年明けから漢検がたいへんなことになっているようだ。
年末に漢検協会の理事でもある清水寺の森清範貫主が大きく「変」と報道陣の前で書をしたためていたのが印象に残っている。
漢検協会でもひそかに「変」なことが進行していたのだろうか。
文部科学省の管轄している財団法人である日本漢字能力検定協会は、多額の利益を上げていた。
不景気な時代に景気よく儲ける企業があってもいいと思うけど、財団法人は公益法人だから、多額の利益を上げてはいけないらしい。
財団法人は税金も優遇されているから、財団法人を利用して金儲けをするのは不適切なことだと文部科学省の人も認識しているのだろう。
漢検協会は2003年度から5年間で計約20億円もの利益を得ていた。
文科省から何度も検定料の引き下げなどの指導を受けていたけど、抜本的な改善を行わなかったらしい。
(別の報道では2006、07年度だけで合計約15億円の利益を上げていたそうだ)
2/7土の読売新聞朝刊には
「協会の大久保昇理事長と大久保浩副理事長がそれぞれ代表を務める計4社に対し、同協会が広報活動や採点業務などで2006年4月~08年12月の間に計約66億円の業務委託費を支払っていた」
とある。
関連会社に3年で66億というのも、おそらく割高な支払いだったのだろう。
相見積もりを取ることもなく、身内の会社が儲かるようにしていたはず。
だが、文部科学省の公益法人指導基準では、公益法人が法人関係者に有利になる取引を結ぶことは禁じられているらしい。
漢検協会も利益を隠すために、広告費を増やしたり会場費を高く払ったり職員のボーナスをはずんだり、関連会社に高値で仕事を依頼したり、様々な努力をしたと思う。
それでも使い切れないくらい儲かっていたのだろうか。
漢検協会の決算報告書は下記のページで簡単に印刷できる。
(TOEICの決算報告書は印刷できない)
・平成19年度決算報告書
http://www.kanken.or.jp/kan_towa/h19report.pdf
漢字検定協会の理事の方々も、文部科学省から指導が来ているということは認識していたのではないだろうか。
理事には高名な方々が並んでいるけど、運営を適正化しようとしなかったのだろうか。
財団法人日本漢字検定協会
理事長 大久保昇
副理事長 大久保浩(事務局長)
理事 明石康(元国際連合事務次長)
理事 犬丸直(日本芸術院顧問)
理事 坂井利之(京都大学名誉教授)
理事 千玄室(茶道裏千家家元・大宗匠、日本国連親善大使)
理事 水谷修(名古屋外国語大学学長、元国立国語研究所長)
理事 森清範(清水寺貫主)
評議員 梅原猛(国際日本文化研究センター顧問)
評議員 菊池明(全日本中学校国語教育研究協議会顧問)
評議員 倉澤栄吉(日本国語教育学会会長)
評議員 杉戸清樹(独立行政法人国立国語研究所長)
評議員 野間佐和子(株式会社講談社代表取締役社長)
(略)
そういえば漢検協会の理事や評議員にはちらっと見ただけは文部科学省出身の人が見当たらない。
むしろ外務省や経済産業省とのつながりがある人の名前がある。
だけど、文部科学省の天下りを受け入れないから摘発した、というようなケチな心で今回の騒動になったのではないと思う。
日本英語検定協会も文部科学省管轄の財団法人だけど、文部科学省からの天下り理事などはいないし。
だが、ふとこう思った人は多いはずだ。
「TOEICはどうなってるの? マークシートだけのテストだし、受験料高いし、かなり儲かっているでしょう」と。
そこで、漢検と英検と、TOEICを日本で実施・運営している財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会の決算をちょっと見てみたい。
・財団法人日本漢字検定協会 平成19年度決算報告書
http://www.kanken.or.jp/kan_towa/h19report.pdf
・財団法人英語検定協会 平成19年度収支決算書
http://www.eiken.or.jp/step/pdf/19outline04.pdf
