文明の海洋史観を再開。著者がこの本を書く動機は、タコつぼ型の歴史観(日本史、東洋史、西洋史と分け相互の乗り入れが無い)を批判し、海洋から見るとそれぞれを融合した史観が作られるというものです。全体が起承転結でできていて、承ではマルクス史観がどうして生まれたかという流れ、史観の背景にある哲学を解説しています。マルクスが、その史観を作るにあたって、ダーウィンの種の起源が大いに刺激になったというのは初めて知りました。マルクスは歴史の必然として階級闘争と歴史の流れ、資本主義から最終的に社会主義、共産主義に至るというものを、生物の進化になぞらえたというのです。生物の進化にとってはいい迷惑な話ではあります。マルクスはこの流れは西洋社会に適用すると(西洋中心主義ではありますが)述べていますが、日本人は閉塞感漂う日本で思想のよりどころとし、戦後は東大の主流的史観となりました。おかげで、戦後の教科書は相当に歪んだものになりました。自分の大学の頃までもまさに階級史観を学ばされました。
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