池さんで働くおばさんの日記

デイサービス「池さん」の大ちゃんママのブログです。

連休

2020-07-27 20:25:07 | デイサービス池さん

本当ならオリンピックの開会式が盛大に行われ、本当ならそのためにお休みになったはずの金曜日に、本当なら夏休みが始まってウキウキの子どもたちがいるはずなのに、日本だけでなくどの国の人々も、まだまだ終わりの見えない日々を生きている。

気がつけば7月も早や月末が近づき、今月もまた時間の速さに戸惑いながら暮らしている。

 

休み明けの池さん。

4連休のグループと、土曜日利用したから2連休の人たちと、利用日週1回で連休関係ない人もいる。

土曜日、2連休明けの日。

たった2日。

それでも、2日ぶりに見る見慣れたはずの顔は、どの顔もいつも毎日見ている顔とはちょっとだけ違って見えた。

ボサボサの髪にボーっとした表情。

水分足りてないだろうなという感じの人たち。

 

2日という時間がどんなに長かったかと思いつつ、

送迎の車から降りてくる人を見ると、いつも、

「会えてよかった」と思う。

「今日も来ることができてよかった」と思う。

心の中の深い所で、

「あ~よかった」と鼻の奥がツンと痛くなる自分がいる。

休み明けの時、

いつも、

鼻の奥が痛くなる。

涙もろくなった自分に気づく。

 

 

 

 

 

 

 

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まちがってますけど・・・

2020-07-16 21:02:04 | デイサービス池さん

久々のおばあさんネタ。

 

1番目のおばあさん。

今週90歳を迎えたばかりの元気なおばあさん。

昼下がり、最近肩や足腰が痛むワタクシはおばあさんの座っている椅子の前に座ってこう言いました。

「肩が痛いんじゃけど、凝ってないか見てくれる?」

おばあさんはワタクシの肩をしばらくもんでこう言いました。

「凝ってなんかない!」

そんなはずはありません。肩は確かにコリコリで、頭まで痛いくらいです。

「本当に凝ってない?」

おばあさんはもう一度、肩を揉んで言いました。

「あんた~、いっつも遊びよんのに、凝ったりするかい!」

これでも、結構仕事しとるんです!

おばあさん、あなた、まちがってますけど・・・・・(泣)

そこで、今度はこう聞いてみました。

「私の年いくつに見える?」

おばあさんはしばらく考えてこう言いました。

「私より3つか4つ下か?」

ということは、ワタクシは86ってか?!

おばあさん、大変、まちがってますけど・・・・・(泣)

 

仕方がないので、2番目のおばあさんの所へ行きました。

おばあさんは、94歳です。少し耳が遠いけど、しっかりものの元気印です。

「肩が痛いんじゃけど、凝ってないか見てくれる?」

おばあさんはワタクシの肩をしばらくもんでこう言いました。

「凝ってなんかないよ!」

そんなはずはありません。肩は確かにコリコリで、頭まで痛いくらいです。

「本当に凝ってない?」

おばあさんはもう一度、肩を揉んで言いました。

「凝ったりなんかするもんか!痩せとるんじゃから!」

いえ、痩せていることと肩こりは関係ないと思います!

おばあさん、なんか、まちがってますけど・・・・・(泣)

今度はこう聞いてみました。

「私の年いくつに見える?」

おばあさんはしばらく考えてこう言いました。

「私より5つくらい下か?」

ということは、ワタクシは89ってか?!

おばあさん、あなたも、大変、まちがってますけど・・・・・(泣)

 

もっと仕方がなくなったワタクシは、3番目のおばあさんの所へ行きました。

3番目のおばあさんは90歳です。

どうせ肩は凝ってないと言われると思ったので、今度は年だけ聞いてみました。

「私の年いくつに見える?」

おばあさんはしばらく考えてこう言いました。

「私より10くらい下かね?」

ということは、ワタクシはやっぱり80歳ってか?!

