新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

今年度はこれで終わり:新年度は現場から様々なものが発信されるとよいと思う

2009-03-31 23:25:47 | 医療

こんばんは

 

今日は今年度最終日です。

現行の体制の最終日。明日からは新教授のもと・・・新しい体制が敷かれます。と言っても新教授は流石に病棟は持たなくなりますが、今まで(というか、今週一週間は)病棟を持っていますし、現場を見ているのでいろいろ現場の意見を聞いてくれます

 

現場の意見と言えば・・看護師さんも数が足りなくなり、そのためさらに人が辞めていきます。今日で3名の方が辞めていきました

 

2月に辞めた一番頼りになる看護師さんと、同じくらい頼りになる看護師さんが辞めてしまい・・・それ以外にも2名が辞めました。 そこに補充されるのはなんと・・・新人が3名だという。

 

新人は夜勤などにつかせてはいけない・・・というお達しのもと、残った看護師さんはほぼ休みなく勤務しないといけないため大変です

 

今日すでに普段より一名看護師さんが少なかっただけで大混乱でした。

 

まぁ、病棟が荒れていたのも一因でしょうけど。

 

 

今朝は

「早めにいっておいたほうが良いような気がする」

と思い、6時半に病棟に行いました。

 

その時は何も起きておらず、ゆっくり患者さんと話をしました。 その後、胸水貯留と肺炎がある患者さんの胸腔穿刺を行い、処置室から出てきたらその20分くらいの間に病棟があわただしくなっています

 

「ど~したの?」

「○○さんのSpO2(酸素モニター)が80台まで下がって」

「酸素投与量は?」

「リザーバーでMaxです」

 

モニター画面を見ると研修医があわただしく何かをしています。

 

病室に行くとかなりの頻呼吸

助けるなら挿管するしかないな

外来をしている主治医に連絡し、家族に連絡し挿管して現在に至ります。

 

当初、2年目研修医が行いましたが入らず、僕が入れました。どういうわけだか、この5日間で3回挿管しているという・・・・。

 

その後も呼吸状態は安定せず、血圧も微妙でシビアな状態です。

今夜も病棟から呼ばれる恐れは高く、ゆっくりは休めそうにありません。

 

 

こんな現場ですけど、厚労省の方も含めて

患者を助けたい(と書くとおこがましいですけど、人のためになりたい)」という思いで必死で働く現場の人間のためにも「医療制度改革」を実現してほしいように思います

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それでは、今日の記事に行きます

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今日はすぐ寝ます…て、もう1時か

2009-03-31 00:55:39 | 医療

こんばんは

 

今日も血液病棟はドタバタです。

 

・・・・いや、血液病棟以外もドタバタか・・・

 

昨日の患者さん。痙攣したのもあったとは思いますが、血液Dataを見てみるとCPK22万という恐ろしい数値が出ていました。しかし、患者さんの意識レベル、呼吸状態が安定したため抜管しておりました

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あとは腎臓さえ大丈夫ならめでたしめでたし・・・。

グリベックの内服を継続したまま、精神的な要素の安定のために転院かな?

 

その他、初発の白血病が再びでました。外来ならともかく、入院中の患者さんでありそのまま転科です。

 

こんなこともあるのね・・・。

 

その他にもいろいろありましたが、夜中に呼ばれる恐れが高いので今日はこのあたりで・・・。

 

では、また。

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眠らない医者というものの疲れた:38時間経過しました・・・・

2009-03-29 21:39:53 | 医療

こんばんは

 

昨日当直でしたが、3時過ぎにいったん落ち着いたと思ってメールでアップしましたが・・・ その数分後病棟から再び当直携帯に電話が・・

 

急変です。すぐに来てください」

 

とりあえずダッシュで駆けつけると、おぉ・・・けいれん発作が・・・

 

セルシンで一時的に止めて、原因検索のために採血と頭のCTをとりました。

 

CTを取りに行った時も薬が切れたらけいれんする

 

