波打ち際の考察

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波屋山人

洋販、青山ブックセンターが破綻。ブックオフが支援。

2008-08-04 00:10:32 | Weblog
先日、7/31(木)にふと江戸川橋まで足を伸ばした。
江戸川橋地域は神楽坂の北部に位置する。丘の北側の斜面から川沿いの低地。
丘の南側の高級住宅街でもある市ヶ谷や、丘の上の華やかな神楽坂とは雰囲気が違う。
小さな製本所や印刷所が多く、路地には共産党や公明党の貼り紙が目立つ。

青山や表参道、外苑前といったセンスの良いエリアにあった草思社が江戸川橋に移転してもう半年以上。
スタッフの人たちも「弁慶」の日替わり蕎麦ランチに馴染んだ頃だろうか。
まだ鶴巻町の「油そば」や護国寺の「ちゃぶ屋」までは足を伸ばしていない頃だろう。

私が江戸川橋に移転した草思社の入っている玉露園ビルを見に行った日(7/31木)、ついに日本洋書販売(洋販)が破綻した。

草思社は文芸社が買収したが、洋販はブックオフが支援するらしい。
オカルトで有名なたま出版の関連会社であり自費出版の最大手である文芸社も、日本最大の古本屋チェーンであるブックオフも、出版業界で言えば異端児、悪く言えば鬼子扱いされていた。
それが、伝統と定評のある会社を買収する。
異端の新興勢力(馬の骨)がついに力をなくした老舗(没落した庄屋)を乗っ取ってしまったという状況だろうか。

ただ、まだブックオフによる買収が確定したわけではない。
どうなることやら。

私であれば、洋販の傘下にある洋販ブックサービス(青山ブックセンター)だけ買収する。
洋販を傘下におさめるメリットはあまりない。

詳細はここでは述べないが、ブックオフは洋販の負債を精査し終えたのだろうか。
買収するということは、相手の負債も背負い込むということだから、慎重に行動する必要がある。

「数年前、洋販は倒産した青山ブックセンターを支援して買収できるくらい力があったのに、この何年かで資金繰りが急速に悪化した」という認識ではないはず。

何年か前に洋販が青山ブックセンターを買収した際、一部の人は洋販の資金繰りが逼迫していることを知っていた。
青山ブックセンターを買収することによってさらにいくらか借り入れることができた。

今後、まだまだ出版関係での廃業、倒産は続く。
新聞や放送もひそかに従業員数をどんどん減らしているけど、出版も携わっている人の数もずっと減少している。
上場している出版社だって、出版関係者はなかなか株を買おうとはしない。
あきらかに某出版社の株は投資会社が買い支えしている。高すぎる。


以前にも洋販の経営が苦しいことはちょっと書いたことがある。
その時から1年。ぎりぎりまでよく続いたと思う。
誠実で優秀な従業員の方々が、今後良い条件で働けるようになることを願う。

ブックオフが青山ブックセンターだけ買い取ったら、それはおいしい。
私であれば、ブックオフを「青山ブックオフ」と改名してブランド力の強化を試みる。


http://www.zakzak.co.jp/top/2008_07/t2008073130_all.html
■青山ブックセンター破綻…再建支援にブックオフ浮上
洋販ブックサービスは民事再生法の適用を申請したが、青山ブックセンターは通常どおり営業=31日午後、東京・丸の内
 書店チェーンの青山ブックセンター(ABC)や流水書房を運営する洋販ブックサービス(本社・東京)が31日、東京地裁に民事再生法の適用を申請した。負債額は約54億円。申請代理人側によると、書店の営業は通常通り続けるという。再生に向けたスポンサーとして、中古書店大手のブックオフコーポレーションの名前が浮上している。グループ会社の洋書卸大手、日本洋書販売も同日、同地裁に自己破産を申請した。負債額は約65億円。

 青山ブックセンターは写真集など芸術性の高い品ぞろえで人気を集めたが、バブル期の不動産投資の損失で経営が悪化し、運営会社が2004年、取次会社に破産を申し立てられ、全店営業中止に追い込まれた。この際、再建に乗り出したのが日本洋書販売だった。

 受け皿会社として05年に洋販ブックサービスを設立して青山ブックセンターの営業を再開し、流水書房などの書店事業も運営していた。同社のホームページによると、昨年11月末時点で約5億円の債務超過に陥っていたという。

 帝国データバンクによると、日本洋書販売は1953年11月に洋書の卸販売を目的に設立。「NEWSWEEK」「TIME」など有名雑誌や「ハリーポッター」シリーズなど一般書籍を扱っていた。92年9月期には年間売上高約96億円を計上していたが、インターネット販売の台頭や、投資に伴う有利子負債が収益を圧迫していた。

 06年1月にはグループの再編を実施し、ファンドが出資する純粋持ち株会社インターカルチュラルグループの傘下で経営再建を模索していたが、店舗閉鎖など積極的なリストラ策の影響から07年11月期は約10億円の最終赤字に陥り、資金繰りが悪化していた。

ZAKZAK 2008/07/31

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1 コメント

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洋販と洋販BCは別会社 (通りすがり)
2008-08-07 11:00:35
洋販と洋販BCは別会社ですが、相互に連帯債務をしていました。
ブックオフが支援すると名乗りをあげたのは、民事再生申請をした洋販BC(青山BCと流水書房を束ねている)のほうであって、洋販自体は自己破産申請のみで再建の見込みはない模様ですね。
因みに、洋販の傘下にあった書店がランダムウォークですので、現在は財産保全のため「閉店中」です。
そして洋販と洋販BCを束ねていたのが、持ち株会社のICGです。
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