・財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会 平成19年度財務諸表
http://www.toeic.or.jp/iibc/19_23zaimu.pdf
★財団法人日本漢字検定協会
平成19年度
■事業活動収入 71.5億
(漢字能力検定事業収入 60.0億)
■事業活動支出計 63.7億
(事業費支出計 61.6億)
★財団法人日本英語検定協会
平成19年度(2007年度)
■事業活動収入 62.2億
(実用英語技能検定収入 59.4億)239.7万人
■事業活動支出 58.9億
(事業費支出 54.3億)
(管理費支出 6.0億)
★財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会TOEIC運営委員会
平成19年度(2007年度)
■経常収益計 65.5億
事業収益(能力評価実施事業) 64.4億
(定期テスト受験料 35.8億)71.1万人
(企業別テスト受験料 25.2億)92.4万人
(ブリッジテスト受験料 3.1億)15.1万人
(S&Wテスト実施費 0.2億)4178人
■経常費用計 64.2億
事業費(能力評価実施事業費) 56.3億
(募集費 8.9億)
(定期テスト実施費 19.2億)
(企業別テスト実施費 13.1億)
(ロイヤリティー支出 8.2億)
(ブリッジテスト実施費 3.1億)
(S&Wテスト実施費 3.1億)
(指導相談事業費 1.6億)
漢検は事業活動で8億弱儲けている。
英検は3億強。TOEICは1億強。
あれ? TOEICは儲かっていないのだろうか。
広告費やロイヤリティが高いのかな。
テスト実施費がかなり高い気もする。
どこかに割高な料金でお金が流れてはいないだろうか。
平均受験料を見てみよう。2007年度のデータによると、
漢検は1級から10級まで合わせて、平均2207円。
英検は1級から5級まで合わせて、平均2478円。
TOEICは、定期的な公開テストが、平均5033円。
企業などで行われる団体テストが、平均2732円。
公開テストと団体テストの合計では、平均3733円。
漢検は1級から10級まで試験がある。問題作成に時間もお金もかかる。
英検も1級から5級まで試験がある上に、2次試験に面接まであるからお金もかかる。
漢検や、英検の上位級では記述問題もあるから採点する手間もかかる。
だけど、TOEICはマークシートだから、機械で一気に採点できる。問題はアメリカのETSが作成している。
なぜ受験料が英検や漢検の倍以上、5033円も必要なのか。高すぎる。
ちなみに、公式にはTOEICの受験料は6615円(うち消費税など315円)。
私は漢検や英検は受けたことがないが、TOEICは2度ばかり受けた。6000円以上払って。
企業での受験だと3000円以下で受けられるというのはうらやましい。
企業に対しては、受験者数を増やすためにダンピングを行っているのだろうか。
公開テストの受験料ももう少し下げてもらえるとありがたい。
それにしても、あれだけの受験者数があるのであれば、受験料が3千円以下、下手したら2千円以下でも利益を上げることができるはず。
なぜあれほど支出が多くなるのだろう。
韓国では公開テスト受験料が3万4000ウォン。2/7現在の為替で2275円。
一昨年、ウォンが強い時期でも4000円前後だった。
(TOEICの受験者は韓国人と日本人がほとんどだとか)
ちなみに、(財)国際ビジネスコミュニケーションズの周辺には様々な株式会社がある。
もっとも大規模なのは(株)国際コミュニケーションズ・スクール。他にも山王グランドビルには関連会社が入居していたと思う。
株式会社国際コミュニケーションズ・スクールは、学校や企業向けの営業活動を担当している様子。なぜ財団の中で営業活動、普及活動を行わないのだろう。公式サイトが見当たらないのも不可解。
この会社が以前、「国際コミュニケーションズ」という名前だったときはサイトもあった。
