新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

高額療養費の自己負担額引き下げ:現場にいると必要性をひしひし感じます

2010-02-28 16:23:10 | 医療

こんにちは

 

先程帰ってきました。

病棟は落ち着いていて、夜中の呼び出しとかはなさそうな状況です。まぁ、予想してないときに急変するから急変なんですけどね。

 

さて、昨日のアメリカの保険制度に関しての記事に続きまして、日本の医療関係でこちらの記事を紹介します。

 

<慢性疾患>生涯ローン…7割が「医療費重い」 東大調査

2月28日2時32分配信 毎日新聞

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100228-00000005-mai-soci  

がんや糖尿病などの治療を継続している患者らのうち、約7割が医療費の支払いに負担を感じていることが、東京大医科学研究所の研究チームの調査で分かった。医療費の高さなどを理由に治療の中止を考えたことがある患者らは約4割いた年齢や所得に応じて治療費の支払いを抑える国の高額療養費制度の自己負担上限額が徐々に引き上げられたのに加え、景気悪化に伴う収入減が追い打ちをかけているとみられる。  

◇自己負担上限引き上げが響く  

研究チームは、慢性疾患の患者会約300団体と患者個人にアンケートへの協力を依頼。昨年12月から今年1月までに回答のあった計77種類の疾患患者ら227人分を分析し、5年前と比較した。  

「先の見えない慢性疾患は、生きている限り続く生涯ローン」「安心して(病気の)子どもを残し他界できない」。アンケートから治療費負担にあえぐ患者の困窮ぶりが浮かんだ。  5年前に比べ年間医療費は平均30万円と変わらなかったが、世帯総所得は09年が平均430万円で5年前から20万円減少した。医療費の支払いに負担を感じている割合は09年が69%。5年前に既に発症していた患者ら(227人中144人)のうち当時負担を感じていた割合は49%で、約1.4倍に増えた。全体の38%は治療中止を考えたことがあり、そのうち83%が医療費の高さを理由に挙げた。  

 

高額療養費制度を利用している患者らは全体の51%いたが、そのうち自己負担の上限額が「大変高額」「やや高額」と答えた割合は計92%に達し、90%は上限額を「引き下げてほしい」と答えた。月々に支払える金額を尋ねると、1万円が最も多く、5000円、2万円などが続いた。  

 

一方、国の高額療養費制度は70歳未満の一般所得者の場合、最低でも月4万4400円で、患者らが無理なく負担できる金額とは隔たりがある。制度ができた73年、自己負担上限額は3万円だったが収入の増加などと共に引き上げられてきた。  

血糖値を下げるインスリンを体内で作れず、インスリン注射をしなければ数日で昏睡(こんすい)状態に陥る1型糖尿病患者の千葉県の女性(34)は夫と2人暮らし。「医療費が家計を圧迫していて、子供を産んでもかわいそう。(糖尿病による)合併症が増える一方なのに、働かなければ生きてゆけない」とつづった。  

乳がん患者も化学療法などのため治療費が高くなる傾向がある。夫と子どもと3人で暮らす栃木県の女性(50)は治療のため退職した。「長生きしたいと思うことが、家族の負担になることがつらい」と嘆いた。  

調査した同研究所の児玉有子特任研究員は「国は上限額引き下げなど負担軽減に向けた議論を早急に始めるべきだ」と話している。【河内敏康】

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いろいろ難しいところだと思います。

 

昔、慢性骨髄性白血病の患者さんに

グリベックが高額でこれ以上飲み続けられない

という話を聞かされました。

 

先日、急性骨髄性白血病の患者さんが

入院加療が続く以上、高額療養費制度などを用いても家族が路頭に迷うのは明らかであり、家族を犠牲にして自分が治療を続けることはできない

と言って、入院治療の拒否をされた患者さんもいます。

 

この時は「入院治療ができるような支援体制」を構築できるように頑張ってもらって、可能であれば再入院して治療…と言いました。

 

日本の国民皆保険制度・・・。

医療機関を受診しない国民にとっては

なんで病院を受診したこともないのに保険料を払い続けないといけないのだ

と思われるかもしれません。

 

