OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

隠しても、晒してもイイ感じ

2024-05-08 18:51:40 | 歌謡曲

夢で逢えたら / ELLE (日本コロムビア)

大瀧詠一が書いた「夢で逢えたら」という楽曲については既に各方面で様々な研究が為されているので、今更サイケおやじの様な者が云々戯言を弄しても、それは稚拙な繰り言と自覚しておりますので、本日は夥しく残されている「夢で逢えたら」の音源の中から個人的に、かなり気に入っているカバー作ということで、昭和57(1982)年3月に大橋恵理子が自らのニックネーム「ELLE=エル」名義で出した掲載のシングル盤A面収録バージョンのご紹介です。

もちろん、今や我が国歌謡界においてはスタンダード化している「夢で逢えたら」は、大瀧詠一の作詞作曲による、基本8ビートのオールディズ歌謡ですから、失礼ながらトーシロがカラオケで歌っても、それなりに雰囲気を出せてしまうイージーな楽曲という世評もございましょうが、だからこその難しさが確かにあると思えば、一番の関門(?)は、歌唱する人それそれの声質じゃ~ないでしょうか?

というのも、この「夢で逢えたら」を昭和51(1976)年に最初の公式レコーディングとして発表した吉田美奈子は皆様ご存じのとおり、なかなか厚みの感じられる声質でソウルフルな味付けも程好い印象に仕上げており、また次に有名であろう、元モコ・ビーバー・オリーブのシリア・ポールのバージョンにおいては、ハリウッドスタイルのポップス正統派的なイメージが残されましたから、洋楽フィーリングを持ち合わせていない歌手にとっては鬼門なのか……?

―― みたいな思い込みがサイケおやじにはあったところへ出たのが、本日ご紹介の ELLE=大橋恵理子のバージョンだったんですねぇ~~ (^^♪

なにしろ彼女はアイドルシンガー時代には、ほとんど「らしくない」野太い(?)アルトボイスで歌っていたもんですから、そんなミスマッチを面白がっていたコアなファンなら受け入れていたかもしれませんが……、結果は……、あらためて述べるまでもないというか…… (^^;

しかし、ここでのレコーディングにおいては、大瀧詠一が影響を受けていたフィル・スペクターの流儀に拘ったかの様な幾分「か細い」雰囲気に録られた彼女のボーカルが実にイイ感じなんですねぇ~~♪

鈴木茂の基本は「フィル・スペクター」を崩さないロック寄りのウォール・オブ・サウンドと申しましょうか、それなりに「エコー」と「隙間」活かしたアレンジによる演奏パートの相性も好ましく、加えて殊更セリフのパートでは消え入りそうなミックスにされた彼女のボーカルはニクイばかり (^^♪

あぁ~~、前述したアイドルシンガー時代を知っているリスナーにとっては実にミョウチキリンな胸キュンムードに陥れられてしまいそうになるんじゃ~ないでしょうか、少なともサイケおやじは、そ~です (^^♪

また、全く予備知識が無かったとしても、これまた雰囲気優先みたいなファルセット系ボイスによる終盤のスキャットフェイクにはシシビレさせられるんじゃないでしょうか (^^♪

当然ながら、ここもサイケおやじの好みのツボでありますし、絶妙の吉田美奈子っぽさが、これまたニクイんですよねぇ~~♪

ということで、ジャケ写ポートレート共々に既存の大橋恵理子の雰囲気とは大きく異なる魅力を狙った、お騒がせ系企画の賜物として、このあたりは大瀧詠一御大のお墨付きがあったのか、否か?

そのあたりも大いに気なったりしますが、いかがなものでしょう (^^;

書き遅れておりましたが、ジャケットスリーブの表記では「「ELLE」にはなっていても、レコードレーベル面や裏ジャケの歌詞面には「大橋恵理子」という名義が記載されているんですよ。

当然ながら、CD復刻はされているはずですが、こ~ゆ~レコードこそは、アナログ盤シングルで持っていたいというのが、サイケおやじの本音なのでした。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする