OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

今朝聴いた石毛礼子

2017-04-10 17:33:23 | 歌謡曲
旅の手帖 / 石毛礼子 (フィリップス)

掲載したジャケ写だけの印象では、なんとなく演歌系みたいに思えてしまう石毛礼子は、しかし正統派ポップス歌謡の実力派シンガーであり、このデビュー曲「旅の手帖」が発売された昭和56(1981)年では既に「オーバー20」であった事に反し、ポスト石野真子にして松田聖子のライバル(?)的なウリさえあったアイドル扱いじゃ~、その素晴らしい資質と才能が確実に認められる方向では無かったんじゃ……?

と、今でもサイケおやじは思っているんですが、それもこれも、全ては作詞:松本隆&作曲:網倉一也、そして編曲:船山基紀が提供した「旅の手帖」の心地良い仕上がりゆえの事です。

なにしろ曲調もサウンド作りも、その頃にはすっかり我が国芸能界に定着していた、如何にもというニューミュージックにどっぷりのアップテンポな明るさに満ちていながら、歌詞に用いられている言葉が天邪鬼というか、とにかくそ~ゆ~胸キュン性感帯を刺激する職人的技法が入った楽曲を伸びやかで澄み切った声で実に上手く節回す石毛礼子の歌唱力は本物!

それはリズムがシンプルな8ビートであり、彩としての所謂泣きのギターも出ず、幾分薄いストリングスや内気(?)なエレピが伴奏の主体となって彼女のボーカルをサポートするという狙いがそこにあったとすれば、ますます清楚でポップな歌いっぷりが冴えまくりなんですねぇ~~♪

実際、それは松田聖子を意識していたと言われれば否定出来ないところでもありますが、だからこそ穢れを感じさせない石毛礼子の歌唱では、大きなヒットが難しかったのか……?

う~ん、だとしたら、なんとも悲しい現実ですし、その実力と魅力に反して、彼女が残したレコードはシングル盤が4枚っきりなんですから、それは物凄く勿体無いと思うばかりです。

もちろん、芸能界には何時の時代も、実力がありながら売れなかった人は夥しいわけですが、実はこのシングルをゲットしてサイケおやじが初めて知ったのは、石毛礼子がヤマハ系だったという真相でして、それじゃ~、なんできっちりニューミュージックのアーティストとして売らなかったのか?

謎は深まるばかりです……。

しかし、おそらくは引退されているであろう彼女が残したレコードは、その全てが好きな人にとっては好きとしか言えない「お宝」だと確信する次第です。

ということで、最後になりましたが今朝、急にこの「旅の手帖」を聴きたくなって針を落としたら、楽曲全篇に滲みまくる明るい哀愁という、妙に心地良い印象が、マイナーとメジャーの両方のコードを些か恣意的に出し入れしたとしか思えない、本当にプロの手際を痛感させられました。

そのあたりを詳らかに解説するだけの理論をサイケおやじは持っていませんが、ストレートに、そして感じるままに聴く事が自然に出来てしまうのは、そうした技法の裏付けがあっての事なのでしょう。

さあ、生意気はここまでにして、音楽はやっぱり聴くのが第一義♪♪~♪

石毛礼子の未発表曲でも発掘&復刻されないかなぁ~~~、と願っているのでした。
コメント (4)
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