「駄目だ。すぐ挿管する。人工呼吸器準備、皮膚科の当直の先生起こしてきて」

 

そう、ここは皮膚科の病棟・・・。

 

すぐ挿管して低酸素血症を防ぎました(挿管始めてから10秒くらい。けど、少しけいれんが続きすぎ)が、それでもきつかったですね。

 

「血液の病棟に電話をして研修医を集めるように伝えてください」

(この段階で5時ころ。研修医は僕のいないところで「あの人は血液内科というか、救急内科みたいな感じだ」と言っていたそうです)

 

家族が到着したのがその後。私が悪いんですととりみだす母親に事情を聞くと・・・。

 

血液の病気(外来主治医:僕)と精神疾患(他院)がありますが、どうも精神科の薬を大量に飲んだりしたみたい(一回)。

 

それで、母親管理にと言われていたのを本人に言われて、自己管理にされていたという・・・。

 

「薬中か?」

と思いましたが・・・・症状が合わない。

 

この疾患に水中毒はよく合併するのは知っていたので、そっちは治療し始めていましたが・・・これは・・・

 

自分の外来カルテを見ると

水中毒と・・・悪性症候群疑い・・・・?

と書いていて・・・。(自分で書いていたw)

 

とりあえず、挿管した状態で寝かしてしまえば痙攣重責発作も起きませんので、そこまで体制を整えて、中心静脈を確保して、救急部と精神科にコンタクト

 

精神科の先生は母親から事情を聴き、いろいろアドバイスをして去っていかれました。

 

救急部の先生は

Dataもほぼ間違いなく悪性症候群ですね。最初の大量の発汗というのも筋の固縮も悪性症候群でよさそうです。センターICUでの治療適応です。センターICUの受け入れ準備を整えますので、しばらくお待ちください」

と、受け入れてくださり

 

「発症は今日になってからか、すごいフレッシュじゃないか」

と上の方の先生もおっしゃっており、すぐにダントロレンが入りました。

 

ダントロレンって黄色い色をしていたのね。自分で使うことになるとは思わなかった。また知識が増えた・・・。

などとも思いましたが、ほぼこの一件で不眠不休で12時まで。

 

センターICUに11時半に入り・・後は救急部で加療してくださっています

 

その後も働いていましたが。看護師さんから

「先生、顔面が蒼白になっていますよ。もう休まれた方が・・・」

と言われ、研修医からも

 

「しばらくは僕たちで大丈夫だと思いますので休んできてください」

と言われ、少し休憩しましたが、すぐに病棟に出現。

 

明日から抗癌剤治療をする人の中心静脈ラインを確保(鎖骨下)し、全患者の回診を終えて、今帰ってきました。

 

そんな一日でした。この夜中の大荒れで一睡もできなかったわけですが…この患者さんに関して一言救急部の先生がおっしゃいました

 

「状況はよくわかりました。こちらで受けます。最後にひとつ聞いていいですかなんでこの患者さんが内科の当直に回ったのでしょうか。救急隊はどこですか?まさかうちの救急隊ではないですよね

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「救急部」は市の救急隊の指導をしており、かなり厳しくやられています。

 

こんな症例を救急部じゃなくて単科当直に回すとは、いったい何事だ…と思われていたようでした。うちの市ではなくて東○消防でした・・・

一応かばいましたけど・・・

 

ただ、やはり受け入れ先探すのが大変だったんだろうな。

 

Vitalの報告が現場と病院で違う。特に意識レベル

 

あれはJCSでいえば二ケタだ。Ⅰ-1ではない。それは100人いれば100人がそう言うだろう・・・。

 

あぁ、やはり頭が回っていないですね。

 

