中国ニュース専門サイトで「人民網日本語版」というのがあります。
このサイトは、中国の国営新聞「人民日報」の「Web版」の「日本版」という、由緒正しいニュースサイトなんですが、こんな記事が載っていました。
題して、
この記事によりますと、「有名な歌手のマイケル・ジャクソン氏が皮膚ガンを患っているとの情報が流れている」んだそうで、「ジャクソン氏は友人に対して、整形とガンのため鼻を失うことを恐れていると述べた」だとか。
これはこれで大変な話ですけれど、問題は、このニュースのソースです。
>クロアチアの「ネットワーク」ウェブサイトが3日に英国「サン」紙の報道として伝えたところによると…
何じゃ、こりゃ?です。英国王室のろくでもないスクープで有名な大衆タブロイド紙「ザ・サン」の孫引きですと…。
これでかなり信憑性に「?」が連打されます。
この記事を読んで思い出したのが、日本の誇る夕刊紙「東京スポーツ(東スポ)」です。
一部伝説化している「マイケル、顔面崩壊」の見出しを掲げたり、Wikipediaによれば、「三浦和義から名誉毀損で訴えられた際に、一審の東京地裁において『東スポの記事を信用する人間はいない』という東スポ側の主張が認められ勝訴した」という、およそ報道機関にはあるべからざる主張をした新聞です。
私、一時期、毎週金曜日と土曜日には東スポを買う習慣がありまして、その1面のすさまじさに感嘆したあげく、こんな本まで買ってしまいました。
これまた約17年前に買ったこの本、今も売られているのかな、とamazonを見ると、、
東スポ伝説―一面見出し、そこは一行の劇場だ 価格:¥ 1,529(税込) 発売日:1991-07 |
残念ながら絶版のようです。
ま、東スポの場合、日々歴史が作られているわけで、絶版もまた良し、です(意味不明)。
東スポのファン(または「だまされた」という経験をお持ちの方)ならご存じのとおり、駅のスタンドにタケノコのように立てられた東スポは、帰宅途中の開放感に満ちたニイちゃん&オヤヂの目を引きつけ、小銭入れor Suica or PASMOを取り出させます。
例えば、上で紹介した「東スポ伝説」からある日('89/6/2付け、販売はその前日)の見出しを加工しますと、こんな風に見えます⇒。
青紫の地に
マイケルジャクソン発狂 がどどどどどど~んと並んでいます。
これじゃ、買わざるをえませんでしょうって。
ところが、これまた東スポのファン(または「だまされた」という経験をお持ちの方)ならご存じのとおり、紙面を広げると、駅のスタンドでは見えなかったところに、「も」とか「か」とか「?」といった字があるんですねぇ。
この日の1面を広げると、こんな具合です。
「発狂」と「発狂行為」じゃ、かなり違うわけで…。
でも、ここで怒ってしまうのは「初心者」です。ヤボです。
何度か「だまされた」 という経験を重ねるうち、「ほほぅ、そう来たか」と鷹揚に受け止めるようになってきます。
何年か前の帰宅時、珍しく電車で座れた私は、東スポを読みふけっていました。ホント、没頭していました。
と、気がつくと、、、、、乗り越してました。
東スポを読みふけっていて電車を乗り越した(それもシラフで)なんて、かなり恥ずかしい体験です。
ご注意あれ
【追記】暇に任せて、東スポのスタンド陳列イメージに色をつけてみました (09/06/13 11:29)