http://www.toeic.or.jp/privacy/privacy_05.html
■関連機関のプライバシーポリシー
(株)国際コミュニケーションズ・スクール(以下、当社といいます。)は(財)国際ビジネスコミュニケーション協会からの業務委託を受け、企業・団体・学校の窓口として、団体特別受験制度(IP:Institutional Program)ならびに公開テスト団体一括受験の普及促進、実施運営をサポートしております。
とにかく、TOEICの受験料は高いと感じる。
十分利益は上がっていると思う。
経済産業省の管轄する財団である国際ビジネスコミュニケーションズ、TOEIC運営委員会には文部科学省は立ち入り検査を行うことができない。
国際ビジネスコミュニケーションズの会長は通産省(現・経産省)出身だし、監事も通産省出身。
経産省にも存在感を示すようになったTOEICに対して、経産省はなかなか指導を行うことができないかもしれない。
もし、すでに指導が入っているのであれば、高名な理事の方々は、責任を問われる前に早く受験料の値下げに動いたほうがよいのではないかと思う。
ちなみに、2007年度の役員報酬は総額で7756万円。給料諸手当は9249万円。
あるいは理事という地位はお金をもらうけど経営に苦言を呈さない、お飾りの職なのだろうか。
■財団法人国際ビジネスコミュニケーションズ
理事(常勤)
会長 渡辺 弥栄司 (元通商産業省通商局長)
理事長 室伏 貴之
専務理事 吉澤 誠司
常務理事 梅澤 直臣
理事(非常勤)
有馬 利男 富士ゼロックス株式会社 取締役相談役
大山 綱明 財団法人日本関税協会 副会長(元大蔵省関税局長)
後藤 尚雄 朝日新聞社 役員待遇 事業・国際・出版事業担当
小林 英三 アフラック(アメリカンファミリー生命保険会社) 副会長
佐竹 茂紀 日本電気株式会社 執行役員 人事部長
清水 哲太 愛知県公立大学法人 理事長
延原 和良 株式会社電通 上席常務執行役員
平原 一雄 財団法人東洋学林 理事長
平山 喜三 新日本製鐵株式会社 常務執行役員
監事(非常勤)
山田 康博 独立行政法人日本貿易振興機構 理事(元通産省課長補佐)
横尾 賢一郎 社団法人日本経済団体連合会 国際第二本部本部長
<参考>
http://osaka.yomiuri.co.jp/news/20090206-OYO1T00648.htm?from=main1
■文科省が、漢検協に9日、立ち入り検査へ
財団法人「日本漢字能力検定協会」(京都市下京区、大久保昇理事長)が公益事業では認められない多額の利益を上げるなどしていた問題で、文部科学省は9日に同協会へ立ち入り検査に入ることを決めた。同省は多額の利益や不動産取引が公益法人としての事業内容に抵触する可能性があるとみており、同協会の財務状況や不明朗なカネの流れについて調べる。
同協会は、利益を上げることが認められていない検定事業などで、2003年度から5年間で、計約20億円の利益を得ていたことが発覚。同省が再三、検定料の引き下げなどを指導したが、抜本的な改善を行わなかった。また、大久保理事長が代表を務める広告会社「メディアボックス」(同市西京区)に、広報費など年2億~3億円の業務委託費を払いながら、同省に報告していなかったことも判明。
03年に京都市左京区・南禅寺近くの住宅地に土地と建物を「資料館にする」として約6億7000万円で購入したが、住宅地のまま用途変更を行っておらず、同市右京区の天龍寺塔頭・宝厳院の墓園に「協会の発展に貢献した理事、評議員の供養塔」も建てていた。
同省は、立ち入り検査で帳簿類を調べ、高額の利益の使途や、理事長らの関連会社との取引の経緯、土地や供養塔の必要性などを詳しく調査する。
(2009年2月6日 読売新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090122-00000048-yom-soci
■利益禁止の「漢検」20億円もうけ、経費3倍の検定料も
1月22日14時45分配信 読売新聞
