここに集うじいちゃんばあちゃんたち皆にとって、スタッフの私たちにとっても、

意味深い時間を生きることにつながるよう、

悔いのない毎日になるよう、

笑顔で生きてゆけるよう、

願っています。

祈ってます。

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家族の姿

2021-11-12 22:42:06 | デイサービス池さん

秋も深まってきた。

イチョウの木も少し紅葉し始めた。

久しぶりの雨続きの週末。

石鎚山に連なる山も山頂には雪が見える。

冬が近い。

いろんな出来事目白押しの昨今。

悲しかったり切なかったり、嬉しかったり、驚いたり、何もない日はまったくない。

まごのてでも、デイでも。

それらの出来事の多くは、複雑で絡み合ったりもつれ合ったりしていて、でも日常の中にある生活の一部。

1人の問題ではなく、家族や兄弟や親戚などの問題をも含みつつ、単純ではない多くの問題も存在しながら進んでゆく、

当たり前の暮らしの中の問題。

人がいて、老いてゆき、支援が必要になり、新しい暮らしを組み立ててゆく必要が生まれる。

誰かが考え、誰かが決めてゆかなければならない。

決めるのは、ほとんど家族。

その家族のありように、いろんな想いを感じる今日この頃。

 

良いか悪いかの問題ではない。

どの家族がいいとかの問題でもない。

いろんな家族があり、いろんな暮らしがあり、いろんな生き方があるということ。

そのことは、紛れもなく事実であり現実だということ。

 

「何かを選択しなければならない時」

どう選択するか、どの道を選ぶか、ということは大切なことだけれども、

でも、本人の気持ち最優先・・・とはいかない。

なぜなら本人は老いていて、判断力もなかったり、記憶力も弱っていて、重要な出来事を判断することができないと思われているのだから。

どう生きてほしいとか、どう暮らしてほしいとか、一人で暮らせないとしたらどんな支援が必要かとか、どんな生活が望ましいとか、いろんなことを考えて、いろんなことを決めてゆかなくてはならない。

本人か、家族か、たまに兄弟や親戚。

 

いろんな家族がいる。

いろんな暮らしがある。

どの家族も一生懸命生きている。

 

時に苦しかったり、悩ましいこともあるだろうけれど、

人々の、その暮らしの中に、

辛さだけでなくて、

誰かを想う暖かな気持ちや穏やかな愛情が存在したら、

わずかでも笑顔や感謝が生まれたら、

家族の長い歴史の中で生まれた問題や葛藤を、

仕方ないという言葉で自分を納得させることもなく、

分かれ道で迷い、例え選んだ答えがどうであろうと、

悔いのない時間を生きることができるのではないかと思う。

 

出会うべき人と出会えたか、

一緒に歩んでくれる人を見つけることができたかどうか、

最初のボタンを掛け違えることがないように、

分かれ道で、迷ったら、

悔いが残らないよう、

道を見つけてほしいなと思う。

 

池さんも新しいメンバーが増えた。

今まで長い間支え続けてくれているご家族さんたちも、最初は知らない者同士。

長い時間を一緒に過ごし、家族の生き方や想いを知ることで、深くて太い糸で結びつくことができた。

新しいメンバーとは、家族とのお付き合いもはじめの一歩から。

信念を理解してくれる家族や、ここを本当に必要としてくれる人たちと共に、

これから先の時間と最後の時への道のりを、

一緒に生きてゆけたら、と思っている。

 

 

 

 

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柊木犀の秋

2021-11-05 23:23:45 | デイサービス池さん

始めて見た木・・・「柊木犀」ひいらぎもくせいと読むそうで、皆さんご存知~?

