みんなの心にも投資 … ソーシャルインベスター(社会投資家)への道

個人投資家の”いとすぎ ”が為替・株式投資を通じた社会貢献に挑戦します。すべてのステークホルダーに良い成果を!

15年1Qの米国は1%成長との衝撃予測、シェール開発急ブレーキで経済減速 - 原油安は好材料ではない

2015-02-22 | 注目投資対象・株価の推移
              ↑ USD/JPY(ZAI) やや上方向だが、クロス円が重しになるに可能性も

先週は「東証がバブルに突入した」と判断した。
カネ余りで急速にPERが上昇する現象は、2007年にも起きていた。
業績に直結しないテーマで浮かれた上昇が続出していたのである。
経験則では、こうした異常事態が起きると2年以内に景況が暗転する
2007年ばかりではなく、2000年もそうだった。

……さて、先週のFOMCでドルもユーロも円高に振れたにも関わらず東証が大幅続伸し、
業績が大幅に改善する訳ではない食品関連銘柄がインデックスをアウトパフォームしている。

この上昇に対して当ウェブログは懐疑的であるが、
年末年始から妙にパフォーマンスが良い食品関連セクターのロングでヘッジしておきたい。
2229、2805、7581、2910あたりを想定している。

 ↓ 内需、食品関連(Yahoo.finance)



米経済は矢張り減速感が強まってきており、楽観視できない。
インデックスで東証にアウトパフォームされたのは
日本経済が強い訳では全くない。米経済が想定外に弱いためだ。

当ウェブログの懸念通り原油安でシェール産業が苦しくなり、
アメリカの投資と雇用にも悪影響が生じつつある。

「日経平均1万8000円も、言わば「もののはずみ」に近く、
 楽観できない状況は変わっていない。
 ドルは120円台を突破するのに苦労しそうだ」

とした当ウェブログのスタンスは今週も維持する。

「週明けの日本のGDPは期待外れのリスクも見ておきたい。
 安倍内閣が待機児童や配偶者控除の問題に真摯に取り組まず、
 消費税の税収を高齢層バラ撒きに使って過剰貯蓄を放置しているからだ。
 日本のGDPのおよそ6割が消費によるものであることを忘れてはならない」

一方、以上のようなGDP下振れ予想は的中したが、想定より外国人買いが強い。
浮ついた内実を伴わない上昇であってもヘッジは必要と考える。

「早くも6月利上げを確実視する声が出ているが、
 それは先走りというものであろう。
 今週以降の推移をよく観察する必要がある」

「RBA(豪中銀)が予想外の利下げを行い、
 資源国の苦境が改めて浮き彫りになっている。
 原油大幅安を受け、今後も資源国の景況下振れのリスクに注意が必要だ」

「外国人投資家からは「日銀緩和しか円安材料がない」との声が上がっており、
 当ウェブログが予想したように今年最大の材料は追加緩和ということになりそうだ。
 今年に限っては米利上げより大きなイベントになり得る」

「原油安にとって最も大きな打撃を受けるのがシェール業界である。
 アメリカ経済の回復に大きな貢献を果たしてきたシェール産業は、
 ハイイールド債市場で大きなプレゼンスを持っているため、
 シェールバブル崩壊の余波で米経済は更なる下振れも考えられる」

「ドルが停滞し、ユーロが量的緩和の圧力を受けるとなると、
 東証が続伸して上値を伸ばすのは非常に難しくなる」

「2015年は紛れもなく、我慢の年になりつつある」

としてきた当ウェブログの想定は依然として維持する。
原油価格を注視しておくべきである。

「ECBもQEを実行することとなり、市場では効果が覿面に出ている。
 ロイター調査ではQEの効果に懐疑的な意見が多数を占め、
 ずるずると量的緩和策を続けざるを得ないとの見方が優勢である。
 (日銀についても間違いなく同様の結果となるだろう)」

