毎日がちょっとぼうけん

日本に戻り、晴耕雨読の日々を綴ります

「確実に中国人民が好きになっている自分に気づく日々」No.2730

2018-10-30 23:54:05 | 中国事情

↑写真はネットから。

2010年に中国江西省に出稼ぎに来て、途中1年間日本に戻りましたが、

現在また山東省に駐在中です。

はじめは自分と中国の人々の間が

薄い膜のようなもので隔てられている気がしていたんですが、

今、その膜はすっかり取れ、心から打ち解けて暮らしています。

逆に、日本ではいつもどこか気を配らなければいけない雰囲気が

辺り一帯を覆っているように感じるのですが、

なぜここにはそれが無いのでしょう。

私が外国人だから生活のややこしさを猶予されているのか、

中国の人々の気質の大らかさ故か……、

その両方かも知れません。

今日はネットの写真から中国の人々の生活を拾ってみました。

頷けるものばかりです。

 ↑耳に携帯ラジオを括りつけている年配の男性。時々、ラジオの大音響とともに散歩する年配の方を見かけます。大体は中国の演歌とか京劇のような歌です。


↑外で昼寝する人もよく見ます。蚊に刺されないのでしょうか。


↑KFCならぬオバマさんのOFC。中国人はジョークが大好き。


↑なぜマフラーをせず、描くにとどめているのか?これもジョークかも。


   

↑どうやって入ったのか高速道路の脇で日傘を差して葡萄を売る女性。

誰か買うんですかね。


↑火星に帰るので5元カンパして欲しいと訴える火星人。


↑飛行機が動かなくなったら乗客が押して空港まで?

この飛行機、山東航空のですね(笑)。


↑これを見ただけでも中国の人口の多さが実感できるでしょう。

とにかく人が多いんですよね。


↑中国の赤ちゃんはこんな丸い赤ちゃんがほとんど。

家族みんなに可愛がられています(私の見た限り)。

 

↑深圳。街が洪水になると必ずにわか漁師さんたちが現れます。

↑こちらは広西チワン族自治区柳州市内の道路で網を投げて魚を捕る人。


↓最後は因縁の便座。

これは新築マンションのトイレ便座がもろくも壊れたもの。

交換しても2ヵ月後再び割れたそうです。

安モンのペラペラの薄いのを使うからこうなるんです。

コメント (2)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「『中国は日本の手本』アベ首相:てことはもう仮想敵国じゃない?」No.2729

2018-10-30 01:47:53 | 亜細亜

毎日新聞2018年10月27日 東京朝刊

【北京・共同】安倍晋三首相は26日、中国・北京で開かれた日中企業関係者のフォーラムであいさつし、漢字や仏教、社会制度、都市づくりが中国から日本に伝わったことに触れ「中国は長く日本のお手本だった」と述べた。関係改善の流れを踏まえ、中国側を持ち上げた格好だ。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

中国に出稼ぎに来ている私としては、

日中関係の改善と安定はたいへん喜ばしいことです。

(そういうことできるんだったら、もっと前からなぜやらん!)

てことは、もう仮想敵国扱いして「中国脅威論」を振りかざし、

「中国が攻めてきたら日本は支配されてチベットのようになる」だのと

妄想を振りまいて沖縄や周辺諸島に米軍基地・自衛隊ミサイル基地等を

新設する意味ないわけですね。

地域住民があれほど猛反対しているのに超高圧的に工事をごり押しする

必要も当然なくなりました。

さあ、時代はこのように変わりました。

武器特需で企業にだけはぼろもうけさせ、

庶民の命は究極の使い捨てポイする戦争遂行体制構築を

ただちにやめさせましょう。

って、今まで扇動され、踊らされ、信じていた人たちはどうなるの?

馬鹿まる出しじゃん。

やはり、自分の頭で多面的に調べ、分析し、

何が大切かを考える習慣を身に付けることが最も問われていると

しみじみ思う今日この頃です。


ーーー下は「日刊ゲンダイ」です。

「米国が強ければ対米従属し、

中国の力が強くなれば中国にも尻尾を振る。

日本としての確固たる信念も何もない。

米中のどちらにもいい顔をした結果、

日本だけがババを引くことになりかねないだろう。

一体、どこが「外交のアベ」なのか。」

 

コメント (2)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「ペーパーフィルター節約してたら……」No.2728

2018-10-29 23:53:14 | 中国事情

 

日本にいるときもしているので格別中国事情でもないのですが、

ペーパーフィルターを数回洗っては乾かして使っています。

このようになってしまえばもうお終い。

と思っていたのですが、

今回、中国で新たな試みとして

これも折り曲げて使ってみたところ、支障なく用を成しました。


さて、ある日のこと。

何を思ったか干してあるペーパーに虫がくっついていたので

スパティフィラム※の葉の上に移動させました。

(※mr.blackさん、名前を教えてくださってありがとうございます

裏に行ったり、

下に降りたり、

見えなくなってしまいました。

今もこのジャングルのどこかに生息しているのでしょうか。

 

コメント (2)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「ブログを書こうとするとこんな表示が・・・・・・」No.2727

2018-10-28 20:11:18 | 中国事情

この8月末から私のネット環境はすこぶるよくありません。

それでも、負けずあの手この手でなんとか毎晩ブログを書き続けています。

今日はその手順をご紹介しましょう。

①まずこの表示が出たら……。

    

  ②画面右下の360安全衛士・安全防護中心をクリックする。

③問題があるかどうか診断してもらう。

 ④だいたいいつもこの2つの問題が発見される。

 ⑤「ただちに修復する」をクリック。

⑥30秒ほどで修復される。

 

ふう、やれやれ。

とブログの新規投稿画面を開いて文を打ち込んだり、

ピクチュア(写真を保存してあるところ)から

画像をフォルダにアップしたりするんですが、

その日その日のネットの状態でスムーズにアップ出来る日と、

めっちゃくちゃ時間がかかる日、または

どんなに何度試みてもアップできない日があるのです。

それだけならまだしも、ときどきは

 突然下のようになることもあります。

こうなったら諦めてパソコンを離れ、休憩するしかありません。

 

