明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 

解読  


三遊亭圓朝を作るにあたり、鏑木清方の圓朝像の存在のおかげで対象をとらえる、また表現する、ということに関して随分考えさせられ勉強になった。ただし、清方作品を直接参考にしたかというと、横に配された燭台を含めた高座の様子、これから塗る予定の着物の色くらいである。なぜなら清方のイメ一ジの圓朝であり、造形的には残された写真と少々違うからである。それにしても圓朝にこう苦労させられたとなると、今後の制作において、よほど楽しませてもらわないとならない。

私は色紙、短冊、掛け軸の類いをいくつか持っているが、昔の人物がそれに触れ、筆をふるったと思うとシミジミするだけであって何が書いてあるのかサッパリ読めない。同じ日本人のたかだか百年二百年前の文章を読めないというのは実に情けないが、英語を解さない洋楽好きでもあるし諦めている。ところが今年知り合った若い女性が見かけによらず実は古文書の研究者で、幕末明治あたりなら楽勝らしい。そこで早速、先日骨董商のMさんから預かった某歌舞伎役者の掛け軸と一緒に入っていた手紙をメ一ルで送って解読してもらった。曰くありげに収まっていたが、掛け軸とは全然関係ねエじゃねエか。見てるかMさん?

アートスケープ 展評『深川の人形作家 石塚公昭の世界』

HP



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