モクセイ科モクセイ属の常緑小高木。

ヒイラギとギンモクセイの雑種と考えられているそうだけれど、葉はヒイラギ、でも花はギンモクセイと同じ白い花で、香りはモクセイ。

始めて見た。

キンモクセイが香り始め、あ~秋だな~、お祭りは終わったけれどキンモクセイの香りはやっぱり季節感感じるな~とか何とか乙女チックに考えていたら、なんと、なんと、ヒイラギモクセイを河渕じいちゃんの娘さんから頂いた。

ギンモクセイという白いモクセイがあるのは知っていたけれど、ヒイラギの木にモクセイの花が咲くなんて・・・と皆で感動して、朝から皆でじいちゃんの話で盛り上がった。

じいちゃん家のこのモクセイは、長い間花をつけることがなくて、娘さんの記憶では30年以上咲かなかった花らしい。

その珍しいヒイラギモクセイが花をつけたから皆で見てください、とわざわざ届けてくださった。

じいちゃんが亡くなって初めての秋。

今まで咲かなかった花が咲いたと言って、わざわざ届けてくださった娘さんの心。

その心には、じいちゃんという人が今もいて、ずっと池さんと繋がっている想いが伝わってきた。

白いモクセイは優しい香りを、池さんの室内に漂わせている。

その優しい香りは、じいちゃんの笑った顔を思い出させてくれて、沢山の思い出をよみがえらせてくれ、なんだか、涙が溢れそうになる。

 

もう長い間、毎年秋田からお米を送ってくださる阿部さん。

池さんものがたりにも登場した伊藤さんの息子さん。

お便りに書いてあったけれど、お米作りも委託されるようになって、圃場整備で田んぼも整理されたりしている状況の中でも、いつもと変わらずお米を届けて下さった。

伊藤さんが亡くなって長い時間が経ったけれど、今年も池さんを想って頂いたことに感謝しかない。

お元気でお過ごしなのだろうな~、直子さんとも長い間お会いしてないな~、お元気かな~とか考えながら、一緒に過ごした時間、一緒に大保木に出かけたことや、一緒にビールを飲んだことなど思い出し、温かい気持ちが心に満ちてきて、涙がこみあげてくる。

 

あっこさんが亡くなって初めての秋。

いつも沢山のお野菜を息子さんが届けてくださる。

野菜取りに来てよ~と言って下さったので、まごのてメンバーと一緒に伺う。

人参の間引き菜、サツマイモ、春菊、白菜、冬のメニューに欠かせないいろんなお野菜を頂きながら、話す。

ばあちゃんがあ~言いよった、そうそう、こ~言いよった、そうそう、よういいよったね~、そうそう・・・あっこさんの元気だった頃の口癖やおしゃべりのことを今も一緒に話し合える。

お野菜を収穫しながら、いろんな話で盛り上がる。

笑っておしゃべりしながら、心には写真のように、いろんなシーンが蘇る。

夏が来て、秋が来て、あっこさんがいた時以上に、今もこうして、池さんを想い続けて頂いていることに感謝。

心が温かくなり、気持ちが優しくなり、鼻の奥の方がツンとしてくる。

 

いろんな時間を過ごすうちには、楽しいことばっかりじゃなくて、辛いことやしんどいこともたくさんあって、めげそうになる時がある。

もうどうにもならんと思う時もあって苦しい時もある。

でもそんな時、必ず誰かが力をくれる。

今まで、ずっとそうだった。

どこで、誰が、見ているのだろう、と思うほどに

確かに誰かが見てくれていて、

弱った時には必ず力をくれる。

誰かが訪れてくれて、

懐かしい話をしてくれる。

懐かしい時間を一緒に振り返ることができることこそが、

新しい一歩を踏み出す力に繋がってゆく。

大きな力を貰うことができる。

その力とは、池さんを続けてゆく力。

 

感謝の気持ちは、謙虚に生きることを教えてくれる。

初心を忘れないことは、慢心を戒めることを教えてくれる。

人を大切に想うことは、人と共に生きることを教えてくれる。

人は一人では生きられない。

誰かの力を借りながら、誰かの力になりながら、誰かと共に生きてゆけたら。

優しい笑顔で、穏やかな笑顔で、絆を暖かく育んでいけたら。

そんな素直な気持ちにさせてくれたヒイラギモクセイの香り。

ツンとする鼻をこすりながら、自分自身を戒める。

やっぱり年をとったせいか、

最近、涙もろくなってきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

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