新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

臨床現場では患者さん優先になりますよね

2013-08-28 22:53:14 | Weblog

こんにちは

 

後輩の夏休みが続くため、現在病棟のバックアップ中です。

どうしても病棟業務が始まると患者さんを優先してしまい、食事などを忘れてしまいます。木曜日からバックアップしていますが、木曜日も1食食べ損ね、昨日も夕食を食べられず(昼食も15時ころでしたが)。今日も朝、昼パン一枚(15時ころ)ずつで今に至りますw

 

さすがにお腹がすいたので、夕食は外に良いものを食べに行くつもりです。19時に予約したので、ゆっくり食事を楽しんで来ようと思います。

 

しかし・・・低血糖で眠いのだろうかw

 

今日はあまり考えずに、これで終わります。

 

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システムエラーをどう改善するか:個人の責任のような記事は書かないでほしいですね

2013-08-28 22:24:07 | 医療

こんばんは

 

一昨日は研修医の先生のお疲れさん会ということで飲みに行き、昨日は血液内科の納涼会ということで飲みに行っておりました。

飲んでばかりのような気がしますが、家では飲まないので・・・はい。

 

明日から後輩が交代で夏休みに入るので、2週間病棟のバックアップに入ります。それが終わったら僕は夏休みですが、3連休の初日は学会発表+後輩と一緒に骨髄移植の研究会(僕は4年くらい前に受けましたが、多分同じ内容のような・・・汗)に参加しようかといっております。

 

さて、本日はこちらの記事を紹介します。

 

京大病院死亡事故、医師ら起訴猶予 京都地検

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130828-00000586-san-soci

産経新聞 8月28日(水)20時21分配信

 京都大病院(京都市左京区)で平成23年11月、脳死肝移植を受けた男性患者が、医療器具の取り付けミスで死亡した事故で、業務上過失致死容疑で書類送検された同病院の当時の男性医師(38)と女性医師(38)、女性看護師(36)の3人について、京都地検は28日、起訴猶予処分にした。処分理由を明らかにしていない。

 3人は23年11月12日、男性患者=当時(51)=の透析器具を交換する際、血液濾過(ろか)器ではなく、血漿(けっしょう)分離器を誤って装着し、約15時間後にショック死させたとして、24年11月に書類送検されていた。

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京大医師ら3人起訴猶予=肝移植患者の死亡事故―京都地検

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130828-00000131-jij-soci

時事通信 8月28日(水)19時58分配信

 脳死肝移植を受けた富山県の男性=当時(51)=の人工透析で誤った医療器具を取り付け死なせたとして、業務上過失致死容疑で書類送検された京都大医学部付属病院の当時の女性医師(38)と男性医師(38)、女性看護師(36)の3人について、京都地検は28日、起訴猶予処分とした。地検は理由を明らかにしていない。 

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僕はこのような「防げる可能性のあるもの」をどのようにして防いでいくかが最も重要だと思います。

 

器具の接続ミス、カラムの種類を間違えるなど「システムエラー」に関しては、どのようにそれを減らすかが最も重要であり、「起訴猶予処分とした理由を説明していない」などと書くことに、何のメリットがあるのかが理解できません

 

事実といえば事実なんでしょう(説明していない…という事実)けど、パッと見た瞬間の嫌なイメージがありますよね

 

どうせなら、そういう方向で深く切り込んでほしいところです。

 

基本的にこの手の記事では「医療のシステム」の問題ではなくて、医師個人の問題にしようとしているようにみえます。本来は防げるミスを防ぐためにどうすればよいか考えさせるようなものにするべきだと思っています。

 

まぁ、僕にとって一番の問題は日本で最も人口当たり医師数が多い京都でもそういうことは起きる。日本で最も人口当たり医師数が少ない埼玉はどうなんだろうと・・・・(汗

 

そうやって気を張っているとそのうち張りつめていたものが切れて、医師が倒れるか、疲労のピークでミスが出るかだと思います。本当に休めない診療科は危ないんです。

 

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24時間テレビのドラマより

2013-08-24 23:25:42 | Weblog

こんばんは

 

今日はヤンセンファーマ・武田の2社が主催している「myeloma workshop」に参加してきました。まぁ、医局で病棟の患者さんの様子を見てから参加したのですが…出発予定時刻を過ぎてしまい開始時間に少し遅れてしまいました。