さて、何がどうなったのか再びネットにアクセスできる表示が出ると、

また②~⑥を繰り返します。

私はツイッターとフェイスブックにブログ記事をリンクしているので、

どうしてもVPNに接続しなければなりません。

これがまた、10分おきぐらいに切れる今日この頃……。

ただ毎日ブログ記事を書くだけでどれほど時間と労力を使うか、

分かっていただけましたでしょうか。

今日は溜めに溜めた愚痴を吐露しました……


 それでも菏澤の秋空がこのように清清しくなったのは格段の進歩です。

3年ちょっと前は空気が非常に濁っていて、

青空の見られる日は本当に限られていたんですから。

コメント (2)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「深まる秋の放課後、浴衣を着てみた学生たち」No.2726

2018-10-27 17:46:17 | 中国事情

 

↑わてら陽気な三人娘~♪みたいな日本語学部一年生たち。

二年生が浴衣の試着をして写真を撮っているところに

たまたま遭遇した彼女たちは、

下は体育のジャージー姿なのもお構いなく、

無理やりせがんで着せてもらい喜んでいます。

 外国語系ビルの前で。

 

↓こちらは二年生+李海鵬先生。

女性たちの可憐さと男性たちの着崩れた姿がみごとに対照的。

「やっぱり、ポーズが重要だよね。」

とアドバイスすると……。

左はコナン風に。右は勝新太郎風?いやいや、地のままです。

↓カメラ目線でも可愛いんですが……。

ふと遠くを見上げる(ふりをする)だけで内面の魅力が滲み出ます。

 せっかく日本文化紹介のために日本から運んできた浴衣です。

大体は安く買ったものですが中には日中友好のためにと、

友人や娘がプレゼントしてくれたのもあり、

ただ着方を覚えるだけでなく、

今度はこれを着て学生自身が何かできないかと策を練るブルーはーとです。

コメント (4)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「安田純平さんへのNHKノーカットインタビュー」No.2725

2018-10-26 23:29:42 | 人権

 NHK報道局 はこの貴重なインタビューをカットせずに

きちんとテレビニュースで放送したのでしょうか。

「あたかも日本政府が何か動いて解放されたかのように思う人が

おそらくいるんじゃないかと。それだけは避けたかった」

という部分とか、真っ先にカットされたのでは?

解放直後にあっても、安田さんのジャーナリスト魂は不変でした。

カメラを奪われたことへの怒りにも、

(カメラだけを携えて命がけの取材をしてきたからなあ)と

深く感ずるものがあります。

 安田純平さん機内での主なやり取り 

 NHKNEWSWEB(2018年10月25日 6時22分 )2018年10月25日 6時22分

シリアの武装組織による拘束から解放されたフリージャーナリストの安田純平さんは24日、トルコ南部からイスタンブールに向かう飛行機の機内でNHKの取材に応じました。その主なやり取りです。

ー安田さん体調は大丈夫ですか?

大丈夫です。

ー安田さん24日はこのまま日本に戻られるんでしょうか?

そうですね。

ーイスタンブールから?

ちょっと私が手配できなかったので、それについてはお任せ状態で。

ー今、体調のほうは大丈夫ですか?

大丈夫です。大変お騒がせして申し訳ないと思っています。体調は大丈夫です。

ー解放された今の心境は?

非常に嬉しいです。3年間、全く自分自身、前に進んでいないので、世の中がどうなっているか全く分からない状態です。これからどうなるか、どうしていこうか、全く分からない状況で、その辺の心配はあるんですけども。

ー非常に苦しかったですか?

それは地獄ですよ。身体的なものもありますけども、精神的なものも、今日も帰されないと考えるだけで、日々だんだんと自分をコントロールできなくなってくる。監禁されている独房の中にいるという状況が当たり前の生活のように感じ始めていて、そのことに驚いて、そのことを感じること自体、非常に辛いというか。

ー奥様とはすでにご連絡は取られたんですか?

いや、トルコ側の施設の中で電話などの使用は禁止されていたので全く誰とも話はしていないんで。

ーこれからイスタンブールで乗り継がれて帰国という?

全く分からないですね。

ー解放された瞬間というのはどんな?

荷物を全て奪われたので、そのことがとにかく頭にきている。3年、40か月全く仕事も何もできなかったうえに、全ての資産であるカメラであったり仕事のための道具それまで奪われたというか、そこまでするかという。解放の瞬間はまずそれですね。

ー解放のときはどういう状態だったんですか?どなたが助けに来られたんですか?

助けではなくて、彼ら自身が車で国境まで運んできて、それでトルコ側が受け取って、そのまま23日入っていた施設に入れられたんですけど。

ーその時の気持ちとしてはどうでしたか。ほっとしたとか?

いや、とにかく荷物がないことに腹が立って、ということと、トルコ政府側に引き渡されるとすぐに日本大使館に引き渡されると。そうなると、あたかも日本政府が何か動いて解放されたかのように思う人がおそらくいるんじゃないかと。それだけは避けたかったので、ああいう形の解放のされ方というのは望まない解放のされ方だったということがありまして。

ー空爆とか激しい3年間だったと思うんですけど、その間、どのように過ごされていたのか。逃げ回っていたのか。

いや、監禁されていたのはイドリブというところで、空爆されているのはおそらくヌスラぐらいで、空爆の音は結構きましたけど、戦闘機が飛んでいる音も聞こえましたけど。

ー3年間ずっとイドリブ?

おそらくそうですね。

ーじゃあほとんど動いていない?

時々イドリブの中を転々と、動いてる状況です。

ー日本に帰って伝えたいことはありますか?

伝えたいこと?40か月ほとんど何もできない状態で、新しいものが何もない状態ですね、ずっとこの過去を振り返るような状態みたいなんですけど、そうなると、おそらく皆さんは充実した人生を送ってらっしゃると思うんですけど、何もできない状態になると、なんでもっといろんな事しなかったんだろうとか、なんでもっと力を入れてやらなかったんだろうとか、そういう、やれたはずなのにやらなかったという事をものすごく後悔して、やれる時に何かをやれる時にそのこと自体を大事にしたいなと自分でも思いますし、少しでも心当たりがある方は、何もできなくなった時が本当に辛いので、できるときにもうちょっとなんかやってみるといいんじゃないかと。

 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181025/k10011684821000.html?utm_int=detail_contents_news-related_001
コメント (2)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「命がけの報道者をなぜバッシングするのか!?」No.2724

2018-10-25 22:07:38 | 人権

高須クリニックの院長が

安田純平さんに「まず謝罪せよ!」などと言ったそうですが、

いったい、誰に謝罪するというのですか?