 「助け合いの精神」と「自分が実際に病気になったとき(お互いさまの精神)」という二つの面で…といっても余裕のある人にとっては通じるかもしれませんが、実際に…共働きで働いてなんとか保険料を納めている家庭とか、納められていない家庭では

人の面倒まで見られるか

と考えるところもあると思います。

 

 

ただ、「病気になった方」は似たような状況になっていると思います。

 

時折、一部自業自得のような生活を繰り返した上に「透析になったら医療費がただになるから・・・」といっていた糖尿病の患者さんも知っていますが、そういう人以外で。

 

…特にがん患者さんで長期の入院が必要な方は…助け合いが必要な方が多いと思います。

 

そんな方々を助けるための「高額療養費の自己負担額上限引き下げ」は達成していただきたいように思います。

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なかのひと 

何かを変えなくてはならないのでしょうが、今はまだ思いつかないですね。

 

「癌の撲滅」が達成できて、癌患者さんが出現しなくなって、医療費が削減できるようになれば…僕ら医者は…やることがなくなるかもしれませんが、多くの国民や国にとって生活がよりよくなるのでしょうけど…。

 

そういう何かを作り出していければと、いつも夢みたいなことを考えています。

 

 

それでは、また。

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アメリカの医療保険改革:医師としての僕の目線

2010-02-27 14:04:39 | 医療

こんにちは

 

先程帰ってきました。病棟は安定しており、今日はゆっくりできそうです。

 

昨日は「部活」の追いコンがありましたが、やはりお酒を飲むと翌日に疲れが残ります。可能な限りお酒は飲まないほうがやはり良いかな~と思いますが、いろいろな人と話す機会でもありますので・・・。

 

さて、今日はまずこちらの記事を紹介します

医療保険改革、溝埋まらず=米大統領「前進へ決断も」

2月26日10時31分配信 時事通信

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100226-00000052-jij-int  

【ワシントン時事】オバマ米大統領は25日、医療保険改革の停滞を打開するため、迎賓館ブレアハウスに上下両院の民主、共和両党議員を招いて超党派の会合を開催した。ただ、大統領と共和党との意見の溝は埋まらず、大統領は「違いを解消できなければ改革前進へ決断する」と締めくくった。 

この日の会合で、大統領は「医療保険の問題は無保険者だけでなく、すべての人に影響がある」と強調。先に大統領が発表した、保険料負担を軽減するための政府補助金の増額や保険料の過度の値上げを防ぐための監視制度の創設などを柱とする新たな改革案への支持を訴えた。 

これに対し、共和党側は「基本的な相違がある」とした上で、既存の法案を廃案にして出直すべきだと主張。大統領がいら立つ場面も見られた。 

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医療保険の問題、アメリカにおいても大きな問題だと思います。

 

僕は医師として「今現在わかっている最良の医療を提供したい」と考えます。しかし、アメリカではそれができないわけです。

 

同じ人間として・・・相手のために最大限尽くしたいというのは当たり前のこと。しかし、それが医療保険制度のためにできないというのは悲しいことだと思うのです。

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なかのひと 

医師としての立場で・・・この方法がよいとわかっているのに、ベストを尽くせないのは「自分の良心」の呵責を感じることになると思います。そんな国は「医師」としては行きたくないような気がします。

 

日本の医療現場でも「時間があれば」と思うことはあります。「もっと医師や看護師がいれば」と思うことがあります。人手があればあっちとこっちとベストな体制がとれるのに、同時多発的に急変が起きた時に「優先順位」をつけての対応をするしかありません。

 

それが今できるベストですから。

 

 

アメリカの医療改革が「国民全体」のために実施されることを祈念しております。

 

少し体を休めてから、いろいろ準備を開始したいと思います。

では、また。

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ど~でもいい話:僕と試験

2010-02-26 00:34:25 | ど~でもいい話

こんばんは

 

日が回ってしまいました。

なかなか毎日更新するというのも大変になってきましたね。

 

それでも頑張るしかないわけですが。

 