 

帰ってきて、先程24時間テレビのドラマを見ていました。

医学生のころは「頑張って医師になって、こういう病気の患者さんの役に立ちたい」と思ってみておりましたが、情熱は冷めないもののドラマ自体は冷めた目で見てしまう自分がいます。

 

今回、アップフロントでの同種移植(血縁者間)を行っておりますので、悪性リンパ腫といっていますがリンパ芽球性リンパ腫、すなわち急性リンパ性白血病の細胞がリンパ節を主体に増殖しているタイプと思われます。それでも最初から行うということは結構前の話なのかもしれないと思いました。もしくは、移植ありきではなくて念のために近い形でHLA検査を行って、抗癌剤耐性のために移植せざるを得ない状況だった…という話なのかもしれません。

 

非ホジキンリンパ腫には低悪性度(年単位で進行)、中等度悪性度(月単位で進行)、高悪性度(週単位で進行)がありますが、リンパ芽球性リンパ腫は高悪性度の非ホジキンリンパ腫に当たります。

 

治療法は他の悪性リンパ腫と異なり、急性リンパ性白血病の治療に準じた治療を行います。それにより劇中にもありましたが寛解率、生存率ともにかなり改善しました。

 

ただ、個々の患者さんに対して・・・ではありません。

 

ドラマの中で父親(役柄)が医師に「抗癌剤しか方法はないのか。苦しんでいるだけで治らないじゃないか」というようなことを言うシーンがありましたが、おそらく多くの患者さんには効果があるといってはじめられた治療が効果がなかった場合、患者さんや家族はそのように思われるのだろうとは思います。

 

もしくは治ると信じて開始した治療の合併症により、大きなことが発生した場合など。

 

標準治療というのは「多くの方に有効性が証明されている」から標準治療になっています。その標準治療が効かなかった患者さんは、一般的な統計から外れていきます。

 

劇中の最初の医師の説明が「80%の確率で治るものです(ちょっと高い気もするが・・・)」だったのが、標準的な治療が奏功しなかった時点で確率が低下したというのは、標準から外れた(+予後因子として寛解に入らなかったというのもあります)という話です。

 

逆に寛解に入ったグループは恐らく入らなかった患者さんたちを含む統計学的な解析よりも上を行くのでしょう。

 

少し話から外れますが、今日のmyeloma workshopで日赤の鈴木先生が

75歳まで生きられた患者さんの平均余命は10~15年あります。その半分は生きることができるように頑張りましょう

というような話をされました。平均寿命は若くして亡くなられた方も含めての話です。75歳まで生きている方は平均寿命よりもっと生きられる可能性が高いという話(まぁ、それはその通りです)からです。

 

医療でもこの状況になった人とならない人…というので、道が異なるポイントというのがあります。血液領域であれば「抗癌剤が効くか効かないか」です。標準的な治療が効いた人と効かなかった人では最初の分岐点が違います。

 

本来、ABVd療法がよく効き、90%の人が5年生きるホジキンリンパ腫ですが、薬が効かない人って本当にいらっしゃいます。その場合はほかの治療薬を使用するわけですが(プラチナベースの抗癌剤になるでしょうけど)、それでも効かない場合の選択肢は骨髄移植しかないという話になります(範囲が狭ければ放射線治療もありますが)。

 

毎年、24時間テレビのドラマを(見れるときは)見ていますが、血液疾患もよく出てきます。今回も血液疾患ということもあり、医師ではない目線で・・・どのように患者さんや家族が病気に対して対応されているのかの一つの例を見ることができたような気がしました。

 

このブログでも様々な方がコメントをしてくださっています。コメント総数も5000を超え、相談も含めて患者さんやご家族の方のご意見をいろいろお聞きすることができ、勉強になっております。本当にありがとうございます。

 

今後も応援いただけますとうれしく存じます。

 

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いろいろと大変でした(汗

2013-08-23 22:50:32 | 医療

こんばんは

 

今日は非常に疲れました。外来に全身状態が悪い人が2人も来ると(ついでに状態は悪くなくても、病状がいきなり悪化した人もいたり)それだけで時間がとられてしまいます。

 