「日本漢字能力検定協会」(京都市下京区、大久保昇理事長)が、利益を上げることが認められていない検定事業などで、過去5年間に計約20億円の利益を得ていたことがわかった。
経費の最大3倍の検定料を受検者から徴収していたという。
同協会は1992年に旧文部省が財団法人として設立を許可した。こうした公益法人の指導監督基準は「公益事業で必要な額以上の利益を生じないようにすること」と定められており、文部科学省は近く、緊急の立ち入り検査に入ることを決めた。
協会は、年末には、清水寺(同市東山区)で「今年の漢字」を発表することでも知られている。
主な事業は1級から10級までの漢字検定で、受検志願者は当初12万人だったが、「検定ブーム」に乗り、2007年度には20倍以上の270万人に増大した。
文科省によると、これらの事業により、協会は03年度から07年度にかけて最高で年9億円の利益を上げており、合計額は20億円にのぼる。
文科省は04年以降、再三にわたって「対価が適正でない」として、級によっては受検者1人あたりの費用(約2100円)の3倍近くに設定していた検定料の引き下げなどを指導してきた。
協会は07年度から検定料の一部を値下げして5000円~1500円としたり、昨年12月末には改善計画を回答したりしたが、文科省は具体的な対策ではないとして、立ち入り検査に踏み切ることを決めた。
昨年12月に施行された新公益法人制度でも公益事業で利益を得ることは原則、禁じられている。内閣府公益認定等委員会事務局は「このままでは公益法人としての基準を満たさない。幅広く営利活動ができる一般法人として存続するためには、財産を別の公益事業に寄付するなどしなければならない」としている。
同協会は読売新聞の取材に対し、「忙しくて答えられない」としている。
最終更新:1月22日14時45分
年末に漢検協会の理事でもある清水寺の森清範貫主が大きく「変」と報道陣の前で書をしたためていたのが印象に残っている。
漢検協会でもひそかに「変」なことが進行していたのだろうか。
文部科学省の管轄している財団法人である日本漢字能力検定協会は、多額の利益を上げていた。
不景気な時代に景気よく儲ける企業があってもいいと思うけど、財団法人は公益法人だから、多額の利益を上げてはいけないらしい。
財団法人は税金も優遇されているから、財団法人を利用して金儲けをするのは不適切なことだと文部科学省の人も認識しているのだろう。
漢検協会は2003年度から5年間で計約20億円もの利益を得ていた。
文科省から何度も検定料の引き下げなどの指導を受けていたけど、抜本的な改善を行わなかったらしい。
(別の報道では2006、07年度だけで合計約15億円の利益を上げていたそうだ)
2/7土の読売新聞朝刊には
「協会の大久保昇理事長と大久保浩副理事長がそれぞれ代表を務める計4社に対し、同協会が広報活動や採点業務などで2006年4月~08年12月の間に計約66億円の業務委託費を支払っていた」
とある。
関連会社に3年で66億というのも、おそらく割高な支払いだったのだろう。
相見積もりを取ることもなく、身内の会社が儲かるようにしていたはず。
だが、文部科学省の公益法人指導基準では、公益法人が法人関係者に有利になる取引を結ぶことは禁じられているらしい。
漢検協会も利益を隠すために、広告費を増やしたり会場費を高く払ったり職員のボーナスをはずんだり、関連会社に高値で仕事を依頼したり、様々な努力をしたと思う。
それでも使い切れないくらい儲かっていたのだろうか。
漢検協会の決算報告書は下記のページで簡単に印刷できる。
(TOEICの決算報告書は印刷できない)
・平成19年度決算報告書
http://www.kanken.or.jp/kan_towa/h19report.pdf
漢字検定協会の理事の方々も、文部科学省から指導が来ているということは認識していたのではないだろうか。
理事には高名な方々が並んでいるけど、運営を適正化しようとしなかったのだろうか。
財団法人日本漢字検定協会
理事長 大久保昇