「漸く日銀は、自らの掲げた物価目標が誤っていることを認める路線に軌道修正し始めている。
 物価目標は未達確実、成長率見通しも下方修正なのだから、
 黒田日銀のこれまでの政策そのものが間違っていた訳である」

「追加緩和を行っても日本経済が停滞から脱却する筈がない」

「失業率も雇用者数も市場予想を上回ったにも関わらず、ドルもダウも下落した。
 賃金下落のショックによるとも言われているが、それでだけでは説明できない。
 「買われ過ぎ」の水準にあると言わざるを得ないだろう」

「原油安が続くとの世銀の見通しも重要である。
 エネルギー投資は費用も労力もかかる。そう簡単にV字回復する状況にはない」

「更に悪いことに、投資家が皆ドルに対して強気であるため、
 その投機ポジションの重みでドル自体が沈んでしまいそうな需給になっている。
 たとえ見通しが正しくとも、市場には「多数派が間違う」という皮肉な真理がある」

「今年前半に行われると見ている日銀の追加緩和であるが、
 原油安の影響が反映される迄にタイムラグがあること、
 昨秋が僅差の決定だったことから来月以降を想定している」

「当ウェブログは、日本のGDPを20%近く切り下げて
 国民を大幅に貧しくした張本人である黒田日銀が
 今年前半に更なる追加緩和の愚行に走ると見ている」

「一部の層に収益機会を提供する点で「投資家の神」だが
 経済全体は成長せず「一般国民の疫病神」である黒い日銀は、
 マイナス成長を受けてもまだ目が覚めていない」

「最後には日本財政の救世主になるが、その代わりに経済危機の「A級戦犯」となる。
 概ねそのような結末しか残っていない。
 (因にジム・ロジャーズ氏は2016年から17年頃の危機を予想している)」

東証の「片肺飛行」でも官製マネーで内需関連は続伸した。
「片肺飛行」を除き、上記の見方も変更していない。

「焦点はエネルギー価格に景況が大きく左右されるロシアだ。
 ロシア経済のエネルギー依存体質は全く変わっていない。
 これほど急激かつ大幅に原油価格が下落すると、
 ロシア経済に甚大な打撃が与えられるのは間違いない」

「為替急落の後は実体経済の悪化が来るのが通例だ。
 原油急落は必ずしもOPEC減産見送り要因ばかりでなく、
 世界経済の減速による需要停滞観測も確実にあるものと言えよう。
 暗い影がかかっているのはロシア経済ばかりではない」

「経済悪化が鮮明になっているだけに
 特に内需関連の急反落を警戒しておかなければならない。
 (輸出関連は結局ドル円次第なので日本経済の好不況とはまた別である)」

「最悪の場合、鼠のレミングのように
 自滅的な集団行動へと向かっているとも考えられよう」

「当ウェブログは黒田総裁が異例の辞任に追い込まれると予想しているが、
 その見通しを補強する会合内容と言えよう。
 ここまで理のある反対意見を押し切って追加緩和を決断したからには、
 これから確実に生じる甚大な副作用の責は全て総裁に帰する以外にない」

「ここ数年、見たことのないような原油価格急落だった。
 OPECの減産見送りの背景には、OPEC内での多極化の進展だけでなく、
 サウジ等の大産出国がアメリカのシェールオイル採掘を牽制し、
 体力勝負に出た側面もあろう。
 それがもって回ってロシアを直撃しつつある状況、
 場合によってはロシア発の危機や地政学リスクの再燃もあり得る」

「今は恩恵が大きいように見える原油大幅安だが、
 デフレ脱却という愚かな宗教に感染した黒田日銀の追加緩和を招くだけでなく、
 コージェネをはじめとする省エネの努力を怠らせて電力利権を延命させる副作用もある。
 決して良い話ばかりではない」

「衆院選は実につまらない結果になり、
 有権者が中長期的な円の崩壊を選択するという愚行に出たことが明白になったが
 東証や為替の反応は正直だ。安倍政権の愚かさと底の浅さを見抜いている」