まぁ、それはしょうがないと思うのですが・・・うち1人の患者さん・・・・某病院の対応には僕も腹が立ちました。

某病院から他の診療科に紹介されてきて、その診療科の先生もご立腹されていたのですが、ショック状態の乳酸アシドーシスの患者を外来に送ってきたという。しかもHb4台

 

正直・・・

これは向こうの病院に任せていたら週末で亡くなるな。こっちでとったからといって、もうどうにもならないかもしれないが

と思い、患者さんの受け入れを決定しました。まぁ、ベッド数が100%を超えているので、上に相談したというところですけど(汗

 

大学病院なので、そういう患者さんを診る場所ではないとも言われるのですが、まったく勝算がないわけではなく「2つのかけ」に勝てば逆転の可能性もあると思っています。

 

ちなみに乳酸アシドーシスを合併した「血液疾患」というのでpubmedいろいろ出てきますが、対象疾患での死亡率は70%となっておりました。普通にやってもそのような状況かもしれませんが、それでも0ではないというところに期待をしたい・・・ところです。

 

乳酸アシドーシスがショック状態によるものであればまだ逃げれるかもしれませんが(ショックの原因を解除できれば)・・・多分原疾患だろうなぁ(たまたま同様の症例がもうお一人いまして、乳酸アシドーシスの原因が不明だったので論文で調べた後でした。)

 

家族に厳しく、ただもっともよい展開も説明したうえで治療をどうするのか決めてもらいたいと説明して帰ってきました。正直・・・今週末どころか今日も危ないと思っていますが、今すぐ治療をするよりも・・・少し全身状態を改善しないと勝負にもならないと思っています。診断もついていないですし・・・(汗

 

ということで、今日一日終わってしまいました。

 

明日はヤンセンファーマなどが主催している骨髄腫の研究会に参加する予定です

 

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臍帯血バンクのバッグ破損:早めの再開を期待

2013-08-20 23:11:37 | 医療

こんばんは

 

おなかの調子が悪い今日この頃です。何か悪いものを食べただろうか?

おなかの調子も悪いのですが、検査値異常も続いていて困っております。いつぞや書きましたが、AST/ALTなどの肝酵素の値が60くらいに上昇して下がってきません。内科医なので自分でもそれなりに原因検索しましたがよく原因がわからず、消化器内科の友人と話をしたところ「エコーしといたほうがいいかもな~」ということで、一度チェックしてくれることになりました。

 

ですが研究の方は面白くなってきて、ここからいろいろ話を進められそうです。ともかく今年のうちに書きかけの論文すべてを投稿することと基礎研究もある程度進めるところまで進めることを目標に頑張ろうと思います。

 

ただ、それらに加えて8月上旬から9月末が「造血幹細胞移植学会」の演題投稿期間になっているので、何か投稿できるような話はないかなと思ったりしております(いくつかネタはあるのですが・・・)

 

移植といえばこのような記事がありました。

臍帯血バッグが破損=厚労省が使用停止要請―兵庫のNPO

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130820-00000138-jij-soci

時事通信 8月20日(火)20時34分配信

 白血病などの移植治療に使われる臍帯(さいたい)血を提供するNPO法人「兵庫さい帯血バンク」(兵庫県西宮市)で、臍帯血が入った複数のバッグに破損が起きていたことが、20日までに分かった。厚生労働省は安全性を考慮し、同バンクの臍帯血提供を一時停止するよう要請した。
 同バンクでは20日現在、約3000人分の臍帯血を冷凍保管。2010年7月以降、移植用に提供準備をしたり、実際に病院に出庫したりした臍帯血のうち、18件に破損が見つかったという。全国に七つある他の公的バンクでは同様の破損例はないため、原因を調査する。 

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臍帯血が入ったバッグに破損が起きていたことをよくわかったな・・・(提供しようと思ったら破損が見つかったというのだけはやめてほしい)と思うのと同時に、早いところ問題を解決して提供を再開してほしいところです。

 

例えば数日前に「兵庫でよさそうな臍帯血があった」と思って、いろいろな治療を検討している医師や患者さんがいるかもしれない。もちろん、安全性に問題のある臍帯血を提供してほしいとは思わないですけど、本当に早目に再開してほしいところです。

