新・徒然煙草の咄嗟日記

つれづれなるまゝに日くらしPCにむかひて心に移りゆくよしなし事をそこはかとなく紫煙に託せばあやしうこそものぐるほしけれ

独断と偏見で選ぶ2010年の10大ニュース

2010-12-31 09:40:51 | ニュース

さらさらと個人的な10大ニュースを選べた去年と違って、なんともメリハリの少ない、敢えて言えば煮詰まった感じでしたので、時事ネタの少ないこのブログではありますが、今年は世間一般のニュースから「2010年 10大ニュース」を私なりに選んで、今年を締めたいと思います。


第10位 実は亡くなっていた高齢者がゾロゾロ

戸籍とか住民登録がしっかりしていると思っていた日本で、こんな「事件」が発生するとは思ってもみませんでした。年齢と年金受給記録と健康保険の受給記録を照合すれば、怪しいケースはすぐに焙り出されるとは思うのですが、そうはいかないところが現在の日本のシステムの変なところだと思いました。個人のプライバシーがどうとか、人間関係がどうしたこうしたという意見もあるでしょうけれど、公的なお金が絡む以上、しっかりとしておくべきだろうと思います。


第9位 検察への信頼が失墜

自分たちが勝手に描いたストーリーに沿うよう、検事が証拠品を改ざんした事件は、国民一般以上に、普通の検事さんや検事さんOBにとってショックだったのではないでしょうか。というか、「あんなヤツと一緒にされたくない」と憤慨する検事さんや検事さんOBが多いことを願っています。
この事件を聞いて、上司の態度・行動の難しさにも思いを馳せました。部下の仕事ぶりをすべて監視して手取り足取り指導するのは、現実的に無理でしょうし、部下のモチベーションにも良いことではありません。どれだけ部下を信じて部下の裁量に任せるのか、考え込んだ人は多かったのではないかと思います。


第8位 角界フラフラ

横綱 朝青龍の暴行疑惑と引退、そして、野球賭博問題による力士の引退や休場とNHKのTV中継休止、なんとも角界にとって大騒動の一年でした。
ここからは、きわめて個人的な思いこみですが、相撲の観戦・応援で手拍子や声をそろえてのコールって、かなり場にそぐわないと感じています。あれをやったら、古くからの目の肥えた相撲ファンが離れていくんじゃなかろうか。
  6/28 財団法人 日本相撲協会のこと
  10/4 予告編です

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第7位 民主党フラフラ

民主党が昨年夏の衆議院議員選挙で大勝して政権を獲ってから早くも1年半たちました。この1年半は、民主党に対する国民の期待が落胆・失望へと変わっていった期間だったのではないかと思います。そりゃぁ、政権を獲った当初は慣れていないことだろうし、野党時代にはわからなかった実情が見えてくることもあるでしょう。でも、見込み違いがあったらならば、一時の恥を忍んで「すみません。私たちの見込み違いでした」と謝って、マニフェストを修正するべきだと思うのですよ。ところが、今の民主党(特に小鳩グループ)には、それができない。
ようやく、現執行部にはマニフェストを修正する動きがでてきたようですけれど、目先の選挙の勝ち負けにこだわる小鳩グループの反発が厳しそう…。
というわけで、愛想が尽きかけている私であります。
  5/6 今の内閣&与党執行部はおしまいかもしれない
  6/3 ホントに「内閣&与党執行部」がおしまいになっちゃった   


第6位 就職が大変

今年は「就職氷河期」といわれたバブル経済崩壊後よりももっと酷い就職難だそうで、適齢期の方々が気の毒でなりません。私にはこの就職難の理由が、リーマン・ショック後の景気後退といった短期的なものだけとは思えません。企業が新規採用を抑えようとするのは、後々まで「固定費」となる正社員を雇い続けられるだけの将来展望を描けないことが大きいのだと思います。
ですから、「新卒」の定義を広げたり、正規社員を増やした企業の法人税を下げたりといった政府の対策は、何とも心許ない。
もっと根本から何とかしなければならないはずだと思っています。


第5位 チリ鉱山落盤事故から33人救出

こりゃ凄いできごとでした。地中深く閉じ込められた人たちの救出劇は、救出を待つ人たち、地上から救出策を練って実行した人たち、その両方の最高のハッピーエンドのドラマでした。
  10/14 やはり今日はこのニュースに触れなければ!


第4位 情報ダダ漏れ

世界中の機密情報がネット上に確信犯(正しいことだと信じて法律を犯すこと)的にウィキリークスにダダ漏れしたことが、世界中を揺るがせました。
日本でも、尖閣諸島での中国漁船の蛮行を撮影した海上保安庁撮影のビデオが流出したり、警察庁の公安情報が流出したりと、情報ダダ漏れの目立つ年でした。
知る権利」は、民主主義の世の中、最重要といってもよい権利だと思います。が、ゲームをしている両人の手札を公開するのはまずいでしょ。「尖閣ビデオ」はちょいと次元が違いますが(国民から隠そうした政府の方針がおかしい一方、個人の「義憤」でビデオをネットにアップした海上保安官の行動も組織の一員としては非難されてしかるべきだと思います)、ウィキリークスと公安情報の流出は、かなりまずい…。アナーキー過ぎます。
それぞれの政府が自国の国益を最大化するべく丁々発止の外交を繰り広げているわけで、それを「知る権利」を楯に情報をリークすることは、正しいことだとは到底思えません。
また、流出した公安情報を、個人名もそのままに出版した某出版社なんぞ、私は軽蔑します。
「知る権利」と「国益」の関係は、さらに「人類の幸福」も絡んできて、かなり難しい問題です。簡単に結論なんぞ出せるものではありません。個人の損得や感情でどうこう言える話ではないでしょう。


第3位 中国の存在感・違和感が上昇

あるときは「大国」、またあるときは「発展途上国」がここ数年の中国お得意のダブルスタンダードでした(知的財産に関する「他人のものは自分のもの、自分のものは自分のもの」的なダブルスタンダードも…)。それが、「大国」ぶりを誇示する姿勢が急速に強まってきました。来年には世界第2位のGDPを誇る経済大国になることが確実になったことが背景の一つにあるのでしょう。
一方で、領土問題にしろ、資源問題にしろ、人権問題にしろ、ノーベル平和賞問題にしろ、北朝鮮問題にしろ、「世界の常識」が通用しない国であることが一層顕在化した一年だったと思います。
ところが、拡大を続ける広大な市場や蓄えたお金が、他国の政府や企業にとっては魅力的で、スリスリしてしまうのがなんとももどかしい。
でも、中国がいつまでも今の中国でいられ続けられる保証はないわけで、中国の首脳の中には危機感を持っている人もいるはずだと思いたいものです。
  9/24 「海猿」から中国のカントリー・リスクに思いをはせる

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第2位 今年は国際生物多様性年

国際生物多様性年(International Year of Biodiversity)の今年、名古屋で第10回締約国会議(COP10)が開催されました。そして、合意は困難だろうという大方の予想を覆して、生物遺伝資源の利益配分を定めた「名古屋議定書」と2020年までの生態系保全の世界目標「愛知ターゲット」を採択して成功裏に終了しました。
成功の裏には、環境省をはじめとする日本政府のがんばりと会議に参加した各国の代表や周りのNGOの皆さんの合意を目指した「強い思い」があったのでしょう。加えて、開会式で国連名誉大使のMISIA閣下が歌った「LIFE IN HARMONYが参加者の心にしみいったことが、何かしらの良い影響を与えたのではなかろうかと、私は勝手に思い込んでおります。
  3/3 MISIAが国連の名誉大使に任命されたぁ! 
  9/22 国連でのMISIAは立派でした。丸ビルでの…   
  10/18 生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)開幕!   
  11/1 COP10は成功したのだろうか?

12月に入ってから、国際生物多様性年の掉尾を飾るにふさわしいニュースが飛び込んできました。70年前に絶滅したと思われていた秋田県・田沢湖の固有種クニマスが、山梨県の西湖で生きていたというニュースです。これには驚きました。西湖では「クロマス」として食べられていたというのが、これまた楽しい話です。田沢湖への里帰りプロジェクトが始まったようです。あせらず、とりあえずは田沢湖の水質改善(まだまだ酸性が強いそうな)に取り組んで欲しいものです。
  12/16 西湖のクニマスは外来種か?

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第1位 「はやぶさ」帰還

社会的にも経済的にも政治的にも鬱々した日本をパッと明るくしたニュースでした。7年間もの間、様々なトラブルを克服して「はやぶさ」のカプセルを地球に帰還させたJAXAのチームに拍手喝采です。
「はやぶさ」の開発開始からカプセル帰還までに日本に蓄積された技術・ノウハウの大きさはどれだけのものだろうかと思いを馳せると気が遠くなりそうです。
これに引き替え、事業仕分けとは何だったのでしょうかねぇ。本来は、政策目的とその手段との整合性や効率性を第三者が見極めることがその趣旨だったはずなのに、目先の予算を削るパフォーマンスに堕してしまったのは残念です。
科学技術開発や教育なんてものは、目先の「費用対効果」を求めるできものではないでしょう。また、科学の場合、何に役立つわけでなくとも、人間の好奇心・探求心を満たすことだって重要な役目だと思います。役に立たないからといって好奇心・探求心を封じ込めるのは寂しい話です。国としてそんな道をとったら貧相な国になってしまいます。
あかつき」の金星周回軌道投入失敗は残念なニュースでしたが、それでも「○○億円を無駄遣いしやがって」などという批判が巻き起こらなかったのは、良いことだと思います。成功から学べることよりも、失敗や不具合から学べることの方がずっと多いのですから。
  6/12 「はやぶさ」が地球に帰ってくる   
  6/14 祝 「はやぶさ」地球へご帰還   
  7/7 7月7日は七夕、っつうことで…   
  7/22 第2回 おとなの社会科見学(完結編)   
  12/9 う~む、残念…。でも楽しみが残った!

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ということで、選んだ10のニュースのうち、Good Newsは3つだけでした。
来年はGood Newsの比率が上がるといいですねぇ。
それでは、これにて本年の「徒然煙草の咄嗟日記」は千穐楽といたします。
良い年をお迎えください

コメント (6)
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