今日は外来の患者さんが30名そこそこだったこともあり、2時くらいにほとんど終了していました。新患の数が少なかったこともありますが・・・。

 

その後、若干遅れてやってきた患者さんの対応をして病棟に上がりました。上がってから思いだすのが「昼食」です。

 

病棟を把握し、カップラーメンを16時過ぎに食べ…という感じでしょうか。 その後もいろいろあって…まぁだいたい今の時間になってきました。

 

 

さて、ど~でもいい話ですが・・・この時期になると思いだすのが「医師国家試験」です。試験って知識の整理にはちょうどいいですよね。

 

僕は学生時代「国家試験対策」をしていました。それを行うに当たり5年生の1月頃に先輩から

 

「6年になる前に100回受けたら100回受かるだけの力をつけておけ

 

と言われ、そこから2カ月ほどはかなり「試験勉強」をしていました。おかげさまで5年生が終わるころにはそれだけの自信が付いていましたけど・・。

 

 

その5年生の時の試験終了時に同級生を集めていったことは

 

1、医師国家試験の点数の割り振りは「内科60%弱」「小児科10%」「外科3%」「産婦人科10%」「公衆衛生学10%」「その他20%弱」で形成されている。

 

2、今日から夏までの間に毎月試験(国司対策委員作成)をして、内科・外科、産婦人科・小児科分野を抑えに行く

 

3、公衆衛生はすでに(毎回の)試験が国家試験対策だから国司対策委員は手を出さない

 

4、夏までにこの対策が終了し、この分野で80%取れれば普通は受かる

 

5、だいたい偏差値で言うと45くらいまでは医師国家試験に確実に通るライン。45以下は・・・・(笑

 

そんな話をしていました。反発は強かったですけど、皆で頑張っていけてよかったと思っています。

 

 

そして久しぶりに僕も「試験勉強」に本腰を入れようかと思っています。受ける試験は「血液専門医試験

 

知識の整理もかねて久々に本気で試験勉強をしてみようかと思っています。昔から試験勉強は嫌いで、どちらかというと毎日の勉強のほうが好きな人でしたが・・・。

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なかのひと 

 

今日は書く内容が思い浮かばないので、これで失礼いたします。

 

明日は陸上部の追いコンがあります。久しぶりに「追い込んで」きますw

 

 

 

あぁ、寒いよう・・・・。

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救急車の適正利用:どうすれば達成できる?

2010-02-24 23:48:30 | 医療

続けます

一つ記事の紹介をします

 

夜間・休日の急病、「救急車を呼ぶ」が半数近く

2月24日11時51分配信 医療介護CBニュース

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100224-00000000-cbn-soci  

東京都が昨年12月に実施した調査によると、夜間や休日に家族の具合が急に悪くなるなどした場合に選択する対応方法は、「救急医療機関や当番医に電話で相談する」が64.3%で最も多かったが、「救急車を呼ぶ」と答えた人も46.3%と半数近くに上った。一方で、救急車を呼ぶかどうか判断に迷った時に連絡する「東京消防庁救急相談センター(#7119)」に電話する人は25.1%にとどまった。  

 

調査は昨年12月11-17日、成人の東京都民500人を対象にインターネット上で実施。482人から回答があった(回答率96.4%)。  

夜間や休日に自分や家族が急に具合が悪くなるなど、判断に迷った時に選択する対応方法を聞いたところ(複数回答)、「救急医療機関や当番医(市区町村の休日夜間急患センター)に電話で相談する」(64.3%)が最も多く、次いで「救急車を呼ぶ」(46.3%)、「自家用車やタクシーで救急医療機関や当番医を受診する」(35.7%)、「家族や友人・知人などに相談する」(29.3%)、「東京消防庁救急相談センター(#7119)に電話する」(25.1%)などの順だった。  

また、過去1年間に自分や家族が休日・夜間に医療機関を実際に受診したことがある人の割合は35.9%だった。さらに、その経緯を聞いたところ(複数回答)、「緊急性が高いと判断した」が60.7%で最も多く、「翌日まで待つには不安が大きかった」が43.4%でこれに次いだ。以下は、「救急相談センターや、救急医療機関に電話し、受診するよう言われた」と「昼間や平日に都合がつかず、夜間や休日に受診した」が共に14.5%だった。

