※ 「3.11から12年 「避難中」なのに「原発回帰」」(週刊金曜日 1411号、2023年02月10日) ↑]/
(2024年04月29日[月])
《1基稼働で年1100億円の収益改善見込み》? そんなことのために、再稼働? どういう思考回路なのか? それから、今回の装填は「検査の一環」なんでしょ、花角英世新潟県知事殿。ならば、さっさと核燃料を取り出し、検査を終了させて下さい。それから、《立地する柏崎市と刈羽村は再稼働に前向き》だそうだが、正気か? 能登半島地震の「警告」が見えていないのか。柏崎刈羽核発電所、《エネ庁関係者も「事故を起こせば、全てがパーになる」と認める》(東京新聞)。
地震大国ニッポンで、東京電力に核発電所稼働の「資格」どころか、「能力」も無し。東電は、まず、さっさと廃炉作業を進めなさい。汚染水海洋投棄を止めるためにも、まず、地下水の流入を止めよ。再稼働など論外。また、日本中を汚染するつもりか。それから、《1号機の土台損傷》(ペデスタル)問題、一体どうするつもりなのか? 問題山積ではないか。柏崎刈羽核発電所の再稼働など、やっている場合か。
『●耐震性? 《原子炉圧力容器を支える土台…鉄筋コンクリート…全周に
わたって損傷し、内部の鉄筋が露出していた。東電は耐震性を評価》?』
『●《「支持機能は維持されている」…小野明・最高責任者はそう強調…圧力
容器を支えるのに問題はないという意味だ》…次も幸運に恵まれるの?』
《東京電力福島第一原発(福島県大熊町、双葉町)の1号機原子炉
圧力容器を支える土台が損傷していた問題を巡り、東電の対応が
後手に回っている。土台が崩壊し、核燃料が残る圧力容器が落下
すれば、高濃度の放射性物質が新たに放出される恐れがある。
東電は容器落下の可能性は低いとして、緊急時の対処をどうするか
具体的に示していない。原子力規制委員会も苦言を呈するが、
東電の危機意識は薄い。(小野沢健太)》
『●膨大な《デブリの総量も3基で計約880トン》のうち、福島第1原発2号
機の《1グラム程度を数回採取する予定》…いまだ、それさえも困難?』
花角英世新潟県知事がなぜ激しく抵抗しないのか、《核燃料セットは「検査の一つの過程」》に過ぎないなどとのんびり構えているのか、さっぱり理解できない。所詮は、カルト協会とヅボヅボな「利権」「裏金」「脱税」党の「麻薬」中毒者に過ぎず、元々、県知事にしてはいけなかったのだ…。《新潟県の花角英世知事は、判断材料として主に「経済効果」「事故対策」「避難計画」の三つの論点を挙げる》…って、一番に「経済効果」かよ。もともとそんな「経済効果」など在りはしないが、命の問題よりも「経済効果」が優先するなど、正気の沙汰ではない。《経済波及効果は6、7号機が再稼働して10年間継続した場合を4396億円。全7基が稼働停止したままのケースの1.47倍、同じく廃炉した場合の3.48倍となった》…だから、何だというのだろうか? また、知事は《県民に信を問う》そうだが、知事選で《県民に信を問》えるのかね? 疑問だ。拘束力を付け、再稼働のみの是非を問う県民投票をやってはどうか。片山夏子記者《東京電力は、柏崎刈羽原発(新潟県)7号機への核燃料の装塡(そうてん)を26日に完了させ、再稼働に前のめりな姿勢を崩さない。福島の事故で福島県から新潟市に避難した被災者らは「福島の廃炉も見えず、能登半島地震のように地震が頻発する中、再稼働するというのか」と強い反対の声を上げる》。「原発はもう、あり得ない」…13年前のあの日、あの時、ニッポン中のみんながそう思ったはずなのに…、「脱原発の約束はどこに」行ってしまったのか? 《福島の事故で背負った多額の負債を柏崎刈羽の再稼働で改善させたいとの思惑》に市民や新潟県民、ニッポンの人々の「命」をかける…狂気しか感じない。またしても、世界中に迷惑をかけるつもりか? 「幸運」はそう何度も続くものか?
荒井六貴記者による、東京新聞の記事【核燃料セットが完了 借金返済のための柏崎刈羽原発再稼働 残る手続きは新潟県の同意のみ】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/323822)。《東京電力は26日、福島第1原発事故後に東京電力として初めての再稼働を目指す柏崎刈羽原発7号機(新潟県)で原子炉に核燃料を装塡(そうてん)する作業を完了したと発表した。地元自治体の再稼働への同意がないまま、異例の核燃料装塡に踏み切った背景には、福島の事故で背負った多額の負債を柏崎刈羽の再稼働で改善させたいとの思惑がある。だが、原発は事故リスクと切り離せず、この綱渡りのシナリオは果たして理解されるのか。(荒井六貴)》
『●核発電人災のアノ東電の柏崎刈羽核発電所に、
「寄生」委がお墨付き!? 凄いよなぁ、ニッポン…愚かだ』
『●東電核発電人災から13年: 汚染水海洋投棄を強行し、柏崎刈羽核発電所
を再稼働したい東電…3.11の教訓は? 能登半島地震の「警告」を無視…』
『●能登半島地震と珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ志賀核発電所
…それでも再稼働・新規建設したいという核発電〝麻薬〟中毒患者ら』
『●小出裕章さん《今回一番学ばなければいけないことは、志賀原発が止まっ
ていてよかったということ。…原発が1年間稼働すれば、広島原爆が…》』
「能登半島地震の「警告」を無視し続ける気らしい、キシダメ首相
らは。正気だろうか。この間も、愛媛県で地震があり、震源は
アノ伊方原発の極近傍。10kmほどの位置だったそうだ。
さらに、千葉県沖でも、地震が続いているようだ。」
『●《原子力規制委員長「慎重にやっていただきたい」》《花角英世知事、核燃
料セットは「検査の一つの過程」》…委員長も県知事も何を言っているの?』
「先日も地震があったばかり…「日本一細長い佐田岬半島の付け根に
位置する伊方原発は、周辺住民にとって、
“日本一避難しにくい原発”」だというのに、昨夜、またしても
豊後水道を震源として大きな地震発生。即座に
《伊方原発「異常なし」》だそうだ…。」
『●“日本一避難しにくい原発”伊方原発…大島堅一さん「エネルギー政策で、
インフラが不十分で逃げにくい場所を選び、差別的にリスクを押し付け」』
『●3.11東京電力核発電人災の教訓はどこに? 能登半島地震の警告は?
正気だろうか? 東電に核発電所を運転する資格や能力は在るのかね?』
『●日刊ゲンダイ【注目の人 直撃インタビュー/ジャーナリスト青木美希氏が
100人超の取材で辿り着いた結論「首相が決断すれば原発は止められる」】』
『●そもそも東京電力に核発電所を稼働する能力、そして、倫理的に見てその
資格はあるのか? 人災を被った福島を「原状回復」して見せてほしい』
『●原子力「推進」委員会のメンバーは、「トイレなきマンション」「非常口
なきマンション」、正気でそんなモノに「住みたい」ものかね…?』
『●松久保肇さん「いずれ原発が動くことが前提になると、出力制御の増加や日中
の電気の市場価格低下が見込まれ、再エネに対して投資意欲が損なわれる」』
『●樋口英明さん《脱原発を妨げているのは「原発回帰にかじを切った岸田
(文雄)政権でも、電力会社でもない。私たちの先入観だ」と話した》』
『●東京電力は柏崎刈羽原発への核燃料の装塡を完了させて再稼働に前のめり
…「原発はもう、あり得ない」! 「脱原発の約束はどこに」?』
『●《新潟県の花角英世知事は、判断材料として主に「経済効果」「事故対策」
「避難計画」の三つの論点を挙げる》…って、一番に「経済効果」かよ?』
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【https://www.tokyo-np.co.jp/article/323822】
核燃料セットが完了 借金返済のための柏崎刈羽原発再稼働 残る手続きは新潟県の同意のみ
2024年4月26日 21時32分
東京電力は26日、福島第1原発事故後に東京電力として初めての再稼働を目指す柏崎刈羽原発7号機(新潟県)で原子炉に核燃料を装塡(そうてん)する作業を完了したと発表した。地元自治体の再稼働への同意がないまま、異例の核燃料装塡に踏み切った背景には、福島の事故で背負った多額の負債を柏崎刈羽の再稼働で改善させたいとの思惑がある。だが、原発は事故リスクと切り離せず、この綱渡りのシナリオは果たして理解されるのか。(荒井六貴)
◆柏崎市と刈羽村は再稼働に前向き
「東京電力の自立の一歩。再稼働で利益が上がり、経営改革の観点から期待はある。きちっと返済できるような体制をつくってもらいたい」。経済産業省資源エネルギー庁の関係者は、着々と進む準備に期待を示した。
(柏崎刈羽原発(資料写真))
再稼働に向けた主な手続きは、新潟県が同意するかどうかだけになった。立地する柏崎市と刈羽村は再稼働に前向きで、花角英世知事は態度を明らかにしていない。東京電力は、電力需要が高まる夏場までに県の同意が取れれば、すぐに再稼働できるよう核燃料装塡を急いだとみられる。
原発事故で東京電力は大きな負債を抱えた。政府は昨年末、賠償や廃炉などの費用の想定を計約23兆4000億円と示した。このうち、東京電力が返済するのは16兆円超。残りは国と他電力会社が支払う。ただ、想定には仮定が多く、さらに膨らむ可能性が高い。
◆1基稼働で年1100億円の収益改善見込み
実際の返済は厳しい状況だ。エネ庁によると、東京電力はこれまでに計3兆3000億円を負担したにすぎない。東京電力は安定的な支払いのため経常利益の目標を4500億円と掲げるが、達成したことがない。
そこで経営再建の柱に据えるのが、柏崎刈羽の再稼働だ。東京電力は1基稼働すれば、年間で1100億円ほどの収益改善を見込む。核燃料を装塡した7号機と、新規制基準に適合済みの6号機に命運を懸ける。
だが、原発はリスクがつきまとう。エネ庁関係者も「事故を起こせば、全てがパーになる」と認める。
◆「事故を起こした張本人が再稼働するなんて」
福島の事故で、福島県浪江町から福島市に避難する石井ひろみさん(74)は「原発事故は終わっていない。事故を起こした張本人が再稼働するのは納得できない。柏崎刈羽で事故が起きれば、どうにもならなくなる」と疑問視した。
核燃料全872体を原子炉に装塡する作業は15日から24時間態勢で進め、26日午前3時35分ごろ完了。作業中に電源トラブルで一時中断し、長期停止による不具合や運転員の経験不足など課題も露呈した。
柏崎刈羽原発 東電福島第1原発と同じ沸騰水型軽水炉で、首都圏に電力を送る。1〜7号機があり、総出力は821万2000キロワットで、1つの発電所として世界最大規模。営業運転は1985年9月に1号機で始まり、97年7月に7号機が始めた。東電は新しくて出力が大きい6、7号機の再稼働を優先して目指す。原子力規制委員会は2017年に新規制基準に適合したと判断したが、テロ対策の不備が発覚し、21年4月に事実上の運転禁止を命じた。23年12月に解除した。
【関連記事】「私たちの命を無視している」原発再稼働に突き進む東京電力に怒る地元 柏崎刈羽で後回しにされた課題とは
【関連記事】核燃料セット中にトラブル相次ぐ 制御棒の装置電源オフ、監視装置に不具合…
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[↑ ※「地震列島の原発安全性に警告」(週刊金曜日 1457号、2024年01月26日号)] (2024年04月14日[日])
3.11東京電力核発電人災の教訓は? 能登半島地震の「警告」を無視…《原発回帰》《原発復権》へと暴走する狂気なキシダメ政権。「首相が決断すれば原発は止められる」、でも、逆に首相が暴走すると目も当てられない。そんなに核発電をやりたけりゃぁ、まずは、福島を「原状回復」して見せて下さい。
『●東電核発電人災から13年: 汚染水海洋投棄を強行し、柏崎刈羽核発電所
を再稼働したい東電…3.11の教訓は? 能登半島地震の「警告」を無視…』
『●3.11東京電力核発電人災の教訓はどこに? 能登半島地震の警告は?
正気だろうか? 東電に核発電所を運転する資格や能力は在るのかね?』
『●日刊ゲンダイ【注目の人 直撃インタビュー/ジャーナリスト青木美希氏が
100人超の取材で辿り着いた結論「首相が決断すれば原発は止められる」】』
東京新聞の【<社説>3・11から13年 「福島のばっぱ」は生きる】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/314077?rct=editorial)。《◆ふるさとの「住民」として 菅野さんのふるさと浪江町の山間部は今も帰還困難区域ですが、下津島の一部が復興事業のために昨春、避難解除となりました。でも、菅野さんは喜べません。自宅に入り込んだ放射性物質を除去することは難しく、昨年末、テーブルの上や床にたまったほこりを検査すると、非常に高いレベルの放射性物質が検出されました。国にとっては、住民の健康よりも事業優先なのでしょうか。浪江町によると今年1月、住民票のある住民1万5109人に対し、実際の居住者は2162人。菅野さんも町に住民票を残した1人です。今後、三木市での住民サービスが制限されることになってもずっと「避難」を続けます。「福島のばっぱ(おばあさん)」として生きるはずだったのに、ある日突然、何の落ち度もなくコミュニティーごと追われ、未来に引き継ぐはずだった家も、一緒に老いていくはずだった近所の友達も失いました。一方、政府のやりたい放題が目に余ります。原発事故で住民不在の町では復興名目の再開発が進みます。巨額の復興予算は流用が指摘され、放射性物質を含む原発処理水は海に放出されています》。
『●能登半島地震と珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ志賀核発電所
…「悪夢のような民主党政権」と比較して、今のキシダメ政権の無残さ』
『●能登半島地震と珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ志賀核発電所
…それでも再稼働・新規建設したいという核発電〝麻薬〟中毒患者ら』
『●【能登を襲った巨大地震/狙撃兵】《役立たずかと思うほど鈍くさい動き
に、思わずこの連中に「人の心」は宿っているのだろうかと思うほどである》』
『●「想定外」!? 【震度5強の志賀原発で「想定外」続々…なのに規制委は
動かない 「安全上影響ない」「一定の時間かかる」とは?】(東京新聞)』
『●斎藤貴男さん《日本列島は地震の巣なのに、原子力の利用を「国の責務」と
うたうGX(グリーントランスフォーメーション)法案にかまけて》いた…』
『●これまでの教訓は何処に? 決して「想定外」と言う勿れ…能登半島地震
と珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ北陸電力志賀核発電所』
『●本当に賢明な判断だった…珠洲核発電所《建設を阻止したのは、住民らの長
年にわたる根強い反対運動だった…無言電話や不買運動に耐えた阻止活動》』
『●石川県志賀町・稲岡健太郎町長「北陸電力は再稼働を目指すとのこと
だが、首長として以前のように安全性をアピールすることは難しい」と…』
『●3.11東京電力核発電人災の教訓はどこに? 能登半島地震の警告は?
正気だろうか? 東電に核発電所を運転する資格や能力は在るのかね?』
『●小出裕章さん《今回一番学ばなければいけないことは、志賀原発が止まって
いてよかったということ。…原発が1年間稼働すれば、広島原爆が…》』
『●《志賀原発…すぐ近くで地盤が4m隆起…取水口が海面から離れることに
より冷却水が取れなくなる恐れ…原発の建屋が損傷する恐れもあった》』
『●「閉じない環」破綻した核燃サイクル…《1993年から26回の延期…核
燃料サイクル政策は要の再処理工場の稼働が見通せず、「破綻」》が露わ』
能登半島地震の「警告」を無視…《原発回帰》《原発復権》へと暴走する狂気なキシダメ政権と原子力「推進」委員会。なんの「規制」もせずに、「寄生」している委員会なんて要らない。《文字どおりの当事者である志賀町の稲岡健太郎町長が、同じ現実を見て、再稼働容認から慎重へと態度を変えたのとは対照的です。規制委の姿勢には当事者意識が希薄、いや、どこか他人事(ひとごと)の感じさえ漂います》(東京新聞)。特に避難計画には、全く興味なしな「推進」委員会。むしろ、そんな計画など「邪魔だ」とでも思っていそうだ。核発電所の運転にもマトモに向き合わず政府に尻尾を振るし、避難計画は管轄外〝的〟に地元に丸投げ。こんな組織はホントに要らない。トイレなきマンションで、しかも、「非常口なきマンション」(東京新聞)、正気でそんなものに「住みたい」のかね…。
東京新聞の【<社説>3・11から13年 能登半島からの警告】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/314413?rct=editorial)。《「原子力災害対策指針については、特にこの地震を受けて見直さないといけないところがあるかというと、私はないと考えています」。原子力規制委員会の山中伸介委員長は、1月末の定例記者会見で、こう述べました。北陸電力志賀原発のある石川県・能登半島。地震による道路の寸断=写真、志賀町=や家屋の倒壊などにより、原発事故で放出される恐れのある放射線から逃れることの難しさがあらためて浮き彫りになりました。ところが規制委は、その現実を見た後でも、見直しは微調整にとどめ、「避難と屋内退避を適切に組み合わせることで、被ばく線量を抑える」という原子力災害対策の基本方針を維持していくというのです》。
『●斎藤貴男さん《日本列島は地震の巣なのに、原子力の利用を「国の責務」と
うたうGX(グリーントランスフォーメーション)法案にかまけて》いた…』
古賀茂明さん《三井ホームの耐震性は5115ガル、住友林業の住宅は3406ガルで、日本の原発がいかに地震に弱いかがわかる》。
京都新聞の記事【元京都大助教授「関電の原発データ、解釈が科学的でない」 運転差し止め訴訟】(https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/1222814)。《滋賀県の住民ら48人が福井県の大飯、高浜、美浜の関西電力3原発7基について運転差し止めを求めた訴訟の第40回口頭弁論が21日、大津地裁(池田聡介裁判長)であった。前回に引き続き元京都大防災研究所助教授の赤松純平氏(80)の証人尋問が行われた。この日の弁論で証拠調べを終了した。原告側によると、6月に主張のやりとりを終えて、早ければ12月にも結審する見通し。赤松氏が前回、原発の地盤モデルについて設定されている基準地震動(耐震設計の目安となる揺れ)は過小評価になっていると証言した内容などに対して関電側からの反対尋問があった。原発への賛否を問われると、「原発はいいものだと思っていたが、言うほど安いものでもなく、将来にわたって影響が出る。関電のデータは解釈が科学的でなく、安全が担保できず反対の立場だ」と答えた。弁論後に会見した井戸謙一弁護団長は、元日の能登半島地震で設備に被害が発生した志賀原発にふれ、「地震の教訓は大きな追い風になると思う」と話した》。
元裁判官の樋口英明さん《私が大飯原発を止めた理由は4つです。①原発事故のもたらす被害はきわめて甚大。だから、②原発には高度の安全性(事故発生確率が低いこと)が求められるべき。③地震大国日本において高度の安全性があるということは、高度の耐震性があるということにほかならない。④しかし、我が国の原発の耐震性はきわめて低い。ですから原発の運転は許されないのです。これは「樋口理論」と呼ばれています》、《あらゆる運転差し止め訴訟で裁判官に原発の脆弱な耐震性を知らしめ、電力会社の非科学性と非常識を理解させることによって、日本の全ての原発は必ず停止できます》。古賀茂明さん《11年の東日本大震災の最大の揺れは2933ガル(「ガル」は、地震の強さを測る単位)。21世紀最大の揺れは、08年岩手・宮城内陸地震の4022ガルだ。16年の熊本地震は1700台。今世紀の1000ガル以上の地震は18回とかなりの頻度だ。原発の耐震設計基準はと言えば、大飯原発が設計時に405ガル。後に856ガルまで大丈夫だとされたが、他の原発も1000以下が多い。一方、三井ホームの耐震性は5115ガル、住友林業の住宅は3406ガルで、日本の原発がいかに地震に弱いかがわかる》。志賀核発電所では、《1号機で最大957ガルを観測し…2号機も…871ガル》。
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【https://www.tokyo-np.co.jp/article/314413?rct=editorial】
<社説>3・11から13年 能登半島からの警告
2024年3月11日 07時37分
「原子力災害対策指針については、特にこの地震を受けて見直さないといけないところがあるかというと、私はないと考えています」。原子力規制委員会の山中伸介委員長は、1月末の定例記者会見で、こう述べました。
北陸電力志賀原発のある石川県・能登半島。地震による道路の寸断=写真、志賀町=や家屋の倒壊などにより、原発事故で放出される恐れのある放射線から逃れることの難しさがあらためて浮き彫りになりました。
ところが規制委は、その現実を見た後でも、見直しは微調整にとどめ、「避難と屋内退避を適切に組み合わせることで、被ばく線量を抑える」という原子力災害対策の基本方針を維持していくというのです。
文字どおりの当事者である志賀町の稲岡健太郎町長が、同じ現実を見て、再稼働容認から慎重へと態度を変えたのとは対照的です。規制委の姿勢には当事者意識が希薄、いや、どこか他人事(ひとごと)の感じさえ漂います。
2011年の福島第1原発事故の際には、避難先や避難ルートなどがあらかじめ決められておらず、特定の施設に避難者が集中したり、道路が渋滞したりするなどの混乱が生じ、多くの周辺住民が長時間、被ばくの危険にさらされました。それを教訓に翌12年、発足したばかりの規制委が策定したのが、原子力災害対策指針。県や市町村はこの指針に基づいて、地域の実情に応じた防災計画や広域避難計画を定めています。
現行の指針では、大量の放射性物質が外部に飛散するような原発事故が発生した場合には、渋滞などの混乱を避けるため、原発から5キロ圏内の住民の避難を優先し、5~30キロ圏内は、放射線量が一定量を超えるまでは屋内退避としています。
しかし、能登半島を襲った地震の猛威を考えれば、それはとても現実的とは言い難い。
土砂崩れや路面の崩落、ひび割れなどが相次ぎ、志賀原発周辺では、県が原発災害からの避難ルートと定める国道や県道11路線のうち、7路線が通行不能。避難ルートにつながる町道なども各地で寸断され、30キロ圏内の同県輪島市と穴水町では8集落で435人が孤立状態に陥りました。
◆現行指針は通用するか
今月はじめ、志賀原発の正門前から輪島市方面に車を走らせました。国道249号を北上する県の避難ルートです。発災から2カ月以上たち、通行止めこそ解消されていたものの、路面はパッチワークのように応急の補修が施され、ひび割れや段差も目立ちます。
傾いた信号の下をくぐって峠道に入ると、ところどころに土砂崩れの跡があり、復旧工事のための片側交互通行区間が続きます。地震直後、その上、雪でも積もっていたら…。有事の際の大混乱は、想像に難くありませんでした。
さらに屋内退避の前提も崩れたというべきでしょう。
石川県によると、住宅被害は志賀町だけで6400戸以上。原発事故に備え、被ばく対策を施した学校や病院などの「放射線防護施設」も、30キロ圏内にある21施設のうち6施設で損傷や異常が生じ、2施設は閉鎖に。すべての施設で断水になりました。万が一の時、乳幼児や高齢者、傷病者らが一時避難する先に想定されている施設が、こんな状況なのです。
この現実が語っているのは、リアルな災害時に現行の指針は通用しない-ということなのではないでしょうか。抜本的な見直しが必要と考えるのが自然でしょう。
無論、能登半島だけの問題ではありません。日本の原発のほとんどが半島の付け根や先端など交通網の脆弱(ぜいじゃく)な海沿いの過疎地に立地しています。柏崎刈羽、伊方、浜岡、島根…。避難の実効性を疑う声が各地から聞こえてきます。
◆立ち止まって考えよう
政府はもう「福島の教訓」を忘れたらしく、昨年、「原発復権」に大きくかじを切りました。
能登半島地震の発生から13日後、ようやく被災地を訪れた岸田文雄首相は、志賀原発の再稼働について記者から問われ、「新規制基準に適合すると認めた場合のみ、地元の理解を得ながら再稼働を進める方針は変わらない」と答えています。やはり、現実を見ていないとしか思えません。
あの大震災から、今日でちょうど、13年。危険な「非常口なきマンション」に国民を住まわせ続けてよいわけがない。一度、立ち止まって考えよ-。「能登半島からの警告」ではないのでしょうか。
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[※ ↑「原発さえなければと思います」(週刊金曜日、2021年03月12日、1320号)] (2024年03月15日[金])
デモクラシータイムスのインタビュー記事【青木美希 なぜ日本は原発をやめられないのか? 【著者に訊く!】 20231207】(https://www.youtube.com/watch?v=pHmsA5CklVc)。そして、日刊ゲンダイの【注目の人 直撃インタビュー/ジャーナリスト青木美希氏が100人超の取材で辿り着いた結論「首相が決断すれば原発は止められる」】(https://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/08f1949c9fdd9f341ae30b20417a3868)。どちらも能登半島地震前の記事。
『●東電核発電人災から11年: 《原発事故は終わっていません。政府が
復興の名のもとに困難に陥った人たちをさらに追い詰める…》』
「マガジン9の記事【【寄稿】「おめでとう」と言えない正月
(青木美希)】」
《政府は生活できる環境がないまま、帰還政策を進めています。
政府は、浪江町など帰還困難区域700世帯を含む2万世帯の
避難住宅提供を打ち切りました。さらに浪江町や南相馬市などの
避難者、帰還者らへの医療費無償の支援策も打ち切る方針を
出しています。避難指示解除されれば固定資産税の減免もなく
なっていきます。原発事故は終わっていません。政府が復興の名の
もとに困難に陥った人たちをさらに追い詰めることがないように、
私は被災者の声を発信し続けていきたいと思っています》
『●(小谷内毅珠洲市議)「珠洲に原発があれば、隆起で配管が破断し、大惨事
になっていたのでは。…もし事故…、とても逃げられる状況ではなかった」』
(東洋経済オンライン)【能登地震、現地で見た「原発事故で避難不能」
の怖さ 志賀原発とかつての原発予定地の現状が問うもの/青木美希】
《日本では大きな地震の都度、「原発は大丈夫か」と懸念される
ようになっている。新年早々に起きた能登半島地震からおよそ
50日。最大震度7を観測した現地ではまだ大勢の住民が避難生活を
続けているが、志賀原発周辺や原発予定地だった珠洲市はどうなって
いるのだろうか。原発事故の際、避難は可能なのか。
そもそも原発は地震に耐えられるのか。現地を訪れた》
【青木美希 なぜ日本は原発をやめられないのか? 【著者に訊く!】 20231207】
(https://www.youtube.com/watch?v=pHmsA5CklVc)
《日本の原発行政とその問題点を渾身の取材で明らかにしていく。
著者の個人としての取材から見えてくる原子力ムラの実態。
それを取り巻く政官業学、そしてジャーナリズムの在り方までも問う。
どうすれば原発を停めることができるか。
原発の歴史をも見直しながら、脱原発への道筋を示す。
2023年12月7日収録》
「首相が決断すれば原発は止められる」、でも、逆に首相が暴走すると…《原状回復》どころか、キシダメ首相が《原発回帰》《原発復権》する狂気。
日刊ゲンダイの記事【注目の人 直撃インタビュー/ジャーナリスト青木美希氏が100人超の取材で辿り着いた結論「首相が決断すれば原発は止められる」】(https://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/08f1949c9fdd9f341ae30b20417a3868)によると、《昨年から今年にかけ、日本の原発政策が大きく変わった。できる限り減らすとしていたものが、脱炭素を旗印に新増設まで容認され、COP28(国連気候変動会議)では「2050年までに世界の原発容量を3倍にする」という宣言に賛同した。福島原発からの海洋放出も地元関係者の理解なく強行された。あれほどの大事故を起こしながら、どうして日本は原発を止められないのだろうか──。30年にわたって原発問題を取材し続け、新著にまとめたジャーナリストに話を聞いた》。
『●能登半島地震と珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ志賀核発電所
…「悪夢のような民主党政権」と比較して、今のキシダメ政権の無残さ』
『●能登半島地震と珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ志賀核発電所
…それでも再稼働・新規建設したいという核発電〝麻薬〟中毒患者ら』
『●【能登を襲った巨大地震/狙撃兵】《役立たずかと思うほど鈍くさい動き
に、思わずこの連中に「人の心」は宿っているのだろうかと思うほどである》』
『●「想定外」!? 【震度5強の志賀原発で「想定外」続々…なのに規制委は
動かない 「安全上影響ない」「一定の時間かかる」とは?】(東京新聞)』
『●斎藤貴男さん《日本列島は地震の巣なのに、原子力の利用を「国の責務」と
うたうGX(グリーントランスフォーメーション)法案にかまけて》いた…』
『●これまでの教訓は何処に? 決して「想定外」と言う勿れ…能登半島地震
と珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ北陸電力志賀核発電所』
『●本当に賢明な判断だった…珠洲核発電所《建設を阻止したのは、住民らの長
年にわたる根強い反対運動だった…無言電話や不買運動に耐えた阻止活動》』
『●石川県志賀町・稲岡健太郎町長「北陸電力は再稼働を目指すとのこと
だが、首長として以前のように安全性をアピールすることは難しい」と…』
『●3.11東京電力核発電人災の教訓はどこに? 能登半島地震の警告は?