 

臍帯血の良さは「迅速性」ですので、その重要な「臍帯血」が7分の1も提供できなくなるのは医療従事者にも患者さんにも不利益ですので。

 

あぁ、おなかの調子が悪い・・・(汗

 

う~ん、最近いろいろ調子が悪いなぁ…(体は)

 

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献血の感染チェック:シャーガス病は想定外

2013-08-18 08:58:08 | 医療

おはようございます

 

今日も一日暑くなりそうですね。

 

今週末はお盆ということもあって、大きな研究会はなくのんびり過ごしております。夏休みは後輩の夏休みが終わってからとる予定ですので、まだまだ先です。

 

さて、先日の輸血製剤の中でシャーガス病に感染した(少なくとも経験がある)輸血製剤が出回ったという話がありました。

 

「シャーガス病」初確認 一部は血液製剤などに加工、医療機関へ

http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/fnn?a=20130816-00000985-fnn-soci

フジテレビ系(FNN) 8月16日(金)18時39分配信

厚生労働省は14日、採取された血液から、中南米におよそ1,000万人の感染者がいるという、「シャーガス病」の抗体が確認されたと発表した。日本国内では初めてのこととなる。
献血を通じて日本で初めて確認された「シャーガス病」。
東京の有楽町献血ルームには、1日およそ平均200人の人が献血をしているという。
耳慣れないこのシャーガス病とは、いったいどんな病気なのか。
順天堂大学の熱帯医学・寄生虫病学の奈良武司准教授は「治療が難しいということがあり、HIV(エイズウイルス)のように恐れられている病気です。感染して、風邪のような症状を自覚すると言われているけど、なかなか自覚症状は出ません。寄生虫がついて、手で目をこすったり、結膜から侵入して、目の周りが腫れるっていうような症状が起きることがあります」と話した。
厄介なのは、潜伏期間が長い場合で、20年ともいわれ、感染に気がつくことなく、突然、死に至るケースがあること。
感染源は、南米に多く生息するカメムシの一種「サシガメ」。
このサシガメが、人間の血を吸う際に、寄生虫が体の中に入り込むなどして感染する。
順天堂大学の奈良武司准教授は「この寄生虫は、主に心臓に寄生しまして、心臓が肥大して、心不全を起こしたりということで、突然死の1つの原因になっていると考えらています」と話した。
今回、このシャーガス病の抗体や、病原体の遺伝子が確認された血液は、2013年6月、中南米出身の40代の男性から採取されたものだった
どのような形で、感染が明らかになったのか。
日本赤十字社の血液センターでは、献血で提供された血液について、HIVやC型肝炎などの検査を行っている。
シャーガス病についても検査が行われるが、全国的にそうした安全対策が行われるようになったのは、2013年4月からのことだった。
厚労省・血液対策課の野村 由美子氏は「中南米から日本にお越しになって住まわれる方も多いということで、日本でも対応をとり始めた」と話した。
日本赤十字社・血液事業本部の中野顕彦広報係長は「献血の受付の所で、同意を取りまして、『検査をしてもいいですよ』とおっしゃった方の血液を別途検査しているという状況」と話した。
現在、献血の際には、中南米の出身かどうか、4週間以上の渡航歴があるかどうかなどの確認が行われているが、血液の検査は、あくまでも任意で行われるもの
今回、シャーガス病の抗体などが確認された中南米出身の男性の血液は、対策がとられ始めたあとの6月に採取されたものだったため、検査の対象となった。
しかし男性は、それ以前に少なくとも9回、献血をしていたため、さかのぼって検査したところ、すべての血液が陽性と判明した。
その一部は、すでに2種類の血液製剤などに加工され、医療機関へ。
しかし、厚生労働省によると、その製剤からシャーガス病に感染したという例は、これまでに報告されていないという。
厚労省の野村 由美子氏は「作られた血液製剤については、海外では、シャーガス病の感染の報告のないものではありますけど、念のため、日本赤十字社の方に医療機関に連絡を取っていただいて、詳細な調査を実施しております」と話した。