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以前に救急車の有料化に関して記事を書いたような気がします。

 

その時にも書きましたが「有料化」することで「不必要な救急搬送」が減り「必要な救急搬送」に適切に救急車が振り分けられる可能性があります。そしてこれらによって、不必要な夜間救急なども減ると思います。

 

それは大きなメリットです。

 

医療提供者側(医療従事者の疲弊など)だけではなくて「患者さん」に対するメリットが十分にあります。

 

例えば…うちの市だと救急車の台数は10台くらいのはずですが、市内に分けて配置されています。同じ地域の患者さんで2人くらいが「軽症」なのに救急車を要請して、3番目の「最も重症」の患者さんが救急車に乗れない…ですとか、遠い地区の救急車が駆けつけたため搬送が遅れるとか…患者さんに対する不利益が発生する可能性があります。

 

こういうのを防止する意味では重要です。

 

しかし、逆に受診抑制をかけずぎると…本来来る必要がある人が来ない可能性もあります。意外なほど「本当に来る必要がある人」が我慢しているケースもあるように感じます。

 

本当は我慢する前に「救急担当」の病院に電話をするなりすればよいのでしょうけど。

 

救急搬送、制限をかけるべきか…非常に難しい問題だと考えました。

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なかのひと 

明日は・・僕が最も疲弊する日ですw

明日も一日頑張ります。

 

 

P.S 明日は満床(を超えて他の病棟に患者さんを入院させざるを得ない状況)です。お願いですから緊急入院が必要な患者さんは来ないでください…

 

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「現在の日本の医療」の危機的状況:癌になったら・・・?

2010-02-24 23:29:54 | 報道関係の方々への期待

こんばんは

 

忙しい毎日ではありますが、比較的病棟は落ち着いております。なんといっても全身状態がすこぶる悪いという人がいない。

 

ただ、入院患者さんだけでなく外来患者さんにも対応しなくてはならないので、どうしても忙しくなります。

 

昨日は・・・緊急入院された白血病の患者さんに対しての説明、今日退院した患者さんへの説明、来週自家移植をする患者さんへの説明の3件の説明で1時間ずつかかりました

 

今日、ともかく時間がかかったのが外来でした。もちろん研修医の先生の手技につく…というのもあるのですけど。

 

僕は外来日以外に患者さんを振り分けていますが、それは治療方針の決定などの説明のため「十分な時間が必要」だからです。

 

本来、十分な医師数・十分な病院数があれば「自分の外来時間」だけで対応可能かもしれません。ただ、先週は予約だけで40名以上。実際に患者さんは各曜日に振り分けているのでTotal50名近く。今週も予約は30名くらいでも、他の曜日に数名振り分けています。

 

説明が長くなる人を含めて一日で患者さんに応対するには時間が足りないです。 「新患の患者」さんや「十分な説明が必要な患者」さんに対しては最低でも30分、1時間近い時間が必要になってきます。

 

そういう現実があり、僕は自分の外来日だけでは対応不能なため各曜日に振り分けています。

 

 

しかし、それもあまり上司には好まれておりません。理由は単純。病棟の守備力が下がるから

 

 

確かに「病棟急変」で一番力を発揮するのは僕でしょう。ところが外来に出てしまっていて不在のことが多い…となると守備力も低下します。実際、外来対応と入院患者さんの対応の両方に追われているというのが現実です。

 

 

第一、入院患者さんの検査結果を外来患者さんの対応にとられて出遅れる可能性もあるわけです。

 

十分な医師数がいるかいないかは大事ですよね。

 

 

そして「医師」も時間に追われますが「患者さん」も待ち時間が長くなります。「医療の需給」に不均衡がありすぎますので・・・。

 

そして「入院」も待ち時間が長くなります

 

そんな現実があるのだと思います。

 

 

病院に通院している患者さんはいろいろわかってくださると思いますが、実際に大病を患わないと「現在の日本の医療」の危機的状況はわかっていただけないのかもしれませんね。

 