副理事長 大久保浩(事務局長)
理事 明石康(元国際連合事務次長)
理事 犬丸直(日本芸術院顧問)
理事 坂井利之(京都大学名誉教授)
理事 千玄室(茶道裏千家家元・大宗匠、日本国連親善大使)
理事 水谷修(名古屋外国語大学学長、元国立国語研究所長)
理事 森清範(清水寺貫主)
評議員 梅原猛(国際日本文化研究センター顧問)
評議員 菊池明(全日本中学校国語教育研究協議会顧問)
評議員 倉澤栄吉(日本国語教育学会会長)
評議員 杉戸清樹(独立行政法人国立国語研究所長)
評議員 野間佐和子(株式会社講談社代表取締役社長)
(略)
そういえば漢検協会の理事や評議員にはちらっと見ただけは文部科学省出身の人が見当たらない。
むしろ外務省や経済産業省とのつながりがある人の名前がある。
だけど、文部科学省の天下りを受け入れないから摘発した、というようなケチな心で今回の騒動になったのではないと思う。
日本英語検定協会も文部科学省管轄の財団法人だけど、文部科学省からの天下り理事などはいないし。
だが、ふとこう思った人は多いはずだ。
「TOEICはどうなってるの? マークシートだけのテストだし、受験料高いし、かなり儲かっているでしょう」と。
そこで、漢検と英検と、TOEICを日本で実施・運営している財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会の決算をちょっと見てみたい。
・財団法人日本漢字検定協会 平成19年度決算報告書
http://www.kanken.or.jp/kan_towa/h19report.pdf
・財団法人英語検定協会 平成19年度収支決算書
http://www.eiken.or.jp/step/pdf/19outline04.pdf
・財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会 平成19年度財務諸表
http://www.toeic.or.jp/iibc/19_23zaimu.pdf
★財団法人日本漢字検定協会
平成19年度
■事業活動収入 71.5億
(漢字能力検定事業収入 60.0億)
■事業活動支出計 63.7億
(事業費支出計 61.6億)
★財団法人日本英語検定協会
平成19年度(2007年度)
■事業活動収入 62.2億
(実用英語技能検定収入 59.4億)239.7万人
■事業活動支出 58.9億
(事業費支出 54.3億)
(管理費支出 6.0億)
★財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会TOEIC運営委員会
平成19年度(2007年度)
■経常収益計 65.5億
事業収益(能力評価実施事業) 64.4億
(定期テスト受験料 35.8億)71.1万人
(企業別テスト受験料 25.2億)92.4万人
(ブリッジテスト受験料 3.1億)15.1万人
(S&Wテスト実施費 0.2億)4178人
■経常費用計 64.2億
事業費(能力評価実施事業費) 56.3億
(募集費 8.9億)
(定期テスト実施費 19.2億)
(企業別テスト実施費 13.1億)
(ロイヤリティー支出 8.2億)
(ブリッジテスト実施費 3.1億)
(S&Wテスト実施費 3.1億)
(指導相談事業費 1.6億)
漢検は事業活動で8億弱儲けている。
英検は3億強。TOEICは1億強。
あれ? TOEICは儲かっていないのだろうか。
広告費やロイヤリティが高いのかな。
テスト実施費がかなり高い気もする。
どこかに割高な料金でお金が流れてはいないだろうか。
平均受験料を見てみよう。2007年度のデータによると、
漢検は1級から10級まで合わせて、平均2207円。
英検は1級から5級まで合わせて、平均2478円。
TOEICは、定期的な公開テストが、平均5033円。
企業などで行われる団体テストが、平均2732円。
公開テストと団体テストの合計では、平均3733円。
漢検は1級から10級まで試験がある。問題作成に時間もお金もかかる。