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輸血の感染症のチェックにはかなりよい機械が入っていて、例えばHIVに感染して2週間以内に献血(こういうのは検査目的で行ったんじゃないかと思いたくなりますが、ウイルスの数が少なければ検出できない可能性はあります。一般にwindow periodといいます:http://www.tokyo.bc.jrc.or.jp/tmpfile/yougo/detail51.html。ちなみに抗体法では6週間以上かかります。)しなければひっかけられますが、調べていないものはわからないわけです。

 

日本でシャーガス病になっている可能性のある人はほとんどいませんので(有病率が限りなく0に近い)、検査をしても無駄になってしまうかもしれませんから一部の「可能性の高い人」に実施したというのは正しいのだと思います。それ故、完全に想定外の状況だろうと思います。感染している方が出たということで、おそらく次の輸血・細胞治療学会の総会などにはその話が出るのだろうと思っています。

 

シャーガス病に関して細かいことはわかりませんし、血液感染の確率(どの程度の確率で生じるのか)ということは不明ですので、今後情報が入ってきたらアップしていきたいと思います

献血を受けた方が感染していないことを祈念しております。

 

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方向転換可能な薬剤はよいけれど・・・:ジェネリック推進に関して

2013-08-13 22:30:57 | 医療

こんばんは

 

暑い毎日が続いていますね。室内業務が多いので、屋外で働い合ている皆様よりは良いのだと思いますが・・・。本当に暑いなぁ・・・と思います。

 

さて、ちょっと今日はこちらの記事を紹介します。

ジェネリック促進着実にと河野自民副幹事長

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130810-00000065-economic-bus_all

エコノミックニュース 8月10日(土)18時42分配信

 自民党の河野太郎副幹事長は増え続ける医療費抑制のため、現在検討されている70歳になる人らを対象とした高齢者の窓口負担「2割」の実施とジェネリック医薬品の利用促進を着実に行うよう提起している。

 ジェネリック医薬品については厚生労働省が2030年3月末までに利用率を60%以上にするという目標を立てている。河野副幹事長によると、ジェネリック医薬品の使用比率は数量ベース(2010年)でみると、米国90%、ドイツ80%、イギリス70%、フランス60%などいずれも6割以上になっているのに、日本は40%にとどまっているという。

 河野副幹事長は「厚労省の目標が達成出来れば国の予算で1400億円の削減になる」と試算している。ジェネリックのある医薬品をすべてジェネリックに置き換えることができた時は「国の予算ベースで4000億円の削減ができる」とも。

 一方、70歳から74歳までの高齢者の医療機関での窓口負担は2割に法律では規定されたが、現在、国が負担する形で1割負担のままになっている。これに要する費用は年間約2000億円という。

 改善案では、すでに1割負担に軽減されている人らは新たな負担増にならないよう、そのまま据え置き、これから70歳になる人に2割負担をしてもらうというもの。これらの人は3割負担から2割負担に、少なくとも1割軽減されるメリットがあるとの考え。(編集担当:森高龍二)

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さて、いつも書いておりますが「ジェネリック」と「先発品」で大きく異なるのは「薬用成分以外」の部分にあります。いろいろな会社のMRさんが言うことですが「薬用成分以外もすべて合わせて○○という薬なんです」というところでしょうか。

 

先日、

 「プレドニンというお薬はジェネリックでも大丈夫ですか?」

と悪性リンパ腫の方に訊かれたのです。

「大丈夫かという質問に関して、いろいろ考えるところがありますが、効果としては一部のジェネリックでは弱いというデータがすでにあります」

と、お答えしました。

 

悪性リンパ腫の治療でCHOP療法というものがあります。Pはプレドニゾロンという薬ですが、これは内服薬で処方したりします。調べている先生は調べているのだと思いますが、すでにプレドニンは先発品とジェネリックで吸収効率が異なるというデータが存在しています。

 

8割ぐらいになるのだと思いましたが、本当は60mg飲むところが50mg分の薬の効果しか出ていなかった場合にどうなるのか?

 

恐らくある程度の方々に不利益が出るのではないかと思います。

 

それ故に「抗癌剤などの薬剤ではジェネリックは使用しない」と決めています。

 

患者さんに不利益が出ているとわかるときはかなり先かもしれません。

 

血圧の薬で「降圧効果が弱いな」と思っても、高血圧で数か月で死ぬことはありませんし、血圧はすぐに効果がわかりますので方向転換もできます

 

抗癌剤治療などでは「その治療」を行って、患者さんが治ったかどうか…治験で言われている通りの効果が出るのかどうかは、おそらくわからないのです。例えばプレドニンのジェネリックを使用していた人が明らかに再発率、死亡率が高い…となれば気が付かれると思いますが、そうなるのはかなり先の事です

 

それ故ジェネリックを推進するにしても「どのようなタイプの薬剤を推進するのか」は重要だと思います。

 

痛み止めなども効果が患者さん本人がわかりますので(ジェネリックでは効かないという方もいますし、変わりがないという方もいますが、本人がわかれば修正可能なのでそれでよいと思います)良いのですが、クリティカルな薬剤まで推進するのはやめたほうが良いと思います。

 

そこら辺まで踏み込んで話をしているなら良いのですけど、そういうことは考えないだろうなぁと思い…ちょっとぶつめいております。

 

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抗癌剤治療後は風邪をひきやすくなるか?

2013-08-10 17:48:50 | 医療

こんばんは

 

今週は月曜日から水曜日まで研究関連で外の講習会に参加し、技能の習熟に励んでいました。非常に勉強になり、研究の今後の助けにもなると思いました。また、そこで新たな人間関係も構築でき、いろいろな話を聞けて良かったと思います。

 

木曜日以降はまた、忙しく・・・昨日も当直で今に至っております。

 

質問が公開希望ではなかったので、少しこちらに書かせていただきます。

 

急性骨髄性白血病の治療が終わった後に風邪などに気を付けるべきか、風邪などをひきやすいのか。すなわち抗癌剤治療の影響で抵抗力はかなり低下しているのか・・・ということですが、一部の患者さんではYesになります。

 

まず、抗癌剤治療を受けている方に限らず風邪などに気を付けるのは当たり前なのですが、それらを駆逐する力が落ちるような人がいるか…ということですけど、大量キロサイド療法を受けた患者さんたちはCD4リンパ球の低下が大きいのです。

これらの治療だとCD4リンパ球が200/μlを下回る人が多いので、回復してくるまでの間ST合剤を内服していただいたりすることがあります。僕が過去にやった人の多くは1年から2年ほどは飲んでいただいたと思います(逆に言うと、そのくらい回復してこなかった)。

 

骨髄移植をした患者さんはもちろんそうです。そもそも予防接種も免疫抑制剤を中止し、GVHD(ドナーさんの細胞が患者さんを攻撃する反応)がなくなり…という段階で不活化ワクチンから開始し、生ワクチンは2年くらい経過してからになります。

 

スタンダードな寛解導入+地固め4コース…の人で細胞性免疫(ウイルスや癌に対する免疫、またCD4リンパ球などの指定塔の機能)が低下しすぎるということは少ないと思いますが、白血球の基準値が若干低下していたりすることはあるかもしれません。

 

悪性リンパ腫や急性リンパ性白血病の治療では、細胞性免疫にダメージを与える治療がどうしても多くなりますので、風は引きやすくなるかもしれません。もっとも標準治療であるCHOPやABVDでそれほど低下はしませんが、再発後の治療は強く低下するかもしれません。

 

あとは患者さんによりけりで、CHOP-Rくらいの治療でもすごく免疫力が低下する方もいます。

 

返信にはなっていないかもしれませんが、このようなものだと思います。

 

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インドの瀉血療法:お金がないために医療が受けられない社会にはなってほしくない

2013-08-04 15:46:28 | 医療

こんにちは

 

少し古い記事ですが少し気になったので紹介します。

 

インド貧困層で続く「汚れた血を抜く」治療

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130731-00000033-jij_afp-int&pos=2

AFP=時事 7月31日(水)16時28分配信

【AFP=時事】インド、オールドデリー(Old Delhi)の暑い日差しの中、3児の母リラバティ・デビさんは、微動だにせず立つ。その腕の血管を、施術者と助手が探る。やがて、施術者はカミソリを手に、デビさんの肌に慎重に切り目を入れて「汚れた血」を流れ出させる。