「癌になったとき」に病棟ベッドが満床で(現実)、入院予約は数か月入りません…といわれるのは精神的にも・・・病気の進行という意味でも「患者さんに不利益」を被らせていると思います。

 

ただ、今の医療状況ではこれでも「限界を超えている」状況だということを、国民の皆様に知っていただければと思ったりしています。

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なかのひと 

 

そして少しでも安心して暮らせる国になったらよいと思います。

 

もう一つ簡単な記事を書きます。

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1時間×3

2010-02-24 00:02:05 | Weblog

こんばんは

 

今日も慌ただしく過ぎて行きました。

 

朝から外来に行き、病棟の患者さんの対応をし、その合間に紹介状を書き…バンクドナーの対応をし…とやっていたら急患が来て・・・急患がAPLで…という一日でした。

 

本当は今日は学生の勧誘飲み会の日だったので、夜はそちらのほうへ行く予定でしたが 患者さんや家族への説明が3件入り21時まで病棟でした。

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なかのひと 

1時間×3件です

 

 

それが終了後、学生の勧誘飲み会に参加し、その後再び病棟に戻って今帰ってきました。

 

明日はどうなる事やら…と思ってますが、とりあえず今日はこのあたりで…。

 

では、また。

 

P.S

今週の金曜日は陸上部の追いコンがあり、そちらに行く予定です。

飲み会が多い、最近です・・・・。

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患者さんがわがまま言ったもん勝ちにはしたくない:平等の精神が大事

2010-02-22 23:59:52 | Weblog

こんばんは

 

先程、帰ってきました。

今日は一日忙しかったのですが、夜には少し落ち着いてきておりました。明日で研修医2年目の医師が研修を終了するのです。いろいろ手伝ってくれた一年目の研修医にお礼をしたいということで飲んでいました

僕も途中から少し参加しました。

 

今日の日中で忙しくなったのは2名の患者さんの件で電話があったことでした。

 

どちらも悪性リンパ腫の患者さんです。お二人とも…当科というよりは別の診療部に属する血液内科の先生が最初診ていた方です。僕が二人とも途中で「患者さんの不利益になる」と思って検査・治療介入しています。

 

外科の先生から話を受けて、いろいろ早めに診断をつけ、早めに治療をしようと思っていろいろ全力を尽くし…最大限早くできたと思うのですが

「今、当科のベッドは満床のためすぐに入院はできません(PC画面で満床であることを見せる)。できるだけ早く入院できるようにします。最短で金曜日(退院予定が出ている)なので、金曜日に入院予約を取りますが確定したら連絡が行きますので、お待ちください

と言ったら、金曜日の朝にこちらから確定した日時を連絡する直前に電話。

金曜日に入院できないのは不当である」

と言われ、、もう一度説明をすると

「先生は私が早く治療を受けたほうがいいと考えて、いろいろ調整してくださったのではないのですか?」

と・・・。できるだけ早いほうがよいと考えてベストを尽くしている旨を伝えると

先生にとっては多くの患者さんの一人なんでしょうけど・・・」

と言われ、「カチン」ときて

「あなたは自分だけが特別なんですか?他にも多くの方が治療を受けようとして待っている状態です。(それに関しては)どう思っているのですか?」 と、言いました。

 

今日もまた電話があったそうですが、流石にいろいろやっているので直接は話はしませんでしたけど…如何に自分が大事でも…そして、たとえ自分のことしか見えなくなっているのだとしても…その「自分が最優先」というのを僕に求めるのは無理ですね。

 

 

同じことがもう一人別の患者さんでも起こりました。こちらは患者さんが若い方で、本人は理解しているけど親が「我が子のために」と動いている感じでした。けど、僕は一人の患者さんに「えこひいき」するつもりはないので「平等」をモットーに話をしました。

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なかのひと 

 

逆に平等をモットーにいろいろ考えている患者さんもいます。

 

そういう患者さんを考えると、ごく一部ではあっても疲れました。

そういう患者さん相手に1時間以上使うんですよね

 

 

それでは、また。

 

P.S

明日は診療科の学生歓迎・勧誘会があります。僕も頑張って勧誘するつもりですが…さてどうなる事やら。

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タミフル量産、東大と中国企業が共同研究:国を超えて人のために尽くすのは素晴らしい話だと思います

2010-02-21 14:29:10 | 医療

こんにちは

 

帰ってきました。

 

今日はかなり病棟も落ち着いていて、午前中には「もう大丈夫だな」と、思っていました。

 

そんな中、看護師さんが

「お昼にマクドナルドのハンバーガーが食べたい

という話をしていたので

「いいよ。買ってこようか」

と言ったら、買い出しに行くことになりました。

 

ロコモコバーガーセット4つ

と言われ、当直の先生の分(ダブルチーズバーガーセット)と6人分買いに行ったのですが

 

In マクドナルド

 

「ロコモコバーガーセット4つと・・・」

「・・・失礼ですが、当店にロコモコバーガーセットというものはありません・・・」

「・・・・」

「・・・・」

「・・・・」

「もしかすると、ハワイアンバーガーセットですか?」

絵を見ると確かにロコモコみたいな感じだったので

「たぶん、それだと思います」

 

非常に恥ずかしい思いをしました(笑

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なかのひと 

 

ハンバーガーの買い出しついでに本屋により、昔から探していた「本田孝好」の「Moment」を文庫で発見し買ってきました。これから読みます。

 

さて、今日の記事は読売新聞からこちら・・・。

 

タミフル量産、東大と中国企業が共同研究 http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20100220-OYT1T01262.htm  

東京大学と中国の化学企業が、インフルエンザ治療薬タミフルを安く大量に生産する技術の確立を目指し、共同研究を始めた。  

タミフルは、香辛料の八角に含まれるシキミ酸を原料に作られているが、大量製造には限界がある。東大の柴崎正勝教授らは昨年2月、石油を原料にした新合成法を発表。技術に注目した中国の北京オデッセイ化学が、技術提供を求めた。  

同社の大平原孝・副社長によれば、人口13億人の中国でタミフルの流通量は少なく、強毒性インフルエンザが大流行すれば、不足は必至。治療薬の自国製造を急ぐ中国政府の科学技術部が、提携を強く後押しした。1月から、同社の技術者が東大で製造法を学んでおり、今年中に工業化のめどをつける見通し。  タミフルの特許は、スイスのロシュ社が所有しており、中国でも成立している。だが、中国政府は昨年、改正特許法を施行。国民の健康を守る必要がある場合、特許を停止し、医薬品を製造できる「強制実施権」を盛り込んだ。  

柴崎教授は「感染症に国境はない。中国で治療薬を供給することは、日本への感染拡大を防ぐ効果もある」と話している。 

(2010年2月21日12時35分 読売新聞)

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病気に国境はない

特に感染症に国境はない。

 

そう思います。

 

中国で感染症が猛威を振るえば、それがさらに変異する可能性もあるわけで・・迅速に対応する必要があります。

 

そういう意味で国益にもなると僕も思います。

素晴らしい話だと思ったので、ご紹介しました。

 

それでは、また。

 

P.S

昨日のコメントの続きですが・・・・。

医療現場で様々な「医療スタッフ」「診療科」との連携は重要だと思います。

僕が帰ってきてからリハビリの先生ともいろいろ相談したりすることがありました。例えば移植の時のリハビリなど・・・。

 

先日リハビリの先生から

「先生(僕)がいろいろ協力してくださるので、先生のところから少しずつリハビリの適応を拡大していこうかと話し合っています」

という話をいただきました。

 

いろいろな先生と協力して、良い医療を作り上げていけるといいと思っています。

 

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仮想病院開設:システムのモデル・トライアルにも有効な気がします

2010-02-20 17:29:12 | 医療

こんにちは

 

とりあえず病院から戻ってきました。

今週は病棟バックアップなので、病院周辺で待機しております。

 

 

今日はだんだんと暖かくなってきましたね。帰りの自転車で手袋をはめる必要がないくらい温かく、春が近づいてきているかな~と思ったりしました。

 