と書いてきた当ウェブログのスタンスは今週も変わっていない。
ギリシャ問題を無事棚上げにできても欧州低迷は変わらず、
米経済減速も明確になってきている。

尚、昨年の追加緩和の時点では以下のように想定していた。

「追加緩和の決定は天災と同じような緊急速報で伝えられたが、
 日本国民に甚大な被害をもたらす点でも天災と似ている」

「黒田日銀総裁は市場の裏をかいて追加緩和を行った訳ではなく、
 異次元緩和の効果が出ていない失策を糊塗するために決断したようだ。
 これで任期途中の辞任の可能性が高まったと言える」

「勿論、「悪い円安」は確定である。
 1日で3%以上も円が急落することは、日本のGDPに換算すると
 ドル建てで15兆円以上も日本が貧しくなっていることになる」

「黒田バズーカ第2弾の害悪は、第1弾と比較にならないほど破滅的である。
 このように「発散」と呼ぶに相応しい急激な勢いで円が暴落している。
 120円に達する速度は予想できないほど速いと見ておいた方が良い」

「70年代や80年代の教訓から正しく学んでいれば、
 デフレ脱却で日本経済が好転するなどというカルト宗教の虚妄は明白である。
 資産価格バブルが健全な経済をもたらさないことも言う迄もない」

「実質的な円の切り下げは資産家を急速に豊かにし、
 ミドルクラスには資源・エネルギー・食料の悪性インフレをもたらす。
 アンダークラスにとっては最悪の状況で、エンゲル係数の高い家計が行き詰まる。
 軽犯罪が増え、日本の治安は悪化する可能性が高い」

「これから円安倒産が急増し「クロダ倒産」と呼ばれるようになり、
 愚劣な黒田バズーカ第2弾が、庶民の生活を破壊することが明らかになろう。
 昭和恐慌時の団琢磨と同様に、テロの標的とされる恐れすらある」

「投資家の稼ぎは日本が貧しくなった分の付け替えであり、特に為替は所得移転に過ぎない。
 人々の暮らしが苦しくなるのと引き換えに、一部の者に富が転がり込んだのである」

「2015年は安倍内閣が破滅の淵に叩き込まれるだけでなく、激動の修羅場となる。
 「円安=日本株高」という今世紀の常識がどこかで通用しなくなるだろう」

「当ウェブログは、これほど粗暴で破壊的な緩和策を全く予想していなかった。
 今迄の見方を全て転換し、「悪い円安」が急速に接近していると判断した。

「東証は年末までに1万9000円を超える可能性があるが、
 それは国民の生活とは殆ど関係のないバブルである。
 (事実、日銀は日本の成長率見通しを引き下げている)」

「日本経済は危険な激動期に突入しつつある。
 マーケットのボラティリティが急激に拡大するなかで
 一部の者だけが豊かになり、足蹴にされた国民が憎しみの目で彼らを見る」

……当ウェブログが予想した事態は、より速く、より深刻な形で実現しつつある。

「ドル高円安が進行することで日本の輸入物価高・CPI上昇を招き、
 スペックの仕掛けによる自己実現的な円安トレンド定着の可能性も見えてきた。
 2013年前半にジョージ・ソロスが不吉な予言を行ったように、
 「円安が止まらなくなる可能性」を見ておくべきである」

「財務省の法人統計で衝撃的な数字が出た。
 米経済回復でドル高円安が進み輸出業に大きな恩恵が及んだにも関わらず、
 日本企業の自己資本比率は過去最高の水準となったのである。
 投資増の勢いは依然として弱く、人件費に至っては前年比で5%も減少している。
 自民党政権と経済界が結託して労働者の実質所得を減らしていると考えざるを得ない」

「このような内向きの日本企業を優遇したところで、
 日本経済が強く回復する筈がないのは火を見るよりも明らかである。

「成長率が低下しているにも関わらず政策に嘴を挟む大企業と癒着し、
 経営層や株主ばかりに恩恵を及ぼす自民党の旧態依然の体質が露見する。
 2014年に急落するのは間違いなく安倍政権の支持率である。
 2015年にはリフレ派への評価は地に墜ち、アベノミクスは嘲笑の対象となろう」