おばあさん、あなたも、やっぱり、まちがってますけど・・・・・(泣)

 

というわけで、ワタクシはちょうど帰る支度ができた4番目のおばあさんに聞いてみました。

おばあさんは、あまりしゃべりません。

なので、ワタクシはボードにこう書いておばあさんに見せました。

「私の年は何歳でしょう? 50歳・60歳・70歳・80歳・90歳」

おばあさんはボードとワタクシを交互に、何度も何度も見て、指で「60歳」を指しました。

ワタクシはあまりに嬉しくて、思わずおばあさんの首に抱きつきました。

おばあさんも嬉しそうに笑ってくれました。

いえ、いえ、50歳と言われて喜ぶならわかるけど、本当に60歳(62歳)なのだから、60歳と言われて喜ぶのは、正解なのかまちがっているのか・・・

ワタクシ、なんか、まちがっているような・・・・・(泣)

 

あまりにまちがっている人たちを前にしたものだから、一体どうなのか、さっぱりわからんようになってしまった昼下がり。

みんなで大笑いした昼下がり。

 

さつきさんが言いました。

「テレビで見たけど、よく笑う人は元気ならしいよ!要介護にならんらしいよ」

皆が感心して口ぐちに言いました。

「へえ~?ほんと~?やっぱりね~! 池さんにおるとよう笑うもんね~~~(笑)」

「そうよね~、やっぱり元気よね~!」

いえ!

いえ!

みんな!

まちがってます!

ここにいる人は、

全員要介護者ですけど・・・・・

みんな笑っているけど、要介護状態ですが・・・・・

 

平和な昼下がり。

肩こりも足の痛みも、年がいくつでも、なんか、何にも関係なく思えてくる昼下がり。

いくら一生懸命仕事しても、毎日「遊んでばかり」と言われ続けるワタクシたちは、一体・・・・・(泣)

ひょっとして、そこもまちがってます???

 

 

 

 

 

 

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今学ぶべきこと

2020-07-12 18:13:33 | デイサービス池さん

再びウイルス感染者数増加のニュース、毎年のように発生する豪雨災害。

愛媛県南予で起きた豪雨災害から早や2年。

そして日常がある。

ため息の出るような時代を生きてゆく。

 

この時代は、一体何を教えてくれているのか。

困難な時代から、私たちは何を学べばよいのだろう。

眠れない夜に天井を見ながら考え続ける。

 

感染数が再び増加し「新しい生活様式」という言葉が耳に届く。

人と接触をせず、大声を出さず、消毒を欠かさず、学校でも群れない、前を向いて黙って給食、可能な限りリモートで・・・

ウイルスへの脅威は、人と人の関係を切り刻む。

恐怖心が、過剰な反応を生み出してゆく。

人と人の関係を断つことが「これからの世の中の新しい生活」ではないはずなのに。

ただそれは、「ウイルスへの感染対策」でしかないはずなのに。

「長期的な感染対策」のはずなのに。

まるで「このルールこそが新しい時代の生き方なのだ」と、無理やり思い込まされているような気がして嫌になる。

本当は、皆で手をつなぎ、大きな声で応援し、泥だらけで遊び、団子のようにコロコロと集まって青春を楽しみ、賑やかに楽しいご飯を食べ、目を見て話を聞き優しく背中をさする・・・

今まで当たり前だった人との距離や交流は、これから先も当たり前であるはずなのに。

いいえ、当たり前であってほしいと願うのだけれど、

時代は変わる。

いくら嫌だと言っても時代は進み、必然的にリモート化されていくであろう未来の社会。

だからこそ余計に、人と人の関係がこの世界の基本だと信じていたい。

 

この社会で育つ子どもたち。

次の世代を担う子どもたち。

いつ起きるかもしれない地震や豪雨、今日もどこかで災害が、という時代に生きる子どもたち。

ウイルスで登校もままならず、勉強は自宅学習、授業は中途半端、テストかと思えば大雨警報発令で自宅待機、休みかと思っていたら午後から学校。

この子どもたちは、一体この時代から、この社会から何を学ぶのだろう。

自分の意思とは関係ないところで起きるどれもこれも、何もかもを嘆いても仕方ない。

どうにもならないことを学ぶのだろうか。

いくら抗っても、世の中にはどうしようもないことがあることを知るのだろうか。

例えどうにもならなくても、あきらめずに生きることを学ぶしかないのかもしれない。

天災もウイルスも一人ではどうにもできなくて、やはり最後は、自分なりの精いっぱいを生きてゆくしかないのかもしれない。

 

テレビのスイッチを入れてみる。

最初は馴染めなかったリモート画面の番組にもだいぶ慣れてきた。

収録ができないために、かつて放送した番組など再放送してくれるのは結構面白かったりするし、精いっぱい工夫した結果の放送なのだろうと思うと、なんか大変だな~と思ったりするけれど、それにしてもこんな状況でいち早く収録できたりするのは、本当に安易な番組だったりするものだから、そんなテレビを見ていると、もう少しましな内容にならないものかと、数か月前と何一つ変わらない娯楽番組になんかモヤモヤする気がしてくる。