正気だろうか? 東電に核発電所を運転する資格や能力は在るのかね?』
『●小出裕章さん《今回一番学ばなければいけないことは、志賀原発が止まって
いてよかったということ。…原発が1年間稼働すれば、広島原爆が…》』
『●《志賀原発…すぐ近くで地盤が4m隆起…取水口が海面から離れることに
より冷却水が取れなくなる恐れ…原発の建屋が損傷する恐れもあった》』
『●「閉じない環」破綻した核燃サイクル…《1993年から26回の延期…核
燃料サイクル政策は要の再処理工場の稼働が見通せず、「破綻」》が露わ』
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【https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/333745】
注目の人 直撃インタビュー
ジャーナリスト青木美希氏が100人超の取材で辿り着いた結論「首相が決断すれば原発は止められる」
公開日:2023/12/25 06:00 更新日:2023/12/25 06:28
(青木美希氏(C)日刊ゲンダイ)
昨年から今年にかけ、日本の原発政策が大きく変わった。できる限り減らすとしていたものが、脱炭素を旗印に新増設まで容認され、COP28(国連気候変動会議)では「2050年までに世界の原発容量を3倍にする」という宣言に賛同した。福島原発からの海洋放出も地元関係者の理解なく強行された。
あれほどの大事故を起こしながら、どうして日本は原発を止められないのだろうか──。30年にわたって原発問題を取材し続け、新著にまとめたジャーナリストに話を聞いた。
◇ ◇ ◇
──原発をめぐる方針転換をどう見ていますか。
ずいぶん目まぐるしく、あっという間にひっくり返るなと。一番の問題は、説明責任を果たしていないことです。再生可能エネルギーを推進してきた中で今、原発を優先するルールが作られ、電気が余るからと、再エネに出力制御が行われています。1回あたりの出力制御により発電できなくなるのは最大で原発3基分の電力で、非常にもったいない。そういう議論なしに、ただやみくもに原発に邁進しているようにしか見えません。
──本を読んでハッと気づかされました。2011年3月の原発事故で出された「原子力緊急事態宣言」は、12年以上経った今も発令中なんですね。
その事実が本当に知られていないですよね。通常時だと被ばく限度は年間1ミリシーベルトですが、今は国が20ミリシーベルトで避難指示を解除できるようにしてしまっている。つまり、まだ通常時に戻っていないのです。年1ミリシーベルトは毎時0.23マイクロシーベルト。除染後の避難解除された場所でも、それを超えるところがある。サーベイメーターで測ると、アラームがピーピー鳴る状況です。
──ニュースを見て「復興している」と思っている人も少なくない。被災地に頻繁に足を運ばれていますが、現実と報道のギャップを感じますか。
「復興に向けて、新しい建物ができた」などの明るいニュースを中心に発信されている状況です。例えば、NHKのニュースについて本にも書きました。福島県浪江町の津島という1400人が暮らしていた地域で、新たに完成したのは10戸の町営住宅。とてもきれいな建物で、帰ってきた女性が「本当に空気がいい」と話しているのが放送されました。そこで、実際に現地に行ってみたんです。その女性に会ったら、福島市に避難して、福島市で仕事をしているんですね。じゃあ、どれくらいこの新しい住宅に住んでいるんですかと聞いたところ、「浪江には週2日くらいかな」と答えた。帰ってきた方はもう1人いましたが、他の4世帯は移住者でした。もともと浪江町に住んでいた方ではない。明るいニュースも蓋を開けてみれば……。本当のところは行ってみないと分からないんですよね。
──なぜ日本は原発を止められないのでしょう。100人を超える研究者や政治家など関係者を取材されて、どんなことが分かりましたか。
複合的な要因があるのですが、今回の原発回帰方針を見ると明らかなように、首相がまともなリーダーではないことが一番の不幸だと思います。100年後、200年後の日本の将来をしっかり見据えて、グランドデザインをもとに国をどうするかを考えていけば自明の理なわけです。国民の安全を守るというのが首相の責務ですから、その責務を放棄しているとしか思えません。
■最エネが進まない理由は「どうせまた戻る」
──首相の決断があれば止められるということですか。
実はこの本を書き始めたきっかけは、ベテラン政治記者の先輩に「首相がやるって決めれば止められるんだよ」と言われたことでした。本当にそんな単純なものなのかと思って調べ始めたんです。同じことを小泉元首相もおっしゃっているし、「原子力ムラの村長は総理である」と原子力ムラの方々がおっしゃっています。官僚の人たちに聞いても、「上がこうやると決めれば、日本の持続可能性を考えるのが官僚の仕事なので、方向性さえ決めてくれれば、それに合わせて施策と対策を打っていける」と言っていました。
──首相が決めれば原子力ムラは動く?
まず決めることです。その上で安い再エネの蓄電池を開発する。再エネを最大限生かすために連系線(電力会社間をつなぐ送電線)を太くする。日本は連系線が弱いので、九州の電力が余っても本州などで使われていない。これを強化しなきゃいけないという声がありながら、進んでいないんです。今後、再エネで行くんだと決めれば、さまざまな課題を優先順位の高い順に解決していくことになる。ところが、原発にまた戻るんじゃないかという感触が原子力ムラの人たちにあって、どうせまた戻るだろうということで、進まない。再エネをやっている人たちもフラフラしてしまう。裏切り行為というか、首相は日本をどうしたいのかと思います。
──首相が方向性を出せない背景に何がある?
よく言われるのは、米国の意向を聞いているということ。しかし、実際その辺を調べている弁護士、シンクタンクの方が言うには、日本の原発推進派が米国にそう言わせているという構図がある。日本の原子力産業が米国のシンクタンクに多くの資金を出していて、向こうからこだまのように響いてくるというのです。
──米国の意向ではなく、国内に原因がある。やはり原子力ムラですか。
そうですね。税金を原発に使える仕組みを長年使ってるわけです。そこの利益集団の経済に関係しています。企業の方にもちろんお話を聞いていますが、古い原発は減価償却が終わっているので動かせば動かすほど利益になるから、早く動かしたいと言う。電力会社の昔の知人は「青木さん再稼働に協力してください。じゃないと、うちも経営が厳しいんですよ」と言っていた。経営問題になっているのです。だからこそ、政府がしっかり「再エネで行く」と決め、再エネをやれば経営が良くなるようなソフトランディングできる仕組みをつくっていく必要がある。政府が決めることがすごく大事なんです。
──原子力ムラは、政官業に加え、学者、メディアの五角形。メディアの責任についてはどうお考えですか。
中学生ぐらいの時だったと思うんですが、新聞で「エネルギーのはなし」というコラムを連載していました。放射線や放射能に慣れ親しませる形のコラムで、広告なのか記事なのか明示されていなくて。読みながら、これは何なんだろうと思っていました。広告だったんですよね。どうやって大口の広告を各新聞社が獲得して、電力会社が広告を利用してきたのかということだと思います。
■メディアが再び推進派の拡声器に
──事故を経て、メディアは今も原子力ムラの一角にいるのでしょうか。
事故前と完全に一致はしていないですが、復活しつつあると思います。例えば海洋放出。初めは大丈夫なのかという報道もありましたが、だんだんIAEA(国際原子力機関)も大丈夫だと言っているから大丈夫なんだと垂れ流す報道が目立つようになった。結局、自分たちで検証せず、また原子力推進側の言うことをうのみにして国民を納得させてしまいました。推進側の言うことをそのまま拡声器になって信じ込ませる。怖い構図が復活していると感じます。
──今回の出版を、所属する大手紙は認めなかったんですよね。驚きです。
社外出版手続きに基づいて届けを出したのですが、「これは過去の職務によって取得した知識や情報が主な内容となる」と判断されてしまった。「本来の業務に傾注していただきたい」「編集部門の取材活動と競合し、妨害、阻害する恐れがある」などの理由で認められませんでした。でも、ここまで申し上げたとおり、原発事故後の本当の現状が伝わっていないことや、メディアがまた推進派の拡声器になっているのが心配で、伝えなければと思いました。取材に協力してくれた方々もどんどん亡くなっていくものですから、絶対に出版しなきゃいけないと思って準備してきました。ようやく出せました。
(聞き手=小塚かおる/日刊ゲンダイ)
▽青木美希(あおき・みき) 札幌市出身。1997年北海タイムス入社。同紙休刊にともない、98年北海道新聞へ。札幌で警察担当のときに北海道警裏金問題を手がける。2010年、大手紙に入社。東日本大震災では翌日から現場で取材した。現在も個人として取材を続けている。「道警裏金問題」や原発事故検証企画の取材班として新聞協会賞を3度受賞。著書に「地図から消される街」「いないことにされる私たち」。日本ペンクラブ言論表現委員会副委員長。
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[↓ 双葉町での聖火リレーに際しての大沼勇治さん、報道特集 2021年03月27日[土])] (2024年03月02日[土])
【映画『津島 ー福島は語る・第二章ー』予告編/2024年3月2日(土)公開】
(https://youtu.be/87HDT9OGCJs)
《土井敏邦監督作品
ドキュメンタリー映画『津島 ー福島は語る・第二章ー』予告編
【2024年3月2日(土) 東京・K's cinema ほか全国順次公開】
帰ることが叶わなくとも
わたしの故郷はたしかに”ここ”にある
2011年3月11日の福島第一原発事故の直後に大量の放射性物質が
降り注ぎ、地域の大部分が「帰還困難区域」に指定されたまま、
現在も多くの住民が帰れずにいる故郷・津島。「100年は帰れない」
と言われた故郷・津島の歴史と、そこで生きてきた人々の記憶と感情を
映像化した、総勢18名、3時間を超える圧巻のオーラル・ヒストリー》
キシダメ政権や「利権」「裏金」「脱税」党ときたら、《原状回復》することも無く、堂々と《原発回帰》へと暴走し、この13年間、着々と《原発復権》。アケスケに言えば、〝棄民〟ではないのか。さっさと、元通りに戻して見せよ。勝手に《原発回帰》《原発復権》するな。
《やっぱりここさ帰りたい。親が開拓して受け継いだ土地。次の世代に残してやりたい。汚したら、きれいにして返すのが当然じゃないか》。《草木のすべてにセシウムが染みついている。田畑を耕すが自分で食べるだけ。孫には食べさせないし、売ることもできない》。
『●《やっぱりここさ帰りたい。親が開拓して受け継いだ土地。次の世代に
残してやりたい。汚したら、きれいにして返すのが当然じゃないか》』
「みんなの願いは単純だ。国や東電が、大地の汚れを取り除き、
元の状態に戻す、原状回復してくれることだけだ。《原発事故で
地域の歴史や人の絆、伝統や文化、一切合切が壊された》。
《…原状回復して住めるようにしてほしい。ふるさとに
帰れるのなら、賠償はいらない。津島に帰りたい。
このままでは終われない》」
『●《草木のすべてにセシウムが染みついている。田畑を耕すが自分で
食べるだけ。孫には食べさせないし、売ることもできない》』
「笠原眞弓氏による、レイバーネットの記事【原発は何を奪った
のか~『福島は語る・完全版』江古田映画祭で上映】…。
《コロナ騒ぎで、プログラムが軒並み中止・延期される中、
江古田映画祭は会場を武蔵大学からギャラリー「古藤」に移して
開催された。初日の2月29日、私は『福島は語る・完全版』を
見た。5時間20分の完全版を見るには、それなりの体調管理と
決心がいる」
「《生活を根こそぎ奪われ、人生を翻弄》。3.11東京電力
核発電人災の何か一つでも解決したのか? 」
「堀切さとみ氏による、レイバーネットの記事【セシウムが染み
ついた飯舘村で懸命に生きる~映画『サマショール』】」
西田直晃記者による、東京新聞の記事【こちら特報部/原発事故に故郷を奪われた18人の「痛み」 「戦後日本で繰り返されてきた横暴」への思いを189分の映画に】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/312256?rct=tokuhou)。《東京電力福島第1原発事故による帰還困難区域に焦点を当て、避難者の証言を記録したドキュメンタリー映画「津島 ―福島は語る・第二章―」が2日から公開される。原発事故被災者の声を拾い続けてきた監督の土井敏邦さん(71)は「故郷を奪われる痛みに思いをはせてほしい」と呼びかける。(西田直晃)》。
『●《失われた古里》、失われた《本来は恵みをもたらす田畑の土》
…原状回復して見せたのか? 誰か責任は?』
「《失われた古里》、《もどれない故郷》、失われた
《本来は恵みをもたらす田畑の土》…原状回復して見せたのか?
誰か一人でも責任をとったのか?
それでも経済産業省は核発電の《維持推進を掲げる》…。
東京電力核発電人災から8年なのに、この体たらくだ。
核発電「麻薬」中毒患者達は、経済性から核発電輸出からは撤退しよう
としているが、…国内では、核発電所を再稼働し、新規建設をしたくて
しょうがない訳だ。3.11の核発電人災の反省など一切なし」
《「福島は語る」という映画…土井敏邦監督が福島県民ら十四人に
インタビューした記録映画である。そこに杉下初男さんが出ていた。
杉下さんは石材業を営み、本の中では、飯舘の白御影石は安くて色が
ブルーなので東京で人気だった、と書いてある。
映画で杉下家の本当の悲劇は、事故の何年も後だったと知った。
杉下さんは原発事故のせいとも、放射能のせいとも語っていないが、
故郷を離れ、避難生活を送ることの厳しさを感じた》
『●武藤類子さん《沖縄で闘っている人の言葉…「国を相手に
ケンカしたって勝てない。でも、おれはやるんだ」》』
「レイバーネットのコラム【●木下昌明の映画の部屋 250回/
原発事故に翻弄された14人~土井敏邦監督『福島は語る』】
…。《映画は、生活を根こそぎ奪われ、人生を翻弄された
14人の被災者に焦点を当てている。…暮しの中から被災後の困難を
浮かび上がらせているのが特徴だ》」
『●2019年度文化庁映画賞《文化記録映画部門の優秀賞》を受賞
…三上智恵・大矢英代監督『沖縄スパイ戦史』』
《『福島は語る』監督:土井敏邦 2018年/170分
原発事故という大きな現実の中で,生きざるを得ない人びとがいる。
その人たちは今,何を思い,どうしようとしているのか。映画は14人の
声を,丹念に長い時間をかけ記録していく。お互いの信頼関係の中で,
人びとは徐々に語りにくかった思いをしずかに,整理するように語る。
制作者はその証言に正面から向き合い,そのことで,福島の現実を
直視しようとする。この映画はドキュメンタリーの一つの到達点
といってよい作品である》
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【https://www.tokyo-np.co.jp/article/312256?rct=tokuhou】
こちら特報部
原発事故に故郷を奪われた18人の「痛み」 「戦後日本で繰り返されてきた横暴」への思いを189分の映画に
2024年3月1日 06時00分
東京電力福島第1原発事故による帰還困難区域に焦点を当て、避難者の証言を記録したドキュメンタリー映画「津島 ―福島は語る・第二章―」が2日から公開される。原発事故被災者の声を拾い続けてきた監督の土井敏邦さん(71)は「故郷を奪われる痛みに思いをはせてほしい」と呼びかける。(西田直晃)
◆今も多くの住民が戻らぬ浪江町・津島地区
(津島地区の住民への思いを語る土井さん=横浜市神奈川区で)
2019年公開の「福島は語る」の続編。震災直後から福島入りして取材を重ねており、今作では、県東部の浪江町の山間部にある津島地区に密着。原発から北西に30キロ離れているが、事故直後に大量の放射性物質が降り注ぎ、地域のほとんどが帰還困難区域に指定されたまま、現在も多くの住民が戻れずにいる。
津島の歴史書を編み始めた男性に心を打たれ、土井さんは「どうしても記録しなければ」と思い立った。貧しさにあえいだ開拓時代の記憶、綿々と受け継がれてきた伝統文化、今は亡き家族との思い出…。最初のインタビューから約5年を費やし、総勢18人の証言と四季の映像を前面に出し、事故から10年以上を経ても癒えない望郷の思いを映像に収めた。
◆経済合理性のために少数を切り捨てるのか
土井さんは「反原発を声高に主張する人は登場しないが、語りの奥に問題が浮かび上がっている」と強調する。津島地区の住民は土地の原状回復などを求め、国と東電を相手取った裁判を続ける。「経済合理性だけを重視し、少数の人々を切り捨てるのか。原発事故に限らず、戦後日本で繰り返されてきた風景だ。横暴を許してはいけない」と作品に込めた思いを語る。
「見る者にとって、撮る者にとって、ドキュメンタリーの登場人物は『鏡』」が持論の土井さん。若いころに故郷の佐賀県を飛び出したからこそ、津島地区に愛着を抱き続ける登場人物たちに大きく感情移入したという。「心の揺れを語る住民に自分自身を投影しながら、これまでの生き方を僕自身も省みた。豊かさとは何か、生きるとは何なのか。共感できる人がいるはずだ」と話す。
◆2日に新宿で封切り、全国で順次公開
映画は2日、東京都新宿区の「K’s cinema」で封切りされた後、全国で順次公開される。16日には横浜市中区の「シネマ・ジャック&ベティ」で上映開始予定。189分。
【関連記事】原発周辺、かつての福島の町並みは跡形もなく 除染で出た汚染土の中間貯蔵施設の現在地【動画】
【関連記事】「新たな開拓者として」避難指示解除で帰還、ラベンダーの花言葉に託した願いは… 福島・浪江の津島地区
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[※ 「3.11から12年 「脱原発の約束はどこに」」(週刊金曜日 1415号、2023年03月10日) ↑] (2023年04月08日[土])
先日、坂本龍一さんが亡くなられました。《金平茂紀氏と対談した坂本龍一は、清志郎を偲んでこのように語っている。「…なんで日本がこんなに言いたいことが言えない国になっちゃったのかってことなんですよ。…みんなもっと言いたいことを言いましょうよ。それは、個人も、ミュージシャンも、メディアも、みんなそうですよ」》(リテラ)。
『●《なんで日本がこんなに言いたいことが
言えない国になっちゃったのか…もっと言いたいことを言いましょうよ》』
「アベ様の独裁が続き、言いたいことも言えないニッポンに。ホントに
壊憲して、戦争できる国になっていいの?