切開の痛みに顔をゆがめる患者【写真8枚】

 デビさんは、持病の関節痛が、「医師」モハメド・ギャス氏(82)による伝統治療の「瀉血(しゃけつ)」で治ると信じている。

 血が流れ出る手に助手が冷水をかけ、灰色のハーブ粉末をまぶす中、デビさんはAFPの取材に「科学と近代医学では治らなかった」と語った。イスラム教徒のギャス氏による治療だけが「深刻な関節痛を止められる唯一の方法だった」という。

 瀉血は数千年前から19世紀末まで続いたが、近代医学によってうち捨て去られ、取って代わられた

 しかし、医療費が支払えなかったり、医師を信頼できなかったり、診療のために長期間待たなければならないようなインド国内の一部の貧困層や遠隔地の共同体では、瀉血のような手法が好まれている。

 インド最大のモスク、ジャーマ・マスジッド(Jama Masjid)の裏手にある青空診療所には、毎日約50人の患者が列を作る。ギャス氏は、まひから糖尿病、果ては子宮頸がんまで治療可能だと述べている。

■汚れた血が全ての疾患の根本

「治療の基本教義は、全ての疾患の根本が汚れた血にあるという考えだ。汚れた血を除去すれば、健康問題は解決される」と、ギャス氏は語る。ギャス氏は父親から治療方法を学び、この診療所で40年以上治療をしてきた。

「汚れた血の流れを追うことが最も必要な技術。切開は無作為ではない。全ての血管を調べる必要がある」とギャス氏は説明する。

 施術者は血管の閉塞やもつれ、塊やこぶを発見し、切開して除去し、血流を改善する。

 ギャス氏は患者から治療費をとらない。患者の多くが貧しいからだ。だが、患者は助手におよそ40ルピー(約60円)を支払うという。「私のもとを訪れる人々はほとんどお金を持っていない。そのような人々から何を取り立てるというのか」

 ギャス氏は、店舗経営をしている息子から生活の支援を受けている。別の息子は後継者として修行中だ。

「私たちの治療は他の伝統医療と同じ。人々の健康が大切だから、営利目的の医師にはならない」と、息子のモハマド・イクバル氏は語った。

 インドには世界レベルの医療施設があるが、国民の多くは治療費を支払うことができない10年間の急速な経済成長により、政府の貧困層や遠隔地共同体への支出も増えたが、人口12億人のニーズをかなえるほどの公共医療制度はまだ存在しない

 だが、瀉血治療を受ける人の全員が、安価な最後の手段として利用しているわけではない。治療の成功例などを聞き、治療効果に期待して受ける人もいる。

 4年前、交通事故で身体に障害を負ったジャヤント・クマルさん(42)は「前は立つことも、座ることもできなかった」と語る。「今では支えてもらわずに歩くことだってできる」【翻訳編集】 AFPBB News

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さて、この記事から思うことは2つ

1つめは瀉血療法というものがいまだにやられていることです。

有名な話ですが「ジョージ・ワシントン」は急性扁桃炎(咽頭炎?)+肺炎で亡くなったといわれていますが、実際は治療を受けて当初は800mlの瀉血を行い、改善がなかったのでさらに瀉血を繰り返したところ死亡したといわれています。

 

実際に今の現代医学で瀉血を行うとすれば「多血症」に対する瀉血療法くらいではないかと思います。

 

それが今も行われていることには驚きました。

 

そしてもう一つ、最も重要なことは世界レベルの医療技術があっても、多くの国民が医療を享受できない…という話です。

 

日本国内では「世界レベルの医療技術」を国民のほとんどが同様の医療を受けることができます

 

確かに…一部の政治家さんとかが「病院上層部に圧力をかけ」で無理やり親族を入院させるようなことも行われたりすることもあるようですが、そういう常識はずれの事が行われなければ「平等」に医療を受けることができます

 

ここまで極端ではないですが、運が悪いと・・・TPPで国民皆保険制度が壊された場合は、このようなことが生じていくかもしれないということですね。

お金がなければ先進医療は受けられないような社会にはなってほしくないと、医師として心からそう思っています。

 

 

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コメントの返信です

2013-08-04 10:58:04 | 医療

こんにちは

 

金曜日は多発性骨髄腫に関して三浦先生の講演会があり、聞きに行っておりました。また、昨日は14:30~19:00ころまでの「悪性リンパ腫」のシンポジウム(2年に1回開催されている国際カンファレンス(ICML)の報告)を聞きに行っておりました。

