OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

シングル盤でクロディーヌを

2015-12-16 15:44:15 | Pops

恋はみずいろ / Claudine Longet (A&M / キングレコード)

冬だというのに暖かいとなれば、本来は涼しさを求めて聴くのが常套の歌や演奏だって、今の時期に聴くのは決して悪い事ではありません。

いやいや、そんな言い訳を弄するまでもなく、お気に入りの素敵な音楽は何時如何なる場合に聴いたって、それはそれは至福が約束されるはずですよねぇ~~♪

そこで本日は、ちょいと場違いという皆様には、あえてサイケおやじの天邪鬼を提示するかのようなご紹介ではありますが、永遠のフェミニンボイスというか、あるいはロリータボイスとでも申しましょうか、例えぶりっ子歌唱と呼ばれようとも不滅のクロディーヌ・ロンジェであります。

ご存じのとおり、彼女はフランス人であり、ダンサーとしてアメリカはラスベガスで働いていた時に有名歌手のアンディ・ウィリアムズから寵愛されて以降、広くメジャーな芸能活動が出来るようになったという流れの中、ちょうどA&Mレーベルを発足させたばかりのハープ・アルパートに誘われてレコードデビュー♪♪~♪

もちろんその内容は彼女の声質を活かしたソフトロックやボサロックを包括したイージーリスニング系のボーカル作品であり、そこには「歌」ばかりではなく、楽曲アレンジや演奏までも同等に楽しめるというナチュラルな心地良さがいっぱい♪♪~♪

ですから、本当に耳触りの良いサウンドに満ちたクロディーヌ・ロンジェのレコードは、そのまんまオシャレなアイテムの代名詞になったわけですが、そういうものが嫌いな人達にとっては、なかなかイヤミの標的でもあった気がします。

つまり、彼女の歌や存在そのものを否定することが、ある意味では硬派の証明だった時期が確かにあったようにサイケおやじは思うんですよ。

それは例えば掲載のシングル盤A面曲「恋はみずいろ / L'amour est bleu」にしても周知のとおり、楽曲そのものはアンドレ・ポップが書いたフレンチポップスの有名なメロディがポール・モーリアのオーケストラバージョン、あるいはピエール・クールの作詞によるヴィッキーのボーカルバージョン等々で広く世界中で大ヒットしていますから、その1967年以来、夥しい競作&カバー作品が溢れ出てきた事は百も承知!?

それでも1968年に出されたクロディーヌ・ロンジェのバージョンが決して忘れられないのは、ナチュラルなフランス語とカタコト系英語の微妙なミックスによるキュートな節回しと持ち前の抑揚を抑えたボーカルスタイルが絶妙にクールだからでしょう。

そこにはアレンジーとしてのニック・デカロ、さらにはプロデューサーとしてのトミー・リピューマという、後にソフト&メローとか、AORとか称される都会派ポップスの源が既に存在しており、だからこそのエバーグリーンな輝きは失せるものでは無いのです。

ただし、繰り返しますが、当然ながら彼女は同系のサウンドに彩られたアルバムを何枚も出していて、その何れもが売れていた現実の裏返しというか、確かにサイケおやじとしても、LP片面を聴きとおしてしまうと、些かの辟易感は否めません。

極言すれば、彼女の歌はシングル盤で聴くのにちょうど良くて、何かの機会にテレビやラジオから流れるオシャレなボーカル、あるいは喫茶店やブティック等々のBGMで偶然に接した時のフィ~ル・ソ~・グ~っな気分の仄かな高揚感みたいな場面で、最高に効果が発揮されるのかもしれません。

その意味で、彼女が残したレコーディグは圧倒的にカバーソングが多く、中でも殊更に知られている「恋はみずいろ / L'amour est bleu」がウケまくったのも当然が必然!?!

数多作られた同曲のレコードの中では、個人的に前述したヴィッキーのビートの強いバージョンもさることながら、このクロディーヌ・ロンジェの気怠いセクシーフィーリングも大好きなんですよ♪♪~♪

ハープシコードやハープを用いたセミクラシック調のアレンジや中間部の蠱惑的な語りも、たまりませんねぇ~♪

しかし、説明不要かもしれませんが、彼女はアンディ・ウィリアムズとの結婚~離婚後、数年を経て愛人射殺事件の容疑者となり、1970年代中頃からは芸能界を引退……。それに伴ってレコードも一時は市場から消えていた頃もあったんですが、現在ではソフトロックの王道定番物として復権を果たしています。

最後になりましたが、彼女には日本語で吹き込まれた歌があるはすで、サイケおやじは現物を確認していませんが、かなり昔にラジオで聴いた記憶もありますので、地道に探索中です。

まあ、そうは言っても既に述べたとおり、シングル盤で1曲毎に聴くからこその魅力がクロディーヌ・ロンジェの存在感だと思っておりますので、コンプリートな箱物が出ていたとしても入手はしない事を、あえてここに宣言させていただきとうございます。

暴言ご容赦下さいませ。

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