《日本は何を目指しているのか》? 忌野清志郎さんは
《「戦争はやめよう。平和に生きよう。そしてみんな平等に暮らそう」
と説いた。彼こそ明確に進むべき道を示している》」
小椋由紀子記者による、東京新聞の記事【坂本龍一さん 政府の原発回帰に「なぜ」「なぜ」「なぜ」 本紙に寄せたメッセージ全文】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/238019)によると、《2011年の原発事故から12年、人々の記憶は薄れているかもしれないけれど、いつまでたっても原発は危険だ。いやむしろ時間が経てば経つほど危険性は増す。コンクリートの劣化、人為的ミスの可能性の増大、他国からのテロやミサイル攻撃の可能性など。なぜこの国を運営する人たちはこれほどまでに原発に固執するのだろう》。
神保哲生さん《とはいえ一歩間違えば国全体が壊滅してもおかしくなかったほどの大事故を経験した日本だ。それだけのリスクを冒してまで原発回帰を図るのであれば、そのような結論に至るまでどのような議論が交わされ、どのような根拠に基づいて政策決定が行われたのか、その政策には本当に合理性があるのか、そしてそれは誰の責任なのかなどが、外部からも十分に検証されなければならないことは言うまでもない。そこでカギとなるのが情報公開だ》。
選挙のたびに、核発電に寄生する、ヅボヅボ壺壺な自民党や、公お維コミに投票するのですから、ホントにオメデタイ国。選挙に行きもしないのですから、自公お維コミを間接的に支持しているのと同じ。
原発推進を打ち出す政府の方針を原子力規制委が追認…原子力「推進」委員会、核に巣食う核「寄生」委員会。例外中の例外のはずが「原則40年」を無視し、運転停止期間を控除することで「最長60年」を蔑ろに。狂っています、ニッポン。《原状回復》は一体どうなっているのか? 《原状回復》することも無く、堂々と《原発回帰》へと暴走し、経産省を中心に、この12年間、着々と《原発復権》…3.11東京電力核発電人災の教訓はどこに?
こういうのは、原子力「規制」委員会なんて呼べるのかね。核に蝟集する核「寄生」委員会。《決定の性急さを問われた山中伸介委員長は、記者会見で「(炉規法改正)法案のデッドライン(締め切り)があるので仕方ない」と釈明しましたが、原発推進のためには規制を緩めても仕方がない、とも聞こえます》。
(古賀茂明さん)《危ない原発ばかりが延命されると言えば、そんな馬鹿な、と思う。だが、現にそういうとんでもない法律改正に向けて岸田文雄首相が原子力規制委員会の山中伸介委員長と二人三脚で暴走を始めた。安倍晋三元首相もできなかった「40年ルール」の撤廃を目指しているのだ》。無責任極まるあの東京電力に、あの柏崎刈羽核発電所を再稼働させようというのですから、まともな人達ではありません。
『●核発電人災の反省はどこに? 《熟議より、政府の都合を優先》する
原子力「推進」委員会、《フクシマを「なかったことにする」のか》?』
『●古賀茂明さん《政府は、料金値上げを認めるのなら、電力会社の送配電の
完全分離(所有権分離)を実現することを電力会社に飲ませるべき》』
『●《鍵は送配電部門の中立性・公平性にある。…飯田哲也所長は「日本の
自由化の課題は、発送電分離がきちんとできていないことだ」と指摘する》』
『●《原状回復》することも無く、堂々と《原発回帰》へと暴走し、この
12年間、着々と《原発復権》…3.11東京電力核発電人災の教訓はどこに?』
『●東電核発電人災から12年: 暦が一巡して、2023年は再びの卯年…
もう一回り前の卯年は《1999年9月30日。東海村JCO臨界事故…》』
『●国や経産省、東京電力は「原状回復」することなく東京電力核発電人災
被災地は放置で、一方、東京電力CMはちゃっかり「原状回復」かょ…』
『●東京新聞《<ぎろんの森>原発推進組織に逆戻りか》―――― すごく
控えめな表現…単に「原子力規制委員会」に看板を掛け代えただけ』
『●《原発を動かせばごみが出る…なすべきことは明白。原発を止め、ごみ増
を防ぎ…しかし国は稼働ありき。ごみが増えるほど後始末に困るのに》』
『●原発推進を打ち出す政府の方針を原子力規制委員会が追認…「推進」委、
核に巣食う核「寄生」委、例外中の例外のはずが原則40年を無視』
『●東京電力核発電人災の教訓はどこに? 《一歩間違えば国全体が壊滅
してもおかしくなかったほどの大事故を経験した日本》、その教訓は?』
『●野党議員だった頃の河野太郎氏「原子炉と使用済み核燃料プールは、
テロリストに狙われたり、ミサイルで狙われたりと潜在的な弱点である」』
『●どこが「規制」? 原子力規制庁と経産省の職員が《面会する場所として、
なぜか駅を選び、内部文書を受け取っていた。慎重を期すべき規制…》』
『●柏崎刈羽核発電、新潟《県民の多数は再稼働を拒絶》ではなかった
のか? なのに、こんな知事を選んでしまうから、こんな結果になる…』
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【https://www.tokyo-np.co.jp/article/238019】
坂本龍一さん 政府の原発回帰に「なぜ」「なぜ」「なぜ」 本紙に寄せたメッセージ全文
2023年3月15日 06時00分
音楽家・アーティストの坂本龍一さん(71)が、東日本大震災と東京電力福島第一原発事故から12年となったことに合わせ、本紙にメッセージを寄せた。政府が原発回帰の方針を示していることに関して「なぜこの国を運営する人たちはこれほどまでに原発に固執するのだろう」と批判。コンクリートが劣化し、テロやミサイル攻撃の標的になりかねないとして「むしろ時間が経たてば経つほど危険性は増す」と指摘している。(小椋由紀子)
【関連記事】帰っても…原発事故前の暮らしは戻らない 老舗旅館の4代目は避難指示解除に悩む 福島・浪江の津島地区
(脱原発に向けて問題などを話し合う坂本龍一さん
=2014年1月、東京都千代田区の中日新聞東京本社で)
◆「何かいいことがあるのだろうか」
坂本さんは「人々の記憶は薄れているかもしれないけれど、いつまでたっても原発は危険だ」と強調。「事故の汚染水・処理水も増えるばかり。事故のリスクはこれからも続く」と訴えた。
岸田文雄首相は、震災後に封印されていた原発のリプレース(建て替え)や、60年超の運転容認を国会で十分な議論をしないまま決定した。坂本さんは「なぜ未完成で最も危険な発電方法を推進しようとするのか」と岸田政権の対応を問題視する。
原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分問題が解決されていないことにも触れて「何かいいことがあるのだろうか」「そこまで執着するのはなぜだろう」と疑問を連ねる。
◆直腸がんで今も闘病
坂本さんは2011年の東日本大震災後、被災地出身の子どもらによる「東北ユースオーケストラ」を創設し、代表・監督を務めるなど被災者を支援してきた。環境保護や脱原発に強い関心を持ち、13年には本紙記者約100人と、震災・原発と報道をテーマに意見交換。討論をまとめた「坂本龍一×東京新聞 脱原発とメディアを考える」(東京新聞)が刊行された。
21年1月に直腸がんを公表し、今も闘病中。昨年12月には、事前収録した無観客のピアノ・ソロ・コンサートを日本や欧米、アジアなど約30の国や地域に配信し、体調面から「これが最後になるかもしれない」とコメントしている。
坂本龍一さんが本紙に寄せたメッセージ全文は次の通り。
(坂本龍一さん(2020年3月撮影))
2011年の原発事故から12年、人々の記憶は薄れているかもしれないけれど、いつまでたっても原発は危険だ。
いやむしろ時間が経てば経つほど危険性は増す。
コンクリートの劣化、人為的ミスの可能性の増大、他国からのテロやミサイル攻撃の可能性など。
なぜこの国を運営する人たちはこれほどまでに原発に固執するのだろう。
ロシアによるエネルギー危機を契機にヨーロッパの国々では一時的に化石燃料に依存しながらも、持続可能エネルギーへの投資が飛躍的に伸びているというのに。
わが国では、なぜ未完成で最も危険な発電方法を推進しようとするのか分からない。
発電によってうまれる放射性廃棄物の処理の仕方が未解決で増えるばかり。
埋める場所もない。
事故の汚染水・処理水も増えるばかり。事故のリスクはこれからも続く。
それなのに何かいいことがあるのだろうか。
世界一の地震国で国民を危険にさらし、自分たちの首もしめるというのに、そこまで執着するのはなぜだろう。
坂本龍一(音楽家)
【関連記事】福島第一原発 廃棄物置き場の容量が限界迫る このままでは汚染水処理が…
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[※↑ 双葉町で牧場経営していた鵜沼さんがキクハナと再会…希望の牧場にて (報道特集 2021年03月06日[土])] (2022年12月13日[火])
《吉沢正巳さん「被ばく牛は原発事故の生き証人。処分すれば証拠は消え、事故はなかったことにされる」》《「…寿命までここで暮らす。この牛たちを見て、命の扱い方とか、原発があるというのはどういうことかを考えるきっかけになってほしい。3・11を風化させないためにもここを維持する」》…被ばくした《牛と共に生きる覚悟を決めたベコ屋の意地が見えた》。
久間木聡記者による、東京新聞の記事【「被ばく牛」飼育 福島の吉沢さん 滑川で講演「生きている限り 原発の時代背負う」】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/215355)によると、《東京電力福島第一原発の事故直後から、被災地に取り残された「被ばく牛」の飼育を福島県浪江町で続ける吉沢正巳さん(68)が六日、埼玉県滑川町の「古民家ギャラリーかぐや」で講演した。「市場に出ない牛たちを通して人間は命をどう扱うのかという問題を、これからも考えていきたい」などと強調した》。
『●大飯原発再稼働撤回に向けて、この熱気を見よ!』
『●「浪江町で300頭の牛を一人で飼っている
牧場主の吉沢正巳さん」国会前スピーチ』
「(OurPlanet-TV、…)では、「浪江町で酪農を
経営していた「希望の牧場」の吉沢正巳さんは、「政府は福島の
原発事故を過去のものとして蓋をして、再稼働でばんばんいって
しまう。今回の事故で誰が責任をとっているのか、皆逃げている。
言い訳をしてる。ごまかしてる。嘘ついている。もうたくさんだ。」
と力強く話した」そうだ」
《被ばく牛と生きている牧場主の声を聴いてほしい!
ドキュメンタリー映画の『フタバから遠く離れて』をみて以来、
気にかかっていた人がいた。それは浪江町で300頭の牛を一人で
飼っている牧場主の吉沢正巳さん(写真)のことだ》
『●終わらない原発人災の影響:
「震災さえ」ではなく 「原発さえなければ…」』
『●吉沢正巳さん「被ばく牛は原発事故の生き証人。処分すれば
証拠は消え、事故はなかったことにされる」』
「《福島原発事故で故郷の町を奪われ、避難生活を強いられる
根本昌幸さんの「柱を食う」である》… 《/牛よ/恨め恨め/
憎き者を恨め/お前を飼っていた者ではない。/
こういうふうにした者たちを》。そして、《福島県いわき市の
芳賀稔幸さんの「もう止まらなくなった原発」だ》…
《失ったものは永遠に帰っては来ない/元通りに出来ないはずだのに
/責任をはたすって?/何の責任をだ/一体責任って何だ?》」
『●希望の牧場・吉沢正巳さん「この牛たちを見て、命の扱い方とか、
原発があるというのはどういうことかを考えるきっかけになってほしい」』
「佐藤哲紀記者による、東京新聞の記事【警戒区域で生き残った牛1頭が
問う「生きるとは…」 福島県浪江町「希望の牧場」】」
《福島県浪江町の「希望の牧場・ふくしま」。代表の吉沢正巳さん…
吉沢さんは自身のことをベコ(牛)屋と呼ぶ。「ここにいる牛は
経済的には意味がない。けれど生きるってことに意味がある。
餓死もせず、殺処分もされず、生きてきた。これからも餌食って
くそたれて、寿命までここで暮らす。この牛たちを見て、
命の扱い方とか、原発があるというのはどういうことかを考える
きっかけになってほしい。3・11を風化させないためにもここを
維持する」。牛と共に生きる覚悟を決めたベコ屋の意地が見えた》
繰り返します、何度でも。
国や東電のデタラメな所業に対する答えは簡単だ、責任をもって東電や政府が「原状回復」して見せればよいだけ。元の姿に完全に戻してくれれば良いだけ。責任を果たして下さればよいだけ。《原状回復》して見せてくれれば、喜んで皆さんは元の福島の生活に戻られるでしょうよ。それに、そもそもこんな核発電人災などなければ、《福島を出た人は誰もいな》かった。東京電力核発電人災、決して自主避難者の《自己責任》ではない…「原発事故がなければ福島を出た人は誰もいない」。
『●《「知っている町はどこかに行ってしまいました。返してください!
10年前を!」。故郷をめちゃくちゃにされたことへの怒りは深かった》』
『●武藤類子さん《本来ならその人たちにとってもこの10年、まったく
違った時間があったはず…原発事故は、その時間を奪ってしまった》』
『●核発電の《オープンな議論を通じて国民の幅広い理解を得ることが
不可欠》? まずは福島を《原状回復》して見せてくれ、議論はそれから』
『●キシダメ首相は《原発の運転期間の延長に加え》《新増設や建て替えの
検討を明言したのは初めて》――― 命名・次世代革新炉「キシダメ」』
『●《「電力が足りないから原発だ!」というのがいかに愚かなことか。
『原発をとめた裁判長』を見れば誰でもわかる。是非ご覧いただきたい》』
『●祝島…《調停を申し立てた側の中電が「法律論争をするつもりはない」
といって議論を避け、調停は不成立…法律論争は不利と判断したから》』
『●《「原発ができれば町が活性化する」という空疎なスローガンのもとで、
町の基幹産業…漁業…など生産振興や生活の向上をめざす活動は停滞》』
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【https://www.tokyo-np.co.jp/article/215355】
「被ばく牛」飼育 福島の吉沢さん 滑川で講演「生きている限り 原発の時代背負う」
2022年11月22日 06時57分
(「私たちは原発の時代を背負った」と訴える吉沢さん
=埼玉県滑川町で)
東京電力福島第一原発の事故直後から、被災地に取り残された「被ばく牛」の飼育を福島県浪江町で続ける吉沢正巳さん(68)が六日、埼玉県滑川町の「古民家ギャラリーかぐや」で講演した。「市場に出ない牛たちを通して人間は命をどう扱うのかという問題を、これからも考えていきたい」などと強調した。
吉沢さんが運営する「希望の牧場」は、福島第一原発の北西約十四キロの場所にあり、広さは三十ヘクタールほど。国の決めた殺処分に同意せず飼育を続け、現在は約二百頭の和牛を飼っている。
吉沢さんは、町の大半が帰還困難区域の浪江の現状を「住み慣れた家を失い、昔からあった小中学校も閉校するなど、自分たちのルーツに関わる問題に直面している」と指摘。帰還できずにいる人々が、さまざまな形で心に傷を負っていることにも理解を求めた。
東電が来年春ごろからの開始を目指す福島第一原発の処理水海洋放出にも言及しつつ「私たちは生きている限り、原発の時代を背負ったということ」と強調。その上で「原発の時代を乗り越えるためどうするか。ちゃんとした議論をすべきです。その実力や覚悟が問われているんじゃないでしょうか」と訴えた。(久間木聡)
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[※ ↑「原発さえなければと思います」(週刊金曜日、2021年03月12日、1320号)] (2022年09月04日[日])
3.11東京電力核発電人災を「終わったこと」にしたい自公お維コミ…さっさと「原状回復」して見せてよ。かつての故郷に、皆さん、喜んで戻ってこられると思いますよ。きれいな元の土地に戻してください、生業や生活を返してください。
《原発事故は終わっていません。政府が復興の名のもとに困難に陥った人たちをさらに追い詰める…》。
『●東電核発電人災から11年: 《原発事故は終わっていません。政府が
復興の名のもとに困難に陥った人たちをさらに追い詰める…》』
「マガジン9の記事【【寄稿】「おめでとう」と言えない正月
(青木美希)】」
《政府は生活できる環境がないまま、帰還政策を進めています。
政府は、浪江町など帰還困難区域700世帯を含む2万世帯の
避難住宅提供を打ち切りました。さらに浪江町や南相馬市などの
避難者、帰還者らへの医療費無償の支援策も打ち切る方針を
出しています。避難指示解除されれば固定資産税の減免もなく
なっていきます。原発事故は終わっていません。政府が復興の名の
もとに困難に陥った人たちをさらに追い詰めることがないように、
私は被災者の声を発信し続けていきたいと思っています》
片山夏子記者による、東京新聞の記事【スーパーも郵便局もなし 双葉町の厳しすぎる現実 「散歩で作業員以外と会ったことない」】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/198981)によると、《東京電力福島第一原発事故による全町避難が唯一続いていた福島県双葉町で30日、帰還困難区域の一部の避難指示が解除された。双葉町の特定復興再生拠点区域(復興拠点)は11年5カ月ぶりに居住可能となったが、住民のさらなる帰還に向けては、除染や生活環境の整備など課題が山積している。(片山夏子)》。
わずか11年そこそこで、東京電力核発電人災を「無かったこと」にしたくて仕方ない自公政権。風化させたくて仕方ないらしい。《全町避難が唯一続いていた福島県双葉町で30日、帰還困難区域の一部の避難指示が解除された》という〝ニュース〟で、《双葉町の厳しすぎる現実》を埋没させて、市民の目を向けさせないようにしている。《一部》とは? 一体、何人が双葉町に戻り、今後、戻る予定・予想になっているのか? 今後、国や東電は何時になったら《原状回復》してくれるのか?
『●東電核発電人災から11年: 《原発事故は終わっていません。
政府が復興の名のもとに困難に陥った人たちをさらに追い詰める…》』
『●小出裕章さん《国と東電が策定したロードマップは「幻想」です…
つまり、デブリの取り出しは100年たっても不可能》、石棺しかない』
『●「汚染水」の海洋放出からX年後を恐れる ―――《政府は
基準値を大きく下回るまで薄めるというが…物質の総量は変わらない》』
『●【西谷文和 路上のラジオ】《小出裕章さん…東京電力福島第一原発の
トリチウムなど放射性物質を含む処理水を海洋放出していけないわけ》』
『●(デモクラシータイムス/原発耕論)《汚染水海洋放出は無責任の極み!》
…希釈しても汚染物質は減らない、〝汚染水〟の海洋放出に断固反対』
『●キシダメ首相は《原発の運転期間の延長に加え》《新増設や建て替えの
検討を明言したのは初めて》――― 命名・次世代革新炉「キシダメ」』
『●《「電力が足りないから原発だ!」というのがいかに愚かなことか。
『原発をとめた裁判長』を見れば誰でもわかる。是非ご覧いただきたい》』
『●11年そこそこで、東電核発電人災を「無かったこと」にしたくて仕方
ない自公政権。一方、99年目の史実・朝鮮人虐殺も無かったことに…』
これまでさんざん ―――――― さらに最も腹立たしいのは、最大の戦犯が未だにのうのうと政治家で居続けていること。最大の戦犯・アベ様が、核発電所を新規に作りたいそうです…正気じゃない。その核発電所に「アベシンゾウ」とでも名付けては如何か? ―――――― と言ってきましたが、そのアベ様も統一協会問題絡みで銃弾に倒れました。
『●高速増殖炉もんじゅ…ニッポンでは、
巨額の「エサ代」を支払い続けるつもりらしい』
『●「(悪)夢の高速増殖炉」もんじゅの延命に向かって着々と
…ドブガネという巨額の「エサ代」は続く』
『●予想に反して「もんじゅ」廃炉へ、一方、
「閉じない環」核燃料サイクルは維持するという無茶苦茶』
『●「核発電は安い」と言っておきながら、
「原発の電力を使っていない消費者にまで負担を強いる方針」』
『●「ふげん」、「もんじゅ」…次の高速炉は
「こくうぞう」、「みろく」? 「白象」とでもしますか??』
『●新高速炉「アベシンゾウ」…愚かな核発電「麻薬」中毒患者・
核燃サイクル教信者の罪を後世に残すために』
『●(リテラ)「あの未曾有の福島第一原発事故を招いた
“最大の戦犯”が、他ならぬ現内閣総理大臣・安倍晋三」』
『●東電核発電人災での国の責任も放棄…《あの未曾有の福島第一原発
事故を招いた“最大の戦犯”》アベ様の責任は追及され続けるべき』
『●高松高裁原発避難者訴訟…《「長期評価」を真摯に受け止めていたら、
遅くとも東日本大震災の前までに、さまざまな津波対策は取れた》』
『●《想定できないから免責されるという論法なら「地震大国」の日本で
原発は稼働させてはならない…原発政策を推進してきた国の結果責任》』
『●《史上最大の公害事件》核発電人災について《東電の旧経営陣に対し、
東電に賠償するよう株主が求めた》株主代表訴訟…13兆円の賠償命令』
さて、「悪夢のような民主党政権」どころか、真の意味での「悪夢の自公政権」「悪夢のアベ様政権」が終わったのかと思いきや…キシダメ氏、正気かね? 《原発への依存度を下げると訴えていた岸田文雄首相が唐突に、原発の運転期間の延長に加え、新増設や建て替えを検討する方針も表明》!? 《新増設や建て替えの検討を明言したのは初めて》!? 次世代革新炉「キシダメ」とでも名付けるの?