こういう会で情報を仕入れていかないと、医学の進歩は速いので。

 

さて、コメントにいろいろなお話をいただいております。それぞれ参考になったり、なるほどと思ったりしております。ありがとうございます。

 

これは個人的にコメントの返信でしかないのですが、同じコメント内に公開してもよいものと、ここから先は公開しないでほしいというものとが混在していたので、このような形でコメントの返信をさせていただきます。

 

では、いただきましたコメントです

--------------------------

 30日の産経新聞に以下の記事掲載がありました。
http://sankei.jp.msn.com/life/news/130730/bdy13073008040005-n1.htm
希少白血病に分子標的薬 治療選択肢が拡大

 記事の「オファツムマブは・・・(略)・・・Bリンパ球の表面にある「CD20」という分子に結合することでがん細胞を破壊し、効果を発揮」という記述に反応。ネット検索したところ、NHLに対しては治験中だと気付きました。
http://www.ncc.go.jp/jp/ncch/division/clinical_trial/T3936.html
http://www.ncc.go.jp/jp/ncch/division/clinical_trial/T3810.html

 上記治験は第III相とあるため、以下の資料(3ページ目)から治験の最終段階に入っていると理解しました。承認申請と審査とに1~2年程度の時間がかかるとのことなので、治験にて有効性と安全性とが確認されたとして、オファツムマブが保険適用にてNHLの患者も利用可能となるのは3年以上先かなと思った次第です。
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2006/10/dl/s1030-8c.pdf

 オファツムマブ開発の経緯については不知ですが、CLLに対する治験とNHLに対する治験とを同時にすることはできなかったのかなと思ってしまいます。また、アンフェタミンさんは「ハイドロキシウレアとかは十年以上放置」と書かれていますが、NHLでの承認が放置されることのないようにと思っています。

 さて、私は6回のR-CHOP点滴後に12週に1回の別の点滴治療を行ってきたところですが、8月5日(月)に8回目の点滴を行うことで終了です。しばらくは経過観察に移ると説明を受けています。点滴1週間前から点滴針の恐怖と戦っているような状態なので、点滴からの解放感(もちろん、R-CHOP終了時の解放感のほうが大きいです。)でうれしい気持ちもありますが、不安が大きくなって行くのかなという予感もあります。
 R-CHOP点滴中は外出を控えたりしましたが、次の点滴治療中は普通の生活を送ることができました。分子標的薬だから安全とは言えませんし、オファツムマブの体に対する負担については不知ですが、普通の生活を送りながら治療できるということが最重要課題です。オファツムマブ利用可能となる日が早く来てほしいと思っています。もちろん、一番の期待事項は再発しないことです。

---------------------------

リツキシマブとオファツムマブは同じCD20に対する抗体ですが「大ループ(リツキシマブ)」と「小ループ(オファツムマブ)」で結合部位が異なります

CLLのようにCD20の発現が弱いものでもオファツムマブは結合できるということ(リツキシマブよりも有効であった)もあり、治験に入っております。

 

ちなみにこの話でどうでもいいことですが、うちのカンファレンスで少しだけ無駄話をしました(オファツムマブを使用する予定の方がいるので)。オファツムマブ併用CHOPはR-CHOPではなくてどう呼ばれるのか・・・。

O-CHOP

CHOPO(チョッポ・・・と僕が言ったら、弱そうだからそうは呼びたくないといわれましたw

CHOOP(これも微妙w)

・・・まぁ、普通に考えたらO-CHOPなんでしょうね。

 

Rituximabのメンテナンスは実際に2ヶ月一回でやると保険で見えてしまいます。3ヶ月一回であれば、保険ではある月に1回リツキシマブが入っているなぁ・・・ということになります(何をしているかはわかっていると思いますが)。

うちの大学も3か月に一回です。

 

オファツムマブのCLLでのデータはありますが、NHLでの効果はわかりません。今後はさらに新しい薬剤が多数入ってくると思われますが(分子標的薬ですね)、それらの組み合わせによる治療が行われるのだと思います。

 

昨日もリンパ腫の話を一日聞いておりましたが、まだまだ改善すべきところは多いと思っています。

 

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