今日、患者さんが元気に退院されたのですが、退院されて手紙を読みました。

その中には

専門用語を使用せず、子供でも分かるような表現で病気を説明してくださり…

というくだりが書かれていて、

「この説明で患者さんの納得を得ているようだ」

と自分自身でも喜んでいます。

 

 

ただ、平易な表現で説明して…時々「馬鹿にしているのか!」という人もいて、表現に困ることもあります。まぁ、怒った人は2人か3人しか見たことはないですけど・・・。

 

さて、今日はとりあえずこちらの記事を紹介します

 

鵜の目・鷹の目:潜在看護師掘り起こしへ 水戸に仮想病院開設 /茨城

2月20日13時0分配信 毎日新聞

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100220-00000119-mailo-l08  

<うのめ・たかのめ> 

◇シミュレーション機器そろえ復帰サポート--民間企業「ひとりガウン」 看護師向けのセミナーを全国展開する「ひとりガウン」(水戸市)は今月、結婚や育児、介護などで職場を離れた看護師の復職支援のための施設「仮想ホスピタル」を水戸市内に開設した。復帰に向けて人工呼吸器や心電図モニターなどの機器で現場感覚を養いながら、基本的な知識や技術を学び直す。同社は技術的な問題から復帰を迷う人材の掘り起こしにつなげ、医療機関が直面する深刻な看護師不足の一助としたい考えだ。【八田浩輔】 

 

厚生労働省の推計では、資格を持ちながら離職している潜在看護師は全国に約55万人。看護師の離職率は高く、民間病院を中心とした四病院団体協議会の今年1月の調べでは、看護師を「大いに不足」「不足」と答えた病院は約7割に達した。また、県内の看護師不足も深刻な状況にあり、人口10万人あたりの看護職員数は816・1人(06年末)で全国平均(986・3人)を大きく下回る。家庭と仕事を両立できる職場環境の整備と、潜在看護師の掘り起こしは、当面の看護師不足対策の両輪だ。 

 

仮想ホスピタルは8畳ほどのスペースに、人工呼吸器、シミュレーション機能のある心電図モニターや気道確保の練習ができるマネキンなどをそろえた。インストラクター付きで1回3~6時間の複数のコースを用意し、機器も拡大していく予定だという。 民間企業が単独でこうした施設を運営する例は珍しく、同社の青柳智和社長(33)は「大学病院などを除き、民間病院では看護師の復職支援をできるだけの人的余裕がないのが現状」と話す。 

 

青柳社長は看護師として水戸済生会総合病院などに勤務後、06年に起業した。「出直し看護塾」の名で、全国で看護師を対象にした復職支援などのセミナーを続けている。同社では今後、復職支援を通じた人材紹介も展開し、人材派遣業者と提携して年間40~50人のあっせんを目指す。青柳社長は「病院側は即戦力を期待している。現場に戻るうえで最低限の技術を身につければ自信にもつながる」と効果に期待をかけている。

----------------------------------

面白い…と思います。

 

専門性に関しては勤務した職場で異なるとしても、基本的なことは共通しているでしょうし、急変対応などができるとできないでは大きく違います

 

実際現場では看護師さんが不足しています。

 

うちの大学では「看護師不足」から病床を実稼働8割に下げていますし、大学病院でも看護師が多いわけではありません。

 

こういった施設がいろいろできてくると、看護師さんだけでなく医師(女医さん含む)の現場への復帰、医大生・看護学生などの臨床実習の行い方などにも変更ができるのではないかと思います。

 

 

将来的に様々な「医療体制」が作られると思うのですが、その「モデル事業」のようなことを試す場としても使えそうですね。

 

僕なら他職種がどう連携すれば「最良」になりうるかは、そういう「仮想病院」のようなところで「トライアル」を繰り返してから「現場」へ反映させるべきだと思っています。

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なかのひと 

面白い試みで、日本の医療現場にも貢献できるとすれば…素晴らしいことだと思います。

 

 

それでは、また。

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特定看護師導入:責任も伴いますので、人が大事ですよね

2010-02-19 23:20:51 | Blogを書く理由

さて、この記事を読みながら…研修医1年目の・・まさに最初の1か月のことを思い出しました。

 