英検も1級から5級まで試験がある上に、2次試験に面接まであるからお金もかかる。
漢検や、英検の上位級では記述問題もあるから採点する手間もかかる。
だけど、TOEICはマークシートだから、機械で一気に採点できる。問題はアメリカのETSが作成している。
なぜ受験料が英検や漢検の倍以上、5033円も必要なのか。高すぎる。
ちなみに、公式にはTOEICの受験料は6615円(うち消費税など315円)。
私は漢検や英検は受けたことがないが、TOEICは2度ばかり受けた。6000円以上払って。
企業での受験だと3000円以下で受けられるというのはうらやましい。
企業に対しては、受験者数を増やすためにダンピングを行っているのだろうか。
公開テストの受験料ももう少し下げてもらえるとありがたい。
それにしても、あれだけの受験者数があるのであれば、受験料が3千円以下、下手したら2千円以下でも利益を上げることができるはず。
なぜあれほど支出が多くなるのだろう。
韓国では公開テスト受験料が3万4000ウォン。2/7現在の為替で2275円。
一昨年、ウォンが強い時期でも4000円前後だった。
(TOEICの受験者は韓国人と日本人がほとんどだとか)
ちなみに、(財)国際ビジネスコミュニケーションズの周辺には様々な株式会社がある。
もっとも大規模なのは(株)国際コミュニケーションズ・スクール。他にも山王グランドビルには関連会社が入居していたと思う。
株式会社国際コミュニケーションズ・スクールは、学校や企業向けの営業活動を担当している様子。なぜ財団の中で営業活動、普及活動を行わないのだろう。公式サイトが見当たらないのも不可解。
この会社が以前、「国際コミュニケーションズ」という名前だったときはサイトもあった。
http://www.toeic.or.jp/privacy/privacy_05.html
■関連機関のプライバシーポリシー
(株)国際コミュニケーションズ・スクール(以下、当社といいます。)は(財)国際ビジネスコミュニケーション協会からの業務委託を受け、企業・団体・学校の窓口として、団体特別受験制度(IP:Institutional Program)ならびに公開テスト団体一括受験の普及促進、実施運営をサポートしております。
とにかく、TOEICの受験料は高いと感じる。
十分利益は上がっていると思う。
経済産業省の管轄する財団である国際ビジネスコミュニケーションズ、TOEIC運営委員会には文部科学省は立ち入り検査を行うことができない。
国際ビジネスコミュニケーションズの会長は通産省(現・経産省)出身だし、監事も通産省出身。
経産省にも存在感を示すようになったTOEICに対して、経産省はなかなか指導を行うことができないかもしれない。
もし、すでに指導が入っているのであれば、高名な理事の方々は、責任を問われる前に早く受験料の値下げに動いたほうがよいのではないかと思う。
ちなみに、2007年度の役員報酬は総額で7756万円。給料諸手当は9249万円。
あるいは理事という地位はお金をもらうけど経営に苦言を呈さない、お飾りの職なのだろうか。
■財団法人国際ビジネスコミュニケーションズ
理事(常勤)
会長 渡辺 弥栄司 (元通商産業省通商局長)
理事長 室伏 貴之
専務理事 吉澤 誠司
常務理事 梅澤 直臣
理事(非常勤)
有馬 利男 富士ゼロックス株式会社 取締役相談役
大山 綱明 財団法人日本関税協会 副会長(元大蔵省関税局長)
後藤 尚雄 朝日新聞社 役員待遇 事業・国際・出版事業担当
小林 英三 アフラック(アメリカンファミリー生命保険会社) 副会長
佐竹 茂紀 日本電気株式会社 執行役員 人事部長
清水 哲太 愛知県公立大学法人 理事長
延原 和良 株式会社電通 上席常務執行役員
平原 一雄 財団法人東洋学林 理事長
平山 喜三 新日本製鐵株式会社 常務執行役員
監事(非常勤)
山田 康博 独立行政法人日本貿易振興機構 理事(元通産省課長補佐)
横尾 賢一郎 社団法人日本経済団体連合会 国際第二本部本部長
<参考>