多くのことが変わることを余儀なくされる時代の中にあって、世の中の早い動きに踊らされず、これはこれでいいのだろうかと思い返し、これはこれでいいのだと考えて、これはどうなのだろうと疑問に思う、判断力を失くさない自分でいたいと考えたりする日曜日。

 

人も自然も、永遠は存在しない。

災害や戦争や破壊、何かが起きるたび、昔から人々は淡々と生活のかけらを集めて、再び生活を構築してきたに違いない。

時代と共に価値観や生き方も社会のありようも秩序も、大きく変化してきたのだから。

流れてゆく時代の中に生きていることを自覚しつつ、毎日を過ごしたいと思う。

 

再び豪雨が降るというニュースが、今日も流れている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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雨が続き

2020-07-07 22:52:42 | デイサービス池さん

梅雨とは言えない豪雨が続き、再び多くの地域で大きな災害となっています。

ニュースの映像が胸に響きます。

観光バスの経営者の人の言葉。

「コロナがやっと落ち着いて、やっと人が動き出し、やっとバスにウイルス対策をして、やっと仕事ができると思っていた矢先の豪雨。そしてすべてのバスが水没しました。」

言葉が見つからないほど、かける言葉などどこにも見当たらないほど、心が萎えるというのはおそらくこんなことなのだろうと、その人の絞り出すような声が耳に残って離れません。

2年前の今日、愛媛県の南予でも同じ災害が起きて多くの犠牲者を出しました。

毎年のように繰り返される豪雨災害。

今日、このあたりでも豪雨、やっと再開した学校も休校。

感染の予防を行いながらの避難生活、復旧作業、泥の除去、考えただけでも心が痛みます。

単なる梅雨前線というより、地球規模の大災害。

襲い掛かるいろいろな脅威や災害をどう受け止めればいいのか、わからなくなりそうです。

とりあえず、一日、一日、どうか皆様無事に過ごせますようと七夕の夜に、

今だ雨の降る空に、祈りたいと思います。

まだ当分、雨が続きます。

 

 

 

 

 

 

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半夏生

2020-07-01 23:52:23 | デイサービス池さん

本日7月1日。

早やすでに今年も半分の時間が過ぎて、夏至から11目の今日は「半夏生」(はんげしょう)

半夏生と言うのは、もともと草の名前らしく、和名で「片白草」と言われる草。

7月初旬から花を咲かせ、葉の数枚の一部だけが白くなることから半分化粧をしているように見えるので「半化粧」

その後転じて「半夏生」となったらしい。

昔は夏至から半夏生までに田植えを済ませるとよいと言われていたそうで、おそらく半夏生頃は天候も不順だから、田植えの後の身体を休めることができるようにという知恵で、物忌みの日ともいわれている。

草や野花、自然界のありとあらゆるものから、生きてゆくうえで必要な目安や考えるポイントやヒントを言い伝え、それが今でも慣習として残っている。

 

そして今日、7月1日はここらあたりの信仰の拠点の石鎚山のお山開き。

本当は昨日から石鎚神社のご神体が、神事の後町内を回り、私たちも皆でご神体をお参りしに追っかけするのだけれど、今年は神事も信者さんだけで行うとのことで、とても残念だったけど、それでもやっぱり7月1日、池さんの部屋の中の神棚に手を合わせて、石鎚山を想いながら、皆でお祈りした。

皆が祈る。

豊かな山が守られて、豊かな水が保たれて、豊かな海に繋がって、豊かな幸を与えられるように。

手を合わせる。

 

いにしえの人々が守り続けてきた伝統や言い伝えに耳を澄ませ、その真意に心を寄せる時、

今のこの時代を生き抜いてゆける確かな知恵や心の持ちようが、明らかになるのではないだろうかと思ったりする。

大いなる自然の姿と確かな言い伝えは、暮らしの中の様々な場面で多くの真実を、私たちに教えてくれているような気がする。

 

世界の中の争いが絶えないニュースを目にするたび、政治の内側を耳にするたびに、社会のよどみを感じるたびに、心に棘が刺さるような感覚を覚えるけれど、振り返って近くをみれば、ただ無心に神棚に手を合わせる老人の姿に、(介護を受け入れる身でありながら)ただ祈る姿に、いつも心を動かされる。

命を削りながら多くのことを私たちに教えてくれる老人の姿は、古くからの言い伝えと同様、大きくて大事なものを、本当に大切なことを、常に人間の真実を、包み隠さず目の前に明らかにしてくれているようで、私はいつも心を動かされる。

 

今日頂上に上がったご神体が山を下りてくる7月10日頃、大雨が山を清め、そして暑い夏がいよいよ始まる。

今年も、夏がやってくる。

 

 

 

 

 

 

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