一方、余計な追加緩和によって「事実上のマネタイズ」との見方はほぼ的中した。

「目先の円安に幻惑され、日本の将来に不吉な影がかかっている」

「当ウェブログが予測していた「悪い円安」が、異様な速度で到来することになる。
 安倍・黒田コンビが市場を軽視したために、財政危機もほぼ確実に接近する。
 「剣によって立つ者は剣によって滅びる」との箴言と同じく、
 金融政策によって立つ者は金融政策によって滅びるのであろう」

「黒田総裁の「次元の違う」量的・質的緩和は、事実上のマネタイズである」

「日本の国債市場は再起不能になり、財政再建を果たす可能性はほぼ失われた」

「黒田バブルに便乗して億単位の稼ぎを得る者が続出するだろうが、
 今から警告しておく。決して調子に乗って騒いではならない。
 ツケを回された国民の強い怒りは決してそのような輩を許さないであろう」

「今年は苦難の始まりの年となるだろう」とした予言が、悲しいことに実現しかけている。
危険な「悪い円安」の時代は「もうすぐそこまで迫っている」のではなく、既に「迎えつつある」のだ。

↓ EUR/JPY(ZAI) ギリシャ問題好転でも、押さえ付けられ上値が重い


↓ GBP/JPY(ZAI) 上昇のペースが鈍化した



先週はロイターに優れた記事が出ていたので参考にされたい。
頼りない経済成長でも欧米市場より少しましに見える日本への再注目、
原油安がメリットになっていない米経済の憂鬱と、完璧な分析である。


アングル:海外勢主導の株高、日経平均1万8500円突破が焦点に(reuters)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0LN08920150219
”19日の東京株式市場で日経平均は一時1万8322円まで上昇し、14年9カ月ぶりの高値水準に達した。株高を主導したのは海外勢だった。米株高や円安に依存しない株価上昇は東京市場では見慣れない景色だ。
 日本経済の回復を見越した資金が流入しているとみられるが、内需期待の株高には限界があるとの見方もある。
〔中略〕
 日経平均が歴史的な節目を超えた19日、株式市場で注目されたのは三菱UFJ、三井住友FGなどメガバンク株の活況ぶりだった。売買注文の指値に幅を持たせる「計らい注文」が増えているとの指摘があり、「前日から大口の売り注文が一瞬で買われるような状況になっている」(国内証券)という。市場関係者の見方で一致しているのは海外投資家の買いだ。このところ東証1部の業種別値上がり上位には銀行、証券、食品、サービスなど内需系のセクターが目立つ。主力輸出株と比べた出遅れ感もあり、大口買いで組み入れ比率を修正する動きとみられている。
 「海外勢は欧州、中国への投資が一巡し、昨年は関心を示さなかった日本株に見直し買いを入れている。背景には、春闘を通じた賃上げ期待や貿易収支の改善など、国内経済の明るい兆しがある」(野村証券エクイティ・マーケットアナリストの佐藤雅彦氏)。今春闘では自動車、電機大手が昨年実績を上回るベースアップに踏み切る見通しと報じられている。
〔中略〕
 貿易収支の改善も企業業績の拡大をもたらし、賃金上昇につながる要因だ。SMBC日興証券チーフエコノミストの牧野潤一氏は「15年度の実質所得は名目賃金の上昇と物価の下落から前年比2%台の伸びが期待できる。14年度の1%減からの変化率は3%となり個人消費を押し上げる効果が見込める」と話す。

  <国内の三本柱は健在>
 トップダウン型の海外投資家は、消費増税後の日本経済の落ち込みを嫌気して日本株投資を見送ってきたが、ここにきて変化の兆しを敏感にとらえているようだ。今年は原油安のメリットが見込めるうえ、10月に予定されていた消費再増税も先送りとなり、投資しやすい環境になる。
 もともと需給面は悪くない。市場では「バイアンドホールドを基本とする日銀、GPIF、自社株買いの三本柱が存在する限り相場は崩れない」(東海東京調査センターマーケットアナリストの鈴木誠一氏)とみられている。