疲れました。もう、寝ます。

おやすみなさい・・・・

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緊急

2009-03-29 03:49:49 | 医療
こんばんは

今、救急患者を受け入れて入院させました。

個室適応で重症です。

五つの病棟に患者がいますので大変です。

今から寝ます。
では、また
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同時多発

2009-03-28 20:40:58 | 医療
こんばんは。

ようやく落ち着いて座ることができました。

朝、電話があり病棟にたどり着くと連絡があった患者さんではない人が連絡されたような状態に…

看護師さんも研修医も
「さっきまで97%くらいでした」
と…

その両方に指示をだしながら、動きのある患者さんを見て回り…

昨日の当直には電話で病棟まできてもらい…

その後も救急外来に患者が同時にきて
「うわっ」
と思うデータだったために泌尿器科の病棟に緊急入院しました。

昨日、挿管した患者は改善傾向。先日、転院してきた患者さんも見違えるほど良くなり、家族も喜んでいます。

その背後には睡眠時間を削って働く、医師・研修医がいるのですが…

なんとか病棟全体を落ち着かせられたので、少し休憩します。

そういえば食事がまだだった

では、また

携帯からの更新でした
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元東京女子医大医師 2審も無罪

2009-03-28 07:41:57 | 医療

おはようございます。

 

今日は当直なので、これを書いたら病棟に行きます

 

昨日の大荒れ状態の管理をしておかないといけないので・・・。

 

自分で言うのもなんですけど、油断したら一気に持っていかれる患者さんが大勢いすぎるような気がする・・・。

 

まぁ、僕があまり眠らなくてもやっていけるタイプだからまだ何とかなっていますが、昨日は本当にしんどかった。 一日に中心静脈穿刺を3回やるとか、挿管するとか、あまりバタバタしているときはやらないんですけどね・・・。

 

では、今日の記事ですが…もう情報通の方々は御存知かと思いますが、女子医大病院の件です。

人工心肺誤操作の元東京女子医大医師 2審も無罪

3月27日15時12分配信 産経新聞

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090327-00000559-san-soci  

東京女子医大病院(東京都新宿区)で平成13年、心臓手術中に人工心肺装置の操作を誤り、小学6年の平柳明香さん=当時(12)=を死亡させたとして、業務上過失致死罪に問われた元同病院医師、佐藤一樹被告(45)の控訴審判決公判が27日、東京高裁で開かれた。中山隆夫裁判長は、無罪とした1審・東京地裁を支持、検察側の控訴を棄却した。  

17年11月の1審判決は、人工心肺装置のフィルターの目詰まりから血液の循環が悪化、女児が重い脳障害となり、死亡したと認めた上で「危険性を予見できなかった」と判断。医師の過失を否定した。  

フィルターの目詰まりをめぐり、控訴審で検察側は「装置を適切に操作しないことが患者の死亡につながることは予見できた」として、1審の事実誤認を主張。「十分な配慮をして操作していれば事故を避けられた」と、1審判決の破棄を求めた。  

弁護側は「当時の医学水準として、フィルターが水滴などで詰まる可能性を予見できなかった」と改めて無罪を主張した。  

佐藤医師は13年3月、人工心肺装置を不適切に操作し、脳障害で死亡させたとして14年6月に逮捕され、翌月、起訴された。

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とりあえず、無罪でよかったです。

 

僕がいろいろ書くよりはこの件に関しては各Blogを参照していただいた方が良いと思います

佐藤先生の思いがわかります

紫色の顔の友達を助けたい

から

「目に見える権力」への怒りと「目に見えない権力」の恐怖の8年間と正義感のある方々への感謝

http://kazu-dai.cocolog-nifty.com/blog/2009/03/post-e422.html

無罪判決:100%完勝

http://kazu-dai.cocolog-nifty.com/blog/2009/03/post-658a.html

 

健康、病気なし、医者いらず

東京女子医事件、高裁も無罪

http://kenkoubyoukinashi.blog36.fc2.com/blog-entry-429.html

医畜日記・楽屋篇

続 無 罪 判 決(判決内容の概要)

 

元検弁護士のつぶやき

人工心肺担当医、二審も無罪 東京女子医大女児死亡事故

 