先日も引用しましたが、もう一度、東京新聞の【<社説>原発への回帰 福島の教訓はどこへ】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/198157?rct=editorial)によると、《あの悲惨な原発事故をなかったことにしようというのか。政府がこれまでの方針を翻し、原発の新増設や建て替え、さらには法定寿命の延長まで検討するとの考えを明らかにした。脱炭素の潮流や、電力の安定供給を口実にした原発依存への回帰にほかならない。東京電力福島第一原発事故の教訓を反故(ほご)にしてはならない。》
《脱炭素の潮流》と言いつつ、放射能汚染は気にしない。核発電は、究極の地球温暖化促進なのに、知らないふり。《電力の安定供給を口実にした原発依存への回帰》なのに、ザポリージャ原発で何が起きているのかを無視。安全保障が聞いて呆れる。地震大国に、海岸線沿いに一体何発の《原爆》という標的を並べているの?
でっ、次世代革新炉「キシダメ」は明日にでも完成するのかね? 半年後くらい? 1年後? 実験炉ぐらいは終わってるの? 原型炉? 実証炉? でっ、どこに造んの? 東京? 首相官邸? 自民党本部? アホですか。核発電「麻薬」中毒な皆さんは、そりゃぁ、大喜びでしょうね。
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【https://www.tokyo-np.co.jp/article/198981】
スーパーも郵便局もなし 双葉町の厳しすぎる現実 「散歩で作業員以外と会ったことない」
2022年8月31日 06時00分
東京電力福島第一原発事故による全町避難が唯一続いていた福島県双葉町で30日、帰還困難区域の一部の避難指示が解除された。双葉町の特定復興再生拠点区域(復興拠点)は11年5カ月ぶりに居住可能となったが、住民のさらなる帰還に向けては、除染や生活環境の整備など課題が山積している。(片山夏子)
◆年を重ね、運転できなくなったら…
今年1月から始まった「準備宿泊」で7カ月間、復興拠点内の自宅で生活してきた元競輪選手の谷津田陽一さん(71)は「今のところ帰還しそうな住民は、原発事故前の1%にも満たない。想像以上に現実は厳しかった」と嘆いた。「犬の散歩に行っても除染や解体作業員以外、会ったことがない」
JR常磐線双葉駅から北西に1キロ弱、緑豊かな高台にある自宅周辺は、多くの家屋が解体され、さら地が広がる。近隣住民は戻っていない。同居する妻(55)は「夜は人がいないから怖い。住んだ当初は特に外の音に敏感になった」と言う。
食料品などの買い物は、隣の浪江町や富岡町のスーパーに車で通う。郵便は配達されるが、出すときは浪江町の郵便局に向かう。
町内で営業している店舗は、ガソリンスタンド2軒と建築資材店、町産業交流センター内の飲食店4軒と土産物店の計8軒だけ。日用品を積んだ移動販売車が町内を巡るが、解除後もスーパーや郵便局の開設予定はない。
体調を崩したときの不安もつきまとう。事故前、町内には病院1カ所に加え、診療所と歯科医院も5カ所ずつ、薬局が2軒あった。今は医療機関は1つもなく、駅前に診療所ができるのは来年2月の予定だ。
谷津田さんの現在のかかりつけ医は、相馬市に避難していたときに通った病院。車で片道40分かかる。「車なしでは生活できない。この先、介護の心配も出てくる。年齢が上がり運転できなくなったら、どうすればいいのか」
◆放射線量が上限の5倍の所も
解除された復興拠点内の平均放射線量は毎時0.44マイクロシーベルトで、この環境で1年間暮らすと、一般人の被ばく線量上限(年間1ミリシーベルト)の約2倍に達する。谷津田さんの自宅屋内の放射線量は、高い所で毎時1.2マイクロシーベルトと線量上限の5倍に当たる。
(「水道の近くに物を置いたら、吹きだまりになって
高線量になった」と話す谷津田陽一さん。
毎時24マイクロシーベルトあったが、再除染で
6マイクロシーベルトまでは下がった=福島県双葉町で)
表土を取って舗装するなどした建物の外周は同0.3マイクロシーベルトまで落ちた一方、屋外の道具置き場では除染後も同6マイクロシーベルトと、政府が決めた避難指示解除の基準(年間20ミリシーベルト)をも超える。「町に若者が住み安心して子育てができるようになるまで、駄目な所は徹底して除染すべきだ」
◆他の自治体と比べて低い帰還率
谷津田さんのように準備宿泊を申請したのは、延べ51世帯84人。事故前の人口に比べると、1.1%にすぎない。昨年度の住民意向調査では、双葉町で帰還意向を示したのは11%で、調査対象の6市町村の中で最も低かった。「早い段階で解除した自治体と比べるとあまりにも帰還率が低い。事故から11年5カ月は長すぎた」と谷津田さんは話す。
双葉駅前では、家屋を解体した跡のさら地に新しい集合住宅が建設され、町北東部の解除済みの地域では企業が立地し、町の姿は変わっていく。「産業拠点を作り、新しい人が入ってくることも町の発展には大事。でも、事故前に暮らしていた住民が戻ってこそ、復興なのではないか」
【関連記事】11年半ぶりに定住可能になったが…復興なお遠い福島県双葉町 町民の帰還見通せず
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[※↑ 双葉町で牧場経営していた鵜沼さんがキクハナと再会…希望の牧場にて (報道特集 2021年03月06日[土])] (2022年03月13日[日])
東京新聞の【<社説>3・11から11年 ペットだって被災する】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/164762?rct=editorial)。
《あまりに切ない一枚です。小屋の近くでタオルを掛けられた犬。よく見ると、鎖につながれたままではありませんか。取り残されたわが家で、何を思いながら力尽きたことでしょう。東日本大震災から数週間後、福島県浪江町でのひとこまです》。
《ペットだって被災する》。「原発さえなければと思います」…《原発さえなければ》、結果は随分と違ったものになっていたでしょうに。核発電所さえなければ…。何の罪もない、《希望の牧場》の牛たちのことを想いました。
11年経って、何の進展もないし、何も解決していない。「事故はなかったことにされた」も同然な現状 ――― 『吉沢正巳さん「被ばく牛は原発事故の生き証人。処分すれば証拠は消え、事故はなかったことにされる」』。
『●大飯原発再稼働撤回に向けて、この熱気を見よ!』
『●「浪江町で300頭の牛を一人で飼っている
牧場主の吉沢正巳さん」国会前スピーチ』
「(OurPlanet-TV、…)では、「浪江町で酪農を
経営していた「希望の牧場」の吉沢正巳さんは、「政府は福島の
原発事故を過去のものとして蓋をして、再稼働でばんばんいって
しまう。今回の事故で誰が責任をとっているのか、皆逃げている。
言い訳をしてる。ごまかしてる。嘘ついている。もうたくさんだ。」
と力強く話した」そうだ」
《被ばく牛と生きている牧場主の声を聴いてほしい!
ドキュメンタリー映画の『フタバから遠く離れて』をみて以来、
気にかかっていた人がいた。それは浪江町で300頭の牛を一人で
飼っている牧場主の吉沢正巳さん(写真)のことだ》
『●終わらない原発人災の影響:
「震災さえ」ではなく 「原発さえなければ…」』
『●吉沢正巳さん「被ばく牛は原発事故の生き証人。処分すれば
証拠は消え、事故はなかったことにされる」』
「《福島原発事故で故郷の町を奪われ、避難生活を強いられる
根本昌幸さんの「柱を食う」である》… 《/牛よ/恨め恨め/
憎き者を恨め/お前を飼っていた者ではない。/
こういうふうにした者たちを》。そして、《福島県いわき市の
芳賀稔幸さんの「もう止まらなくなった原発」だ》…
《失ったものは永遠に帰っては来ない/元通りに出来ないはずだのに
/責任をはたすって?/何の責任をだ/一体責任って何だ?》」
『●希望の牧場・吉沢正巳さん「この牛たちを見て、命の扱い方とか、
原発があるというのはどういうことかを考えるきっかけになってほしい」』
《福島県浪江町の「希望の牧場・ふくしま」。代表の吉沢正巳さん…
吉沢さんは自身のことをベコ(牛)屋と呼ぶ。「ここにいる牛は
経済的には意味がない。けれど生きるってことに意味がある。
餓死もせず、殺処分もされず、生きてきた。これからも餌食って
くそたれて、寿命までここで暮らす。この牛たちを見て、
命の扱い方とか、原発があるというのはどういうことかを考える
きっかけになってほしい。3・11を風化させないためにも
ここを維持する」。牛と共に生きる覚悟を決めたベコ屋の意地が見えた》
「原発さえなければと思います」…この哀しい〝声〟に尽きます。「原状回復」することも無く、する気も無く、核発電「麻薬」中毒な《火事場ドロボー》どもは《原発回帰》へ。正気だろうか? 《汚したらきれいにして返すのが当然》です。元通りにして下さい、東京電力核発電人災前の元通りの姿に。自公お維コミを支持し、投票する皆さん、《火事場ドロボー》に手を貸す大愚行をやっている自覚はないのですか?
『●台湾有事を煽り《ロシアのウクライナ侵攻のような軍事衝突にまで
エスカレートさせてはならない…外交による対話を強めなければならない》』
『●誰が壊憲を望んでいる? COVID19禍のドサクサ、ロシア侵略の
火事場ドロボー1号、2号、3号…らによる壊憲など許されるはずもない』
『●《思考力あるならば殺し合わずに済む方法…、政治力を持って開戦に
至らない道を見つける事だ。ところがその政治家本人が核武装を…》』
『●《当事者でない他の国が声をあげ、国際世論をつくり出すことが、理不尽
な状況の抑止につながるというのは、国際社会の常識ではないか》!』
『●経済産業省資源エネルギー庁「復興のあと押しはまず知ることから」?
「復興のあと押しはまず〝原状回復してみせる〟ことから」です』
『●東電核発電人災から11年: 《原発事故は終わっていません。
政府が復興の名のもとに困難に陥った人たちをさらに追い詰める…》』
『●《やっぱりここさ帰りたい。親が開拓して受け継いだ土地。次の世代に
残してやりたい。汚したら、きれいにして返すのが当然じゃないか》』
『●小出裕章さん《国と東電が策定したロードマップは「幻想」です…
つまり、デブリの取り出しは100年たっても不可能》、石棺しかない』
『●《政府は過去に原発が武力攻撃を受けた際の被害予測を報告書に
まとめていたからだ。しかも、その被害予測は凄まじい内容だった…》』
『●《【原発耕論…】福島事故で被ばくしたこどもたちに、不安なく過ごせる
未来を!(311子ども甲状腺がん裁判)》(デモクラシータイムス)』
『●《政府機関の地震予測「長期評価」に基づく試算から原発への大津波の
到来は予見できた…対策の先送りを許した国…国に重大な法的責任》』
『●《武藤類子さん…が講演し、今も続く過酷な被害を訴えた。ロシアに
よるウクライナの原発攻撃にも触れ「胸がふさがれる思い」と語った》』
『●《ひとたび制御を失った原発が、後世にどれだけの重荷を残すのか。
…廃炉作業が遅々として進まぬ現実が、原発の巨大なリスク》を顕在化』
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【https://www.tokyo-np.co.jp/article/164762?rct=editorial】
<社説>3・11から11年 ペットだって被災する
2022年3月10日 07時46分
あまりに切ない一枚です。小屋の近くでタオルを掛けられた犬。よく見ると、鎖につながれたままではありませんか。取り残されたわが家で、何を思いながら力尽きたことでしょう。
東日本大震災から数週間後、福島県浪江町でのひとこまです。撮影した太田康介さん=滋賀県草津市=たちは、その亡きがらを見つけ、白いタオルをかけ、薄紫の花を一輪、供えてあげました。
太田さんは大震災時、都内で保護猫と暮らす動物カメラマンでした。人々が避難した街を、えさを探して徘徊(はいかい)する犬や猫の存在を知ります。二〇一一年三月末、大量のペットフードと水を車に詰め込んで被災地に向かいました。
福島第一原発の半径二十キロ圏内に入りました。がりがりに痩せた猫がキャットフードにむしゃぶりついてきました。人も車も通らぬ国道を犬がとぼとぼ歩き、豚舎では大量の豚が身を寄せ合うように息絶えていました。この一枚では、倒れた仲間の横で、馬の目に涙が浮かんでいるように映ります。
原発が制御不能となり、国は矢継ぎ早に避難指示の範囲を拡大し避難先も変更しました。多くの住民は泣く泣く、ペットや家畜を置き去りにしたまま、故郷を離れざるをえなかったのです。
太田さんは週に一度、現地に通い続けました。「人間の都合で罪のない動物たちを死なせていいのか」。その一心でした。一時帰宅や立ち入り許可の権利を譲ってもらい、警戒区域内に計五十五カ所のえさ場を設け、里親のめどを付けては猫や犬を保護しました。
◆「同行避難」広めたい
大震災では二万二千人余の命が奪われました。国によると、少なくとも三千百匹余の犬も犠牲になりました。ただ猫をはじめ他ペットの実態は分かっていません。
ペットがいるために避難を躊躇(ちゅうちょ)して人も被災する。逆に、避難所に連れてきた動物の鳴き声やにおいに悩まされる。こうした過去の災害の教訓から、国は3・11以前から、指定避難所にペット専用の空間をつくるなど、ペットと共に逃げる「同行避難」という考え方を広めようとしていました。
しかし、その文言が防災計画に盛り込まれていても、ほとんどの被災自治体は、避難所や仮設住宅での具体的な運用を取り決めていませんでした。例えば福島県で実際に避難所に来た犬は三百五十五匹、猫は七十九匹のみ。机上の空論にすぎなかったのです。
大震災後、環境省はペットの防災ガイドラインを作りました。飼い主は少なくとも五日分のえさやトイレ砂などを備蓄する、迷子札や個体識別番号を記録したマイクロチップを装着する、ケージやキャリーバッグに入るようふだんからしつけをする、などです。
国は、ペットをどう扱うか、避難所運営マニュアルなどに反映させるよう、求めていますが、NPO法人、人と動物の共生センター(岐阜市)の奥田順之代表理事はどの自治体もなかなか進んでいないと指摘します。人や予算上の余裕がなく、ペットのことは後回しにされがちだと言います。
奥田代表は全国動物避難所協会を立ち上げ、ペットホテルや動物病院、宿泊施設に呼びかけ、災害時、ペットが泊まれる場所を各地につくろうとしています。「ペットがいるから避難をあきらめる。そんなことだけはないようにしたい」と奥田代表は話します。
◆苦楽を共にする仲間
歴史家の渡辺京二さんは著書「逝きし世の面影」で、幕末から明治期に来日した西洋人の記録を丹念に追っています。牛や鶏を食用にすると分かり、かたくなに譲渡を拒む農民、カメや魚との別れに涙する女性、往来に寝そべる肥えた野犬…。近代化前の日本人にとって、動物は、飼うというより、生や苦楽を共にする仲間だったと結んでいます。
このコロナ禍で改めて見直されていますが、われわれは目に見えない多くのものをペットから得ています。ペットたちもまた、人なくしては生きていけません。
翻って、防災の基本とはいかに想像力を働かせるかにあります。災害からどう逃げ、どう命を守るか。われわれの仲間たちのことも決して忘れたくないものです。
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[※ ↑「原発さえなければと思います」(週刊金曜日、2021年03月12日、1320号)] (2022年03月13日[日])
小田克也記者による、東京新聞の記事【<あの日から 東日本大震災11年>被害者団体連絡会代表・武藤さん 被害訴え「避難者切り捨て 明確に」 NGO開催のシンポジウムで講演】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/164313)。
東京新聞の【<社説>3・11から11年 避難者の人権は画餅か】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/164497?rct=editorial)。
《東京電力福島第一原発事故の被害を見つめるシンポジウムが六日、北区の北とぴあドームホール(王子一)で開かれた。原発事故被害者団体連絡会代表の武藤類子さん=福島県三春町在住=が講演し、今も続く過酷な被害を訴えた。ロシアによるウクライナの原発攻撃にも触れ「胸がふさがれる思い」と語った。(小田克也)》。
《その理不尽さに十一年前の福島の人々の姿が重なるからです。根本さんは、東京電力福島第一原発から三十キロの福島県沿岸の地域に住んでいました。二〇一一年三月、爆発した原発建屋から煙がわき上がる瞬間を見た根本さんは放射能の恐怖におびえながら県境を越え、約二百五十キロ離れた新潟市に避難します。そこで立ち上げたのが、避難者を支援する団体「スマイルサポート新潟」です。支援対象は大半が自分と同じように母子だけで避難した自主避難者でした》。
『●脱アクションウィーク、5万人集会』
「最後の福島の被災市民としての武藤類子さんが
訴えておられる映像がとても印象に残りました。
その文章おこしされたものはCML
(http://list.jca.apc.org/public/cml/2011-September/011909.html)
にありますので、一読して頂きたいです」
『●再稼働・輸出問題に続いて、東京電力原発人災下の
五輪招致騒動: 「あろうことか」、の連続』
《団長を務める武藤類子さん(60)は「抜本的な対策を取らない
と大量な汚染水が出ることは、東電にとって想定内だったはず。
文書はそれを示す証拠だ。これまでのずさんな汚染水対策を見ると、
私たち被災者の犠牲はなんだったのかと思う」と憤る》
『●「東電元幹部の罪と罰」
『週刊金曜日』(2014年9月19日、1008号)についてのつぶやき』
《武藤類子氏【これでも罪を問わないのか】。
明石昇二郎さん【東電関係者の「不起訴」理由 検察は、いかに
原子力ムラに丸め込まれたか】、「告発人として主任検事から
詳細な説明を受けていた筆者が、その詳細を暴露する……
御用電力学者の言い訳を鵜呑み……原子力ムラにしてやられた検察」》
『●原状回復が損害賠償の基本: 東京電力原発人災で
「ふるさとをなくした痛み」は全く癒えていない』
《「東京電力福島第一原発事故で国と東電の刑事責任を
追及している福島原発告訴団の武藤類子団長は「原発事故が
解決していない中での再稼働は信じ難い」と強調。川内原発建設
反対連絡協議会の鳥原良子会長は「民意を反映しない
鹿児島県や薩摩川内市の再稼働同意に住民は大きな怒りを
感じている」と述べた》
《原発事故被害者団体連絡会が設立された。被災者の悲しみ、
怒りは、激しく、深く。共に訴え、助け合うため団結した。
それは私たちとも無関係ではあり得ない。福島が求めている
のは、当然そうあるべきことだけだ。謝罪と被害の完全賠償、
暮らしと生業の回復、詳細な健康診断と医療保障、
および被曝(ひばく)低減策、そして、事故の責任解明-》
『●東電核発電人災、「だれひとり刑事罰を問われなくて
いいのか」? 「市民の正義」無き国ニッポン』
《長い困難な裁判になるのだろうが、みんな裁判にかけている。
団長の前いわき市議佐藤和良さんは「有罪に持ち込むため、
スクラムを組もう」と訴えた。副団長の武藤類子さんも
「最悪の事故を経験した大人として、未来に対して何ができるか」
と問うた。私も、市民の正義を求める人びととともに
「われらゆるがず」の歌声に連なりたい。(佐藤直子)》
『●武藤類子さん《沖縄で闘っている人の言葉…「国を相手に
ケンカしたって勝てない。でも、おれはやるんだ」》』
「レイバーネットのコラム【●木下昌明の映画の部屋 250回/
原発事故に翻弄された14人~土井敏邦監督『福島は語る』】
…。《映画は、生活を根こそぎ奪われ、人生を翻弄された
14人の被災者に焦点を当てている。…暮しの中から被災後の困難を
浮かび上がらせているのが特徴だ》」
《こういった人々の語りから「病めるフクシマ」という言葉がじわり
と浮かんでくる。福島原発告訴団の武藤類子団長が登場する章では、
「自分たちは理不尽な被害者なのに、黙っていていいの?」
と問いかける武藤団長が、沖縄で闘っている人の言葉を紹介する。
「国を相手にケンカしたって勝てない。でも、おれはやるんだ。
それが尊厳なんだ。プライドなんだ」 胸に響く。》
『●武藤類子さん《本来ならその人たちにとってもこの10年、まったく
違った時間があったはず…原発事故は、その時間を奪ってしまった》』
《「私たちはいま、静かに怒りを燃やす東北の鬼です」──
2011年9月、福島第一原発事故から半年後の集会で読み上げられた
武藤類子さんのスピーチは大きな反響を呼び、多くの人の心を
揺さぶりました…》
武藤類子さん《避難者の人たちだって、多分ほとんどの人は「叶うなら帰りたい」と思っているでしょう。でも、それはただ同じ場所に戻りたいということではなく、慣れ親しんだ、かつてのふるさとに帰りたいということ。「帰りなさい」と言いながら、復興予算がじゃぶじゃぶ投入されて知らない建物が次々に建ち、新しい住民ばかりが増えて、以前とはまったく違う「ふるさと」になってしまっているというのは、大きな矛盾だと思います》。《本来ならその人たちにとっても…まったく違った時間があったはず…原発事故は、その時間を奪ってしまった》。
東電や国はさっさと「原状回復」して見せてほしい…11年も経ってしまったではないですか。さらに、かつて、武藤類子さん《ひとりひとりの市民が… 国と東電の責任を問い続けています。そして、原発はもういらないと声をあげています。私たちは今、静かに怒りを燃やす東北の鬼です》とも。
東電や自公お維コミ、《火事場ドロボー》の皆さんは、「原発さえなければと思います」…この〝声〟をどう思うのか? 《原発事故がなければ苦労することもなかった自主避難者に、日本社会は冷淡です。「勝手に避難した。困窮は自己責任」「いやなら福島に帰れ」。心ない言葉がネット上にあふれます》。冷淡・冷酷な国・ニッポン。《「避難するならご勝手に」と言わんばかりに自主避難者を顧みない政府の姿勢が、社会の冷たさを助長してはいないでしょうか。》
『●台湾有事を煽り《ロシアのウクライナ侵攻のような軍事衝突にまで
エスカレートさせてはならない…外交による対話を強めなければならない》』
『●誰が壊憲を望んでいる? COVID19禍のドサクサ、ロシア侵略の
火事場ドロボー1号、2号、3号…らによる壊憲など許されるはずもない』
『●《思考力あるならば殺し合わずに済む方法…、政治力を持って開戦に
至らない道を見つける事だ。ところがその政治家本人が核武装を…》』
『●《当事者でない他の国が声をあげ、国際世論をつくり出すことが、理不尽
な状況の抑止につながるというのは、国際社会の常識ではないか》!』
『●経済産業省資源エネルギー庁「復興のあと押しはまず知ることから」?