まさかアベ総理大臣に??

普段、国民の義務(納税とか)を果たしている国民がいざ困ったとき、

国家は率先して国民を守る義務があるのです。

下のしり上がり寿さんの4コマ漫画が全てを物語っているんですけど、

安田さんは遊びに行って不注意で事故に遭ったわけではありません。

困っている人のところに命がけで駆けつけ、

みんなに知らせる大切な仕事をしていて、

犯罪に巻き込まれた被害者です。

誰に、なんで、謝らなアカンねん?!

悪質かつ、愚かな発言は控えなさい。

 

「紛争地で取材報告するジャーナリストの役割」

        

          

 

 

コメント (5)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「安田純平さん解放:ようやく生き延びた人を日本社会は追い詰めてはならない!」No.2723

2018-10-24 20:56:46 | 人権

  

昨夜遅く、「安田純平さん解放」という毎日ネットニュースの速報を見ました。

3年間ただ祈るばかりで何もしてこなかった自分が慌ててブログに書くのも

おこがましいと思い、一日深呼吸して待ちました。

今夕、安田さん本人のしっかりした表情、声を動画で見、聞きました。

それだけで、安田さんがどれほど冷静で我慢強い人なのか、

容易に分かります。

万が一、死して戻るようなことがあれば、

後藤健二さんのときのように、

「自己責任」の罵倒の嵐があったかも知れません。

しかし、生きて帰れることになった今、

アベ政権が「政府が全力で救出活動を展開した」と

まるで自分の手柄のように言うのがムカつきます、が、

今はそんなこともクダクダ言いますまい。

とりあえず、

一刻も早く、愛する人々の傍に戻られんことを!

 

伊藤和子さん(弁護士、国際人権NGOヒューマンライツ・ナウ事務局長)が

私の不安・心配を全て指摘してくださっています(下の記事)。

帰国後、誰も安田さんへの愚かなバッシングをしてはなりません!!

万が一、周囲でそういうことを言う人がいたら

こんこんと注意してあげてくださいね。

 

安田純平さん解放の報。本人を追い詰めるあらゆる対応を控え、心的外傷の治療を最優先すべき

伊藤和子(弁護士、国際人権NGOヒューマンライツ・ナウ事務局長)

■ 解放の報に想うこと

日本時間の昨夜、「ジャーナリストの安田順平さんが解放されたらしい」との報に接した。

これまでイラクやシリア等、中東の人権問題に関してのシンポジウムなどで一緒に登壇する機会がしばしばあった安田さんは、今や本当に希少価値となっている日本が誇る戦場ジャーナリストであり、卓越した取材力とサバイバルスキルを身に着けており、私はかねてより尊敬していた。

最後に安田さんと一緒に登壇したのは、後藤健二さんが殺害された直後のトークイベントであった。

後藤さんの死とともに後藤さんの生き方を振り返り、中東地域で続く殺戮や人々の苦しみに対する日本の無関心さにどう向き合うべきか、ジャーナリストやNGOの使命は何か、ということを語り合ったことを忘れられない。

安田さんは絶対に死なないで生きて帰ると信じていたが、胸がつぶれそうな映像にも接してきた。

本人はどれほど筆舌に尽くしがたい恐怖と苦悩の日々(これでは十分な言葉と言えないが、言葉を尽くせないものがある)を過ごしてきたことだろう。

それゆえ、「解放されたらしい」との報には私なりに万感の思いがあり、本当であればこんなに嬉しいことはない。

■ 心的外傷に十分配慮する必要があること

一方で、本当な解放されたとの報が確実になったとして、その後の安田さんについて、様々な懸念がある。

人質体験の心的外傷は、絶え間ない緊張を強いられる拘束時には十分に自覚されず、解放後にどっと出てきて、大変なPTSDにつながることが過去の臨床経験からも示されている。

自責の念に駆られやすく、希死念慮もひどくなりがちである。拘束中にどれだけの死を見てきたかわからないが、他者の死を目撃し続けたことにも傷つき、「なぜ自分が生き残ったのか」と自問する可能性が高い。

国内犯罪の人質になった場合や、過酷なDVや人身取引・レイプの被害にあってきた場合も、PTSDはむしろ加害から離脱した後のほうが深刻になることが知られており、加害からの離脱後にあらゆる心理的負荷要因をできるだけ減らさないと、PTSDは悪化する。

まして、今回のように長期間にわたる戦闘地域周辺での、武装勢力による拘束、絶え間ない処刑の恐怖といった負荷要因がある安田さんのケースでは、心理状態はどのようなものなのか、現状では想像すらできない。

安田さんは精神的に非常にタフな人であるが、PTSDの治療は大きな課題であり、軽視すると大変なことになりかねない。

絶え間ない処刑の恐怖と拘禁反応により、深刻な乖離等の症状が起きることがあることは、日本の事例でも知られるところである。

とにかく一日も早く、専門的な医師により心身のケア、特にメンタルのケアを受ける必要がある。

この時期にストレスがかかったり、自責の念を増やしたりする要因を避けないと、PTSDが余計深刻になることは必至である。

とにかく、これ以上の心理的負荷をかけないでいただきたいと切に願う。

■ 日本社会の対応への懸念

筆者は現在、ニューヨークに出張中のため、日本の空気がどんな状況か手に取るようにはわからない。しかし、報道各社はメディアスクラムを組み、本人からコメントを取りたいと押し寄せることが予想される。また、警察庁等も、本件が国際的なテロ事件であるという観点から、「参考人」として安田さんの事情聴取を行う可能性があるであろう。

そして、さらに懸念されるのは、仮に、安田さんが第一声を発する機会があったとして、その内容が人々の期待に添わないものであればバッシングが発生する危険性もある、ということである。