がんになっても、あわてない

「当然の無罪。佐藤一樹先生おめでとう。」

http://air.ap.teacup.com/awatenai/919.html

産科医療のこれから

http://obgy.typepad.jp/blog/2009/03/post-2b0b.html

 

うろうろドクター

女児死亡で元医師、二審も無罪。 佐藤先生が訴えられたこと自体が間違いなのですから…

http://blogs.yahoo.co.jp/taddy442000/28624635.html

 

よっしぃの独り言

ほっと一息

というわけで、僕は当直に行きます 因みに昨日医師国家試験結果出ましたね。

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なかのひと 

医師国家試験のジンクス知っていますか?

3年連続100%合格を達成した大学はいまだ存在していない

というやつです。

 

僕もこの目標を到達するために、いろいろ画策しましたが(5年生の2月に学生と教官相手にプレゼンしました。今後の勉強計画に関して)、3年連続100%は達成できませんでしたからね。

 

今、病棟から電話で急性白血病の患者さんの呼吸状態が悪化したということなので、行きます

では、また。

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バタバタを超えて、大荒れ

2009-03-28 00:11:34 | 医療

こんばんは

 

今日は教授の退官パーティに参加する予定でした・・・

が、病棟などの急変対処のために残されました

 

 

朝出勤したときは大きな変化はなく、予定通り参加するつもりでスーツで出勤しました。朝のVitalなども特に問題はありませんでした

 

しかし、9時過ぎにSpO2が突然低下した患者がいて、現在10lのマスクでSpO2 93%です。これは緩和ケアに移行予定だったので、モルヒネを使用してDNRとなっています。

 

そういう話をするのもしんどいんですけどね・・・・。

 

そんなこんなでこの患者さんの対応だけでも

アンフェタミンを残しておくしかないか(当直以外に)

という話になっていました。

 

 

ところがさらにでかいのが・・・

 

うちの大学には関連病院と言えるものがありませんので、大学出身の先生が開業しているクリニックで「CHOP」「R-CHOP」「ABVD」などはやっていただいています。

 

そちらのクリニックから電話があり

「ABVDやっていた患者さんが、今日受診したときSpO2 80%しかなくて抗癌剤どころじゃないんだけど。救急車受けてくれるかい?」

とのこと。 こちらが頼んでいることですから、嫌も応もなく

「すぐ搬送してください」

と返事をしました。 来たらびっくり、リザーバーマスク15lでないと酸素濃度が保てない

 

挿管するか、それとも・・・・

 

と思いましたが、家族と本人に話をして挿管することに・・・

 

これが決定したときはすでに当直と僕を除いては、医者はパーティ会場に出発しており残っているのは研修医。

 

結局、僕と研修医3名で挿管、CV挿入など複数の処置をし、その後もいろいろな処置をして先程、患者さん家族への説明などすべてを終了しました

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なかのひと 

患者さんの家族も納得されたようであり、まぁやれることはすべてやっていると言ってよいと思います。

 

ということで、今日も食事にありつけず、疲れたのでもう寝ます

 

最後は食べましたけどね

では、また。

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愛育病院の件で:東京都の意見に怒りを覚える僕!

2009-03-26 23:42:37 | 医療

続いて目立ったのはこちらの記事。

 

この記事に関してはいろいろ意見が出ると思います。

 

考え方はいろいろあります。ただ、どの見方も正しいと思いますし、その両方の意見を尊重しつつ最良の方法をセレクトしなかったら日本の医療は駄目になるのではないかと思います

 

愛育病院が返上申請=総合周産期センター指定-医師不足、労基署勧告に従えず

3月26日10時36分配信 時事通信

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090326-00000043-jij-soci  

リスクの高い妊婦に24時間対応する「総合周産期母子医療センター」に指定されている愛育病院(東京都港区)が、東京都に指定の返上を申し出ていたことが26日、分かった。医師の勤務状況について労働基準監督署から是正勧告を受けており、勧告に沿って医師の勤務時間を減らした場合、総合センターの要件である複数当直体制を維持できないと判断した。 

