池さんで働くおばさんの日記

デイサービス「池さん」の大ちゃんママのブログです。

醤油蔵

2014-06-30 21:20:16 | デイサービス池さん

久しぶりの休日。

志に共感して、いつも取り寄せている小豆島のお醤油屋さんを見学に出かけたワタクシ。

ここのお醤油でいただく冷奴は、我が家の夕食の定番なのでね。

 

昔からのお醤油蔵。

今は5代目の方が、お醤油を作っておられる。

一時期、安いお醤油が市場に出回るようになった時、醤油の樽から金属製のタンクへと移行が進んだ時も、「杉樽」にこだわり続けてそのお店は今がある。

良いものを手間暇かけて。

通常1年で出来上がるお醤油に、精魂込め4年の歳月をかけて完成させている。

こだわり続けるために、中途半端な妥協は許さない。

杉の樽から手造りにこだわり、今年新しい樽を自ら完成させた。

そして、この樽で仕込まれたお醤油が出来上がるのは、4年後。

長い長い年月をかけて、ゆっくりと大切なお醤油が出来上がるのだ。

 

古い町の一角にあるその蔵は、ずっしりとした空気が漂っていて、蔵に入ったとたんに時間が止まったかのような錯覚を覚えた。

国の登録有形文化財にも指定されている見上げるばかりの大きな杉樽が並ぶ蔵。今にも崩れ落ちそうな柱に土壁に土間。

大きな樽の周囲は、びっしりと厚みのある菌たちでおおいつくされている。

蔵中が酵母菌や乳酸菌たちの心地よい住み家。

まるで、ジブリの世界。腐界に飲み込まれたような・・・もののけたちの森のような・・・そんな空気の漂う世界。

その中で、酵母たちが一生懸命にもろみを熟成させている。

 

蔵の中で、5代に渡って引き継がれてきた伝統の重み。

採算がとれず苦しい時代もあっただろう。

けれども決して妥協することなく、自らの信念を曲げることなく、自分たちのお醤油を作り続けてきた人たちに、尊敬の気持ちを抱く。

 

日本の文化と伝統。

信念と想い。

安易な選択や目先の利益に踊らされることなく、じっと足元を見つめて生きてきたことの大きさ。

立場も職業も違うけれど、こだわり続けた先に見えるものは同じなのかもしれない。

 

このお醤油を料理に使うたびに、きっとあの蔵の空気を感じることだろう。

幼い頃にどこかで嗅いだことのある優しくて心地よい匂い。

日本という国が長い年月をかけて育んできた文化を、伝統に培われた手仕事の重みを感じることができる、賢明な消費者でありたいと思うワタクシ。

 

つまり・・・やっぱり夕食は、お気に入りのお醤油で冷奴・・・なのです

 

 

 

 

 

 

 

 

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2014-06-26 21:12:03 | デイサービス池さん

老人が涙を流す。

肩を震わせ、涙を流す。

 

どんな人であったとしても、どんな理由があるにせよ、どんな状況があったとしても・・・

私は、「涙と流すという事実」について、深く想いを寄せられる人でありたい。

 

限りなく寄り添い続けたい。

 

愛おしさを感じながら、老人の心に添い続けたいと思う。

 

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生き方の選択

2014-06-22 22:42:34 | デイサービス池さん

「生き方としての宅老所」という本がある。

自分自身の生き方として、あえて宅老所という選択をする人たち。

宅老所を選ぶということは、決して安易な生き方や職場としての介護ではなくて、あえて特別な意味のある生き方を選んだということかもしれない。

 

私たちも、同じ思いで生きてきた。

馴染みの年寄りを前にした時に、「自分自身がどう生きるのか」と問いかけた先に、今の池さんの姿がある。

「自分自身の生き方」を考え続けた先に、「池さん」という場所がある。

介護保険の認定を受けた年寄りだけの介護現場と言うだけでなく、いろいろな人がやってくる場所。近所の人や、中学生が来る。ハンディのある人。もちろんスタッフもわけありばっかり。

いろんな人が、笑ったり泣いたり悲しんだりしながら、肩を寄せ合って生きている場所。

一人一人はちっぽけな弱い存在だけど、肩を寄せ合って生きることで、お互いが弱いところもカバーしあったり支えあったりできる場所。

でも本当は、まったく人生の中で何にも悩みがなく、平坦でストレートな人生を歩んでいる人なんていないのかもしれないと思ったりする。実はみんないろんな想いを抱えて苦しみながら生きているのだろうと。

 

夏至を過ぎた。

太陽の滞在時間が最大の日に感じる自然の偉大さ。

それに比べて、人は所詮小さな存在。

人はいつも悲しみと迷いと欲望の中に存在し、己の姿に時に打ちのめされる。

喜びや希望を語りながらも、突きつけられる自分の弱さにのたうちまわる。

 

