モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

センスが光っています

2016-10-29 22:43:25 | 学生

遥花 高3 『時の解放』 / 『抑圧の末に』 アクリル

岩田でーす!今回は土曜日午後クラスの遥花の作品をご紹介します。卵をモチーフにした2枚の連作です。それぞれ自分の気持ちを表現した作品です。

明快な表現で、見た目にもとても分かり易い作品です。左はタイトルにもあるように自分の気持ちが解放された状態を表しています。卵をくす玉のようなものに見立て、中身と共にキラキラしたリボンなどが飛び出しています。背景は余計な表現を排し、あえて明度の低い青を1色塗りました。その分卵の白、リボンのハイライトが煌びやかに目立つことで、高揚した気持ちを強烈にアピールすることに成功しています。

一転して右側は自身の抑圧された気持ちを表現しています。左と同様、卵をくす玉に見立て中身まで表現していることに変わりはありませんが、明らかにその表現は散々痛めつけられた末に、殻が割れて中身が出てしまった・・・というものとなっています。更に荒涼とした気持ちを表す一端として、敢えてこちらは背景を砂漠のような乾いた大地とし、卵がそこに打ち捨てられたかの如く表現しているのですね。

こうした対比概念をテーマとした課題は美術系の受験課題としてしばしば出題されるものですが、遥花の場合「卵=くす玉」としたところにそのセンスが光っています。又色、構図、アングルなどにも工夫を凝らしているのが分かります。

大学生になるまでにここから更に進化して、魅力的な作品を作っていって欲しいと願っています。

コメント
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