筆者は、2004年に三人の男女がイラクで人質になり、釈放された後の経過について、ご家族および釈放後のご本人たちを弁護士としてサポートした経験があり、その経験からこうしたことが当然予想される。

あの時は、解放されたばかりの三人に当初取材が殺到し、そのコメントの一端が伝えられると、バッシングが始まった。

「自己責任」から「自作自演」まで、「税金を返せ」というものもあり、バッシングは長く執拗に続いた。政府内部からもこうした意見が流れ、人心をあおった面が否定できない。

 あの時のバッシングはきわめてひどく、生死のはざまの過酷な人質体験から解放された若い人たちにとっては著しく非人道的な状況であった。被害者の方は「人質の時より、日本に帰国してからの方が地獄だった」とあまりに悲しい心情を吐露したものだ。PTSDからの回復には大変な時間を要することとなった。

その一人、今井紀明さんが当時を振り返っている。(「『後ろから突然殴られた経験も』イラク人質事件の今井紀明さんが改めて語った"自己責任"https://abematimes.com/posts/3973831 

誤報や誹謗中傷がエスカレートし、束になって襲い掛かるバッシングの暴力性がいかに深刻なものか、認識していただければと思う。

帰国してから、メディアは、「一言でも本人からコメントを取りたい」「会見を開いてほしい」等と迫るが、そうした行動は本人を追い詰める。疲労困憊し切った人が、非の打ち所のない万全の会見対策などできるであろうか。

会見しなければならないということそのものに多大なストレスを感じるものである。

筆者も、2004年の人質事件の解放後、上記三人の人質となられた方のうち比較的症状が軽いと見られた方々について、メディアが強く会見を求めてきたので、ご本人とその件について話し合いをせざるを得ない局面があっった。しかしその最中に、ご本人の体にじんましんがみるみる出てきてしまい、会見というのがどれほどのプレッシャーなのかをまざまざと理解した。当然、会見は行わないことを決定した。

メディアスクラム、本人からコメントを取ろうとする取材合戦、会見要求等は本人をとことん追い詰めることになるので、本人が自発的に望む場合以外は控えるべきだ。

警察による事情聴取も方法如何によっては深刻なPTSDにつながりかねないため、どうしても行う場合であっても精神科医等の助言に従い慎重に進める必要があるだろう。そもそも、過酷な体験を思い出すことそのものが大きな心理的負荷である。

とにかくメディアスクラムやストレスをかける対応、ましてバッシングはやめていただきたい。

政府関係者、国会議員等からはバッシングをそそるようないかなる発言もやめていただきたい。これは人道に関わる問題である。

誰もが安田さんに聞きたいことがある。しかし、本人が今真に語りたいのであれば語っていただくのがよいであろうが、そうでなければ本人が語りたいときに語るのを任せ、治療を優先すべきだと思う。

ようやく生きのびた人に対して、「死にたい」と思わせるような追い詰め方をする日本社会であってはならないと強く思う。

そしてこのような懸念が杞憂に過ぎないことを期待します。(了)

https://news.yahoo.co.jp/byline/itokazuko/20181024-00101617/

コメント (2)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「風が吹けば葉っぱが落ちる、葉っぱが落ちれば土が肥える:人生フルーツ」No.2722

2018-10-23 21:50:47 | 自然

 

毎日、山東省の片隅にいても樹木希林さんの声が聞こえます。

「葉っぱが落ちれば土が肥える。

土が肥えれば木が育つ。」

季節は巡っています。

樹木はすっかり秋模様になりました。

キャンパスのあちこちにこんな散歩道があるのが

中国の大学のいいところです。

なにしろ国土が広大ですから、

どんな小さな大学にもこれくらいの林はあるのです。

大好きなモクゲンジの木。

拾ったモクゲンジの実が固く黒くなりました。

数珠、これを貯めたらできるのかなあ。

私以外に

誰一人拾い集めている人はいません。

他に名前の分からないのも拾ってきて壁にぶら下げています。

 

今日、またしても三信スーパー(キャンパスの外)に出かけました。

目当てはサンザシです。

キャンパスのスーパーのは酸っぱいし、美味しくないし、

それに高いんです

サイズは金柑とほぼ同じ。

 この中央の穴がちょっと食べづらいので・・・・・・

 私はとがった果物ナイフの先で抉り取ります。

 一つのサンザシに種が4つぐらい入っています。

形はなんだか朝顔の種に似ていませんか。

どんどん好きになってきたサンザシ、

日本のお店でも売っていたらいいのになあ。

コメント (2)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「反自民市長が次々誕生:沖縄那覇市長・京都大山崎町長・兵庫川西市長・千葉君津市長」No.2721

2018-10-22 01:45:45 | 日本事情

自公推薦の相手候補にほぼ倍の差をつけての圧勝‼️ 

城間みきこ市長二期目!

画像に含まれている可能性があるもの:2人、、スマイル、テキスト
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
でも、こちらもスゴイ!
自民・公明・立憲民主・国民民主の4党推薦の現職候補を
共産党推薦の新人前川さんが打ち破って当選!!
それにしても、京都の立憲民主と国民民主、
何考えて自民・公明と一緒にやってるの?
確か、福山哲郎さん、京都の立憲民主ですよね。
かなりイメージダウン~~~~
これを契機にしっかり考え直してくださいね。

京都・大山崎町長に新人前川氏 4党推薦の現職を破る

前川光氏
前川光氏

 任期満了に伴う京都府大山崎町長選は21日投開票され、無所属新人の前町議前川光氏(62)が、無所属現職の山本圭一氏(45)=自民党、立憲民主党、国民民主党、公明党推薦=に競り勝ち、初当選を果たした。

 前川氏は、共産党が支持を表明していた。3公立保育所の堅持を主張し、子育て環境の整備や行財政改革を公約に掲げた。まちづくりを議論する「住民委員会」の設置を中心に、町民が参加する町政への転換を訴えて支持を集めた。

 山本氏は幅広い政党からの支援や西脇隆俊府知事からの推薦を受け、組織的な選挙戦を展開した。1期目の実績をアピールしたが、届かなかった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