 

生き方を考えた先に、この場所が存在するのだとしたら・・・

私は・・・「池さん」という場所そのものが・・・「生き方」になってほしいと思っている。

 

そして私たちは、その場所を選んでくれた人たちにとって、「生き方としての池さん」を選んでよかったと、思ってもらえる場所にしたいと思う。それはただ年寄りだけでなく、スタッフも訪問者も関係なく、いろんな人に。

 

縁あってここで出会った人たちが、縁によってここへきた人たちが、共に生きてゆけることを願っている。

 

残り半年。冬至までの期間。

太陽の光に包まれた暖かい日々で ありますように。

照りつける光によって、心にエネルギーが満ち足りて、大地を踏みしめて力強く生きることができますように。

 

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ヒイちゃんのおしっこ

2014-06-18 21:18:39 | デイサービス池さん

介護用語では「排泄ケア」という。

つまり・・・オシッコとウンチ

介護職は、オシッコやウンチの話をしながらご飯を食べることができるわけで・・・今日はこの話題。

 

一時期、ヒイちゃんはオシッコが出にくくなっていた。

夜、リハパン+大きめのパット+ラバーシーツのセットが必要だったのに、小さめのパットにもほとんどオシッコは出ず、朝トイレで腹圧をかけないとオシッコが出ない日が続いた。

この時点で、普通なら病院送りになって、導尿という手段がとられるというのがこの世界の常識。

でも、私たちはヒイちゃんを病院へは連れていくつもりも、導尿を行うつもりもなかったので、辛抱強く腹圧によってオシッコを出す行為を続けた。

「前みたいに、朝いっぱい漏れるくらいオシッコが出て欲しいねえ」と皆で話しながら。

ヒイちゃんが復活したのは、再びお酒を飲み始めた頃から。

時間をかけて、ヒイちゃんは回復していった。

ヒイちゃんのオシッコが、もう一度出始めたのだ。

 

そして・・・ヒイちゃんは、リハパンもパットもラバーシーツも下着もびしょびしょになるほど、オシッコがでるようになった。

 

私たちにとって、嬉しい出来事。

もちろん、ヒイちゃんが朝、着替えをするために大変な思いをしなければならないという現実は、決して嬉しいことではないのだけれど、それでも出るべきオシッコが自力でだせないということに比べたら、確かに嬉しいことのような気がする。

オシッコがちゃんと出るということで、私たちはよかったと思うことができるのだ。

 

食事と共に排泄は、人が人であるために大切な身体の仕組み。

食べること(生きるための栄養を摂取すること)・出すこと(オシッコとウンチを出すこと)を自分の力で行えるかどうかは、自らの力で生きているかどうかに繋がって行くような気がする。

(もちろん、そうでない場合もあるということを理解した上での話だけれど)

 

ヒイちゃんがオシッコをする。ウンチをする。

あ~よかったと思う。

 

心から、自然に、そういうことに感動する心を、なくしたくないと、

私は思う。

 

毎日の出来事に、大きな想いを寄せられる人でありたいと、

私は思う。

 

心の大きなアンテナで、大切な出来事を見逃すことのないようにしたいと、

私は思う。

 

 

 

 

 

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保存食作り

2014-06-15 21:47:52 | デイサービス池さん

保存食作りは・・・結構ワタクシの趣味でして~

頂き物がたくさんある時や季節の物は、頑張って作ってますがな。

 

今年はよく熟れた梅をたくさん頂きました。

なので・・・さっそく梅干しを作りまして~。(2回目はジュンヤ君が漬けてくれましたが)

ラッキョウもたくさん漬けました。

(ワタクシはラッキョウが実は苦手でして、でもみんなのために臭いの我慢して)

青梅も、たらいいっぱい頂いたので梅ジュースに。

そして、少しだけ梅酒にね。

池さんの庭で今井君が育てた小さい小さいにんにくも、にんにく醤油にして漬けこみ。

最近お気に入りの小豆島の手間暇かけた貴重なお醤油で、もろみを仕込みまして。(まどかちゃんの作ったお味噌の横に、酵母グループとして並んでます。)

まあ、他にもドクダミ茶だとか、お漬物だとか・・・

 

最近わかったこと・・・

どうやら、机の上がぐちゃぐちゃなのも、経理の伝票が何が何だかわからなくなっているのも、仕事が忙しい・・・というよりも、保存食作りに忙しかったりするからかも・・・

ひたすらみんなの喜ぶ顔を見たくて・・・というより、やっぱりワタクシ、こういう作業が大好きなのが原因なのだと、再認識した次第!

