波打ち際の考察

思ったこと感じたことのメモです。
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波屋山人

帰国

2011-11-20 23:47:34 | Weblog
先月下旬から今月にかけてインドを旅していた。
現地でもブログを更新しようと思ったけど、ネットカフェを見つけられなかったり
日本語環境がなくて、なかなか更新できなかった。

パソコンは持っていた。
去年1.2万円の安さで購入した中古のPanasonic Let's Note CF-R3。
1キロの軽さでとても使いやすかったけど、ひたすらテープ起こしに使っていた。

そう、まじめなぼくは締め切りに追われる某誌編集の彼女のために
インドの夜行電車の中でも海を眺める宿のベッドでも、
延々と取材テープというか音声ファイルの文字化に努めていたのだ。

いつもだったら海外に旅立つと同時に英語の世界に没頭してたけど、
今回はどうしても日本語から離れられなかった。
だから現地でのインド人やイギリス人女性とのコミュニケーションにも
臆してしまったのかな。

日本に帰ってきても、相変わらず彼女の多忙な日は続いている。
この土日だってぼくは部屋にこもってテープ起こしに協力した。

いつだって彼女はぎりぎりの進行で、とても見ていられない。
雑誌編集者は絶対に期日を守らないといけないから、
随時逆算して、かならず校了に間に合わせる。

ひやひやする。
今日も土日出社して一睡もせずに仕事を続けていたらしいけど、
体は大丈夫なのだろうか。
根性は尊敬するけど、無駄に損をするようなことはしてほしくない。

それでもまあ、彼女の取材テープを聴いてると、
さまざまな分野で才能のある華やかな人と対話することは得がたい財産だなと思う。
とてもおもしろい。
給料安くてもいいから、おもしろい仕事ができるっていうのは幸せなことかも。

そんな彼女のことを心配しながら11月はじめに書いた文があったので一応アップする。

 ↓
 ↓

昨日からインド南西部のケララ州にある、コヴァーラムビーチに来ている。
インドでもっとも美しいとビーチという評判だけど、
椰子の木がなければ鎌倉や熱海や下田と大差ないのではないかという程度の規模。
残念なことに今年はまだ雨季が終わっていないらしく曇天が続いている。

ビーチが一望できる宿の最上階にたたずんで、
押し寄せる波や白人観光客のビキニ、インド人のサーフィン姿を眺めている。
冷蔵庫で冷やしたビールを飲んで、沖を行く外国航路の船のようにゆっくりと流れる時間。
晴れていれば夕日が美しいだろう。

デリーからムンバイ、アウランガーバード(エローラ遺跡)、ハイダラバード、
マドゥライ(ミナークシー寺院)、カニャークマリ(コモリン岬)と移動してきた。
ケララ州に滞在して、1週間後にはインドを後にする。

さっき、ヘッドマッサージに行ってきた。
アーユルヴェーダのオイルを使った15分のマッサージ。
200ルピー(350円)は観光客向けでちょっと高いかなと思うけど、試してみた。

すると、マッサージの終わりごろになんだか気分がわるくなってしまった。
吐き気がするというか。
今日一日ビール大瓶1本しか飲食していないせいだろうか。
オイルが強烈すぎるせいだろうか。
久々に排泄にも行きたくなってしまった。

それにしてもこのオイルまみれの頭どうしよう。
シャンプーの残り少ないんだけど。

インドでダイエットして、心と体を整えて、帰国後の仕事に備えたい。
もう何週間も伸ばし続けているひげも、どのタイミングで剃ろうかな。
帰国して、職場の人に黒くなった顔と伸びたひげを見せてからにしようか。

今は生き急ぐように毎年旅をしているけど、今後どうしよう。
こっちに来て唯一会った日本人は3か月も長期滞在をしているらしいけど、
ぼくみたいに帰る日が決まっている会社員と会うのは初めてだと言っていた。

ぼくなどはとてもまじめな、まっとうな、社会の規範の中で拘束に耐えながら
生きる人間に見られているのだろう。
強引にまとまった休みをとるあたり、かなり周りの空気を無視して行動するタイプなんだけど。
たしかにまじめといえばまじめ。

さっきも裏道を歩いてたら、マリワナ、ハッシシ、スモーク?と声をかけられたけど興味ないし。
むかし勤務先で、ぼくは一度も薬物に手を出したことがないと言ったら、
「ほんとに?」と同僚に驚かれたことがある。
社内にも、薬物に手を出したことのある人は何人かいるのだろう。
海外に住んでた人や海外を旅する人も多いし。

ぼくがほんとうにやりたいことはなんだろう。

つつましくも豊かな生活を提案する手作り雑誌を発行する?
実家に帰って町おこしと農業と食品販売を兼ねた事業を起こす?
発明に没頭して、親戚のように技術系ベンチャーを立ち上げる?
世界放浪をしながら短詩を作り続ける詩人になる?
形あるものとないものの境を意識する僧として行動する?
彼女の実家の不動産を元に事業を起こして一財産築き、あとは遊んで暮らす?

それらは、もしかしたらぜんぶ同時に並行することができるのかもしれない。
実現することを念頭において、行動していきたい。

そうすると、現実的には勤務先をどうするかということになる。

編集部の人は誰も知らないけど、ぼくは20年ちかく前に今の編集部を訪れている。
当時は今のビルの4階北側にあった。
毎月何ページ分かの文章を書いて、貴重な収入を得ていた。
はじめて手にした定期的な原稿料だった。
(当時から、原稿依頼時にきちんと原稿料を提示するライターにやさしい会社だった。
先日某誌に少し書いたときは、振込み予定日は書いてあったけど原稿料の記載はなかった)

去年だったか、むかしぼくの原稿を担当していた人と会ったことがある。
当時はライターと編集者の関係だったけど、いつの間にか立場が逆転していた。
彼女は今はライターとなっていた。
とても懐かしく思ったけど、その人は気づかなかったし、声をかけなかった。
よろしくお願いします、なんて挨拶した。
むかし編集者として神楽坂のパスタ屋でごちそうしてくれたことも覚えてないんだろうなぁ。

ぼくは今の勤務先、今の編集部にはとても縁がある。
いろんなところでつながっている。
今の編集部で某誌の編集に携わったとき、一区切りかなと考える。
帰国したら某誌に関われるように企画でも考えよう。
定期購読していた人なんて、そんなにいないはずなんだけどなぁ。

インドにいる間はもうしばらくゆっくりする。


コメント
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