兵庫県川西市でも、千葉県君津市でも

自民党、あるいは自民・公明推薦候補が敗れました。

いい兆し。でも政治家まかせにしていてはぜえ~ったい世の中変わりません。

まず、庶民がしっかり政治参加しないとね。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
越田謙治郎氏 越田謙治郎氏
2018/10/22 01:05神戸新聞NEXT

 任期満了に伴う兵庫県川西市長選は21日投開票され、無所属新人で元同県議の越田謙治郎氏(41)が、無所属新人で元川西市議の森本猛史氏(38)=自民推薦=を破り初当選した。県と県内41市町で最年少の首長となる。

 市長選を巡っては、現職の大塩民生氏(72)が3期目の今期限りでの退任を表明し、森本氏を後継指名していた。選挙戦で越田氏は、全事業の再検証をはじめとする行財政改革や情報公開の徹底、市民との対話重視を強調し支持を広げた。森本氏は現市政の継続を訴えたが伸びなかった。

【君津市長選】石井宏子氏が初当選

 

コメント (2)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「ここまでやるかという政府の沖縄虐め、ホンドの私たちが止めましょう!!」No.2720

2018-10-21 23:30:32 | 日本事情

目取真俊さんのブログ「海鳴りの島から」から写真をお借りしました。

一昨日の辺野古の海です。

浅瀬はまだ美しいですね。

埋め立て工事を強行すればここが全て埋め立てられます。


日本政府が総がかりで潰そうとした玉城デニーさん、

それでも沖縄県民が知事に選んだのはデニーさんでした。

しかも、圧倒的票差で、これまでの県知事選での最高得票です。

この沖縄県民の行動は萎縮した我が心を生き返らせてくれるほど

勇気づけてくれましたが私以外にも、

普段は一週間に一度油絵教室に通って絵を描き、

家の庭で花を育てて静かに暮らしている関西の友人

とても喜んでいました。

「玉城さんの知事当選を嬉しく思っています。

これから困難が待ち受けているでしょうが、

陰ながら応援するしかできず、申し訳ないです」

と、メールを送ってくれました。

多くのホンドの人たちも、そう思っていらっしゃるかも知れません。

でも、本当に「陰ながら応援するしかできない」のでしょうか。

いえいえ!

ホンドの誰でもできる沖縄の地方自治応援を考えましたよ~ん。

SNS(ツイッター、フェイスブック)はもちろん、それ以外にも

①新聞の「読者の声」欄に「沖縄の民意を聞け!」と投稿する。

②NHKや民放の視聴者の声に「沖縄の現実をもっと報道して!」と送る。

③沖縄の報道をした番組に「ありがとう!これからもよろしく」と送る。

④政府の国民の声?欄に「沖縄の民意に従い、話し合いの席に着け!」と送る。

⑤お返し無し「故郷納税」を沖縄にする(こきおばさん様からの耳より情報)。

 (https://www.furusato-tax.jp/city/product/47000)

それぞれの連絡先を調べようとしたら、

菏澤はネットの調子が(特に夜)本当に悪くてダウンロードできず、

皆さん、①から⑤までの連絡先を教えていただけませんか。

一覧表を作成したいのです。

ということで、

皆さん、できることは何か、一緒に智恵を出し合いましょう!

そして、アベ政権の民主主義も何もかなぐり捨てて沖縄に襲い掛かる

酷いやり方を止めましょう!

カヌーの練習と海上視察を行う一昨日の辺野古カヌーチーム。

水がつめたくなってきたそうです。

この写真も目取真俊さんのブログ「海鳴りの島から」お借りしました。


 

コメント (2)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「そりゃ私の体重は重いですよ。でもまさかこんなことに……」No.2719

2018-10-20 23:03:55 | 中国事情

前の大学でも今も大学でも、外国人教師の宿舎は

見た目はともかく、立て付けの悪さは相当なもので、

いつもどこかに不具合があります。

冷蔵庫、エアコンなどの家電もしょっちゅう壊れます。

蛍光灯もよく切れます。

そんなことにはとうに慣れました。

し、しかし、今回のようなことは……!!

数日前、

あらどっこいしょと体重を後ろに乗っけて座ったところ、

ビキッと音がして、便座が割れました。

確かに私の体重は年々増加の一途を辿ってきています。

しかし、こんな事態を招くほどだったとは……

(また、ミスター張に写真付きでメールを送らないと)。

そう思いつつ、裏面にセロテープを貼ったりして

場当たり的な対処をしていたら……、


ガビーン!

今日は反対側までビキッと割れましたよ。

ま、何て言うか、劣化ですね、劣化。

私の体重の所為じゃないと結論付けた次第でございます。

コメント (4)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「1ヶ月ぶりにキャンパスの外へ買い物に」No.2718

2018-10-19 21:02:58 | 中国事情

 

キャンパスの外に出かけるのは、

スピーチコンテスト特訓を始めて以来ひ~さしぶりです。

キャンパス正門前のごく近所の店なのにすっかり足が遠のいていました。

↑この店は夏には皮を剝いて棒に刺したパイナップルを売っていました。

もう焼き栗の時期になったんですね。

串刺しのはサンザシとか棗とかに甘い蜜をからめたものでしょう。

昔、京都の吉田神社の縁日で見たりんご飴を思い出します。


↓下の店は上の店の右隣でほとんど同じ食品を売っています。

おじさんが蠅が寄ってくるのを小まめに追い払っています。

蠅が集って商品にくっついたらたいへんだからでしょうね。

 

↓人気の店に並ぶのは日本と同じです。

並んでいるのはみんな学生たち。


↓昔ながらの路地には小さい食堂がずらりと並んでいます。

しかし、古い建物がどんどん壊されて

新しい都市(どこの新都市もほぼ同じ表情)造りに励んでいる菏澤から

こうした路地が消え去るのもそう遠くないかも知れません。


↓食べながら歩くことは中国では決して行儀の悪いことではありません。

そういえばアメリカも同様でした。

その習慣がすっかり身についた私は、

大阪でたこ焼きを食べながら道を歩いて、

あちこちから何かしらビミョ―な視線を感じたことがあります。

 

↓スーパーの果物は袋やパッケージに入れず、量り売りするのが一般的です。

一番手前の蜜桔(蜜柑)は一斤(500g)1.99元(約32円)。

奥は順に中国名で火龍果、苹果、柚子です。

 

↓帰りはキャンパスに戻り、図書館の前の道を通りました。

ピンク色が美しかったモクゲンジの実は、

徐々に黄色から黄土色に変化しています。

菏澤の秋は深まってきました。

今日の気温は19℃~8℃です。

 

 

コメント (2)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「防衛省が禁じ手の不服審査請求:辺野古埋め立て承認撤回で」No.2717

2018-10-18 21:27:54 | 我が心の沖縄

今日は、全面的に日刊ゲンダイの記事にわが心を託します。

総力戦の選挙に負けたら、今度は国が国に救済を求める究極のセコ技!