最初の1カ月も血液内科を研修しておりました。最初から血液志望だったので。僕が学会に入ったのは学生時代(5年生)の時です。

 

 

あの時・・ベテランのナースさんが何人かいらっしゃって…その時のナースさんの一人は医師より…ある意味頼りになる怖~い(というと語弊があるか…。いや、怖いなw)看護師さんでした。

 

 

最近、病棟改変に伴い血液内科に帰ってくるといううわさもあり…現場の看護師さんも戦々恐々としていたりしますw 僕も今でもたま~に会ったりすると…

なんでお前がここにいるw

と笑いながらおしかりを受けることがあります。

 

頭が上がりませんなw

 

医師の指示で高度医療、「特定看護師」導入へ

2月19日18時57分配信 読売新聞

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100219-00001085-yom-soci  

経験豊富な看護師を活用することで医師不足に対応しようと、厚生労働省は従来の看護師より業務範囲を拡大した「特定看護師(仮称)」制度を新設する方針を大筋でまとめた。  

 

来月、厚労省の検討会が報告書に盛り込む見通しで、これを受けて、同省は来年度中に同制度のモデル事業を開始する。  

厚労省が検討会に示した素案によると、看護師としての実務経験が一定期間あり、新設される第三者機関から知識や能力について評価を受けることなどが、特定看護師になる条件。新たに可能になる業務としては、医師の指示があることを前提に、気管挿管や外来患者の重症度の判断、在宅患者に使用する医薬品の選定といった高度な医療行為を想定している。  

 

厚労省は、モデル事業での検証を経て、新たな看護職を創設するための法改正に着手する。米国などでは、医師の指示なしで、一定の医療行為ができる「ナースプラクティショナー」という看護職があり、検討委でも導入が議論されたが、今回は、医師の指示を前提とした業務範囲の拡大にとどめた。

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「一つの山越えた」―「特定看護師」創設で草間学長

2月18日21時5分配信 医療介護CBニュース

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100218-00000007-cbn-soci  

厚生労働省の検討会が侵襲性の高い医行為を担う「特定看護師(仮称)」の創設で合意した2月18日、大分県立看護科学大の草間朋子学長はキャリアブレインの取材に対し、「ようやく一つの山を越えた」とコメントした。同大は一昨年春、初期症状の診断や処方を行う米国の「ナースプラクティショナー(NP)」の養成課程を日本で初めて開設。医師の指示のない診療行為は現行法で禁止されており、現在、国に特区提案している。  

特定看護師は、現行法の医師の「包括的指示」のもとで医行為をするもので、より広い裁量権を持つNPとは異なる。同日の検討会で示された報告書の素案では、特定看護師のモデル事業を実施し、これを検証した上で、保健師助産師看護師法(保助看法)を改正。その後、新職種の安全面での評価を踏まえ、NP資格化の是非を検討すべきとしている。 

草間学長はこれについて、スケジュールの明確化を要望。「モデル事業は1年ぐらいにして、第三者機関で(教育課程の)カリキュラムを考え、できれば早いうちに保助看法を改正してほしい」と求めた。一方、特定看護師の認定を一定の期間(例えば5年)ごとに更新すべきとしている点に対しては、「クリティカルから慢性期まで、現場に応じて3-5年の幅を持たせる必要がある。一律にすべきではないと思う」と述べた。

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特定看護師…という形で・・「包括指示」のもとで医療行為を行う場合、基本的には行為そのものには責任が伴います。 ですから、やはり人選は厳選すべきだとは思います。

http://blog.with2.net/link.php?602868

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なかのひと 

「医師の指示のもと」という言葉があるため、「責任」の所在がすべて医師に帰結するかと言えば・・そういうことにはならないと思います。もちろん、状況によっては「方向性」が間違っていることもあるかと思いますが…

 

どうしても行った人にも責任は生じてしまうものだと思います。

「責任はつながっていく」と思います。

 

 

その責任も含めて・・「コア」になる人材を作っていくのは重要なことだと思います。

 

 

それでは、また。

週末なんですね~。あぁ、疲れたw

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