明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



それにしても私がやることは実物の人間に見えたり絵に見えたり、自分がそうしているのに係らず、私自身は騙すつもりで制作している訳ではないので、よく見れば粘土でしょ?なんで判ってくれないの?と不満を洩らす。考えてみると実にタチが悪い。当ブログで散々写真という用語に対して“まことを写す”なんて妙な日本語訳しやがって、と罵声を浴びせておきながら、その写真のイメージのおかげで恩恵を被っていたのは実は私であった。これからはもういうまい。 陰影を消しても立体感を表してくれるレンズというものにも感心し見直した。肝腎な陰影を排除し、平面的なぺったんこな作品を作り始めたのに係らず、今までで一番写真、カメラが好きかもしれない。紆余曲折とはまさにこのことである。 俳優大杉漣の急死で思ったが、私が去年の今頃死んでいたら、「裸電球1灯の下でながらく作ってきたので、コントラストの高い照明を好んで、写真の悪口言い続けていたよな。」とお通夜の席でいわれていたかもしれない。反省、転向、宗旨換えが出来るのも生きている間である。

銀座青木画廊「ピクトリアリズム展Ⅲ』5月12日(土)〜5月25日(金)20日(日休)

2016年『深川の人形作家 石塚公昭の世界』 youtubeより

『タウン誌深川』“明日できること今日はせず”連載7回「“画狂老人葛飾北斎”」

HP

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