医師の過重労働に支えられている産科医療の実態が浮き彫りになった形。総合センターでなくなると、地域の救急患者受け入れなどに影響が出かねず、都と協議を続けている。 

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<愛育病院>「総合周産期指定を返上」 東京都に申し入れ

3月26日2時31分配信 毎日新聞

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090326-00000015-mai-soci  

東京都港区の愛育病院(中林正雄院長)が、都の総合周産期母子医療センターの指定を返上すると都に申し入れたことが25日分かった。労働基準監督署が、医師らの夜間の勤務体制について是正勧告したのを受け、「改善は難しく、センター機能を継続することは困難」と判断した。危険性の高い妊産婦に対応する医師不足が背景にあり、実際に指定が返上されれば、全国初の事例となる。  

愛育病院によると、三田労働基準監督署が1月、同病院の勤務実態を調査。今月17日、労働基準法に基づく是正勧告を出した。勧告は、医師が労基法上の労働時間(週最大44時間)を大幅に超えて働く実態や、夜間勤務中の睡眠時間を確保していないなど適切な勤務体制を取っていないことに改善を求めた。  

同センターは、危険度の高い出産の「最後のとりで」で、未熟児や新生児、母体の救命を目的に設置された。母体・胎児集中治療管理室や新生児集中治療管理室を備え、複数の医師が24時間体制で患者を受け入れる。昨年8月現在、全国に75施設あり、愛育病院は99年に指定を受けた。  

愛育病院は受け入れに対応するため、夜間は2人体制で対応してきた。労基署は「夜間も昼間同様の勤務実態がある」として、要員増の必要性を指摘。しかし愛育病院は「夜間勤務が可能な常勤医師は5人しかおらず、労基署が求める体制は難しい。現在と同水準での夜間受け入れが継続できないので、センター指定の返上を決めた」と話している。  

都は「労基署は『こうしたらいい』と求めているのであって、センターの看板を下ろすほどではない。今後も協議を続けたい」と話している。愛育病院は恩賜財団母子愛育会が運営し、1938年開業。【河内敏康、江畑佳明、永山悦子】

【ことば】総合周産期母子医療センター  

危険度の高い出産の「最後のとりで」として、未熟児や新生児、母体の救命を目的に設置された産科施設。母体・胎児集中治療室(MFICU)や、新生児集中治療室(NICU)を備え、複数の医師が24時間体制で患者を受け入れる。昨年8月現在、全国に75施設ある。

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愛育病院が総合周産期センター返上申し出 当直維持困難

2009年3月26日3時0分

http://www.asahi.com/health/news/TKY200903250428.html  

危険の大きい出産に24時間態勢で対応する総合周産期母子医療センターに東京都から指定されている愛育病院(港区)が、都に指定の返上を申し出たことがわかった。今月中旬、三田労働基準監督署から受けた医師の勤務条件についての是正勧告に応じるためには、医師の勤務時間を減らす必要があり、総合センターに求められる態勢が確保できないと判断した。  

総合センターでなくなると、救急の妊婦の受け入れが制約されたり、近隣の医療機関の負担が増したりするおそれがある。都は愛育病院に再検討を求めている。厚生労働省によると、総合センターの指定辞退を申し出るケースは初めてという。医師の過重労働で支えられている周産期医療の実情が露呈した形だ。  

病院関係者によると、三田労基署から、医師の勤務実態が労働基準法違反に当たるとする是正勧告書を受け取った。勧告書は、時間外労働に関する労使協定を結ばずに医師に時間外労働をさせ、必要な休息時間や休日、割増賃金を与えていないと指摘。4月20日までに改善するよう求めている。  

愛育病院は、同法などに沿って時間外勤務の上限を守るには、現在の人員では総合センターに求められる産科医2人と新生児科医1人の当直を維持できないため、指定を返上することにした。  