民主主義を標榜する日本国で、こんな政府を存続させていいものでしょうか。

んなわけありません。(ブルーはーと)


ーーー(日刊ゲンダイ)公開日:2018/10/18 15:00 

政府が沖縄県民の気持ちに寄り添う気はゼロです。防衛省沖縄防衛局は、

名護市辺野古の埋め立て承認を県が撤回したことに対し、不服審査請求を行いました。

そもそも「行政不服審査法」とは、

『行政庁の処分その他公権力の行使にあたる行為に関する

国民の不服申し立てについて規定する法律』であり、

国が使うこと自体おかしいのです。


辺野古埋め立て承認撤回で…
   防衛省が禁じ手の不服審査請求    

https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/239753

再び法廷闘争に突入だ。防衛省沖縄防衛局は17日、名護市辺野古の埋め立て承認を県が撤回したことに対し、石井国交相に対して行政不服審査法に基づく不服審査請求を行った。

これを受けて、玉城デニー知事は対応の検討を表明。今後、「国地方係争処理委員会」に審査を申し出るなど、あらゆる対抗策を講じるとみられる。

「今後とも、県民の皆さまの気持ちに寄り添い……」。沖縄県の翁長前知事の県民葬に出席し、安倍首相の追悼の辞を代読した菅官房長官はこう言っていたはず。9月末の県知事選で明確に「辺野古移設ノー」の民意が示されたのだから、本気で寄り添う気持ちがあるなら、不服審査請求など論外だろう。

 そもそも行政不服審査法は〈行政庁の処分その他公権力の行使にあたる行為に関する国民の不服申し立てについて規定する法律〉(大辞林)であり、国が一般国民の権利救済制度を使うこと自体がおかしい。

 国が「個人」になりすまし、国に救済を求め、国に判断を仰ごうというのだからデタラメ過ぎる。安倍政権は3年前にも辺野古移設で同様の禁じ手を使っている。この時、100人近くの行政法研究者が「この審査請求は不適法であり、執行停止の申し立ても不適法」と指摘していたのに、安倍政権は法律家の声明などクソ食らえと言わんばかりの対応だ。神戸学院大の上脇博之教授はこう言う。

「安倍政権は辺野古移設が最大の争点だった県知事選に、国政選挙並みの布陣で臨んで負けた普通であれば移設は断念するでしょう。しかし、そうならない。要するに安倍政権にとって選挙は『支配の手段』のひとつに過ぎず、勝てば『民意だから従え』、負ければ別の手段で従わせることしか考えていない。これは地方自治の趣旨に反するのですが、自民党改憲草案には地方自治の改正案も示されていて、国の意向に地方を従わせるように読み取れるくだりもあります。地方の意思を潰すことが目的としか思えません」

 安倍政権のホンネは「地方創生」じゃない。「地方撲滅」なのだ。

画像に含まれている可能性があるもの:2人、テキスト
 
<form id="u_ps_fetchstream_23_0_4p" class="commentable_item" action="https://www.facebook.com/ajax/ufi/modify.php" method="post" data-ft="{"tn":"]"}">
 
 
</form>
コメント (2)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「小金井市議会の共産党議員さんたち、もう一度翻意してもらえないかなあ」No.2716

2018-10-16 21:39:57 | 日本事情

↑今年1月末、辺野古の海


沖縄県知事選挙の数日前、

東京都小金井市議会で一つの画期的な陳情採択がありました。

「過重な基地負担を沖縄に押し付けるのではなく、

全国自治体を候補地として代替基地が国内で必要かどうか、

「国民的議論」を行ったうえで必要との結論ならば、

民主主義と憲法に基づき、公正で民主的な手続きを経て決定する」

というものです。

この陳情採択が、玉城デニーさん支援者たちを

どれ程勇気付けたか想像に難くありません。

しかし、この採択は市議会の共産党議員たちの翻意により、

無効になってしまいました

共産党議員たちの言い訳を何度読んでも私には納得できません。

本当に世の中を変えたいと思っているのなら、

理屈にしがみついて議論も不要とする

その態度をまず変えて欲しいものです。

全ての共産党員ならびに支持者の皆さんがそうだとは思いません。

しかし、この市議団は当然、党中央に相談した結果、

この翻意を決めたのでしょう。

おかしいなあ、

共産党書記長の小池さんは

「共産党は生まれ変わった」と言ったのに。

小金井市の議論は続くとして、

全国でこの陳情を受けて立つ自治体が次々と現れて欲しいものです。


ーー小金井市議会の経緯にからめて沖縄基地問題についての興味深い意見・アンケートを

朝日新聞デジタルがまとめています。長いですが全文引用しました。

  ↓      ↓      ↓      ↓

米軍基地集中、沖縄への差別だ 東京発の陳情から考える

河井健、川端俊一 2018年10月14日09時30分 朝日新聞デジタル

過剰に集中した沖縄の米軍基地。「差別では」との問いかけに、ヤマト(本土)はどう向き合うべきなのでしょうか。沖縄の負担を減らすため、ヤマトに基地を引き取ることはできるのでしょうか。朝日新聞デジタルのアンケートに寄せられた声や、東京・小金井市議会での出来事から考えてみたいと思います。