  <ドル建て日経平均156ドルが抵抗線>
 日経平均は2007年2月26日の高値1万8300円39銭を抜き、チャート上はITバブル期の2000年4月に付けた2万0800円台まで上値余地が広がる形だが、死角がないわけではない。海外投資家が利用するドル建て日経平均156ドルの壁だ。2006年5月と2013年5月には156ドルで天井を形成。2014年1月も155ドルで上昇が止まった。8年以上にわたり156ドルが抵抗線として機能している。
 三菱UFJモルガン・スタンレー証券シニア投資ストラテジストの折見世記氏は「内需頼みの株高は心もとない。日本株は世界の景気敏感株であり、OECD景気先行指数との連動性が極めて高い。世界景気が勢いを取り戻していない中では日本株の上昇にも限界がある。1万8500円付近が天井になる可能性もある」と指摘する。
 円相場1ドル118円60銭(19日午後1時半現在)を前提にすると、日経平均のドル建て156ドルは1万8500円に相当する。
〔中略〕
 逆に同水準を明確に上回れば、「持たざるリスク」による海外勢の買いが本格化する可能性もあり、当面の攻防の分岐点として意識されそうだ。 (河口浩一)”

アベノミクスの「三本の矢」は間違いなくインチキだが
東証を支える株価操作の「三本の柱」は強固だ。

この株価操作の報いで日本市場は遠からず塗炭の苦しみを味わうことになるだろう。
MUFJモルスタの折見氏のコメントを熟読されたい。当ウェブログも全く同意見である。


アングル:年前半の米成長に黄信号か、「産油国リスク」利上げに影響(reuters)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0LO0QP20150220
”エコノミストの間で、米国の今年前半の成長率を下方修正する動きが出始めている。原油安のなかで、産油国である米国内の設備投資停滞が低成長につながる「産油国リスク」に加え、個人消費も思ったほど強くならないといった懸念も浮上。利上げ開始時期の遅れやその後のペースに、不透明感が強まっている。

  <好調な米経済の死角、設備投資の急減速指摘も>
 18日に公表された議事要旨によると、1月の連邦公開市場委員会(FOMC)では、低調に推移しているインフレ率をめぐる議論が行われたが、物価や賃金が上がりにくくなっている米経済への漠たる不安はFOMC内でもぬぐえていないもようだ。
〔中略〕
 今年前半の米経済の見方に、下方リスクを指摘する声が増えている。
 その一つが「産油国リスク」としての設備投資減速だ。エネルギー産業を中心に、設備投資への下押し圧力がはっきりとしてきた。商務省発表の米製造業の新規受注は12月まで5カ月連続減少、ISM製造業新規受注指数も1月に大幅に減少した。
米国企業の景況感も、昨年秋以降、急低下している。家計部門とは対照的に、企業部門の悪化が目立っている。
 2月の日本政府の月例経済報告でも、米国経済への評価を上方修正する一方、今後の原油価格下落の影響に留意が必要との指摘が加わった。
 米国の産油量は日量1000万バレルと、ロシアとほぼ並び世界第3位の規模だ。
 野村総合研究所・金融ITイノベーション研究部長の井上哲也氏の調べでは、ここ数年急激に伸びてきたシェール関連投資など固定資本投資はこの1、2年をとっても20%近い増加率で、製造業全体の投資に匹敵する規模となっている。雇用についても、雇用者数全体に占める鉱業のウエートはわずかとはえ、ここ数年、非農業部門の雇用者増加分の3分の1程度が、鉱業を中心とする6州の寄与で占められているという。 
 このエネルギー産業の設備投資の減速は米経済全体の下押し圧力となると指摘するのが、SMBC日興証券シニアエコノミストの丸山義正氏。15年第1・四半期の米経済は、1%成長まで減速するとみている。「シェール産業に依存度の高い地域では資本財需要の縮小や消費支出の減少なども同時に生じるため、米国経済全体にとっても無視できない悪影響となるだろう」とみている。
 このため、15年前半は1.8%成長と、潜在成長率を下回るペースとなると予測している。

  <個人消費も鈍化見通しが浮上> 
 2つ目が、個人消費が期待されているほど伸びない可能性だ。
 JPモルガン証券は今年前半の米国成長率見通しを下方修正し2.75%としたが、設備投資に加えて個人消費もその主要因だ。同証券のシニアエコノミスト・足立正道氏は「所得や雇用が強い割に、12月の消費は伸び悩んだ。市場の期待インフレ率も弱い」とみている。
 原油安が家計の消費を上押しすると期待されているだけに、消費の弱さが一時的な現象なのか、あるいは何か景気の弱さに起因するものなのか、原因は不明だという。
〔中略〕
 井上氏は、利上げ開始時期は当初見通し通り年央に実施し、FRBとしては様子を見るだろうと予測しているが、「問題はその後の利上げペースにある」と指摘。「もし物価や賃金の上昇ペースが一層鈍れば、米FRB内部で利上げは不要と主張する勢力にとって好材料となる」とみている。
 丸山氏も、原油価格の下落に伴う設備投資減速の影響を考慮に入れ、従来の毎回利上げから1回ずつ休みを入れての利上げペースに減速すると、見通しを修正したという。
〔中略〕
 足立氏は「唯一コンセンサスとなっているのは、利上げペースは慎重にという部分だけ」と指摘、消費や設備投資の不透明感が強い中で利上げをめぐるリスクは後ずれ方向とみている。 (中川泉 編集:石田仁志)”

米経済の分析についてはこちらが素晴らしい。
原油価格が再度急落し、例えばバレル40ドルを下回ると
予想外のパニックが起きる可能性があることを警戒しておきたい。


ユーロが対ドルで上昇、ギリシャ支援4カ月延長合意を好感=NY外為(asahi.com)
http://www.asahi.com/business/reuters/CRBKBN0LO2EY.html‎‎‎
”20日終盤のニューヨーク外為市場では、ユーロが対ドルで上昇した。ユーロ圏がブリュッセルで開催した財務相会合で、ギリシャ支援策の4カ月延長で合意したことが追い風となった。
 合意が得られたことで、ギリシャが財政破綻やユーロ圏離脱へと追い込まれる切迫したリスクは後退した。チプラス新政権にとっては、長期的な債務軽減策について債権団と協議する時間的猶予が生まれた格好となる。
〔中略〕
 ユーロ/ドルは1.1428ドルまで買われた後、直近では1.1402ドル。財務相会合前は協議の行方をめぐる警戒感から1.1287ドルまで売られていた。
 市場は、イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長が来週議会で行う半期に一度の証言に注目している。議長は24日に上院銀行委員会、25日に下院金融委員会で証言を行う。

結局ギリシャ問題は何とか峠を越えたものの、
ウクライナ問題の余波とユーロ安誘導の困難で欧州経済の低迷は変わらないであろう。
ユーロ円チャートはこの買い戻しも一時的なものに過ぎないと示唆している。

    ◇     ◇     ◇     ◇

注目銘柄、東証の買い戻しを受けてショートポジションを縮小した。
PF組み入れ比率は ①東京建物、②マツダ、③森精機の順で、全体の約2分の1がショート。

 ↓ 輸出関連(Yahoo.finance) 富士重工と竹内の弱さが気になる



 富士重工(東証一部 7270) 467 → 670 / 573 → 1,283 / 1,938 → 2,563
               2,267 → 2,947 / 3,157 → 4,275 / 4,275(ショート)→ 4,171

 マツダ(東証一部 7261)  232 → 306 / 178 → 275 / 87 → 217 / 130
               298 → 314 / 332 → 425 / 380 → 522
                (以降、5→1の株式併合)
                2,497 → 2,772 / 2,266 → 2,989 / 2,989(ショート)

 森精機製作所(東証一部 6141) 1,335・1,122(ショート)→ 1,289 / 1,550(ショート)

 竹内製作所(JASDAQ 6432) 636 → 1593 / 743 → 1,672 / 1,678 → 2,200 /
                2,250 → 2,286 / 1,924 → 2,878 / 1,995 → 2,878
                4,780 → 5,000 / 4,550 → 5,000 / 5,190

 富士フィルムHD(東証一部 4901) 4,190 

 東京建物(東証一部 8804) 298 → 312 / 277 → 413 / 541 → 615 / 857 → 923
              1,128 / 890 → 801(ショート)/ 945

 ケネディクス(東証一部 4321) 604 →

 マネックスG(東証一部 8698) 455 / 393 → 455 / 343・292・242(ショート)→ 278
                 272(ショート)→ 265

 マネースクウェア(東証一部 8728)  1,255 → 1,431

 ユナイテッドアローズ(東証一部 7606) 1,044 → 1,215 / 1,087 → 1,284
                     1,146 → 1,526 / 1,341 → 1,752
                     1,906 → 3,160 / 3,410 → 3,650
                     4,025 → 3,345 / 3,780(ショート) / 3,110(ショート)

 ユナイテッド(東証マザーズ 2497)   2,800 / 1,696

 サンフロンティア(東証一部 8934) 61,600 → 114,600 / 77,700 → 154,100 / 88,300 → 154,100 /
                   132,300 (比較のため分割前の換算)

 トーセイ(東証一部 8923) 25,170 → 59,300 / 83,600 → 102,100 / 67,200 → 79,100 /
              82,100 → 64,200 / 75,600 (比較のため分割前の換算)

 丸紅(東証一部 8002) 404 → 437 / 453 → 587 / 450 → 587 / 542 → 608
             494 → 577 / 540 → 577 / 541 → 602 / 529 → 602
             489 → 706 / 518 → 706 / 705 → 752

不動産が漸く上がってきた。(しかし今後の上値は限られているような気がする)

 ↓ 不動産+マネックス+UA(Yahoo.finance) マネックスと東京建物が急速に買い戻されている




海外投資家、日本株3週ぶり買い越し 8~14日は1139億円(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGC19H03_Z10C15A2EAF000/
”財務省が19日発表した対外及び対内証券売買契約などの状況(週間・指定報告機関ベース)によると、8~14日の海外投資家による日本株の投資は3週ぶりの買い越しだった。買越額は1139億円だった。
〔中略〕
 一方、国内投資家の海外の中長期債への投資は4週連続の買い越し。買越額は4352億円。国内の低金利が続くとの観測から、欧米など先進国の債券を買う動きが続いている。”

今回の外国人買いはボリュームが乏しい。
東証を大きく浮上させ得る確信を持った大口買いではなく、
スペックの先物売り仕掛けも警戒すべきだろう。

『日経会社情報』2015年新春号 2015年 01月号


    ◇     ◇     ◇     ◇

  【 いとすぎの為替ポジション 】

FOMC後にドルやユーロが弱含んだのに東証が続伸して警戒レベルを引き上げ、
金曜にギリシャ問題緩和での急激な買い戻しがあった時にポンドロングでヘッジ。

 2015/02/09 134.91 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2015/02/20 182.89 GBP/JPY Lev ×1.5

    現在 > 135.42 ユーロ/円(損益112%)← 今年の損益率
         183.18 ポンド/円
         119.01 米ドル/円

 ◎ 2014年の損益率(手数料等除外)> 128%
 ◎ 2013年の損益率(手数料等除外)> 164%
 ◎ 2012年の損益率(手数料等除外)> 142%
 ◎ 2011年の損益率(手数料等除外)> 138%
 ◎ 2010年の損益率(手数料等除外)> 147%
 ◎ 2008年秋~09年末の損益率(手数料等除外)> 353%