 

池さんの保存食は、応援してくれる人たちが池さんのことを想ってもってきてくれた大切な品々でできてます。

日本の伝統の保存食を、できるかぎり次の世代にも伝えていけたらいいなと思っています。

昔の人たちが培ってきた素敵な知恵を、引き継いでいけたら最高ですな。

 

「池さんブランドの保存食」

事務仕事を横目に・・・まだまだ増産中です

 

 

 

 

 

 

 

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でん子と亀吉

2014-06-08 19:57:42 | デイサービス池さん

新しい池さんのメンバー。

送迎中に目の前を這いまわっていたカタツムリのでん子。

そしてドライブ中に道路を歩いていた、くさ亀の亀吉。

 

ちよこさんがでん子に言う。

「あんた~何しよんでー!勝手にあっちこっち行ったらいかんよ~!」

@だってカタツムリだもん!

「もう~!嫁に行けんよ~~~!!」

@しらんがな!

 

亀吉を見せたら、ばあさんたちが言った。

「亀かい!こりゃ縁起がええぞ!」

そして、ばあさんたち手を合わせて拝み始めた。

「こりゃ!ええことがあるぞ!」と。

みえこさんが言った。

「一句詠めそうなきがする!」

ぶつぶつ言った後、大きな声で読み上げた。

「春雨や~羽を広げて~福がきた~」

@春じゃないし!梅雨だし!

 

まあ、何でもいいけど・・・生き物がいるのはいいことですな!

ネコのシマとクロ、さかなに加えて、でん子も亀吉も、実際ばあさんたちを喜ばせてくれているわけですから。

 

それにしても・・・

なんだかんだと、毎日が賑やかにすぎていきますな。

ばあさんたちは元気ですな!

いや~、ええことです!

 

これからの池さんは、どうやら人間だけでなく、生き物もさまざま・・・という気がします。

みなさま、どうぞよろしゅうお頼もうします

 

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ゆぐり

2014-06-05 21:47:00 | デイサービス池さん

藁で編んだ籠のことをこう呼ぶ。

「ゆぐり」

昔は、この籠に子どもを入れて田仕事の間、目の届く所に置いていたり、ミカンや柿を収穫する時の入れ物にしていたらしい。

今日、私はこのゆぐりをもらった。

今は亡き大切な人が編んだかご。

このかごを手にした時、涙が頬を流れた。

その人を思いだし、その人の与えてくれた今日の出来事に心から感謝の想いを抱き、今日までの引きずるような重い心を、そのゆぐりが優しく包んでくれるような・・・そんな気がして涙が流れた。

 

日々の営みは決して楽しいことだけではなく、

現場にいる自分が消えてしまいたくなるような、しんどさを感じていた。

想いの届かない現場にいること自体が、苦しさに他ならなかった。

現場は、辛さ以外の何物でもなかった。

組織を動かしてゆくことに希望を失いかけ、迷路に迷い込んでいた。

絶望と非力と葛藤の中で、私は自分を見失いかけていた。

ただ答えを求めていた。

救いが欲しかった。

 

大切な人の力。

大切に思える人たちとの時間。

新たな光が見えかけた時間。

 

長い間、どんよりと霧がかかったような時間を、今日という一日がクリアーにしてくれた。

そして、ゆぐりとの出会い。

 

まだまだ完全ではないけれど、

でも一筋の光が私たちを照らし始めた気がする。

迷路を抜け出す時は、目の前に来ているような気がする。

 

弱くて小さくて、迷い続ける私を救いだしてくれるのは・・・

やっぱり

ここで出会った人たち。

私自身が生きてきた時間の中で、出会った人たち。

 

今日、

私はどの人も、どの年寄りも、

昨日までと違って、

愛おしく、心から愛おしく思えた。

 

大切な人たちのおかげで。

心が浄化されたような気がする。

 

ありがとう。

 

ここで、出会ってくれて

ありがとう。

 

私を救いだしてくれて、

本当にありがとう。

 

ヨッシー

ありがとう。

 

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暑いです

2014-06-01 19:59:41 | デイサービス池さん

5月が終わったと思ったら、この暑さ!

みなさま、大丈夫ですか?

ワタクシ、寒さには強いのですが、暑さは大の苦手!

6月になったとたんのこの真夏並みの暑さに、正直へコヘコしています。

 

介護の現場も温度管理が大切になってますな。

年寄りの特徴として、「風を感じると寒いと思う」わけですな。

背中に汗かいてても、正面から風をあてると、「寒いから、扇風機消せ!」となるわけで。

扇風機とエアコンに頼る夏。

温度と水分に気をつけて、

これから続く夏を生き延びたいものですな。

まったく・・・生き延びれるかどうかもわからないほど、最近の夏は異常事態の夏ですから。

命がけの夏です!

 

福岡に住む孫は、本日運動会。

さぞ暑かったことでしょう。

どうにか無事に終えて、よかったよかった!

 

大頭の夜も、暑い夜です。

 

 

 

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