http://osaka.yomiuri.co.jp/news/20090206-OYO1T00648.htm?from=main1
■文科省が、漢検協に9日、立ち入り検査へ
財団法人「日本漢字能力検定協会」(京都市下京区、大久保昇理事長)が公益事業では認められない多額の利益を上げるなどしていた問題で、文部科学省は9日に同協会へ立ち入り検査に入ることを決めた。同省は多額の利益や不動産取引が公益法人としての事業内容に抵触する可能性があるとみており、同協会の財務状況や不明朗なカネの流れについて調べる。
同協会は、利益を上げることが認められていない検定事業などで、2003年度から5年間で、計約20億円の利益を得ていたことが発覚。同省が再三、検定料の引き下げなどを指導したが、抜本的な改善を行わなかった。また、大久保理事長が代表を務める広告会社「メディアボックス」(同市西京区)に、広報費など年2億~3億円の業務委託費を払いながら、同省に報告していなかったことも判明。
03年に京都市左京区・南禅寺近くの住宅地に土地と建物を「資料館にする」として約6億7000万円で購入したが、住宅地のまま用途変更を行っておらず、同市右京区の天龍寺塔頭・宝厳院の墓園に「協会の発展に貢献した理事、評議員の供養塔」も建てていた。
同省は、立ち入り検査で帳簿類を調べ、高額の利益の使途や、理事長らの関連会社との取引の経緯、土地や供養塔の必要性などを詳しく調査する。
(2009年2月6日 読売新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090122-00000048-yom-soci
■利益禁止の「漢検」20億円もうけ、経費3倍の検定料も
1月22日14時45分配信 読売新聞
「日本漢字能力検定協会」(京都市下京区、大久保昇理事長)が、利益を上げることが認められていない検定事業などで、過去5年間に計約20億円の利益を得ていたことがわかった。
経費の最大3倍の検定料を受検者から徴収していたという。
同協会は1992年に旧文部省が財団法人として設立を許可した。こうした公益法人の指導監督基準は「公益事業で必要な額以上の利益を生じないようにすること」と定められており、文部科学省は近く、緊急の立ち入り検査に入ることを決めた。
協会は、年末には、清水寺(同市東山区)で「今年の漢字」を発表することでも知られている。
主な事業は1級から10級までの漢字検定で、受検志願者は当初12万人だったが、「検定ブーム」に乗り、2007年度には20倍以上の270万人に増大した。
文科省によると、これらの事業により、協会は03年度から07年度にかけて最高で年9億円の利益を上げており、合計額は20億円にのぼる。
文科省は04年以降、再三にわたって「対価が適正でない」として、級によっては受検者1人あたりの費用(約2100円)の3倍近くに設定していた検定料の引き下げなどを指導してきた。
協会は07年度から検定料の一部を値下げして5000円~1500円としたり、昨年12月末には改善計画を回答したりしたが、文科省は具体的な対策ではないとして、立ち入り検査に踏み切ることを決めた。
昨年12月に施行された新公益法人制度でも公益事業で利益を得ることは原則、禁じられている。内閣府公益認定等委員会事務局は「このままでは公益法人としての基準を満たさない。幅広く営利活動ができる一般法人として存続するためには、財産を別の公益事業に寄付するなどしなければならない」としている。
同協会は読売新聞の取材に対し、「忙しくて答えられない」としている。
最終更新:1月22日14時45分
清水の森さんや、国連の明石さんとか割と有名どころもいるのですね。理事や評議員て名誉職なんでしょうが、こんな不祥事が起こった時にも見合う見返りがあるのだろうか? めったに起こらないから格安で引き受けているのだろうか?想像を膨らませてしまいました。
ぐうたらな素浪人ですが、今後のブログも楽しみにしています。
PS.川村明宏氏が何者か知りたくて、こちらにたどり着きました。