OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

漢といえばトム・ジョーンズ

2017-08-25 17:57:54 | Pops
よくあることサ / Tome Jones (Decca / キングレコード)

最近……、公私ともにゴタゴタが重なって、ちょいと凹んでいたんですが、そんな時こそスカッとする歌でも聴きたいなぁ~~、という気分にジャストミートするのが、曲タイトルもそのものズバリっ!

イギリスの実力派シンガーとして今も人気が衰えないトム・ジョーンズが1965年に放った大ヒット「よくあることサ / It's Not Unusual」です。

もちろん、ここで「今も人気が云々」と書いたのは、トム・ジョーンズのソウルフルな声質と節回し、パワフルな声量を自在にコントロールする歌心、さらには如何にも「漢」というイメージゆえの評価が定まっているという意味でして、現実的には1970年代後半からは大きなヒットも放てず、些か逼塞していたのですが、この名曲名唱「よくあることサ / It's Not Unusual」だけはエバーグリーン!?

欧米のテレビやラジオでは様々な場面で頻繁にオンエアされていたようですし、我が国の歌謡曲には確信犯的パクリネタとして流用されてきた事は、トム・ジョーンズのオリジナルヒットバージョンの素晴らしさに所以するものと思います。

それはゴードン・ミルズとレス・リードという、英国では有名なソングライターコンビによって書かれ、サウンドの作りはモロにモータウン系の黒人ポップス路線というキャッチーさがニクイばかりなんですが、実はトム・ジョーンズがこれを吹き込んだのは、デモ音源であったとかっ!?

この経緯には些か伝説めいた逸話が重なっているようですが、サイケおやじが知り得たところでは、当時は無名だったトム・ジョーンズがゴードン・ミルズの下で作られていたデモテープで歌うのは、それこそ「よくあることサ」だったようでして、とにかくそれを某有名シンガーに持ち込んだところ、トム・ジョーンズのボーカルがあまりにもジャストミートしていた事に気後れし、結局はトム・ジョーンズが新規レコーディングしての発売になったと言われています。

また、これが突発的な大ヒットになってしまった所為で、レコーディングセッションのメンバーに関しては、これまた伝説が多く、中でも無名時代のエルトン・ジョン(p,vo)、セッションプレイヤー時代のジミー・ペイジ(g)、後にイエスに参加するアラン・ホワイト(ds) 等々の名前が取り沙汰れていたのは懐かしい与太話でしょう。

現在では、そのほとんどが否定されているそうですが、それはそれとして、やっぱりトム・ジョーンズの歌いっぷりの良さは最高ですよねぇ~~~!

当然ながら、世界中で幾多のカバーバージョンが吹き込まれており、サイケおやじもその一部だけは聴いたことがありますが、何人もトム・ジョーンズより素晴らしくは歌えていないと確信する次第です。

ちなみにサイケおやじがトム・ジョーンズの凄さを一番に感じるのは、独特の「前ノリ唱方」というか、既に述べたとおり、トム・ジョーンズは一時期、表舞台から遠ざかってからのカムバック以降、つまり相当にベテランの域に達していた1990年代においても、それが衰えていなかったという事実です。

つまりボーカリストは齢を重ねるにつれ、前ノリで歌うことが苦しくなるが常だと思うんですが、トム・ジョーンズには、そ~した衰え(?)が感じられなかったんですねぇ~~!?

流石に近年は……、という推察は易いわけですが、全盛期からの「ザーメン濃そう」な雰囲気なればこその「漢歌」には敬意を表するばかりです。

ということで、トム・ジョーンズというとロックやソウルのイノセントでディープなファンからは軽視される存在なんでしょうが、例えラスベガスのステージで歌っていたって、エグ味のあるソウルフルな歌唱には些かの変化もないはずで、それはエルビス・プレスリーだって同じ事でしょう。

もうちょっとは日本でも真っ当に評価していただきたいと願っております。
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1 コメント

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尾崎紀世彦 (紀世彦)
2017-08-25 21:29:04
トムジョーンズと尾崎紀世彦同タイプでは。昔トムジョーンズ大ヒットでレコード屋でポスター貼ってあり、目立つところにトムジョーンズのアルバムが展示され、プッシュ状態。やはり売れるレコードは目立つところに。尾崎紀世彦さん多分トムジョーンズ意識していたのではというのは勘違いでしょうか。

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