同病院は周産期医療が中心。99年4月に総合センターに指定された。常勤の産科医は昨年10月現在で研修医も含め14人、新生児科医7人。年間千数百件の出産を扱う。「自然出産」がモットーで、皇室との関係が深く、皇族や有名人の出産も多い。  

病院関係者は「勧告に沿うには医師を増やすしかないが、月末までに新たに医師を探すのは不可能。外来だけしかできなくなる恐れもある」と話す。  

都は25日、「労基署の勧告について誤解があるのではないか。当直中の睡眠時間などは時間外勤務に入れる必要はないはず。勧告の解釈を再検討すれば産科当直2人は可能」と病院に再考を求めた。  

東京都では昨年10月、脳出血の妊婦が8病院に受け入れを断られ、死亡した問題があった。都は「ぎりぎりの態勢で保っている周産期医療のネットワークが揺らぎかねない」と衝撃を受けている。  

一方、同様に総合センターに指定されている日赤医療センター(渋谷区)も渋谷労基署の是正勧告を受け、労使協定などの準備を急いでいる。(大岩ゆり、大隈崇)

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この記事でいろいろわかっていただきたいのは「産科医療」だけでなくてほとんどの医療現場は「時間外労働」によって支えられているということ

 

かく言う僕も年末年始を含めて病棟にいなかった日は12月中旬にJALSG(日本成人白血病研究グループ)の会議に参加するために上司とともに名古屋に行った一日だけで、その他は一日も休まず働いているし

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なかのひと 

・・昨日もそうですがほとんど睡眠時間なく(研修医はここにきて3時間睡眠になりましたと言ったが、僕はずっとそうですw もっとも、学生時代と異なりいつ呼ばれてもよいように睡眠が浅めなので疲れはとれませんが)、食事を食べる暇もなく働いています

 

それが医療現場の事実であって、そういう勤務に支えられている(しかも追加での給料は当然でない。僕は月給40万ありますけど、たぶん大学病院の中ではいい方)のは正常とは言えないと思う。

 

この勤務時間の実態を逆手にとって、こういう手に出たことに対して医療を行う人間としては

そんなこと言い出したらどこの病院もやっていけなくなるぞ。患者はどうするんだ?

という意見(うちの医局では大半がこちらの意見でしたw)と

「全くその通り。今の医療現場はいずれ崩壊する。それは今までの政治家、官僚に責任があり、彼らが方針転換をする必要がある。そのいいきっかけになるかもしれない」

というような意見もあると思う。

 

他にもいろいろ考え方はあると思いますが、大きく分けたらこんな感じではないかと思っています。

 

僕は両方とも感じる方なので、その折衷案のような意見をいくつか持っていますが・・・いずれにせよ、このままいけば崩壊でしょう

 

しかし、この意見に対して東京都が言っているこれはいただけないです

労基署の勧告について誤解があるのではないか。当直中の睡眠時間などは時間外勤務に入れる必要はないはず

 

医師の当直中の睡眠時間がどれだけ浅くて疲れがとれないか。小刻みに呼ばれたり、呼ばれなくても

「なんか運よく呼ばれなかったけど、やっぱり呼ばれるかもと思って寝れいたりアラーム音の聞こえる部屋ではうまく寝れない」

と、僕は思うのですけど・・・・。

 

まったく東京都は・・・

 

まぁ、その後こんな記事も出ましたが・・・ 。もっと怒りを覚えますよ、現場の医師の一人としては・・・・。

 

愛育病院、一転して総合周産期センター継続を検討へ

2009年3月26日20時23分

http://www.asahi.com/health/news/TKY200903260318.html  

リスクの高いお産を診る「総合周産期母子医療センター」の指定返上を東京都に申し出た愛育病院(港区)は26日、再考を求める都の意向を受け入れ、総合センターの継続を検討することを決めた。  