「国民的議論」への陳情

東京・小金井市議会で9月25日、市民から提出された「陳情」が賛成多数で採択されました。

陳情書は、沖縄の普天間飛行場(宜野湾市)の代わりに名護市辺野古で建設される米軍基地の問題について、海兵隊の沖縄駐留を正当化する理由は根拠薄弱とし、8割を超える国民が日米安保を支持しながら沖縄に負担を強いるのは差別では、と指摘。辺野古の工事中止と普天間の運用停止を訴えています。そして、沖縄以外の全自治体を候補地として代替基地が国内に必要か「国民的議論」を行った上で、必要との結論ならば、民主主義と憲法に基づいて一地域への押しつけにならないよう公正で民主的な手続きで決定する――。意見書案が添えられ、衆参両院議長や首相に提出するよう求めたものでした。

 陳情を提出したのは沖縄出身の米須清真さん(30)。委員会で陳述したときは拍手が起こったそうです。市議会は定数24。採決では共産会派など13人が賛成、自民会派など6人が反対、公明会派4人は退席しました。米須さんは「良心に従って判断してくれた。道理が通ったと思いました」。「意見書」は改めて可決のうえ、関係先に送られるはずでした。

     ◇

が、数日後、米須さんは共産の市議から意見書案には賛成できないと言われます。前代未聞の翻意の理由は、代替基地について、「全国のすべての自治体を等しく候補地とすること」などの文言。5日の議会運営委で共産の水上洋志議員は「党の態度は在日米軍基地の全面撤去。国内に米軍をつくり強化することを容認しているとの誤解を与える」などとして「陳情への賛成は間違っていた」と述べ、謝罪。意見書案採決は見送られました。

米須さんは「(意見書は)国内への基地移設が前提ではなく、『本土』の人たちに自分の問題と考えてもらい、国民的議論につなげるためのものです」。12月議会に向け、引き続き議員たちに働きかける考えです。

父の転勤で沖縄各地で暮らし、どこに行っても基地があると感じたのが「原点」といいます。米須さんが属する、ウチナーンチュ(沖縄の人)による市民団体は今年、「沖縄発 新しい提案 辺野古新基地を止める民主主義の実践」という本を出版。基地を沖縄に押しつけるのではなく、公正な手続きで決めることを訴え、全国の議会への陳情を提唱しています。中心的な執筆者の安里長従さん(46)は今回のことに「沖縄に基地を固定化する『構造的差別』が可視化された」

     ◇

 米須さんは別の市民団体「沖縄の基地を引き取る会・首都圏ネットワーク」のメンバーでもあります。9日夜のミーティングで、陳情のことを報告しました。

 会は、基地の引き取りは「本土」の「責任」であると訴えています。共同代表の佐々木史世さん(46)によると、「引き取り運動」に批判的な人は、「保守」よりも安保に反対する「リベラル」が多いそう。

 「『基地はどこにもいらない』と言いながら沖縄を放置してきた。一市民の陳情にこうした態度をとるのはどうかと思います」

 「本土」各地で「基地引き取り」を訴える団体が次々に旗揚げしています。3年前、全国に先駆けて結成された「沖縄差別を解消するために沖縄の米軍基地を大阪に引き取る行動」松本亜季さん(35)は、かつて辺野古で座り込みをし、新基地建設を止めようと大阪で訴えました。

でも、多くの人は沖縄を他人事にしか見ていないことに危機感を持ち、この団体をつくりました。小金井市議会で、意見書は見送られたものの、「『国民的議論を』との陳情が県知事選の投票日前に採択されたことは、沖縄にとって意味が大きいと思う」。自らの地元の市議会にも陳情を提出できないか考えています。(河井健、川端俊一)

安保そのものを見直す選択肢も 

高橋哲哉・東京大学大学院教授

 沖縄にこれ以上、米軍基地を押しつけておくことはできない。安保条約がある限り、ヤマトに引き取るしかない、と考えています。確かにヤマトにも基地は存在する。しかしヤマトと沖縄の歴史的関係を考えれば、その意味は違うのではないでしょうか。

 沖縄は近代化の過程で日本に併合され、戦争の犠牲になり、戦後はあずかり知らぬところで成立した日米安保体制に無理やり組み入れられた。それとは違い、ヤマトの基地から生じる諸問題は、安保体制を政治的に選択していることの責任の一部だと思います。

 基地が来たら被害が出るかも知れない。地域間に負担の格差がでるのも事実。そうした問題をどう解決するか、も含めて全部の問題を引き取る。問題に向き合う責任は、引き取りを言う者の責任であるだけでなく、安保体制下に生きる者全員の責任であるはずです。沖縄が必死で考えてきた日米地位協定の問題にも、ヤマトは本気にならざるを得ないでしょう。

 でも、ヤマトの自治体がどこも引き取りを拒んだら? みながみな米軍基地はいらないとなれば、安保そのものを見直す、という選択肢が出てくる。引き取りますか? 見直しますか? ヤマトの多数派への問いかけでもあるのです。

移すべきだ・正直怖い

問1.沖縄の人々が、過剰に集中した米軍基地をあなたの住む町にも引き取ってほしいと求めたら、あなたはどう答えますか?

  • <label for="s_11">明らかに不平等なので、引き取るべきだ</label>22625.7%
  • <label for="s_12">すぐには無理だが、時間をかけて人々を説得し、引き取るよう努力したい</label>11713.3%
  • <label for="s_13">確かに不平等だが、人々の同意を得ることは難しく、引き取れないと思う</label>677.6%
  • <label for="s_14">沖縄への基地の集中は日米双方の政策なので、引き取る必要はない</label>10912.4%
  • <label for="s_15">基地そのものを減らすべきで、引き取る必要はない</label>27230.9%
  • <label for="s_16">その他9010.2%</label>

問2.沖縄に駐留する米海兵隊は1950年代、反基地運動が高まった「本土」から移駐しました。沖縄への基地集中は「本土」の人々にも責任があると思いますか?