「復興のあと押しはまず〝原状回復してみせる〟ことから」です』
『●東電核発電人災から11年: 《原発事故は終わっていません。
政府が復興の名のもとに困難に陥った人たちをさらに追い詰める…》』
『●《やっぱりここさ帰りたい。親が開拓して受け継いだ土地。次の世代に
残してやりたい。汚したら、きれいにして返すのが当然じゃないか》』
『●小出裕章さん《国と東電が策定したロードマップは「幻想」です…
つまり、デブリの取り出しは100年たっても不可能》、石棺しかない』
『●《政府は過去に原発が武力攻撃を受けた際の被害予測を報告書に
まとめていたからだ。しかも、その被害予測は凄まじい内容だった…》』
『●《【原発耕論…】福島事故で被ばくしたこどもたちに、不安なく過ごせる
未来を!(311子ども甲状腺がん裁判)》(デモクラシータイムス)』
『●《政府機関の地震予測「長期評価」に基づく試算から原発への大津波の
到来は予見できた…対策の先送りを許した国…国に重大な法的責任》』
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【https://www.tokyo-np.co.jp/article/164313】
<あの日から 東日本大震災11年>被害者団体連絡会代表・武藤さん 被害訴え「避難者切り捨て 明確に」 NGO開催のシンポジウムで講演
2022年3月8日 08時36分
(原発事故の被害を語る武藤さん
=北区で(「FoE Japan」提供))
東京電力福島第一原発事故の被害を見つめるシンポジウムが六日、北区の北とぴあドームホール(王子一)で開かれた。原発事故被害者団体連絡会代表の武藤類子さん=福島県三春町在住=が講演し、今も続く過酷な被害を訴えた。ロシアによるウクライナの原発攻撃にも触れ「胸がふさがれる思い」と語った。(小田克也)
武藤さんは原発事故を「終わってない。原子炉で何が起きたか未解明な部分は多い。東電は廃炉のロードマップを作っているが、どのような状態が廃炉なのか決まっていない。原発作業員の被ばく労働が、さらに過酷になるとき防護措置や補償がきちんとされるのか心配」と語った。
住宅などの避難者支援が打ち切られ「国や福島県が避難者を切り捨てる方向が明確になってきている」と指摘。政府方針である汚染水を処理した水の海洋放出を「関係者の理解なしには、いかなる処分もしない、という漁連との約束を反故(ほご)にしたプロセスは、民主主義に反する」と批判した。
福島県は事故当時の子どもたちを対象に甲状腺検査を実施。「これまでに二百二十一人のがんが確定している」と話し、検査を重ね、さらに解明していく必要性を強調した。国が汚染土の再利用計画を進めていることにも懸念を示した。
ロシアによるザポロジエ原発攻撃には、「原発は事前配備された放射能兵器」という、チェルノブイリ原発がロシアに占拠されたときに知った専門家の言葉を紹介しながら「一刻も早く戦争を止めてほしい」と語った。
シンポは、脱原発に取り組む国際環境NGO「FoE Japan」と、国際交流NGO「ピースボート」が催し、オンラインでも行われ、約三百人が参加した。
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【https://www.tokyo-np.co.jp/article/164497?rct=editorial】
<社説>3・11から11年 避難者の人権は画餅か
2022年3月9日 07時09分
ロシアがウクライナに侵攻し、多くの避難民が出ているというニュースは、根本久美子さん(44)=写真=にとって人ごとではありません。「自分ではどうしようもない大きな力に巻き込まれ、この戦争がいつ終わるとも、いつ故郷に帰れるとも分からない」
その理不尽さに十一年前の福島の人々の姿が重なるからです。
根本さんは、東京電力福島第一原発から三十キロの福島県沿岸の地域に住んでいました。二〇一一年三月、爆発した原発建屋から煙がわき上がる瞬間を見た根本さんは放射能の恐怖におびえながら県境を越え、約二百五十キロ離れた新潟市に避難します。
そこで立ち上げたのが、避難者を支援する団体「スマイルサポート新潟」です。支援対象は大半が自分と同じように母子だけで避難した自主避難者でした。
◆コロナ禍、生活苦の悲鳴
国が定めた避難指示区域外からの自主避難者には、原発周辺の双葉や大熊、浪江町など強制避難地域の人たちのような東電からの賠償はありません。生活費は持ち出し。夫は妻子に仕送りするため福島に残って働く。切り詰めた二重生活に耐えてきた人たちも、コロナ禍で一気に困窮しました。
二十四時間対応の根本さんの相談電話には助けを求める連絡が頻繁に入ります。「食べるものがなくて」「仕事がなくなった」「コロナで陽性になった」。皆、身近に頼れる人がいないのです。
寄付で集めた食糧を配ったり、送ったり。月数件だった相談は多い月で五十件以上に増えました。命が危ないと感じれば、根本さんは夜中の雪道でも駆けつけます。活動には福島県から助成を受けていますが、支援物資の送料も膨らんで資金難です。日本中がコロナ禍に苦しんでいますが、原発事故で壊された生活が、さらに追い詰められていることは分かってほしい、と根本さんは訴えます。
福島県によると、原発避難者はピーク時に県内外で約十六万四千人いましたが、今年三月時点では約三万三千人です。新潟県への避難者も約七千人から約二千人に減りました。自主避難者の統計はありませんが、スマイルの支援先でも帰還する人が増えています。
背景にあるのは、放射線量低下を理由に福島県が一七年三月、災害救助法に基づく借り上げ住宅の無償提供を打ち切ったことです。生活費や教育費に加え、新たに家賃まで負担することは難しいとして、避難をあきらめたのです。
自主避難者が古里を離れたのは放射能の影響を避けたかったからです。根本さんの故郷の家も、裏山が除染されず放射線量は高いまま。やむなく新潟に中古の家をローンを組んで買ったものの、その選択が正しかったのか。根本さんは「いつも先が見えなくて、手探りです」と苦笑します。
◆社会の冷淡、政治が助長
原発事故がなければ苦労することもなかった自主避難者に、日本社会は冷淡です。「勝手に避難した。困窮は自己責任」「いやなら福島に帰れ」。心ない言葉がネット上にあふれます。
「避難するならご勝手に」と言わんばかりに自主避難者を顧みない政府の姿勢が、社会の冷たさを助長してはいないでしょうか。
福島県は一部地域を残して避難区域を解除し帰還を促しています。撤去方針が示された放射線量測定のモニタリングポストは街中に存続することになりましたが、事故から十一年を経ても避難を続ける人は、「復興」を掲げる政府には不都合な存在なのでしょう。
原発事故の翌一二年には、当時野党だった自民党も含む全会一致で「子ども・被災者支援法」が成立します。無用な被ばくを免れる「避難する権利」が明記された画期的な法律でしたが、政府は限られた支援策しか基本方針に盛り込まず、同法は骨抜きにされます。逃げる権利を担保する仕組みもつくられず、放置されたままです。
人権は、それを守る仕組みが伴わなければ、絵に描いた餅にすぎません。避難した選択を自己責任と片付け、何も公的に支援しないのでは、避難する権利が「ある」状態とは言えないのです。
国連の人権機関も、古里から避難する、しないにかかわらず、住民の被ばくを避ける方策をとるように日本政府に勧告しました。
災害多発列島に住む私たちは、いつ避難者になってもおかしくありません。そのとき人権は守られるのか。自主避難者の苦境は、私たちの行く末をも映し出しているように思えてならないのです。
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[※ ↑「原発さえなければと思います」(週刊金曜日、2021年03月12日、1320号)] (2022年03月12日[土])
リテラの記事【周辺住民1万8千人が急性死亡! 日本の原発が攻撃を受けた際の被害想定報告書が存在も、自民党政権が原発推進のために隠蔽!】(https://lite-ra.com/2022/03/post-6169.html)。
《2015年の安保国会では、当時、生活の党と山本太郎となかまたち所属の参院議員だった山本太郎・現れいわ新選組代表が、「他国等からの弾道ミサイルによる武力攻撃を想定しているのか」と追及したのだが、当時の安倍晋三首相は「武力攻撃事態は、その手段、規模の大小、攻撃パターンが異なることから、一概にお答えすることは難しい」などと答弁。北朝鮮や中国の脅威をさんざん振りまき、「国民の生命を守るため安保法制は必要」と言いながら、国民の生命のことなど何も考えていないことを露呈させた。挙げ句、このとき原子力規制委員会の田中俊一委員長は、川内原発1・2号機で何かが起こっても放射線物質の放出量は「福島第一原発で放出された1000分の1以下」と想定していると答弁。これには山本議員が「原子力施設破壊されて、福島の東電原発の1000分の1の放出量で済むと思いますか?」と即座にツッコミを入れたが、あまりにもいい加減すぎるだろう》
《これはとんだ大嘘だ。というのも、政府は過去に原発が武力攻撃を受けた際の被害予測を報告書にまとめていたからだ。しかも、その被害予測は凄まじい内容だった》《格納容器が破壊されれば最大約2万人もの市民が急性死亡し、原子炉が破壊された場合は想像を絶する事態になる──》(リテラ)。
東京新聞の記事【被ばく死 最悪1.8万人 原発攻撃被害 84年に極秘研究】(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2015040890070728.html)。《原子炉格納容器が破壊され、大量の放射性物質が漏れ出した場合、最悪のシナリオとして急性被ばくで一万八千人が亡くなり、原発の約八十六キロ圏が居住不能になると試算》……。ずいぶんと甘い見積では? いつの時代も、原発を稼働させるためなら何でもやる、といった感じかな?
『●絶対に安全なので安心せよ!、公表義務な~し!!:
「原発攻撃被害報告書 「福島」に生かされず…」』
絶対に安全なので安心せよ!、公表義務な~し!! 「原発攻撃被害報告書 「福島」に生かされず…」。そして今、東京電力核発電人災の《最大の戦犯》である《火事場ドロボー》1号達が狂気の暴走。《ロシア侵攻の危機に乗じて自民党の安倍晋三元首相らが「核共有」の議論を持ち出している。原発事故の当時国の首相経験者として無責任極まりない。日本は核廃絶、脱原発の先頭に立つべきだ》(東京新聞)。
『●(リテラ)「あの未曾有の福島第一原発事故を招いた
“最大の戦犯”が、他ならぬ現内閣総理大臣・安倍晋三」』
『●東電核発電人災での国の責任も放棄…《あの未曾有の福島第一原発
事故を招いた“最大の戦犯”》アベ様の責任は追及され続けるべき』
『●(リテラ)《まさか、現役の総理大臣にも直接、原発マネーが流れて
いたとは──》《それどころか「口利き」さえ疑われかねない問題》』
『●《火事場ドロー》1号=アベ様は《あの未曾有の福島第一原発事故を
招いた“最大の戦犯”》でもあり、永久に責任は追及され続けるべき』
《火事場ドロボー》1号=アベ様、《火事場ドロボー》2号=松井一郎元大阪「ト」知事、《火事場ドロボー》3号=橋下徹元・初代大阪「ト」知事…。ウクライナ侵略を利用・便乗して、壊憲して戦争できる国へ、敵基地攻撃へ、核保有へ。そういうのを《火事場ドロボー》と言います。
『●台湾有事を煽り《ロシアのウクライナ侵攻のような軍事衝突にまで
エスカレートさせてはならない…外交による対話を強めなければならない》』
『●誰が壊憲を望んでいる? COVID19禍のドサクサ、ロシア侵略の
火事場ドロボー1号、2号、3号…らによる壊憲など許されるはずもない』
『●《思考力あるならば殺し合わずに済む方法…、政治力を持って開戦に
至らない道を見つける事だ。ところがその政治家本人が核武装を…》』
『●《当事者でない他の国が声をあげ、国際世論をつくり出すことが、理不尽
な状況の抑止につながるというのは、国際社会の常識ではないか》!』
《火事場ドロボー》1号…「憲法上は原子爆弾だって問題ではないですからね、憲法上は。小型であればですね」が持論のアベ様が暴走したかと思えば、《火事場ドロボー》3号も酷いものだね。(武田砂鉄さん)《その時に、役に立つ・立たないという尺度を持ち込み、ウクライナに行って戦えと煽る》3号。(リテラ)《戦争や紛争、侵略行為、人権侵害行為が起きたときは、当事者でない他の国が声をあげ、国際世論をつくり出すことが、理不尽な状況の抑止につながるというのは、国際社会の常識ではないか》、それを理解できない3号。
(リテラ)《こんな危険な男はもう二度と政治家にしてはならないのはもちろん、メディアで政治や国際問題について声高に語らせてはならない》。《「どのような人権感覚を持っているのか」を問いただされるべきは、むしろ》お維の《創設者》《いちコメンテーター》《いち民間人》。メディアは、こんな元大阪「ト」知事を何を有難がっているのか?
(武田砂鉄さん)《そんな人がテレビに出て、元首相に突っ込んで、非核三原則を揺さぶってしまう。目の前の戦争をどうするか、ではなく、自らの好戦的な態度を披露する場としてテレビを使ってはいけないと思うし、使う側はこの使い方でいいのか、まだ考えないのだろうか》…フジ産経グループに言っても詮無いのだろうなぁ。《火事場ドロボー》1号と《火事場ドロボー》3号を〝混ぜて使う〟最悪の危険さ…最早、腐臭を放っているフジテレビ。
琉球新報の記事【<社説>東日本大震災11年 今も続く被害に向き合う】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1483403.html)によると、《11年が経過しても、被害は過去のものではない。今も3万8千人超が避難生活を続け、福島県内7市町村にまたがる約337平方キロが原発事故による帰還困難区域に指定されている。震災関連自殺は昨年の6人を含め今年1月現在で246人を数える。被災者の生活再建支援や原発の事故処理など、現在も続く問題に全国民で向き合わなければならない。福島第1原発では、事故で溶けた核燃料(デブリ)の冷却に使った水や流れ込んだ雨水、地下水にセシウムやストロンチウムなどの放射性物質が混ざり、高濃度に汚染された水が日々大量に生じている。2021年は1日に約150トンが発生している。汚染水は多核種除去設備(ALPS)によって浄化処理した後、施設内のタンクで保管している。国や東電は千基を超えた貯水タンクがさらに増え続ければ、デブリ保管など廃炉作業に必要な場所が確保できなくなるとして、23年春ごろから処理水を海に放出する方針を決めた。しかし、ALPSによる浄化処理でもトリチウムは除去できない。長期間にわたる海洋放出が環境、人体にどのような影響を与えるかの検証は十分ではなく、地元漁業者は納得していない。中国、韓国、台湾など近隣諸国も反対しており、日本の水産物の輸入を制限する国々の規制解除を遠のかせる。トリチウム分離など放射性物質を取り除く技術が開発されるまで海洋放出はせず、地上保管を選択すべきだ》。
《火事場ドロボー》の皆さん、自公政権、自公お維コミの議員の皆さん、早く「原状回復」して見せて下さい。まずは、その願いを叶えて見せて下さい。
『●「復興五輪」!? 原状回復してから言ってくれ…片山夏子記者【「原発
事故前の故郷に戻して」 浪江町・津島訴訟の原告団長が語った決意】』
『●《原発再稼働や増設を唱える連中の頭の中を掻っ捌いて、中身を
見てみたい》(鈴木耕さん)――― なぜ今直ぐ「原状回復」しないの?』
『●富岡町の「白地地区」に自宅がある避難民の方「…国も東電も避難者を
ばかにし、うんと軽く見ている」…さっさと《原状回復》してみせよ』
『●《弁護団長の井戸謙一弁護士は「6人のように被ばくが原因とみられる
甲状腺がんで苦しむ人たちの希望となる裁判にしたい」と述べた》』
『●経済産業省資源エネルギー庁「復興のあと押しはまず知ることから」?
「復興のあと押しはまず〝原状回復してみせる〟ことから」です』
『●東電核発電人災から11年: 《原発事故は終わっていません。
政府が復興の名のもとに困難に陥った人たちをさらに追い詰める…》』
『●《やっぱりここさ帰りたい。親が開拓して受け継いだ土地。次の世代に
残してやりたい。汚したら、きれいにして返すのが当然じゃないか》』
『●小出裕章さん《国と東電が策定したロードマップは「幻想」です…
つまり、デブリの取り出しは100年たっても不可能》、石棺しかない』
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【https://lite-ra.com/2022/03/post-6169.html】
周辺住民1万8千人が急性死亡! 日本の原発が攻撃を受けた際の被害想定報告書が存在も、自民党政権が原発推進のために隠蔽!
2022.03.10 11:00
(原発建て替え急先鋒の安倍元首相(自民党HPより))
福島第一原発事故からまもなく11年を迎えるが、そんななかで世界を震撼させているのが、ロシア軍によるウクライナのチェルノブイリ原発の占拠、ザポロジエ原発への攻撃・制圧だ。チェルノブイリ原発をめぐっては昨日9日、電力供給が遮断され、使用済み核燃料の冷却ができなくなったことで放射性物質が漏れる恐れがあると報道された。
また、ザポロジエ原発は欧州最大規模の原発だが、ロシア軍の砲撃によって、訓練棟で火災が発生したほか、1号機の関連施設が損傷。稼働中の原発が攻撃されたのは前代未聞、史上初めてのことだ。
この攻撃に対し、ウクライナのクレバ外相は「爆発すればチェルノブイリ原発事故の10倍にもなる」とTwitterに投稿し、ゼレンスキー大統領も「もし爆発すれば、すべての人びと、ヨーロッパの終わり」と発言している。
無論、これは大袈裟でもなんでもない。事実、原発は電源を失っただけでメルトダウンなどの重大なリスクが発生することを、この国は11年前の事故で経験済みだ。ましてや、稼働中の原子炉が破壊されるようなことが起きれば、その被害規模は想像を絶するものになる。
原子力安全・テロ対策に詳しい佐藤暁氏は、「原発は軍事攻撃に耐えられるような安全性を有していない」と指摘した上で、「原子炉が攻撃されても原子爆弾のような爆発現象は起こらない。しかし、全方位に拡散される放射性物質による影響は、10メガトンの水爆をもはるかに上回る。実際に何が現実に起きるかは、攻撃を指揮する者たちの悪意や狂気のレベルによる」「言えることとして、福島原発事故後の安全対策は、戦争下においてはまったくの無力ということだ」と警鐘を鳴らしている(東洋経済オンライン8日付)。
旧ソ連時代にチェルノブイリ原発事故を経験しているというのに、核兵器の使用をちらつかせるだけでなく、稼働中の原発に攻撃をおこなったプーチン大統領は常軌を逸していると言うほかないが、今回あらためてはっきりとしたのは、ひとたび戦争が起これば、原発は安全保障上、最大の脅威になるということだ。
実際、今回攻撃・制圧されたザポロジエ原発は欧州最大規模だと言われているが、一般社団法人海外電力調査会のHPに掲載されているデータによれば、同原発の出力は6000メガワット。しかし、それを上回る世界最大級の出力を誇るのが日本の柏崎刈羽原発であり、出力は8212メガワットにものぼっている(2018年時点)。
■大型爆弾でなくても1万8千人が急性死亡、誘導型爆弾ではさらに被害拡大、との報告書が
もちろん、原発が攻撃を受けたときにどうなるのかという問題は、福島原発事故後、何度も国会で指摘されてきた。ところが、そのたびに自民党政権は無責任な答弁に終始してきた。
2015年の安保国会では、当時、生活の党と山本太郎となかまたち所属の参院議員だった山本太郎・現れいわ新選組代表が、「他国等からの弾道ミサイルによる武力攻撃を想定しているのか」と追及したのだが、当時の安倍晋三首相は「武力攻撃事態は、その手段、規模の大小、攻撃パターンが異なることから、一概にお答えすることは難しい」などと答弁。北朝鮮や中国の脅威をさんざん振りまき、「国民の生命を守るため安保法制は必要」と言いながら、国民の生命のことなど何も考えていないことを露呈させた。
挙げ句、このとき原子力規制委員会の田中俊一委員長は、川内原発1・2号機で何かが起こっても放射線物質の放出量は「福島第一原発で放出された1000分の1以下」と想定していると答弁。これには山本議員が「原子力施設破壊されて、福島の東電原発の1000分の1の放出量で済むと思いますか?」と即座にツッコミを入れたが、あまりにもいい加減すぎるだろう。
このように、安倍首相をはじめとして「武力攻撃による被害は一概に答えられない」と無責任な答弁をおこなってきた政府。だが、これはとんだ大嘘だ。というのも、政府は過去に原発が武力攻撃を受けた際の被害予測を報告書にまとめていたからだ。しかも、その被害予測は凄まじい内容だったのだ。
その報告書とは、1984年にまとめられた「原子炉施設に対する攻撃の影響に関する一考察」。1981年に発生したイスラエルによるイラクの研究用原子炉施設爆撃事件を受け、外務省は想定される原発への攻撃や被害予測の研究を財団法人日本国際問題研究所に委託、1984年2月にB5判63ページにおよぶ報告書としてまとめられたものだ。
そして、この報告書では、福島第一原発で起こった全電源が喪失した場合のみならず、格納容器が爆撃あるいは砲撃された場合についても想定し、〈貫通力を高めた爆弾の場合には、大型爆弾でなくても器壁は破壊されると予想される〉と記述。攻撃された原発を100万kwクラスと想定した上で、緊急避難しなければ最大1万8000人が急性被ばくで死亡し、住めなくなる地域は最大で87キロ圏内と予測している。さらに、命中精度の高い誘導型爆弾によって格納容器だけではなく原子炉自体が破壊された場合には〈さらに過酷な事態になる恐れは大きい〉としているのだ。
格納容器が破壊されれば最大約2万人もの市民が急性死亡し、原子炉が破壊された場合は想像を絶する事態になる──。あまりに衝撃的な予測結果だが、この報告書が原発政策に活かされることはなかった。というのも、外務省は「反原発運動への影響を勘案」するとして部外秘扱いとし、首相官邸にも原子力委員会にも提出しなかったのである。この報告書の存在が明かされたのは2011年、朝日新聞がスクープしたことによってだ。
■ウクライナ原発が攻撃を受けても、安倍元首相は原発再稼働、新設を主張する狂気
つまり、ひとたび原発が標的となればとんでもないことになることを具体的に把握しながら、政府は反原発の声を抑え込むために隠蔽しつづけ、さらには、その予測結果が明らかになって以降も、安倍政権は「武力攻撃による被害は一概に答えられない」などとしらばっくれてきたのだ。
いや、さらに酷いのは、ロシアのウクライナ侵略をダシにし、電力の供給不足やコスト高に陥るなどとして「原発再稼働」推進を訴える声が政治家たちからあがっていることだ。
たとえば、萩生田光一経産相は3日の参院予算委員会で「原発の再稼働は重要だ」などと答弁し、日本維新の会代表の松井一郎・大阪市長も「短期的にはいま止まっている原発の再稼働はやむなし」と発言。さらに、ザポロジエ原発が制圧された4日には、国民民主党の玉木雄一郎代表が岸田文雄首相と山口那津男・公明党代表との会談で原発再稼働を要望した。
だが、もっと酷いのは安倍元首相だ。安倍元首相は言語道断の核共有を訴えるだけではなく、次世代原子力である小型モジュール炉への建て替えを主張しているからだ。
小型モジュール炉は従来型の原子炉より小型というだけで、地下に立地しようが攻撃対象となれば大きな被害をおよぼすことに変わりはない。にもかかわらず、原発への武力攻撃について「一概には答えられない」などとごまかしてきた張本人である安倍元首相は、この期に及んで原発建て替えの急先鋒となっているのである。
言っておくが、世界最大規模を誇る柏崎刈羽原発では2020年に不正IDを用いた中央制御室への不正進入事件が発生するなど杜撰な管理体制が表沙汰になっているように、この国の原発は武力攻撃を受ける以前に危険極まりない状態に陥っている。そして、チェルノブイリ原発の占拠やザポロジエ原発への攻撃・制圧により、ひとたび原発が標的になれば国が壊滅する危険があることがあらためてはっきりしたというのに、安倍元首相をはじめとする連中は原発推進を叫んでいるのだ。
多くの人びとの故郷を奪った福島第一原発の事故を経験しておきながら、そして原発の格納容器が攻撃されただけで最大1万8000人が急性死亡するという予測を知りながら、ロシアによるウクライナ侵略を原発推進に利用する。安全保障の専門家らが一蹴している核共有論と同様、この火事場泥棒の主張には反吐が出るとしか言いようがないだろう。
(編集部)
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【https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1483403.html】
<社説>東日本大震災11年 今も続く被害に向き合う
2022年3月11日 05:00
東北3県を中心に巨大地震と津波が襲った東日本大震災と東京電力福島第1原発事故から11日で11年となった。大切な人や古里を失った被災地の人たちの思いに寄り添いながら、震災の記憶と教訓を共有し、災害への備えを怠らないようにしたい。
11年が経過しても、被害は過去のものではない。今も3万8千人超が避難生活を続け、福島県内7市町村にまたがる約337平方キロが原発事故による帰還困難区域に指定されている。震災関連自殺は昨年の6人を含め今年1月現在で246人を数える。
被災者の生活再建支援や原発の事故処理など、現在も続く問題に全国民で向き合わなければならない。
福島第1原発では、事故で溶けた核燃料(デブリ)の冷却に使った水や流れ込んだ雨水、地下水にセシウムやストロンチウムなどの放射性物質が混ざり、高濃度に汚染された水が日々大量に生じている。2021年は1日に約150トンが発生している。
汚染水は多核種除去設備(ALPS)によって浄化処理した後、施設内のタンクで保管している。国や東電は千基を超えた貯水タンクがさらに増え続ければ、デブリ保管など廃炉作業に必要な場所が確保できなくなるとして、23年春ごろから処理水を海に放出する方針を決めた。
しかし、ALPSによる浄化処理でもトリチウムは除去できない。長期間にわたる海洋放出が環境、人体にどのような影響を与えるかの検証は十分ではなく、地元漁業者は納得していない。中国、韓国、台湾など近隣諸国も反対しており、日本の水産物の輸入を制限する国々の規制解除を遠のかせる。
トリチウム分離など放射性物質を取り除く技術が開発されるまで海洋放出はせず、地上保管を選択すべきだ。
福島原発事故は、史上最悪とされるチェルノブイリ原発事故と同レベルの過酷事故となった。現在、ウクライナではロシア軍が侵攻してチェルノブイリ原発を占拠し、史上初めて稼働中の原発に軍事攻撃する事態も起きている。
制御を失った原発は取り返しの付かない地球規模の被害をもたらす。自国の主張を達成する手段として核を利用するロシアの暴挙は言語道断だ。一方で、原発が安全保障上の極めて深刻なリスクになることを浮き彫りにした。
ロシア侵攻の危機に乗じて自民党の安倍晋三元首相らが「核共有」の議論を持ち出している。原発事故の当時国の首相経験者として無責任極まりない。日本は核廃絶、脱原発の先頭に立つべきだ。
政府が主催してきた東日本大震災追悼式は、震災から10年となった昨年が最後となった。だが、復興の課題はまだ山積している。私たち一人一人が被災地の今に関心を寄せ続け、記憶を継承していく重要性は増している。手を携えて未来に進みたい。
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[※ ↑「原発さえなければと思います」(週刊金曜日、2021年03月12日、1320号)] (2022年03月11日[金])
リテラの記事【ウクライナ危機でも原発新設を言い張る安倍晋三! 何度でも言う、福島原発事故の最大の戦犯は津波対策を拒否した安倍だ】(https://lite-ra.com/2022/03/post-6170.html)。
《さらにロシアによるウクライナ侵略でも、チェルノブイリ原発が占拠、ザポロジエ原発が攻撃・制圧されるなど、あらためて原子力発電所の危険性が浮き彫りになっている。ところが、…逆にロシアのウクライナ侵略を口実に、電力の供給不足やコスト高に陥るなどとして、「原発再稼働」推進を訴える声が自民党、維新などから上がっている。その急先鋒である安倍晋三元首相にいたっては、再稼働どころか、原発新設まで言い出しているのだ。安倍元首相は「リプレイス(建て替え)も考えなければならない」(2月27日フジテレビ)などとし、次世代原子力である小型モジュール炉への建て替えを主張。火事場泥棒としか言いようがない。いや、火事場泥棒どころじゃない。あらためて言っておかなければならないだろう。そもそも安倍晋三は、福島第一原発事故じたいを引き起こした最大の“戦犯”なのだ》
《火事場ドロボー》1号=アベ様、《火事場ドロボー》2号=松井一郎元大阪「ト」知事、《火事場ドロボー》3号=橋下徹元・初代大阪「ト」知事…。ウクライナ侵略を利用・便乗して、壊憲して戦争できる国へ、敵基地攻撃へ、核保有へ。そういうのを《火事場ドロボー》と言います。
『●台湾有事を煽り《ロシアのウクライナ侵攻のような軍事衝突にまで
エスカレートさせてはならない…外交による対話を強めなければならない》』
『●誰が壊憲を望んでいる? COVID19禍のドサクサ、ロシア侵略の
火事場ドロボー1号、2号、3号…らによる壊憲など許されるはずもない』
『●《思考力あるならば殺し合わずに済む方法…、政治力を持って開戦に
至らない道を見つける事だ。ところがその政治家本人が核武装を…》』
『●《当事者でない他の国が声をあげ、国際世論をつくり出すことが、理不尽
な状況の抑止につながるというのは、国際社会の常識ではないか》!』
《火事場ドロボー》1号…「憲法上は原子爆弾だって問題ではないですからね、憲法上は。小型であればですね」が持論のアベ様が暴走したかと思えば、《火事場ドロボー》3号も酷いものだね。(武田砂鉄さん)《その時に、役に立つ・立たないという尺度を持ち込み、ウクライナに行って戦えと煽る》3号。(リテラ)《戦争や紛争、侵略行為、人権侵害行為が起きたときは、当事者でない他の国が声をあげ、国際世論をつくり出すことが、理不尽な状況の抑止につながるというのは、国際社会の常識ではないか》、それを理解できない3号。
(リテラ)《こんな危険な男はもう二度と政治家にしてはならないのはもちろん、メディアで政治や国際問題について声高に語らせてはならない》。《「どのような人権感覚を持っているのか」を問いただされるべきは、むしろ》お維の《創設者》《いちコメンテーター》《いち民間人》。メディアは、こんな元大阪「ト」知事を何を有難がっているのか?
(武田砂鉄さん)《そんな人がテレビに出て、元首相に突っ込んで、非核三原則を揺さぶってしまう。目の前の戦争をどうするか、ではなく、自らの好戦的な態度を披露する場としてテレビを使ってはいけないと思うし、使う側はこの使い方でいいのか、まだ考えないのだろうか》…フジ産経グループに言っても詮無いのだろうなぁ。《火事場ドロボー》1号と《火事場ドロボー》3号を〝混ぜて使う〟最悪の危険さ…最早、腐臭を放っているフジテレビ。
『●(リテラ)「あの未曾有の福島第一原発事故を招いた
“最大の戦犯”が、他ならぬ現内閣総理大臣・安倍晋三」』
『●東電核発電人災での国の責任も放棄…《あの未曾有の福島第一原発
事故を招いた“最大の戦犯”》アベ様の責任は追及され続けるべき』
《火事場ドロー》1号=アベ様は《あの未曾有の福島第一原発事故を招いた“最大の戦犯”》でもある。永久(とわ)に、《あの未曾有の福島第一原発事故を招いた“最大の戦犯”》アベ様の責任は追及され続けるべきだ。
(リテラ)《櫻井よしこ氏…は“原発技術は軍事面でも大きな意味を持つ”などと主張》《原発技術による核武装論を展開》、つまり、至言《原発は『プルトニウムをつくる装置』》(内橋克人さん)ということです。アベ様は、「憲法上は原子爆弾だって問題ではないですからね、憲法上は。小型であればですね」とまで口にする始末。《火事場ドロー》1号たる所以だ。
『●(リテラ)《まさか、現役の総理大臣にも直接、原発マネーが流れて
いたとは──》《それどころか「口利き」さえ疑われかねない問題》』
「最大の戦犯は未だにのうのうと政治家で居続けている。そして、
最大の戦犯・アベ様が、核発電所を新規に作りたいそうです…
正気じゃない。「アベシンゾウ」とでも名付けては如何か?」
「今井尚哉氏やアベ様らが開発を目指すらしい次世代原子炉に
「アベシンゾウ」とでも名付けて下さい。この愚かな核発電「麻薬」
中毒者・核武装論者の名を末代まで伝えるために。」
「数多のアベ様案件、一つとして解決を見ず。未だにのうのうと
国会議員に居座り、「安倍派」の看板まで掲げる始末。」
《火事場ドロボー》の皆さん、自公政権、自公お維コミの議員の皆さん、早く「原状回復」して見せて下さい。まずは、その願いを叶えて見せて下さい。
『●「復興五輪」!? 原状回復してから言ってくれ…片山夏子記者【「原発
事故前の故郷に戻して」 浪江町・津島訴訟の原告団長が語った決意】』
『●《原発再稼働や増設を唱える連中の頭の中を掻っ捌いて、中身を
見てみたい》(鈴木耕さん)――― なぜ今直ぐ「原状回復」しないの?』
『●富岡町の「白地地区」に自宅がある避難民の方「…国も東電も避難者を
ばかにし、うんと軽く見ている」…さっさと《原状回復》してみせよ』
『●《弁護団長の井戸謙一弁護士は「6人のように被ばくが原因とみられる
甲状腺がんで苦しむ人たちの希望となる裁判にしたい」と述べた》』
『●経済産業省資源エネルギー庁「復興のあと押しはまず知ることから」?
「復興のあと押しはまず〝原状回復してみせる〟ことから」です』
『●東電核発電人災から11年: 《原発事故は終わっていません。
政府が復興の名のもとに困難に陥った人たちをさらに追い詰める…》』
『●《やっぱりここさ帰りたい。親が開拓して受け継いだ土地。次の世代に
残してやりたい。汚したら、きれいにして返すのが当然じゃないか》』
『●小出裕章さん《国と東電が策定したロードマップは「幻想」です…
つまり、デブリの取り出しは100年たっても不可能》、石棺しかない』
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【https://lite-ra.com/2022/03/post-6170.html】
ウクライナ危機でも原発新設を言い張る安倍晋三! 何度でも言う、福島原発事故の最大の戦犯は津波対策を拒否した安倍だ
2022.03.11 02:45
(首相官邸HPより)
東日本大震災・福島第一原発事故から11年。しかし、この間の被災地軽視・棄民政策によって、復興は当初の見込みより大幅に遅れ、いまも3万人以上が避難生活を強いられている。その多くが原発事故による避難者だ。
さらにロシアによるウクライナ侵略でも、チェルノブイリ原発が占拠、ザポロジエ原発が攻撃・制圧されるなど、あらためて原子力発電所の危険性が浮き彫りになっている。
ところが、きのう10日の記事(https://lite-ra.com/2022/03/post-6169.html)でもお伝えしたように、逆にロシアのウクライナ侵略を口実に、電力の供給不足やコスト高に陥るなどとして、「原発再稼働」推進を訴える声が自民党、維新などから上がっている。その急先鋒である安倍晋三元首相にいたっては、再稼働どころか、原発新設まで言い出しているのだ。
安倍元首相は「リプレイス(建て替え)も考えなければならない」(2月27日フジテレビ)などとし、次世代原子力である小型モジュール炉への建て替えを主張。火事場泥棒としか言いようがない。
いや、火事場泥棒どころじゃない。あらためて言っておかなければならないだろう。そもそも安倍晋三は、福島第一原発事故じたいを引き起こした最大の“戦犯”なのだ。
言っておくが、これは歴代自民党政権が昔から原発政策を推進してきたとか、そういう抽象的なレベルの話ではない。もっと具体的かつ直接的なものだ。
実は、第一次安倍政権だった2006年、すでに国会で福島原発事故と同じ事態が起きる可能性が指摘されていた。にもかかわらず、ときの総理大臣だった安倍晋三は、「日本の原発でそういう事態は考えられない」として、一切の対策を拒否していたのである。
しかも、東日本大震災後、安倍は、原発事故の責任を当時の菅直人首相と民主党政権に押し付け、真実を追及するメディアを「捏造だ!」と恫喝し、自身の重大責任を隠蔽してきた。そして、無反省に原発再稼働や原発輸出という流れをつくりだした。
本サイトでは3月11日を迎えるたびに、安倍晋三元首相こそが原発事故の“戦犯”であること、そして、その責任を隠すためメディアを黙らせてきたことを記事にしてきた。今年もまたあらためて、その事実をお伝えしたい。
(編集部)
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●福島原発事故から5年前、安倍は「全電源喪失はありえない」と地震対策を拒否
故郷に帰れない多くの被災者を生み出し、放射性物質を広範囲にまき散らし、作物を汚染し、今も国土や海を汚し続けている福島原発事故。…………
(⇨ 『●(リテラ)「あの未曾有の福島第一原発事故を招いた“最大の戦犯”が、他ならぬ現内閣総理大臣・安倍晋三」』)
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[※ ↑「原発さえなければと思います」(週刊金曜日、2021年03月12日、1320号)] (2022年03月11日[金])
AERAの二つの記事 (野村昌二記者)【福島第一原発「廃炉」の現場ルポ デブリ取り出し、容器の劣化…廃炉を阻む難題】(https://dot.asahi.com/aera/2022030400021.html)と、
【福島第一原発「デブリ取り出しは不可能」と専門家 廃炉できないなら「『石棺』で封じ込めるしかない」】(https://dot.asahi.com/aera/2022030400025.html)。
《未曽有の原発事故から11年。廃炉に向けた作業は続くが、見えてくるのは、 過酷な現実だ。そもそも廃炉は可能なのか。福島第一原発でみた実情は。》
《東京電力福島第一原発事故からまもなく11年。国と東電は30~40年後の廃炉完了を目指すロードマップに基づき、作業を進めている。だが、相次ぐトラブルから廃炉作業の計画は大幅に遅れている。廃炉は本当に可能なのか。AERA 2022年3月7日号は、小出裕章・元京大原子炉実験所助教に聞いた》。
《火事場ドロボー》1号=アベ様、《火事場ドロボー》2号=松井一郎元大阪「ト」知事、《火事場ドロボー》3号=橋下徹元・初代大阪「ト」知事…。ウクライナ侵略を利用・便乗して、壊憲して戦争できる国へ、敵基地攻撃へ、核保有へ。そういうのを《火事場ドロボー》と言います。
『●台湾有事を煽り《ロシアのウクライナ侵攻のような軍事衝突にまで
エスカレートさせてはならない…外交による対話を強めなければならない》』
『●誰が壊憲を望んでいる? COVID19禍のドサクサ、ロシア侵略の
火事場ドロボー1号、2号、3号…らによる壊憲など許されるはずもない』
『●《思考力あるならば殺し合わずに済む方法…、政治力を持って開戦に
至らない道を見つける事だ。ところがその政治家本人が核武装を…》』
『●《当事者でない他の国が声をあげ、国際世論をつくり出すことが、理不尽
な状況の抑止につながるというのは、国際社会の常識ではないか》!』
《火事場ドロボー》達は、プーチン氏がウクライナの核発電所を〝人質〟にし、〝盾〟にしようがお構いなし。チェルノブイリの石棺までも…。核兵器の使用をちらつかせようがお構いなし。それでもなんでも核発電を続けたいという愚かな《火事場ドロボー》連中。コミに至っては、ドサクサ紛れに、核発電所再稼働を政府に進言している。ならば、《原発回帰》の前に、福島を、さっさと「原状回復」して見せてくれよ。ロシアのウクライナへの侵略の教訓は、核抑止が幻想で、通常兵器による攻撃でニッポンの核発電所自体が潜在的な核兵器自爆を意味することじゃないのかね。ニッポンは非核三原則堅持へと向かうべきなのに、《火事場ドロボー》の連中ときたら、一体どっちが核抑止幻想の「お花畑」なんだよ。
『●《廃炉の時代》、そして、核燃料サイクルという閉じない「環」
…未来無き核発電に邁進するアベ様独裁政権』
『●東京電力核発電人災、膨大な《デブリの総量も
3基で計約880トン》…1個のデブリを僅かに持ち上げた?』
『●東電核発電人災から10年: あの人災から何の教訓を得ることもなく、
何も変わらないニッポン…核発電〝麻薬中毒〟から抜け出せないまま』
『●《「廃炉終了の定義」を明確にしないまま「廃炉」を進める》―――
《ある程度のデブリを取り出すだけでも、100年以上はかかりそう》』
東京電力核発電人災、膨大な《デブリの総量も3基で計約880トン》。さっさとデブリを元通りに原子炉の中に戻して見せてよ、核抑止幻想の「お花畑」《火事場ドロボー》の皆さん、核発電「麻薬」中毒の皆さん。
小川慎一記者による、1年前の東京新聞の記事【廃炉の道は長く、険しく 写真で振り返る福島第一原発事故10年】によると、《東京電力福島第一原発事故では、世界最悪レベルとなった事故の収束作業は依然終わりが見えない。メルトダウン(炉心溶融)した1~3号機の原子炉に残る溶け落ちた核燃料(デブリ)を、技術的に取り切れるのかすら不明だ。汚染水対策も解決に至らず、政府と東電は「廃炉」を目指すも、その姿を示せないでいる。東電が公開している事故現場の写真から、10年を振り返る…この10年、廃炉工程が計画通りに進んできたことはほとんどない》。それから1年、状況は全く変化なし。
『●「復興五輪」!? 原状回復してから言ってくれ…片山夏子記者【「原発
事故前の故郷に戻して」 浪江町・津島訴訟の原告団長が語った決意】』
『●《原発再稼働や増設を唱える連中の頭の中を掻っ捌いて、中身を
見てみたい》(鈴木耕さん)――― なぜ今直ぐ「原状回復」しないの?』
『●富岡町の「白地地区」に自宅がある避難民の方「…国も東電も避難者を
ばかにし、うんと軽く見ている」…さっさと《原状回復》してみせよ』
『●《弁護団長の井戸謙一弁護士は「6人のように被ばくが原因とみられる
甲状腺がんで苦しむ人たちの希望となる裁判にしたい」と述べた》』
『●経済産業省資源エネルギー庁「復興のあと押しはまず知ることから」?
「復興のあと押しはまず〝原状回復してみせる〟ことから」です』
『●東電核発電人災から11年: 《原発事故は終わっていません。
政府が復興の名のもとに困難に陥った人たちをさらに追い詰める…》』
『●《やっぱりここさ帰りたい。親が開拓して受け継いだ土地。次の世代に
残してやりたい。汚したら、きれいにして返すのが当然じゃないか》』
東京電力核発電人災、膨大な《デブリの総量も3基で計約880トン》…廃炉の定義も無く、デブリの持って行き場所も?