同病院は、医師の勤務条件に関する労働基準監督署の是正勧告を受け、総合センターとして望ましいとされる産科医の当直2人以上の態勢を常勤医だけでは維持できないと判断し、返上を申し出た。  

同病院によると、26日に病院を訪れた都の担当者から、周産期医療の提供体制を守るために必要だとして継続を要請された。都側は非常勤の医師だけの当直を認める姿勢を示したという。  

一方、厚生労働省の担当者からは25日、労働基準法に関する告示で時間外勤務時間の上限と定められた年360時間について、「労使協定に特別条項を作れば、基準を超えて勤務させることができる」と説明されたという。  

 

中林正雄院長は26日の記者会見で、「非常勤医2人の当直という日があってもいいのか。特別条項で基準を超える時間外労働をさせても法違反にならないのか。都や厚労省に文書で保証してもらいたい」と話した。  

中林院長は、非常勤医だけで当直をすることの是非について、周産期医療の関係機関でつくる協議会に検討を求めたことも明らかにした。

-------------------------------

今度はこういう「逃げの手」(労使協定に特別条項を作れば、基準を超えて勤務させることができる)を作ればいいと思っているのか?・・・・と思う

 

たぶん、100人いたら90人くらいは思うのではないだろうか?

 

自分がやられたら嫌だから。

 

それにそんなことをするのであれば、「労働基準法」なんてものはないようなものだし、これからさらに「立ち去り型サボタージュ」が増えるだけだと思うが・・。

 

どうせなら「基準を超える労働をさせた場合、国民生活を支えるためのことであり国(東京都)としてその費用を負担する」くらいのことを言えば格好が良いものをそこまで「ない袖」はふれないですかね

 

後半の東京都のスタンスに関しては大反対です。

最低だと思っています。

これが通ったら、本当に医療現場から医師はいなくなるんじゃないかしら?

 

 

明日は教授の退官パーティがあります。僕も行かなくてはいけないのですが当直のほかに病棟が荒れていたら(僕も)残ることになります。

 

さてどうなるのでしょうね。

 

では、また。

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社会保障費抑制政策を転換:どこまで抜本的にやれますかね?(笑

2009-03-26 23:06:26 | 医療

さて、ではいくつか記事を書きます

 

最初にこちらの記事です。

 

ついに社会保障費削減政策も終結するのか?

 

財政再建、新目標が課題に=社会保障費抑制を転換-与謝野財務相

3月26日19時40分配信 時事通信

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090326-00000139-jij-pol  

与謝野馨財務・金融・経済財政相は26日、2006年の「骨太の方針」が定めた社会保障費抑制の転換を明言した。この方針は11年度までにプライマリーバランス(基礎的財政収支)を黒字化する政府の財政再建目標の大前提だった。今夏の骨太方針策定や10年度以降の予算編成に当たっては、社会保障制度のほころびや経済情勢の悪化を踏まえた新目標の設定が大きな課題となりそうだ。 

 

「骨太06」は基礎収支黒字化に必要な財源を捻出(ねんしゅつ)するため、07-11年の5年間で国の社会保障費を自然増分から計1.1兆円(年当たり2200億円)抑制すると定めた。これに対し、社会保障費抑制が医療現場の崩壊につながっているとの批判が与野党を問わず噴出。与謝野氏は同日午前の参院予算委員会で、方針撤回を求めた民主党の蓮紡氏に「おのずとそういう方向になる」と路線転換を初めて認めた。 

---------------------------

社会保障費抑制、見直し表明=与野党が「ほぼ一致」-与謝野財務相

http://www.jiji.com/jc/zc?k=200903/2009032600375&rel=y&g=pol  

与謝野馨財務・金融・経済財政相は26日の参院予算委員会で、2006年の「骨太の方針」が定めた社会保障費を毎年2200億円抑制する財政再建方針について、「自民、民主、他の政党もこの点については(見直す方向で)ほぼ一致している」と述べた。その上で、「各党が一致していれば、政策はおのずとそういう方向に行くと思う」と語り、政府として見直す考えを示した。蓮紡氏(民主)への答弁。 