  • <label for="s_21">「本土」の基地に反対しながら、沖縄の負担を考えなかった責任はある</label>47954.4%
  • <label for="s_22">「本土」での基地反対は当然だが、沖縄の基地にも無関心ではあってはならない</label>16819.1%
  • <label for="s_23">当時、沖縄は日本に復帰する前なので、米軍基地が集中したのもやむを得ない</label>13315.1%
  • <label for="s_24">危険を伴う基地のような施設が、中央からなるべく遠い地域に置かれるのは仕方ない</label>182.0%
  • <label for="s_25">その他</label>839.4%

問3.沖縄の基地問題は、今後どうしていくべきだと思いますか?

  • <label for="s_31">米軍基地がどれだけ必要なのか論議して、減らせるものは減らしていくべきだ</label>45451.5%
  • <label for="s_32">まず「本土」に基地を引き取って、不平等を解消したうえで議論をするべきだ</label>17319.6%
  • <label for="s_33">すぐには沖縄の基地は減らせないので、被害を防止する対策を講じていくべきだ</label>849.5%
  • <label for="s_34">防衛上、基地は沖縄に置くべきで、沖縄の人が犠牲になるのはやむを得ない</label>869.8%
  • <label for="s_35">その他</label>

アンケートに寄せられた声の一部を紹介します。

●「東京から沖縄に移住しました。実際に沖縄に住んでみて、騒音だけでなく米兵による事件・事故の多さに驚いています。東京にいた頃はあまり報道されなかったですから。将来的には全基地撤去が理想です。これ以上沖縄に基地を増やすくらいなら私の東京の実家がある町に基地を造ればいいと思います。日米安保体制を8割の日本人が支持しています。そうであるなら沖縄ばかりに基地を押しつけず全国に分担するのが当然であり正論であり平等であります。最小不幸という屁理屈(へりくつ)は心のない人間の考え方です。基地問題は沖縄の問題ではありません。原発も福島の問題ではありません。日本の問題です。心ある政治家に首相を務めてほしいものです」(沖縄県 40代男性)

●「基地は私が生まれた時からあるもので、違和感を持てない自分がいて強い反対意識はありませんし、その分多額のお金や優遇を得ていることも分かっています。ただ、ネットや新聞、ニュースで、本土と沖縄とでの歴然とした温度差を実感しています。沖縄の中でも世代や地域で温度差はあるし、県民全体を一緒くたにはできないところもありますが、基地問題には色々な葛藤があるという現状を本土の人にも知ってほしいと思っています」(沖縄県 10代女性)

●「沖縄の人たちは、今までずっと負担を本土と米軍から強いられてきた。なのに、今の政府はさらに沖縄に基地の負担を増やそうとしているようにしか見えない。沖縄を軽視していてとても腹が立つ。しかし、じゃあ我が町で基地を受け入れるのかというと、正直とても怖い。いつ落ちるかわからないオスプレイが頭上を飛ぶことなんて考えたくない。こういう人間の性質が、臭いものに蓋(ふた)という考えで、沖縄に全部背負わせるのだと思う。解決策は正直まだわからないけど、国民はこの状況に無関心であってはならないと思う。だって日本は民主主義だから。日本の沖縄に住む人たちの権利を日本国民みんなで考える。取り組む姿勢を決して忘れてはいけないと思う」(京都府 30代女性)

●「自衛隊基地があるまちに住んでいます。日米の防衛協力・一体化が進むなかで、米軍の訓練を引き受けるようなことにならないか不安に感じています。『基地引き取り運動』の理念は尊いと思いますが、基地の実害を受けることが少ない都市部の住民や知識人が主体となった活動であるように思われてなりません。実際に米軍基地がおかれるリスクがある地域の住民の声に十分に耳を傾けることが不可欠と考えます」(岐阜県 30代男性)

●「防衛戦略上沖縄に米軍基地集中するのはやむを得ないと思いつつも、同じ日本にいてこれほどの不平等を黙認することもできない。今日の周辺国の状況を考えるとすぐに沖縄の基地負担を減らすことも難しいと思う。非常に難しい問題だと思う」(三重県 20代男性)

●「沖縄の負担軽減の面だけでなく、軍事的な意味でも、本土に海上輸送拠点(強襲揚陸艦の母港)がある海兵隊は、本土に基地を移すべき。沖縄に海兵隊のヘリ部隊や訓練施設だけを置く意味は皆無に等しい」(東京都 40代男性)

●「沖縄出身で福岡に住んでいます。福岡の同僚や友人たちとも、沖縄にいる同級生たちとも、基地問題についてはなかなか話す機会がありません。変わった人、政治的な人だと言われてしまうから、話しにくいのです。本土に引き取るということをみんなが考えて議論するようになれば、一地域への押し付けがどんなにおかしいことか、他人事でなく自分事として考えることができて、議論が深まるのではないでしょうか」(福岡県 30代女性)

●「問1は「その他」を選びました。基地問題を沖縄だけの問題にしている多くの人々にとっては、『本土に引き取る』という議論が必要だと思います。自分のこととして考えるために。しかし、根本的には基地の必要性自体を国民全体で考えるべきですし、辺野古の海を埋め立てることは論外です。ハワイにハナウマベイという美しい湾があります。立ち入るにはまず自然保護に関するビデオを見て、さらに底の生き物にダメージを与えない履物に履き替えさせられます。沖縄の人が辺野古の海を守りたいという気持ち、ハワイの人なら理解してくれるはず。日本とアメリカ全体で議論を共有していくことが大事であって、政府の『辺野古が唯一の解決策』は論外です」(大分県 50代女性)

●「基地はどこにもいらないとこの国の反基地・反戦運動は言い続けてきたが、『いらない』ということについてはどこも同じではない。長期間、米軍基地が集中し続けてきた沖縄がどこよりも早く無くなるべき場所だ。まず、沖縄に固定してきた基地を動かしてから始めるべきだろう」(大阪府 50代男性)

●「子供の頃、家の近くに米軍基地がありました。治安が悪く心配でした。米軍基地のそばに住んだことがない人でないとそのつらさはわかりません。もっと本土に基地を分散すべきです。そうしないと本土の大部分の人は沖縄の負担がわかりません」(神奈川県 50代男性)

●「沖縄の米軍基地は本土が引き取るべき。もし、引き取りたくないという人が多数なら、米軍に日本から出て行ってもらえばいいだけの話。とても単純なこと」(福岡県 40代その他)

コメント (2)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする