さて、先ほど荷物が出て行きました。
いよいよ、出立の日が近いと思わずにはいられません。
さて、僕は余り人のことを責めるような記事は書くことはないのですが、少しだけ厳しいことを書いてみます。
時折ですが、医療制度に関して声を上げている医師を批判する内容のブログもあります。
いつも書いていますが人の考えは個人個人違うものであり、Blogでの批判などはむしろ参考記事として非常に勉強になると思っています。 自分と同じ意見であれば「うんうん」と思っておくとよいのでしょうけど、まったく異なる意見であれば「この状況をどう考えるべきか?」と悩んでしまうのである。
なぜ、認知の違うがこれほど大きくなるか…ということであるが、個人の利益のために医師が立ち上がったと思われているのではないかと、考えられるのである。
多くの医師、勤務医は特に・・・非常に忙しい勤務体系の中にいる。それゆえにおそらくインターネット上でこのような話が上がっていることも多くの人は知らないかもしれない。
知っていても深くかかわらないかもしれない。 7割以上の医師はなんだかんだ言っても忙しいから、声を上げる暇もなく「日常診療」を行っているだろうし・・・少しでも時間があれば「家庭」の中に残りの時間を使っているのではないだろうか?
僕は独身ゆえに使える時間をかなり自由に使用できるが、家庭を持っている人たちはこんなことを行っていたら「家庭崩壊」も起こしてしまう。
もう一つ、現在医療インフラであるので少なくとも医師は増員せざるを得ないのだが、大増員の話を持ち出すことができる人間は「日本の医療」「日本の将来」を本当に考えている医師だと言える。
何故かと言えば・・・・医師が相対的に少なくなったら「医師一人一人の価値」が上昇するから。
医療崩壊が起きても・・・医師やその家族、関係者はどうにかすることができるので困らないかもしれない。いや、一般の人よりも困らないだろう。
逆に歯科医師のように医師が余るところまで増えたら、過剰供給が起きたら価値は下がる。 そのことを考えたら、「医師を増やそう!」などと言わなくてもよいのかもしれない。
ただ、「日本はもうだめだ。俺らの家族は守れるようにしよう」という風に考えてもよいのかもしれない。
一部の医師は「医者を増やすことには反対だ」という人もいる。その人たちが喫茶店などで話す会話を聞くと「将来的に医者が余ったらおれたちが困る」というのである。 まぁ、正論なんだけど。
僕は毎回書いておりますが、医者を大幅に増やしたい。
しかし、医療費が少ないままではパイの取り合いが起きて、結局医療は破綻する。医者を増やすことも大事だが、医療費に関しては地域を支えている病院の存続、診療科の存続、地域社会の存続のために必要になってくる。
また、今医師を大幅に増やすと「医局」が壊れる。医療教育機能が消失して、医師を増やすどころではなくなる。だから、医局改革を行い、教育整備を行った段階で一気に医者を増やしたい…という考えである。
医者が増えはじめることがわかった段階で、大々的に横断的な教育組織を整備する。そう考えている。
話を戻しましょう。
もちろん、僕の考えている以外の理由で「医師の増員に反対」の方もいるかもしれない。小幅な増員はほとんど効果がない…という話も確かにある。
いや、その前に忙しすぎてこのような話に参加できない医師の方が多いかもしれない。
しかし、純粋に将来の日本を見据えて、子供たちの未来を考えたときに医療と教育に関しては立て直しておかなかったら、国が崩壊する。 何らかの形で「医療」と子供たちに対する「教育」は立て直さないといけないのだ!
医療費が増えれば病院は無茶な経営をしなくて済む場所が出てくるし、先日もご指摘があったように「儲かる診療科」以外がなくなるというような現象も起きなくて済むかもしれない。
医師数が、医療従事者数が増えれば「医療のシステムエラー」も減少するだろう。また、地域医療や人間らしい生活を送りながらの勤務も送れるかもしれない。
日本の将来を考えれば考えるほど、どうにかして「医療費」および「教育費」を増額し、将来への投資としなくてはならない。そう思うのである。
また、医師教育システムを整備して「医師の増員」に対応できるようにしなくてはならないと思っている。
今の医療教育なんて、申し訳ないですけど・・・偏差値社会を勝ち上がってきた論理的・分析的能力が高い学生・医師の力に頼っているだけで、医療教育というのはまだまだ整備の必要があると思っています。
(これに関しては最後にお知らせがあります)
いずれにせよ、今現在の医療・教育の分野には改革のメスが入るべきで、これは日本の将来を憂いて僕は書いているつもりです。 多くの先生がそうなのだと思います。
医療費の話や、医師数の話だけではなく、事故調だとか様々な問題に関しても同様である。
様々な考え方の方々がいらっしゃることは重々承知ですが、医療費増大や医師の増員を主張している医師、事故調に関しての行動をしている医師が、自分たちの利益だけを求めて行動しているような意見を書くのだけはどうかやめていただきたい。
もちろん、書くことは自由であり…どのような考えでもよいのですが、そのような意見を複数読むと、だんだん疲れてくる人もいると思うのです。本当に変える必要があるのだと思います、日本の医療は・・・。
そして教育は・・・。
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今現実に活動している多くの方々は、私費や自分の時間を使って「将来の日本」のために動いています。本当に私費を投じて大きな動きをしている先生もいます。
そんなことは勝手だろう…と思われるのも自由ですが、可能であればそれが「自分たちのため」だけではなくて、「日本の将来を憂いた人間が動き始めている」のだと考えていただけますとうれしく思います。
本文はここまで。
最後にICLSのインストのMLで流れてきた情報ですが、メールは転送自由ですと書かれていたので紹介します。
医療教育関係です
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今年も来たる10月30日(木) ・10月31日(金)に第4回医学教育研究技法ワークショップを開催する運びとなりました.
概要とプログラムが決定しましたのでお知らせします.
皆様のご参加、熱心な討議を心待ちにしております.
今回は、医学教育分野で用いられることの多い質問紙調査を行っている(または行おうとしている)方を対象としたワークショップを企画しました。質問紙調査の質を上げるために必要な知識や技能を、グループ討論や講義を通じて学ぶことによって、各参加者の抱える課題の具体的な解決方法を探ります.
企画・運営 日本医学教育学会医学教育研究開発小委員会
日時 平成20年10月30日(木) 13:00~10月31日(金) 12:00
会場 東京大学医学部総合中央館(医学部図書館)3階333号室
対象 医学教育研究に関心をお持ちの方々
参加費 2,000円(宿泊・懇親会費別)
定員 25名(先着順)
申込・問合わせ 所属・氏名・連絡先を明記の上,
医学教育研究開発小委員会 委員長(東京大学) 大西弘高 ircme-pc@m.u-tokyo.ac.jp 03-5841-3534 までご連絡下さい.
プログラム 10月30日(木)
13:00~13:30 開会挨拶・自己紹介
13:30~14:00 レクチャー1:医学教育における質問紙調査
14:00~15:00 グループワーク1:質問紙作成
15:00~15:30 休憩
15:30~15:50 他グループの作成した質問紙への回答
15:50~16:30 グループワーク2:他グループによる回答結果の検討
16:30~17:15 グループ発表と討論
17:15~17:45 レクチャー2:質問紙作成によくみられる問題点
17:45~18:30 グループワーク3:質問紙の改良
18:30~19:00 グループ発表と全体討論
19:00~ 懇親会(参加自由)
10月31日(金)
9:00~ 9:30 レクチャー3:質問紙調査の実施前後における問題
9:30~10:00 レクチャー4:質問紙調査を用いた医学教育研究の実際
10:00~10:20 改良された質問紙への回答
10:20~11:00 グループワーク4:他グループによる回答集計と振り返り
11:00~11:45 グループ発表と討論
11:45~12:00 まとめ・閉会挨拶
なお,昨年までのワークショップを含め,より詳細な内容については下記ホームページをご参照ください。
http://edu-med.umin.ac.jp/Japanese/rdcme.htm
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では、この後実験室へ行って若手の先生方と合流します。
送別会を開いていただけるということなのですが…若手といっても僕が一番下かもしれないw
それでは、また。