山岳小説傑作選から今日は熊谷達也の皆白(みなしろ)、新田次郎の寒冷前線の2話を読みました。前者は体毛の白いツキノワグマから肝を取る話。皆白を射止めると不吉なことが起こるとの言い伝えを無視して、冬眠中の皆白を見つけて撃つ話。後者は雲取山からの帰路、ふとしたことから予定のルートから別ルートを選んで遭難してしまう話。これは七つ石山から鴨沢に降りずに石尾根を下ったところ、(夏ならなんともない尾根ですが)積雪期、寒冷前線の通過によって凍死遭難を起こしてしまう話でした。現在は途中に避難小屋があるのですが、この話の設定(1957年)はそんなものはありませんでした。