  ▼ ポジション解消済み
 2015/01/22 135.05 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2014/12/10 187.06 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2014/10/30 174.99 GBP/JPY Lev ×1.5
 2014/10/24 136.70 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2014/10/02 175.54 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2014/09/26 138.76 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2014/09/19 177.76 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2014/09/08 105.51 GBP/JPY Lev ×1.5
 2014/09/04 136.31 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2014/08/13 171.45 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2014/08/08 171.08 GBP/JPY Lev ×1.5
 2014/07/04 138.87 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2014/06/20 138.77 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2014/06/13 139.26 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2014/06/02 171.59 GBP/JPY Lev ×1.5
 2014/05/09 140.47 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2014/05/02 173.03 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2014/04/23 171.60 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2014/04/16 171.02 GBP/JPY Lev ×1.5
 2014/04/04 171.81 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2014/03/28 170.28 GBP/JPY Lev ×1.5
 2014/03/07 172.55 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2014/02/28 170.77 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2014/02/21 170.50 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2014/02/07 167.91 GBP/JPY Lev ×1.5
 2014/01/24 168.75 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2014/01/17 141.12 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2013/12/18 167.10 GBP/JPY Lev ×1.5
 2013/12/05 167.32 GBP/JPY Lev ×1.5
 2013/11/01 157.27 GBP/JPY Lev ×1.5
 2013/10/25 157.54 GBP/JPY Lev ×1.5
 2013/08/27 151.16 GBP/JPY Lev ×1.5
 2013/08/14 150.89 GBP/JPY Lev ×1.5
 2013/08/09 128.68 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2013/07/31 149.01 GBP/JPY Lev ×1.5
 2013/07/26 150.88 GBP/JPY Lev ×1.5
 2013/07/17 151.30 GBP/JPY Lev ×1.5
 2013/06/21  97.89 USD/JPY Lev ×2.0
 2013/06/11 152.83 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2013/06/07 150.87 GBP/JPY Lev ×1.5
 2013/05/24 153.41 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2013/05/16 101.94 USD/JPY Lev ×1.5
 2013/05/10 154.46 GBP/JPY Lev ×1.5
 2013/05/03 130.01 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2013/04/26 129.02 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2013/04/16 150.10 GBP/JPY Lev ×1.5
 2013/04/12 129.73 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2013/04/04 145.91 GBP/JPY Lev ×1.5
 2013/03/21 144.80 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2013/03/15 144.46 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2013/03/07 142.28 GBP/JPY Lev ×1.5
 2013/03/01 120.89 EUR/JPY Lev ×1.5
 2013/02/13 124.85 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2013/02/08 125.97 EUR/JPY Lev ×1.5
 2013/01/24 120.99 EUR/JPY Lev ×1.5

 …以下省略…

「ドル100円割れ」はなくなったと判断している。
120円に達する速度が異様に速く、「ドル150円時代」が接近している。
黒い日銀が円を切り下げ、格差が急激に拡大するステージに入った。

しかし今はリスク要因が多く、リスクオフを警戒すべき局面と見ている。
愚かな黒田日銀の追加緩和による「悪い円安」はひとまず休止の情勢。

ドルの120円台への「滞空時間」は短かった。
「モメンタムは充分ではない」とした当ウェブログの見方は維持したい。
イベントを無事通過してもユーロやポンドの反発のモメンタムは低下している。

ギリシャ問題は小康状態に戻り、官製市場の東証は局地的に「食品バブル」の様相。
依然として「ECBの量的緩和は効果を発揮」しているが、
「ユーロ安で輸出関連の上値は抑制される」と修正する。

※ くれぐれも投資家各位で御判断下さい。
※ このウェブログを参考とし、めでたく投資収益を得られた方は、
  収益への課税分を社会に貢献する組織・団体に寄付して下さい。
  (当ウェブログのこちらのカテゴリーも御覧下さい。)
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