波打ち際の考察

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波屋山人

TOEICが経済産業省管轄なのは、会長が通産省の元局長だから

2009-06-01 23:17:35 | Weblog
TOEICとの関係を追及された経済産業省の貿易振興課の担当者は、雑誌記者に対して次のように言ったらしい。
「財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)は、国際的なビジネスコミュニケーション能力の向上を目的に設立されたため、旧通産省の企業の国際展開を支援する部署の管轄となった。決して、IIBCの会長が通産省出身だからという理由ではない」

なぜ断言できるのだろう。
元通産省局長でもあるTOEIC会長の著書は読まれていないのだろうか。

『125歳まで、私は生きる!』の文庫本p106には下記のように書かれている。
「TOEICを普及していくには、文部省(現文部科学省)の障壁があまりにも大きかった。当時、教育産業への参入には厳しい規制があり、いとも簡単に潰されかねなかった。
私は一計を案じ、古巣の通産省を巻き込むことにした。貿易振興・輸出増進のために、日本企業に対し英語教育による人材の育成を図るという名目で、通産省に許可を求めた。つまり、通産省を後ろ盾にすることを考えたのである」

ようするに、「国際的なビジネスコミュニケーション能力の向上」というのは建前だった。
なんとか通産省を巻き込んで財団法人にしたかった。

TOEIC会長の渡辺さんは以前通産省の局長だったから、古巣の部下に協力を頼んだだけ。
貿易振興課の担当者はそういう歴史をご存じないのだろうか。
当事者も書いているのに。
(そういえば、本当はTOEICはビジネス英語に特化していない。幅広いコミュニケーション能力を測っている)

厳密に言うと、TOEICは日本人が発案したものだけど、権利はアメリカのETSという団体のもの。
財団法人国際コミュニケーション協会TOEIC運営委員会は、日本でのTOEICの実施運営を請け負っている形になっている。
だから、日本のTOEIC運営委員会は韓国のTOEIC運営などについては口を挟めない。

財団法人国際コミュニケーション協会の会長が「TOEIC会長」を名乗っているのは、発案者の1人であるという自負があるからだろう。
おそらく、次の会長からは「TOEIC会長」を名乗れない。TOEICの商標はETSが持っているし。

ETSはアメリカに留学するときに受ける必要があるTOEFLとか、アメリカ人が大学に進むときに受ける必要があるSATといった試験を制作運営している。
1980年代半ばにタイム社の北岡靖男さんが、元同僚でもあった早稲田大学の三枝幸夫教授と新しい英語の試験を考案して、ETSに話を持ちかけた。それがTOEICになった。
北岡さんとオフィスが近かった渡辺弥栄司さんは、北岡さんに協力し、支援している。

初代会長である北岡さんは英語が堪能だったけど、渡辺さんはあまり英語が得意ではない。
著書の中でも、自分のTOEICの実力は600点ぐらいではないかと述べている。
しかし、TOEIC受験者数を大きく伸ばした最大の功労者は渡辺さんだ。
小柄だけど思い描くビジョンは大きく、行動力があり、勢いのある人だった。
(会社や宗教などの組織で言うと、実務型タイプではなく、教祖か創業者のタイプといった印象)
こういった人は、優秀な実務型のブレーンが付いている場合が多いけど、IIBCでは誰がそれに当たるのだろうか。
ほとんどIIBCのオフィスに出てこなかった会長とIIBCの間を取り持つ秘書だった室伏貴之氏(現IIBC理事長)がそうだったのだろうか。

今後も渡辺弥栄司会長のサービス精神旺盛な発言を興味深く拝聴したいと思う。


http://news.biglobe.ne.jp/politics/646/gen_090601_6463499418.html
■漢検だけじゃないゾ「TOEIC」にも財団私物化疑惑浮上
日刊ゲンダイ(06月01日10時00分)
 経営が不透明な検定ビジネスは、漢検だけじゃなかった!?
 国際コミュニケーション英語能力テスト「TOEIC」を実施する「財団法人・国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)」にも重大疑惑があると、29日発売の「FRIDAY」が報じている。
 記事によれば、IIBCの渡辺弥栄司会長(92)が、親密な関係にあるMさんという女性を顧問に登用。その上、M女史の息子が昨年まで取締役を務めていた「株式会社 国際コミュニケーションズ・スクール」が、TOEICの普及業務を独占的に請け負っている。
 さらに、M女史の息子は昨年、IIBCの理事長に就任。理事を経ず、いきなりの理事長就任だった。会長は妻と別居して、M女史と同じマンションの隣の部屋に住んでいる。周囲が邪推するのもムリからぬことだろう。
 この件について、IIBCの事務局に事実関係を問い合わせてみたが、「会長のプライベートな部分なので、コメントできません」と語るのみ。理事長人事が会長のプライベートということ自体、問題だと思うが……。
「渡辺会長は官僚出身。東大法から商工省(現・経済産業省)に進み、大臣官房長や商工局長を歴任した実力者でした。当時の全日空社長に請われて、日中国交正常化にも尽力したとか。49歳で退官後、元タイム社アジア総支配人の北岡靖男氏とともに、IIBCを立ち上げたと語っています。漢詩などの朗読を教えていたM女史とは、30年ほど前に知り合ったようです」(IIBC関係者)
 渡辺会長は「美しい人生」というブログを発信しているが、そこにはM女史や漢詩への思い入れがつづられている。通産官僚時代の自慢話も書かれていて、こうした押しの強さが功を奏したのか、TOEICの管轄官庁は、なぜか文部科学省ではなく、経済産業省だ。
「IIBCは、国際的なビジネスコミュニケーション能力の向上を目的に設立されたため、旧通産省の企業の国際展開を支援する部署の管轄となったのです。決して、IIBCの会長が通産省出身だからという理由ではありません。IIBCの不透明な経営についてですか? 現時点では、漢検のような違法行為があるとは認識しておりません」(経産省貿易振興課)
 TOEICは、高得点を取ると就職や転職に有利だといわれ、今や文科省の「英検」を駆逐する勢い。問題集や関連書籍も数多く出版される一大ビジネスだ。受検者数はうなぎ上りで、08年度は171万8000人。IIBCのテスト受検料収入は、60億円以上に上る。私物化が事実だとすれば、許される話ではない。
(日刊ゲンダイ2009年5月29日掲載)

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5 コメント

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Japan Times and TOEIC (Treblekickeresq)
2009-08-11 14:12:09
http://search.japantimes.co.jp/cgi-bin/fl20090811zg.html
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引用させていただきました (日向清人)
2009-08-16 06:56:17
はじめまして、「ビジネス英語雑記帳」というブログを書いている日向(ひなた)と申します。トラックバックをさしあげようとしたのですが、うまく行かないようなので、こちらから挨拶させていただくと共に、引用させていただいたことにつきお礼申しあげます。
返信する
Unknown (Treblekickeresq)
2009-08-17 21:46:11
渡辺さんが退職しました!
http://www.toeic.or.jp/iibc/info/member.html
退職金はいくらぐらいだった?
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