東京新聞の【<社説>3・11から11年 廃炉への道のり はるか】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/164984?rct=editorial)によると、《東京電力による福島第一原発廃炉への「中長期ロードマップ(工程表)」では、当時の政府が事故の「収束」を宣言した二〇一一年十二月から遅くとも四十年で、すべての工程を終えることになっています。事故発生から十一年、東電が廃炉作業の最難関と位置付ける燃料デブリの試験的な取り出しを、ようやく年内に、2号機から始めることになりました。デブリとは、溶け落ちた核燃料が炉内のがれきと混ざり合い、冷えて固まったもののこと。濃度の高い放射性物質の塊です》。
(東京新聞社説)《2号機内のデブリは推定約二百トン。三基で計八百八十トンと推計されています。今後約三十年、一日あたり八十キロずつ取り出さなければなりません。実現可能な数字でしょうか。》《原子力資料情報室の伴英幸共同代表は「四十年廃炉は無理。百年、二百年という長いスパンで考えるべきだと思う。例えば『石棺方式』といいますか、建屋を丸ごとコンクリートで封じ込め、冷却し、放射線が減衰するのを待ちながら技術開発を進めていくという道筋も考えられる」と、別の選択肢を示します》。
小出裕章さん《国と東電が策定したロードマップは「幻想」です。国と東電がいう「廃炉」とは、燃料デブリを格納容器から取り出し、専用の容器に封入し、福島県外に搬出するということです。…つまり、デブリの取り出しは100年たっても不可能です。…国と東電は、それくらい長期にわたる闘いをしているんだと覚悟しなければいけません。そのためにも、一刻も早く福島県に「廃炉は不可能」と説明し、謝罪するべきです》。
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【https://dot.asahi.com/aera/2022030400021.html】
福島第一原発「廃炉」の現場ルポ デブリ取り出し、容器の劣化…廃炉を阻む難題
2022/03/06 08:00
野村昌二
(東京電力福島第一原発の敷地内には処理水をためる
タンクがひしめき、その向こうに左から1~4号機が
見える(photo 代表撮影))
未曽有の原発事故から11年。廃炉に向けた作業は続くが、見えてくるのは、 過酷な現実だ。そもそも廃炉は可能なのか。福島第一原発でみた実情は。AERA 2022年3月7日号から。
(【写真】高線量の汚泥を入れる容器「HIC」はこちら)
* * *
ひしゃげたままの鉄骨が、すさまじい爆発の威力を物語る。
東京電力福島第一原発。今年1月下旬、記者が敷地内の高台に立つと、100メートル先に、事故を起こした1~4号機の原子炉建屋が見えた。
「昨年2月末に3号機の使用済み燃料の取り出しを終えることができました」
東京電力ホールディングスの松尾桂介・廃炉コミュニケーションセンター副所長がこう答えた。この1年で最も進展した廃炉作業が、それだという。
世界を震撼(しんかん)させた事故から間もなく11年。1~3号機は炉心溶融(メルトダウン)を起こし、1、3、4号機の原子炉建屋は水素爆発で壊れ、大量の放射性物質が大気中に放出された。
国と東電は「30~40年後の廃炉完了」とするロードマップ(工程表)に基づき、作業を進めている。事故直後は「野戦病院のようだった」(東電幹部)という現場も、その面影は薄れた。かつては全域で防護服と顔全体を覆う全面マスクを必要としたが、除染が進み、今は96%のエリアでマスクも要らない。作業は一応の進展は見せているが、底知れぬ難題がいくつも待ち受けている。
■現場はトラブルだらけ
最大の難題は、東電が「廃炉の本丸」と位置づける1~3号機で溶け落ちた核燃料(燃料デブリ)の取り出し。総量は推計880トン。高い放射線量に阻まれて人は立ち入ることができない。これまでわかっているのは「一部は動かせる」程度だ。
今年1月中旬、デブリの取り出しでトラブルが発生した。この日、新開発した調査用の水中ロボットを1号機の原子炉格納容器内に投入する予定だった。だが、放射線量のデータが正確に表示されないなどトラブルが発生し、作業が中断したのだ。
初日からトラブルに見舞われたことについて、松尾副所長は、こう語るしかなかった。
「原因を究明しています」
作業は2月上旬、約1カ月遅れで開始された。原因は、現場で使っている装置の電源から発生するノイズだったという。
トラブルはデブリの取り出しだけではない。
福島第一原発では今も1日約140トンの汚染水が発生している。これを大半の放射性物質を取り除く多核種除去設備「ALPS(アルプス)」に通すが、副産物として「スラリー」と呼ばれる高線量の汚泥が出る。それを「HIC(ヒック)」というポリエチレン製の高性能容器に入れて敷地内の一時保管施設に保管しているが、昨年、スラリーからの放射線の影響で寿命を迎えているHICがあることがわかったのだ。
(高線量の汚泥(スラリー)を入れる容器「HIC」。
直径約1.5メートル、高さ約1.8メートル(photo 代表撮影))
■想定外に劣化が進む
東電はHICの寿命は2025年7月以降になると見ていた。だが原子力規制委員会は昨年6月、HICの底にたまった汚泥の放射線量が高いため劣化が速く進み、すでに31基が寿命に達し、2年以内にさらに56基が寿命を迎えると試算した。
これを受けて東電は、昨年8月から新しい容器への移し替えを始めた。しかし設備トラブルも重なり、1基の詰め替えに1カ月以上かかった。
HICの数は3379基(21年12月9日時点)にものぼる。仮に詰め替えができたとしても、スラリーを最終的にどこで、どのような方法で処分するかは白紙の状態だ。その間にも、容器は次々と寿命を迎えていく。
松尾副所長は、
「今後どういうチェックが必要かとか、どういう手順がいるかということをしっかりまとめて展開していくという流れになってくるかと思います」
と述べるにとどまった。
処理水の海洋放出に向けた準備も進んでいない。
敷地内をバスで移動すると、無数のタンク群が現れる。処理水を入れた貯蔵タンクだ。1061基(計約137万トン)あり、すでに95%が埋まっている(今年2月10日時点)。これが23年春ごろには満杯となる。増設したくても「もう土地がない」(東電)のが実情だ。
■海洋放出の行方も不明
そうした状況のなか、昨年4月に菅義偉政権(当時)が、漁業者の反対を押し切る形で処理水を23年春ごろに海洋放出する方針を決めた。今後掘削する予定の海底トンネルを通して、沖合約1キロで放出するという。
それも、設備工事の手続きが遅れている。
本来なら昨夏に予定していた規制委への申請は、風評被害を心配する地元との調整が難航。計画書を提出できたのが昨年暮れになった。そこから書類審査に6カ月、トンネル工事に10カ月近くかかるとされる。審査に通っても、地元の理解を得るのは難しい。
理解が得られなかった場合の対応について、東電は明言を避ける。この日、松尾副所長は言った。「スケジュール通りにやっていきたい」
東電は、いまだに計画通り廃炉が完了すると考えているのだろうか。楽観的と言わざるを得ない目標の前に、廃炉の姿が霞(かす)んで見えた。(編集部・野村昌二)
※AERA 2022年3月7日号
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【https://dot.asahi.com/aera/2022030400025.html】
福島第一原発「デブリ取り出しは不可能」と専門家 廃炉できないなら「『石棺』で封じ込めるしかない」
2022/03/07 10:00
(こいで・ひろあき/1949年生まれ。原発の危険性を
世に問い続け、2015年に定年退職。著書に
『原発事故は終わっていない』(毎日新聞出版)など
(photo 高橋勝視))
東京電力福島第一原発事故からまもなく11年。国と東電は30~40年後の廃炉完了を目指すロードマップに基づき、作業を進めている。だが、相次ぐトラブルから廃炉作業の計画は大幅に遅れている。廃炉は本当に可能なのか。AERA 2022年3月7日号は、小出裕章・元京大原子炉実験所助教に聞いた。
(【ロードマップ】使用済燃料の取り出し開始~廃止措置
終了までの道のりはこちら)
* * *
国と東電が策定したロードマップは「幻想」です。
国と東電がいう「廃炉」とは、燃料デブリを格納容器から取り出し、専用の容器に封入し、福島県外に搬出するということです。
当初、国と東電は、デブリは圧力容器直下の「ペデスタル」と呼ばれるコンクリート製の台座に、饅頭(まんじゅう)のような塊になって堆積(たいせき)していると期待していました。そうすれば、格納容器と圧力容器のふたを開け、上方向からつかみ出すことができます。
しかし、デブリはペデスタルの外部に流れ出て飛び散っていることが分かりました。デブリを上部から取り出すことができないことが分かったのです。
そこで国と東電はロードマップを書き換え、格納容器の土手っぱらに穴を開け横方向に取り出すと言い出しました。しかしそんなことをすれば遮蔽(しゃへい)のための水も使えず、作業員の被曝(ひばく)が膨大になってしまいます。それどころか、穴を開けた方向にあるデブリは取り出せたとしても、格納容器の反対側にあるデブリはペデスタルの壁が邪魔になり、見ることも取り出すこともできません。
つまり、デブリの取り出しは100年たっても不可能です。
東電は「国内外の技術や英知を活用すれば廃炉はロードマップ通りに達成できる」などと繰り返し言っているようです。本気で考えているとすれば、相当なバカだと思います。ロードマップは彼らの願望の上に書かれたもので、その願望はすでに崩れています。
廃炉できなければどうすればいいか。できうることは、1986年のチェルノブイリ原発事故の時に実施したように、原子炉建屋全体をコンクリート製の構造物「石棺」で封じ込めるしかありません。
人間に対して脅威となる放射性物質のセシウム137とストロンチウム90の半減期は、それぞれ30年と28年です。100年待てば放射能は10分の1に、200年待てば100分の1に減ってくれます。
100年か200年か経てば、その間に、ロボット技術や放射線の遮蔽技術の開発も進むはずです。そして、いつかの時点でデブリを取り出すこと以外ないと思います。
国と東電は、それくらい長期にわたる闘いをしているんだと覚悟しなければいけません。
そのためにも、一刻も早く福島県に「廃炉は不可能」と説明し、謝罪するべきです。悲しいことですが、事実を直視しなければ前に進めません。
※AERA 2022年3月7日号
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【https://www.tokyo-np.co.jp/article/164984?rct=editorial】
<社説>3・11から11年 廃炉への道のり はるか
2022年3月11日 07時43分
東京電力による福島第一原発廃炉への「中長期ロードマップ(工程表)」では、当時の政府が事故の「収束」を宣言した二〇一一年十二月から遅くとも四十年で、すべての工程を終えることになっています。
事故発生から十一年、東電が廃炉作業の最難関と位置付ける燃料デブリの試験的な取り出しを、ようやく年内に、2号機から始めることになりました。
デブリとは、溶け落ちた核燃料が炉内のがれきと混ざり合い、冷えて固まったもののこと。濃度の高い放射性物質の塊です。
メルトダウン(炉心溶融)が起きた三基=写真=のうち、水素爆発を免れ、これまでの調査で炉内の状況が比較的明らかになっているのが2号機です。
とはいえ、人が近づけば一時間で死に至るという強い放射線が飛び交う中、遠隔操作のロボットに頼るしかない“手探り”の作業であることに変わりはありません。
◆デブリは除去できるか
複数の事故原発の廃炉、解体は史上例がなく、必要な機材も破壊の状況に合わせてゼロから設計、製作しなければなりません。
爆発で建屋が崩れ落ちた1号機、建屋は健全な2号機、上部が吹き飛んだ3号機、状態はそれぞれに異なります。
2号機の試験作業には、全長二十二メートル、重さ四・六トンという英国製のロボットアームを用います。
本来、昨年中に始める予定だったのですが、コロナ禍で製造や輸送がままならず、一年遅れになりました。今は国内の施設で性能試験および操作の訓練中。原子炉側面に開けた穴に“腕”を差し入れ、わずか数グラムの粉末を真空容器に採取して、その性状を確かめます。
2号機内のデブリは推定約二百トン。三基で計八百八十トンと推計されています。今後約三十年、一日あたり八十キロずつ取り出さなければなりません。実現可能な数字でしょうか。
このようにデブリの取り出し一つとっても、気の遠くなるような険しい道のりです。たとえ工程表通りに廃炉を完了することができたとしても、莫大(ばくだい)な費用がかかります。
ロシアによるウクライナの原発に対する攻撃が世界を震撼(しんかん)させる中、とてつもなく危険で、お金がかかる原発という施設のやっかいさ、原発を持つことの恐ろしさについて、あらためて考えずにはいられません。
原発事故の収束費用は約二十二兆円、このうち東電負担の廃炉費用は八兆円と見積もられてはいるものの、取り出したデブリや解体で生じる廃棄物の処分費用などは、含まれません。
実際いくらかかるのか。東電に尋ねると、「何をもって『廃炉』とするのか、その最終形が決まっておらず、明確にお答えするのは難しい」との回答でした。
通常は、運転を終了した原発を解体、撤去し、廃棄物を処理して更地にするまでが「廃炉」です。
ところが東電の工程表をよく見ると、「使用済み燃料の取り出し開始まで」を第一期、「デブリの取り出し開始まで」を第二期としてはいるものの、それ以降、「廃止措置(廃炉)完了まで」の第三期に関しては、作業開始から「三十〜四十年後」と期限が切られているだけで、具体的に何をするかが書かれていない。十一年たってなお、何をすべきか、いくらかかるか、決められずにいるのです。
福島と同じ「レベル7」の爆発事故を起こしたチェルノブイリ原発について、ウクライナ議会は事故発生から十二年後の一九九八年に「チェルノブイリ廃炉法」を制定し、「デブリを取り出して敷地を環境上安全な状態にする」と廃炉のゴールを定めた上で、工期を約百年としています。
◆40年は無理、100年スパン
東電の工程表を現在の技術レベルに照らして見る限り、今後三十年足らずのうちに、跡地や地域を「安全な状態」にできるとは思えません。
原子力資料情報室の伴英幸共同代表は「四十年廃炉は無理。百年、二百年という長いスパンで考えるべきだと思う。例えば『石棺方式』といいますか、建屋を丸ごとコンクリートで封じ込め、冷却し、放射線が減衰するのを待ちながら技術開発を進めていくという道筋も考えられる」と、別の選択肢を示します。
地域、ひいては、この国の未来にかかわる問題です。いずれにしても、工程表を書き換えなければならなくなるのは確かでしょう。
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[※ ↑「原発さえなければと思います」(週刊金曜日、2021年03月12日、1320号)] (2022年02月27日[日])
東京新聞の【社説/原発回帰を考える 割に合わない電源だ】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/157326?rct=editorial)。
《温暖化対策を重視するESG(環境・社会・統治)投資が世界的に広がる中で、基準を明確にして、資金を呼び込みやすくする狙いがタクソノミーにはある。その投資リストの中に、発電時には温室効果ガスを排出しない“クリーン”なエネルギーとして、原子力を追加しようというのである》。
どこが「クリーン」なのか、是非、教えてほしい。東京電力核発電所人災が見えているのか? 《原発回帰》など愚かすぎる。
第一、日々大量の温排水で地球温暖化を促進している。単なる発電機能付き「海暖め装置」に過ぎない。
『●西日本新聞【フクオカ☆シネマペディア/『遺言 原発さえなければ』
野田雅也、福島を追い10年「飯舘の酪農 復活までは」】』
お願いはたった一つだ。さっさと「原状回復」してみせて下さい。議論はそれからでしょ? まずは、「原状回復」。11年も経ってしまいましたよ。《だからこそ、和男さんは憤る。「やっぱりここさ帰りたい。親が開拓して受け継いだ土地。次の世代に残してやりたい。汚したら、きれいにして返すのが当然じゃないか」》。「原状回復」を求めているのに、《原発回帰》…ふざけ過ぎでしょ?
片山夏子記者による、東京新聞の記事【福島第一原発事故から11年 全域除染から後退に住民怒り「汚したら、きれいにして返すのが当然じゃないか」】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/161254)によると、《東京電力福島第一原発事故から間もなく11年となる。帰還困難区域内に家を残す多くの人たちは、いまだ将来を見通せぬままだ。政府は昨年、避難指示解除が見通せなかった区域について、帰還を希望する人の自宅周辺に限り除染する新方針を示した。これまでの「全域除染」から後退した姿勢に、住民らは「帰ると決めないと除染をしてくれないのか」と怒りを隠さない。(片山夏子)》。
『●「復興五輪」!? 原状回復してから言ってくれ…片山夏子記者【「原発
事故前の故郷に戻して」 浪江町・津島訴訟の原告団長が語った決意】』
『●《原発再稼働や増設を唱える連中の頭の中を掻っ捌いて、中身を
見てみたい》(鈴木耕さん)――― なぜ今直ぐ「原状回復」しないの?』
『●富岡町の「白地地区」に自宅がある避難民の方「…国も東電も避難者を
ばかにし、うんと軽く見ている」…さっさと《原状回復》してみせよ』
『●経済産業省資源エネルギー庁「復興のあと押しはまず知ることから」?
「復興のあと押しはまず〝原状回復してみせる〟ことから」です』
『●東電核発電人災から11年: 《原発事故は終わっていません。
政府が復興の名のもとに困難に陥った人たちをさらに追い詰める…》』
みんなの願いは単純だ。国や東電が、大地の汚れを取り除き、元の状態に戻す、原状回復してくれることだけだ。《原発事故で地域の歴史や人の絆、伝統や文化、一切合切が壊された》。《…原状回復して住めるようにしてほしい。ふるさとに帰れるのなら、賠償はいらない。津島に帰りたい。このままでは終われない》。
【消えゆく故郷の姿を残したい〜浪江町・津島の全記録】
[2020/07/03 OurPlanet-TV]
(https://www.youtube.com/watch?v=505BsMlrB_g)
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【https://www.tokyo-np.co.jp/article/157326?rct=editorial】
社説
原発回帰を考える 割に合わない電源だ
2022年1月31日 07時40分
欧州や日本で原発回帰の動きが目立つ。欧州連合(EU)は「脱炭素」の視点から、新年早々、原子力を「クリーンなエネルギー」に含めるとの方針を示したが、福島の事故や核のごみの危険性などを、過小評価してはならない。
EUは、温暖化対策に貢献できると認めた持続可能な経済活動のリスト「EUタクソノミー」を設けている。「タクソノミー」とは「分類」という意味で、「グリーンリスト」とも呼ばれている。
脱炭素と経済成長の両立を目指す「欧州グリーンディール」を掲げるEU。産業構造の大転換には二〇三〇年までに、およそ一兆ユーロ(百二十兆円)の資金が必要になるという。
温暖化対策を重視するESG(環境・社会・統治)投資が世界的に広がる中で、基準を明確にして、資金を呼び込みやすくする狙いがタクソノミーにはある。その投資リストの中に、発電時には温室効果ガスを排出しない“クリーン”なエネルギーとして、原子力を追加しようというのである。
あくまでEUの行政機関である欧州委員会の判断であり、加盟国や欧州議会に承認されるかどうかは不透明だ。
福島第一原発の事故を受け、今年末までに原発全廃を決めたドイツのほか、スペインやオーストリアは反発を強めている。一方、電力の七割を原発に依存し、昨年十一月に「脱炭素のために原発の建設を再開する」とマクロン大統領が宣言したフランスを先頭に、新規導入を目指すポーランドやチェコからの要望が強かった。
◆「隠れみの」という批判
仮に議会などの承認を得てグリーンリストに載ったとしても、思惑通りに投資が集まるかどうかは定かでない。原発は発電時にこそ温室効果ガスを出さないが、それさえ出なければいいのかと言えば、そうではない。運転を続ければ、危険な放射性廃棄物を増やし続けることになる。脱炭素を原発復権の「隠れみの」に使う、いわゆる「グリーンウォッシュ」だという批判も強い。福島の事故のあと、安全対策費がかさみ、建設費が高騰したのもネックになるだろう。
フランス北西部のフラマンビルで〇七年に建設が始まった最新鋭の「欧州加圧水型炉(EPR)」は、工事のトラブルが相次いで、一二年の稼働予定がいまだに完成していない。建設費は当初の四倍以上に膨らんだ。
国際再生可能エネルギー機関によると、一昨年の世界の再エネ導入量は、前年比五割近く伸びている。風力や太陽光に比べ、原子力は有望な投資先とは言い難い。
日本は、どうか。昨年十月に閣議決定された第六次エネルギー基本計画は、パリ協定が求める「五〇年温室効果ガス排出実質ゼロ」を見据え、三〇年度時点の電源構成に占める再エネの割合を、四割近くに引き上げるとするものの、原子力も約二割、維持していくという方向だ。建設中を含む現有三十六基の原発を九割方稼働させた上、運転寿命を大幅に延長しなければ不可能な、つまりは新増設ありきの計画なのである。
岸田文雄首相は十七日の施政方針演説で「五〇年実質ゼロ」を実現するためのメニューの中に「革新原子力」の活用を挙げた。出力三十万キロワット以下の「小型モジュール炉(SMR)」のことである。
一般の軽水炉と比べて冷却が容易な構造になっており、安全性が高いとされている。しかし一度に大量の電気を送り出すことができるのが原発のメリットだ。小型化すれば発電コストは割高になる。
経済産業省の試算によると、三〇年時点の原発による発電コストは一キロワット時あたり一一・七円以上と、事業用太陽光の八・二〜一一・八円を上回る見通しだ。原発の電気は既に、安くない。
◆再エネ資源の豊かな国
「再エネは天候に左右されて不安定」と言われるが、電力融通のための送電網の強化が図られ、蓄電池の性能が格段に向上する中で「弱点」は克服されつつある。
一方、原発が絶対に安定的な電源かと言えば、そうでもない。
例えば福井県によると、同県内で稼働する原発八基の二〇年度の総発電量は、設備トラブルによる長期停止などのため、前年度比43%の減だった。
ノルウェーのエネルギー開発大手が、日本海で出力計四百万キロワットの洋上風力発電計画を進める時代。このように再エネの潜在力が豊かな日本で、原発にこだわる理由はない。世界でも日本でも、原発回帰は割に合わない。
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【https://www.tokyo-np.co.jp/article/161254】
福島第一原発事故から11年 全域除染から後退に住民怒り「汚したら、きれいにして返すのが当然じゃないか」
2022年2月19日 17時47分
東京電力福島第一原発事故から間もなく11年となる。帰還困難区域内に家を残す多くの人たちは、いまだ将来を見通せぬままだ。政府は昨年、避難指示解除が見通せなかった区域について、帰還を希望する人の自宅周辺に限り除染する新方針を示した。これまでの「全域除染」から後退した姿勢に、住民らは「帰ると決めないと除染をしてくれないのか」と怒りを隠さない。(片山夏子)
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帰還困難区域の避難指示解除 政府は2021年8月、福島県7市町村に残る帰還困難区域について、戻って暮らしたい人の求めに応じて29年までに自宅や道路などを除染して部分的に避難指示を解除する方針を決めた。24年度から除染を始める計画だ。帰還を望まない人の家や土地の扱いは未定。区域内で優先的に除染を進めた「特定復興再生拠点区域」は、帰還困難区域の約8%にとどまる。
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【関連記事】福島・大熊町「復興拠点」の今 22年春に帰還困難区域の一部解除へ
(家の周りの草は木に育ち、周辺の田畑も太い幹の柳やカヤが
埋め尽くす=2021年11月18日、福島県浪江町羽附で)
「家の周りも畑も手がつけられないほど樹木がはびこっている…」。福島市で避難生活を続ける窪田和男さん(70)と、たい子さん(66)夫婦は、福島県浪江町の帰還困難区域内にある自宅に帰るたびため息をつく。
原発から北西へ約30キロ、浪江町津島の羽附(はつけ)地区に家はある。田畑は高さ3メートルにもなる木が茂る。「カヤも鎌じゃもう刈れない」と和男さん。葉タバコのビニールハウスは骨組みだけになり、太い枝が下から突き上げる。家もイノシシなど動物に荒らされ、片付けるのを諦めた。
(葉たばこの作業場はツタがびっしりと生え、
足の踏み場もなかった)
