モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

壁面に琺瑯、耳を画いた作品

2012-08-25 12:57:00 | 大人 油絵・アクリル
Still_life_vessel_auricle梅田 『外耳と琺瑯容器のある静物』 250x500mm 油彩

まずは作者のコメントをご紹介させて頂きます。

「土曜大人クラスの梅田です。こんにちは。先ごろ仕上げた拙作の紹介です。作品名は『ガイジとホウロウヨウキのあるセイブツ』と読みます。
ワンコインで手に入れた琺瑯ですが、長年使っている間に愛着を深めました。この琺瑯を表現するのに効果的な見せ方を思案し、考案した構図がこれ。釘打ちされた耳というモチーフの脇役です。
拙作のなかでは割と写実的な作品のため、正確な素描を必要としました。本作を鑑賞していると憂鬱になる人も少なくないかもしれませんが、筆を走らせながら私も憂鬱になりました。」

岩田です。先日、梅田さんの花を描いた油彩をご紹介させて頂きましたがそちらの油彩は、主役の花の中に同系色でありながら様々な色が使われている魅力的な作品でした。
今回の作品は、その花と打って変わって白を主体に描かれています。又、前回とは、アプローチもかなり変わっています。

壁面の一部に空いた四角いスペースの中には、調度収まる位の大きさの琺瑯の容器が鎮座しています。この琺瑯の容器、事前に時間を掛け楕円の形にこだわりながらデッサンしていましたが、この絵を描く為の下準備だったのですね。頭が下がります。

しかしその下積みを抜きにしてもこの作品、拝見した瞬間に「気合いを入れて描かれている!」と、思いました。
数週間前に一度見せて頂いた時と一変しているのです。壁面の質感、状況設定、形の正確さ、どれをとっても本気で絵と対峙していると感じました。耳が壁面に釘で打ってある描写、前回拝見した時とリアリティーが全く違います。この短期間でここまで変わるとは、梅田さんの絵に対する情熱を感じざるをえません。

しかもこちらの絵、アトリエで描かれたのではなくご自宅で描かれた作品です。毎日お忙しいお仕事の合間を縫ってここまで一枚の絵と真摯に向き合うというのは、そう出来るものではないと思います。

私は、アトリエで皆さんに絵の指導をさせて頂いている身ですが今回、梅田さんの絵を見せて頂いて、私自身大変勉強になりました。
私も美術作家として作品を作るという事に日夜励んではいるのですが時として、「疲れたからしばらくサボろうかな」といった心が顔を見せてしまったりするものです。しかし「ああ、自分は、まだまだ甘かった。」と思えました。この作品には、その位のインパクトが正直ありました。

梅田さん有り難うございます。

コメント
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