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2016年11月第2週チャート

2016-11-13 | 注目投資対象・株価の推移
トランプ・ラリーは二つの偶然の産物である。
一つはトランプがいかにもプロレス興行者らしく「ショー」を終えて穏健化したこと、
一つは米共和党が議会で多数派を占めてねじれが解消したことだ。

どちらが欠けてもこのラリーはあり得なかったであろう。
その証拠に、このラリーを事前に予見した者は殆どおらず、
後付けで「講釈」する目立ちたがり屋ばかりが偉そうに吹聴している。
(彼らの選挙前後の言動は、彼ら自身が定見のない風見鶏であることを立証する)

投資家は、共和党的なプロビジネス政策が強力に推進されると期待している。
財政悪化懸念による米金利上昇もグローバル・マネーの米国還流を促している。
新興国から滔々と資金が流出しているので言わば「米国への逃避」でもある。

…しかし、このラリーはうたかたの夢に近く、持続すると考えてはならない。
トランプ・ラリーは、まさにそれ自体に自壊する構図を内包しているからだ。

トランプの支持基盤の「岩盤」は共和党主流派ではなく、中西部の白人労働者層である。
民主党支持の多い州でトランプ票が伸びたことから、「不満層」が浮動票として乗っかっている。

トランプは雇用問題を大きく取り上げ、彼らに雇用増の「幻想」を見せた。
しかし、共和党のプロビジネス政策は本質的に米国内の雇用を増やすものではない。
(米経済の成長率が刻々と低下しているのがその証拠だ)

強い不満を抱える米国の中下層を満足させるには
北欧型の積極的労働市場政策か「負の所得税」の増強しかないのだが、
両方ともトランプが約束する減税には完全に背反するものである。

トランプは、遠からず有権者を裏切ってプロビジネス政策で財界に迎合するか、
共和党主流派を裏切って再分配政策を強化し、有権者に迎合するしかない。

つまり、次の米選挙は嘘と裏切りへの怒りに沸騰し、大荒れになるだろう。
しかも米経済のサイクルがダウンサイドに入りつつあるのに金利上昇だから、未来は暗い。

ロイターによれば、佐々木融氏はトランプ円安が短命との見解、
村上尚己氏はラリー持続との見方のようだ。
直近の異次元緩和策の体たらくを参考にすると前者の方に先見性があったことになり、
後者は消費税に責任転嫁して釈明したという形になっているが、
さて今回はどうなるだろうか。

少なくとも、トランプが唐突に日本に対して為替操作批判を行ったり、
新興国が商品安・通貨安のダブルショックで経済危機に陥るリスクシナリオは間違いなくある。


米金利上昇に脊髄反射、「今のところ」恐怖感はない


ポンドはどさくさに紛れ、レンジの上限を抜けるか?


ユーロドルの動きが大きくなり、ユーロ円よりトレンドを掴み易くなってきた



下方修正を出した輸出関連はトランプラリーに乗れていないが、半導体は本物かも?


人材関連ががくんと下落、好業績を発表した4776との差が再び急拡大するだろう


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