それでも、たい子さんは羽附に帰るとほっとする。「自然に囲まれ、四季を感じる。家の脇の小川にはワサビが生え、サンショウウオがすんでいた。一日も早くここさ帰りたい」
周辺の除染と家の解体をしてもらい、更地にして家を建て直し、和男さんの母ツヤさん(95)と一緒に3人で戻りたいと考えている。
「羽附で暮らせたら家族はずっと仲が良かったのに」と、たい子さんはこぼす。原発事故前はどこに行くのも一緒だった家族は、避難後にばらばらになった。
(台所は物が散乱し、動物のふんが残る)
朝早くから畑仕事や好きな花の手入れをしていたツヤさんは家にこもることが多くなり、認知症になった。家族はギスギスしてけんかが増えた。地域のつながりを失い、たい子さんは介護を相談できる人もなく、円形脱毛症になり、通院を続けた。
同じ町の津島には、先行して除染が進む「特定復興再生拠点区域(復興拠点)」があり、面積は津島全体の1・6%。一方、復興拠点の西側にある羽附は空間放射線量が比較的低いものの幹線道路沿い以外は除染されていない。
たい子さんは浪江町内で何度も除染された所を見ると、はらわたが煮えくり返る思いがする。
「一度でも除染されたら頑張ろうと思えるのに…。なぜ他の区域は全域除染をしてから帰すのに、一番線量が高い帰還困難区域は、帰ると決めないと除染をしてくれないのか」
(片付けても動物に荒らされ、「手のつけようが
なくなった」と話す窪田たい子さん㊨。和男さんの
左側で縁側に座っているのはツヤさん)
長男は「子育てが終わったら羽附で畑をやりたい」と話しているという。だが、帰還希望者の生活圏に限る除染は「まだら」になり、汚染された場所が多く残る懸念が強い。
だからこそ、和男さんは憤る。「やっぱりここさ帰りたい。親が開拓して受け継いだ土地。次の世代に残してやりたい。汚したら、きれいにして返すのが当然じゃないか」
11年の月日は長い。「帰りたい。羽附になんじょしても帰って死ぬ」と言っていたツヤさんが、「もう諦めた。駄目だ駄目」と話すようになった。
たい子さんは祈るように言った。「私たちもいつまで体が動くか。一日も早く除染してほしい」
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[※ ↑「原発さえなければと思います」(週刊金曜日、2021年03月12日、1320号)] (2022年02月26日[土])
マガジン9の記事【【寄稿】「おめでとう」と言えない正月(青木美希)】(https://maga9.jp/220112-5/)。
《政府は生活できる環境がないまま、帰還政策を進めています。政府は、浪江町など帰還困難区域700世帯を含む2万世帯の避難住宅提供を打ち切りました。さらに浪江町や南相馬市などの避難者、帰還者らへの医療費無償の支援策も打ち切る方針を出しています。避難指示解除されれば固定資産税の減免もなくなっていきます。原発事故は終わっていません。政府が復興の名のもとに困難に陥った人たちをさらに追い詰めることがないように、私は被災者の声を発信し続けていきたいと思っています》。
『●お見舞い申し上げます…』
『●あの3・11原発人災から1年: 松下竜一さん「暗闇の思想」を想う』
『●3.11東京原発人災から2年が過ぎて』
『●「福島原発事故の今」
『週刊金曜日』(2014年3月7日号、982号)について』
『●3.11東京電力原発人災から4年:
虚しき「地球にやさしいエネルギー原子力 人にやさしい大熊町」』
『●東電核発電人災から5年: 「今や世界の笑い者…
政権批判をいとわないキャスターの首を差し出した」』
『●東電核発電人災から6年: 4つの「生」+「命」「活」「業」「態」…
どれか一つでも原状回復できたか?』
『●東電核発電人災から7年: 「村の生活は百年余りにわたり、
人生そのもの」…「やっぱりここにいたいべ」』
『●東電核発電人災から8年: 《11日の夜9時すぎには、
東電の社員も家族もだれ一人双葉町に残って…》』
『●東電核発電人災から9年: 金(カネ)色の五つの輪《オリンピック
聖火リレーを前に「福島はオリンピックどごでねぇ」》』
『●東電核発電人災から10年: あの人災から何の教訓を得ることもなく、
何も変わらないニッポン…核発電〝麻薬中毒〟から抜け出せないまま』
《原発事故は終わっていません。政府が復興の名のもとに困難に陥った人たちをさらに追い詰める》…11年経っても何も変わらない。東電や政府、自公お維コミ議員達は、さっさと早く「原状回復」してみせて下さい。元の環境に戻してみせてよ。毎年、その事をお願いしているのですが、一向に「原状回復」する気がないようだ。そのくせ、汚染水を海洋放出したい? バッカじゃなかろうか。
《「もともとあった肥沃な土は放射能で汚染されたため除染で取り除かれ、山砂が入れられました。元の田んぼになるまでは長い年月がかかりますね」》《地産地消の豊かな暮らしが、かつて、ここにありました》《政府が「復興した姿を世界に発信する」とした復興五輪は終わりましたが、復興どころか、手付かずのまま10年8カ月過ぎた家々が、ありました》…さっさと元に戻してください、核発電「麻薬」中毒な皆さん。
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【https://maga9.jp/220112-5/】
特別企画
【寄稿】「おめでとう」と言えない正月(青木美希)
By マガジン9編集部 2022年1月12日
東京電力福島第一原発事故による被災者の方たちを取材し続けているジャーナリストの青木美希さんから、帰還困難区域の様子、避難指示が進められるなかでの被災者の声を映像とともに寄稿していただきました。
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避難先で迎えた11回目の正月
2011年の福島第一原発事故から今年で11年となります。政府は今でも原子力緊急事態宣言を発令中で、数万人が避難を続けています。一方で、復興五輪が終わり、「もう復興したんでしょ」という声を聞くことが増えてきました。現地は復興しているのでしょうか。
福島県浪江町の柴田明範(あきのり)さん(55)は今年も避難先の福島県二本松市内で正月を迎えました。二本松市内で、11回目の正月です。
柴田さんは、これまで仮設住宅で知り合った人たちや支援者を含め100枚以上の年賀状をやり取りしてきましたが、10年を機に、年賀状を書くのをやめました。20人ほどがそれでも年賀状を送ってきてくれましたが、「迎春」と書いて返しました。
「10年たっても戻れない。失礼とは思いますが抵抗がある。どうも、新年おめでとうという気持ちになれない。なんとなく1月1日が来た感じ。避難している人たちはおめでとうと言いたくない人が多いと思う。心から言える人はいないと思います」と話しました。
柴田さんと私は、長くフェイスブックでつながっています。
柴田さんは毎年、正月に「おめでとうと言えない」と友達限定の投稿で書いていました。今年もまた、柴田さんにとってはおめでとうと言えない正月になりました。
(柴田さんご夫妻)
原発事故で、柴田さんの正月はまったく違ったものになりました。
事故前は、柴田さんの家に親せきたち20人以上が集まり、飲んで騒いでつぶれ、泊っていっていました。家族と父母だけではなく、父の兄弟や浪江町にいる柴田さんの妹も来ていました。自宅で作った炭の炭ごたつや七輪で暖かく、臼と杵で餅をつき、七輪で焼きました。酒を飲めない柴田さんも楽しみました。
いまは、避難先の二本松市の中古住宅で、柴田さんの家族が元日の昼に集まるだけです。酒もなく、騒ぐこともありません。自作の炭もなく、餅はオーブントースターで焼きます。柴田さんの妻が作った煮物をみんなで食べました。騒ぐことはできないと言います。「近所の人たちが自分たちを避難者とみている。バカ騒ぎはできないから」
3歳と2歳の孫3人が走り回り、柴田さんに「じいじ」と抱っこをせがんできたのが唯一うれしかったことだと言います。それでも「子どもたちに明るい言葉はかけられなかった。かぜひくなよ、冬道気をつけろよ、ぐらいです」と話していました。
2022年の正月を一緒に迎えた方々と喜びをわかちあいたい、という気持ちが「明けましておめでとう」なのだと思いますが、そのおめでとうですら違和感がある方々がいます。原発事故被害が回復するどころか、いまも被害が生じ続けているからです。
私は、この現状を知ってほしくて、この原稿を書いています。
現地で撮影してきた動画を掲載しました。原発事故の被災地がどのような状況にあるのか、記事と動画を交えて見ていただければと思います。
帰還困難区域にある柴田さんの自宅へ
2カ月前の2021年11月7日、私は柴田さんと、福島県浪江町の帰還困難区域にある、柴田さんの自宅に向かいました。国道114号から津島地区の集落に入る道路は、「内閣府」と書かれた銀色のバリケードでさえぎられています。
警備員に許可証を見せ、ゲートを越えた途端、柴田さんの線量計からピーピーというアラーム音が出ました。数値は0.7~0.8マイクロシーベルト/時。時間の経過とともに減ってきたとはいえ、まだ事故前の県内各地の大半の線量の20倍程度もあります。
東京電力福島第一原発の事故後、政府は除染を進め、少しずつ「避難指示」を解除してきましたが、原発から北西に延びる放射線量が高い地域、7市町村にわたって今も帰還困難区域があります。そのエリアの除染対象はわずか8%で、そのほかの地域は、政府は2020年代に希望者が帰還できるよう一部を除染し、避難指示を解除する基本方針を決めています。柴田さんの自宅もこの地域です。これまで政府は地域一帯の除染をしてきたのに一部のみの除染になることに、住民から「まだら除染になり、放射線量が上がってしまう。ほかと同じように地域一帯を除染してほしい」と要望が出ています。
帰還困難区域のうち、この津島地区には約1400人が住んでいましたが、放射性物質が多く飛散したため、国が道路にバリケードを張り、住民が自宅に行くためにはその都度、事前に許可手続きをしなければなりません。今も住むことができません。
ゲートを越えて草ぼうぼうになった細い道を車で進みます。線量計のアラームがピーピーと鳴り続け、放射線量は上がっていきます。車内で1.5マイクロシーベルト/時を超えました。事故前の30倍以上です。
ところどころ除染が行われている様子が見られました。この年の7月に来たときは森のようになっていたところが、除染が進められて草木が刈られ、重機で田んぼの畔(あぜ)が再建されていました。
運転席で柴田さんが言いました。
「もともとあった肥沃な土は放射能で汚染されたため除染で取り除かれ、山砂が入れられました。元の田んぼになるまでは長い年月がかかりますね」
柴田さんの家は、私道を登っていたところにあります。町道から、柴田さんの家に入る私道に右折した途端、両側は森になりました。やぶに囲まれた細い道です。枝がところどころに落ちているため、車を何度も止めて、そのたびに車を降りて枝をよけなければ前に進めません。
「両側にはうちの畑が広がっていました。ブルーベリーや白や紫、ピンクのリンドウを育てて、いつか奥さんとブルーベリーの観光農園をやろうと思っていました」
柴田さんが住んでいた家と畑を切り開いたのは柴田さんの祖父母で、柴田さんで3代目。原発事故当時は父母と妻、子ども5人の計9人で暮らしていました。
止まったままの時計、イノシシの足跡……
やぶの道をさらに進むと、瓦屋根の平屋住宅が見えました。サンルームや玄関の下部にオレンジ色のベニヤ板が張られています。
「イノシシ除けだよ」
ベニヤ板にはイノシシの茶色い足跡が残っていました。新しい足跡と古い足跡が混在しているように見えます。
「汚染がひどくて、家にはもう住めないんです。新潟大学の教授に家の中の放射線量を測ってもらって『住めるレベルではない。解体しかない』って言われた。だから、もう住めない……それでも、イノシシに荒らされるのは許せない。将来は長男一家が住めるようにと思って、平屋の上に2階を建て増しできる作りにしたんですよ」
柴田さんはカギを開けると、板をまたいで家に入りました。
居間も子ども部屋も台所も、天井のあちこちにクモの巣がかかっています。居間の中央にはクリーム色の天板と布団のこたつがありました。
「家の木を切って炭焼きをして木炭にして、こたつに入れてました。すごいあったかいから。足をいれると体がばーっとあったかくなる」
柴田さんは木造の自宅の柱や鴨居を見ながら言います。
「この家は、祖父がうちの土地で育てたスギやマツ、クリの木で建てたんだ」
「山菜がとれると近所でお互いに交換してね。そういうのがすごく楽しみだったんだ」
地産地消の豊かな暮らしが、かつて、ここにありました。
この場面の動画がこちらです。
(https://youtu.be/b5HbqBgnPmw)
居間には黒く四角い掛け時計がかけてありましたが、地震があった2時46分で止まっています。月めくりカレンダーは2011年3月のまま。長女の部屋にはハンガーにセーラー服の夏服と冬服がかかっていました。
柴田さんが長女の部屋で「あ」と声を上げ、紺色のファイルを手にしました。
「3・11は長女の中学の卒業式だったんだよね。夜はみんなでお祝いしようねと言っていた……」
「長女は、もう終わったことだからと言って、避難してから一度も家に足を踏み入れたことがない」
ときが止まっていました。
客間の天井近くの高い場所に、紋付き袴の男性や着物姿の女性の写真が並んでいました。この土地を拓いた祖父や祖父の親族の写真だと言います。
「先祖に見守っていてもらいましょう、と妻と言いあって、写真は飾ったまま、置いたままになっているんです。何十年も住んだ場所。やっぱり自分の家は落ち着く。じいちゃんから親、親からおれ、本当は息子につなぎたかったけど、かなわないわね」
自宅の隣には柴田さんの両親の家がありました。ガラス戸が破られ、玄関のドアは開きっぱなし。ピンクの座布団が玄関に落ちています。中に入るとテーブルがひっくり返り、タンスが倒れ、足を踏み入れることはできません。私は思わず、「こんな風になりますか」と声を上げてしまいました。「イノシシが全部突き破って」。部屋の後ろ側、壁があるはずのところから、外のやぶが見えます。壁が外れています。「壁ぶちぬいて。……怖いね」。柴田さんは疲れ切ったように話していました。
撮影してきた動画はこちらです。
(https://youtu.be/5tSSrFkkW6o)
政府が「復興した姿を世界に発信する」とした復興五輪は終わりましたが、復興どころか、手付かずのまま10年8カ月過ぎた家々が、ありました。
「選手にここに来て、世界に実態を伝えてほしかった」と柴田さんは話していました。
生活環境が整わないまま、進められる帰還政策
避難指示解除されたところでは何が起きているのでしょうか。
私は2021年11月27日、双葉屋旅館を経営する小林友子さんに話を聞きました。
小林さんは福島県南相馬市小高区のJR小高駅前の「双葉屋旅館」4代目。福島第一原発から20キロ圏内にあり、政府の避難指示で小高区の全員が避難しました。
小林さんは原発事故後、長男が住む名古屋市に避難しました。ハローワークに行っても50代という年齢で仕事が見つからず、地元で旅館を再開することを決めました。政府は事故から5年4カ月たった2016年7月に小高区の避難指示を解除しましたが、小高区の原発事故時の住民登録者数は12,840人で、2021年11月30日現在の居住者は3,800人ほど。居住者の半数が65歳以上です。
小林さんは語りました。
「多くの事業者が再開しておらず、家業と別の勤め先の兼業で暮らしていた人たちが多かったなかで、仕事は残念ながらやっぱりありません。3世代で住む家も多かったのですが、自分の代でいい、自分たちの代で完結するという思いの人たちが帰ってきています。建て替えの時に家を小さく、平屋にしたり」
農業や商業を営みながら、さらに別の勤め先で働いて暮らしてきたのに、その兼業先がないため帰れないと言います。何より、小高は、南側で原発で栄えていた双葉郡と商圏の結びつきが強かったなかで、この商圏が壊れてしまいました。
「自分たちの代で完結する」という言葉が悲しく、重く響きました。
(双葉屋旅館の小林友子さん)
「10年過ぎて見えてくることは、本来はずっと土と一緒に生きていた方が暮らせるんですよね。生業(なりわい)がなくても生きていける土壌だったんですよね。今まではコメや野菜を自分たちで作っていました。それがみんなお金で買わないといけない。キノコだったり海のものだったり。そこで育った人たちの失ったものをちゃんと見てないよね。本当にしんどいのが現実」
私は避難者の方々から「初めてコメを買った」という言葉を多く聞きました。買わなくても食べ物はほとんどまかなえる生活だったと。
「両手にいっぱいの買い物袋を持っていると『いいな』って言われるけれども買わないと生きていけないから。『いいな』って言われましたけど、『なくなったんだよ』って。月10万円の慰謝料はあっという間になくなりました。全部買わないといけない。あんなにお金がなくなるとは」
同じ言葉を、避難してきた多くの方から伺いました。そして、避難者を受け入れている人たちからは「避難者の人たちはものすごいたくさん買い物していくんだから」という非難めいた言葉も多く聞きました。賠償金の差、強制避難か否かの差、政府が生んだ多くの差が精神的な分断を生んでいます。
「家に帰らないでいると、隣の人から『草ぼうぼう、草刈りしろ』と言われるのが一番つらい。だから田んぼを人にまかせちゃう。そうすると太陽光発電が造られる。知らない間に虫食いのようにできていってしまう。山ががんがん切られて木も切られて。里山から除染のあとを埋めるために山土がとられ、山がなくなっていく。それが災害の一つの原因になる。原発事故って放射能だけじゃない被害を起こしていると知ってほしいです。食料が不足すると言われているときに、どうしていい場所の農地をつぶしていくのか。ソーラーも都会ではなく、地権者、福島に収益や雇用を生み、経済が回るシステムを議論してほしい。帰れと言うのなら受け入れる素地をちゃんとしてほしい」
帰れと言うのであれば、その環境を。それもその通りです。小林さんは「次に繋いでくれる人もいる事も現実」といいますが、雇用の場の整備がなければ生活できません。
小林さんに会う前に、私は50代の楢葉町の男性から話を聞いていました。
その男性は、避難指示で避難し、政府が避難指示解除をしたから戻ってきたけれども、元々勤めていた事業所は閉まってしまった。再就職先も見つからず、結局非正規雇用しかない、と話していました。
政府は生活できる環境がないまま、帰還政策を進めています。
政府は、浪江町など帰還困難区域700世帯を含む2万世帯の避難住宅提供を打ち切りました。さらに浪江町や南相馬市などの避難者、帰還者らへの医療費無償の支援策も打ち切る方針を出しています。避難指示解除されれば固定資産税の減免もなくなっていきます。
原発事故は終わっていません。政府が復興の名のもとに困難に陥った人たちをさらに追い詰めることがないように、私は被災者の声を発信し続けていきたいと思っています。
青木美希(あおき・みき)ジャーナリスト。北海タイムス(休刊)、北海道新聞を経て全国紙。「道警裏金問題」取材班で菊池寛賞など受賞。原発事故検証企画「プロメテウスの罠」、「手抜き除染」報道で各取材班で新聞協会賞を受けた。原発事故被害を描いた『地図から消される街』(講談社現代新書)は貧困ジャーナリズム大賞、日本医学ジャーナリスト協会賞特別賞、平和・協同ジャーナリスト基金賞奨励賞を受賞。8刷に。新刊『いないことにされる私たち』(朝日新聞出版)を2021年4月に出版した。日本ペンクラブ言論表現委員。
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[※ ↑「原発さえなければと思います」(週刊金曜日、2021年03月12日、1320号)] (2021年08月29日[日])
時事通信の記事【全域で20年代帰還へ 福島の避難解除方針―政府】(https://www.jiji.com/jc/article?k=2021082300459&g=soc)。
《東京電力福島第1原発事故の帰還困難区域のうち、避難指示解除の見通しが立っていない地域について、政府が2020年代中に希望者全員が帰還できるよう解除する方針を固めたことが23日、政府関係者への取材で分かった。今月にも復興推進会議・原子力災害対策本部の合同会合を開き、正式決定する》。
東電と国は、まずは「原状回復」、つまり元通りに戻してから、《避難解除》の検討に入ってください。《自民、公明両党の東日本大震災復興加速化本部が、帰還困難区域に関して「帰りたいと思う住民が一人残らず帰還できる」よう求める提言を菅義偉首相に提出》したそうだが、順番が逆でしょ。まずは、元通りの生活空間に戻してください。そうすれば、お願いされなくったって、多くの皆さんは故郷の生活に喜んでお戻りになります。「原発事故前の故郷に戻して」が多くの皆さんの唯一のお願いではないのですか。
「原発事故前の故郷に戻」すことなど不可能、そんな不可能なことをいつまで言っているのか……そんな主張に対して、返す言葉がありません。そう主張したいのならば、核発電再稼働、核燃サイクル、新高速炉「アベシンゾウ」…などなど、直ぐに断念し、すぐさまの全炉の廃炉作業に入るべきです。
『●「国際的に一番厳しい基準を設けている」し、
そして「原状回復」したのならば、「そこ」に住んでみては?』
『●東京電力原発人災、支援の幕引き:
「区域外避難」者も含めて「“棄民”政策だというそしりは免れない」』
『●今村雅弘復興相、「本人の責任」
「裁判でも何でもやればいい」と…「死の町」にした者こそ糾弾されるべき』
『●今村雅弘復興相「問題は激高よりも「自主避難は自己責任」発言」
…ココで「自己責任」論に出くわすとは…』
「それにしてもこんなところで「自己責任」論が出てくるとは、
唖然としました。《誰が好き好んで自主避難などするだろうか》!」
『●東京電力原発人災、支援の幕引き:
「区域外避難」者も含めて「“棄民”政策だというそしりは免れない」』
『●東京電力に核発電所を再稼働させる資格はあるのか?
無条件で即時に全ての廃炉作業に入るべき』
『●アベ様による「棄民」政策をも追認…東電旧経営陣の
刑事裁判で永渕健一裁判長は「無罪」という「政治判断」を下した』
『●やはり核発電は「金のなる巨大木」だった…
高浜「原発マネー」が八木誠会長ら関西電力経営陣個人に見事に《還流》』
『●東電旧経営陣に無罪判決…《誰も事故の責任を取らなければ
企業に無責任体質がはびこり、また同じことが起きる》』
『●東京電力核発電人災、決して自主避難者の《自己責任》ではない
…「原発事故がなければ福島を出た人は誰もいない」』
「《住宅無償提供打ち切りで、避難を続けるか、福島に帰るか選択に
迫られた。家賃の支払いをめぐり被告となる人たちも出ている》…
何という無慈悲。自主避難者を《被告》にする? デタラメ」
『●《「知っている町はどこかに行ってしまいました。返してください!
10年前を!」。故郷をめちゃくちゃにされたことへの怒りは深かった》』
『●武藤類子さん《本来ならその人たちにとってもこの10年、まったく
違った時間があったはず…原発事故は、その時間を奪ってしまった》』
『●「復興五輪」!? 原状回復してから言ってくれ…片山夏子記者【「原発
事故前の故郷に戻して」 浪江町・津島訴訟の原告団長が語った決意】』
『●《原発再稼働や増設を唱える連中の頭の中を掻っ捌いて、中身を
見てみたい》(鈴木耕さん)――― なぜ今直ぐ「原状回復」しないの?』
『●富岡町の「白地地区」に自宅がある避難民の方「…国も東電も避難者を
ばかにし、うんと軽く見ている」…さっさと《原状回復》してみせよ』
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【https://www.jiji.com/jc/article?k=2021082300459&g=soc】
全域で20年代帰還へ 福島の避難解除方針―政府
2021年08月23日13時43分
(町のほとんどが帰還困難区域に指定されている
双葉町=3月10日、福島県双葉町)
東京電力福島第1原発事故の帰還困難区域のうち、避難指示解除の見通しが立っていない地域について、政府が2020年代中に希望者全員が帰還できるよう解除する方針を固めたことが23日、政府関係者への取材で分かった。今月にも復興推進会議・原子力災害対策本部の合同会合を開き、正式決定する。
居住3割、帰還頭打ち 避難解除区域、存続に危機感―原発事故から10年・福島
帰還困難区域のうち、22~23年春の避難解除を目指している「特定復興再生拠点区域」(復興拠点)は面積全体の約8%にとどまる。復興拠点外の解除について政府が具体的な方針を示すのは初めて。この地域には約2万人が住民登録をしており、今後、個別に意向を調査した上で除染作業を行うとみられる。
除染は地元自治体と相談した上で範囲などを決め、全額国費で実施される。このため、福島復興再生特別措置法を改正し、復興拠点外の避難解除などについて盛り込む見通しだ。
今年7月には自民、公明両党の東日本大震災復興加速化本部が、帰還困難区域に関して「帰りたいと思う住民が一人残らず帰還できる」よう求める提言を菅義偉首相に提出していた。
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