活字日記

毎日読んだ活字系(雑誌、本、新聞、冊子)を可能な限りレポートします。

【4月5日】

2024-04-05 | 文庫

関東大震災で起きた悲劇の一つに大逆事件があります。大逆事件は関東大震災と因果関係は無いのですが、どさくさに紛れて起こされた事件です。当時の最危険人物とされていた(社会主義者、アナーキスト)大杉栄が震災後2週間ほどたって妻の伊藤野枝と甥っ子共々憲兵隊に連行され、惨殺死体として井戸で発見されたものです。主犯は憲兵隊長甘粕大尉でしたが、彼は投獄後しばらくして保釈され、やがて満州映画理事長として満州を裏で牛耳る人物となりました。この大逆事件を綴ったのが、大杉の近所に住んでいて近所付き合いもあった内田魯庵、女性活動家平塚らいてうなどです。朝鮮人虐殺についても吉野作造が載っています。情報が現代よりも極端に少なかった当時、噂、流言により民衆が策動されて行ったことを語っています。この大震災を契機に、ラジオ放送が本格化することになります。

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