閣僚が社会保障費抑制方針の転換を明言したのは初めて。政府・与党が検討している追加経済対策で社会保障分野の歳出増圧力が強まる可能性があるほか、今夏に策定する09年の骨太方針や10年度予算編成にも大きな影響を与えそうだ。(2009/03/26-11:57)

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社会保障費抑制が解除されることは正しい判断だと思うし、少なくとも長期的に見て悪い方向にはいかないと考える。

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なかのひと 

いつも書いていますが日本だけでなくて、国を支える一番のものは「教育」「社会福祉」「医療」といった分野であり、ここが国民生活を支えていれば国民は大きな不安を持つことなく生活できると思う。

 

ここにも書かれていますが骨太方針などがどうなっていくのか、注目したいと思っています。

 

それでは、次に行きます

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夜中からドタバタ(笑)していました

2009-03-26 22:49:40 | 医療

こんばんは

 

今日は夜中の2時過ぎに電話で起こされました。

 

昨日転院してきた患者さん(うまくやらなかったら間違いなく危険)、今度は不整脈(発作性心房細動ですけど)で頻脈になり、血圧が下がってきたということで研修医に電話した~。けどつながらないので電話しました~とのこと。

 

病院に行くと170/分くらいのAfでした。血圧は90代。

「カリウムが低めなのが気になるけど(カリは補充)」

でジゴシン静注した後にヘルベッサー(ジルチアゼム)を使用しました。

 

僕はICUブック推進派(第2版、第3版を熟読。通読)なのでワソラン(ベラパミル)よりもヘルベッサーをよく使います。

 

PAfだと思ったのと、シリンジポンプがなかったのでショットだけで終わらせました。

 

PAfなら原因が改善されれば治りますからね。

 

実際、朝までに治らなかったらヘルベッサーの持続が行くようにしていたのですが、治りました。まぁ、ギリギリでしたけどAfが治ったのは・・・・。

 

ついでに意識レベルも改善して、発熱もなく、呼吸状態も改善しつつあります

 

何とか急場をしのぎつつ・・・・一つ一つ問題にけりをつけていくとしますか。

 

で、夜中病院から帰ってきたのが3時半すぎ。いつもの起きるのが4時半すぎ。念のためのアラームは6時半。目が覚めたのは8時・・・・

 

 ひゃ~

 

医者になって初めて寝坊した。疲れていたのかもしれないが、初めて寝坊した。しかも外来日に・・よりにもよって・・・・。

 

と・・まぁ、ドタバタしているうちに朝食を取り損ねてそのまま突入

 

緊急入院させたい患者さんが何名かいましたが、少し外来で粘ります。(たぶん、MDSからAML M6 にOvertします+PTCL再発)・・・ だって病床に空きがないんだもの・・・。

まだ患者さんは診れるけど、ベッドがないです。

 

そうこうしているうちに昼飯も取れずに4時ころ終了

 

最後に紹介状の返事などを書いて5時ころ外来を出ました。

 

新患(は毎週何人かいますが)、急患(今日の悪性リンパ腫再発・・・肺浸潤+発熱)が来るとやはり外来がそちらに手がかかってしまい、時間がとられます。

 

上司から言われたのは

飯を食って、血糖値を上げろ。そうじゃないと低血糖でボーっとして判断ミスしたらどうするんだ?

ということ。 なるほど…と思いました。

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しかし、僕はどちらかというと患者さんの話を聞いてしまうタイプですから時間かかる方です。その合間というと・・・「羊羹」くらいしか血糖値を上げるものは・・・・。

 

と、まぁ・・・今日は疲れているので22時過ぎに帰ってきました。早めですね、僕にしたらw

 

それでは記事を書いていきます

その前にさっさと寝ろと言われそうですがw

 

では、また。

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