OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

憧れのカーライフは、この曲で♪

2012-08-28 15:04:51 | Rock

ホット・ロッド・パーティ / The Astronauts (RCA / 日本ビクター)

今や我国でも夏の風物詩(?)となった感も強いサーフミュージックには、もうひとつのジャンル(?)として、1960年代前半には「ホットロッド」と称された同系の歌と演奏が作られていました。

つまり青春の恋物語には必須の「海」と「車」の後者を拡大解釈しての大量生産ということで、演じられている事そのものは所謂エレキインストやノーテンキなロケンロールなんですが、キメになっているのが車の排気音やタイヤの軋み等々のSEで、それがイントロ&アウトロ、あるいは曲構成の要所に使われていれば、それはそれで立派な「ホットロッド」として扱われていたようです。

また、もうひとつのポイントがスピード感!

特に圧倒的なアップテンポで爽快に仕上げられたエレキインストには、強引とも言える邦題を付し、無理を承知の「ホッドロッド」で売った洋楽も、当時の我国では少なくありません。

例えば本日ご紹介の「ホット・ロッド・パーティ」なるインスト曲は、エレキブームで盛り上がっていた昭和40年代中頃の我国においてはトップバンドのひとつだったアストロノウツのシングル曲なんですが、原題は掲載ジャケ写からも一目瞭然の「El Aguila (The Eagle)」なんですから、その事実だけで今日的な判断を下せば、これは噴飯物でしょう。

ところが実際にレコードに針を落してみれば、これが痛快至極のスピード感に満ちたエレキインストで、例のツインリバーブが全開というアストロノウツならではの世界が楽しめるんですねぇ~~♪

ちなみに「ホットロッド」とは、1930年代末頃からアメリカの若者の間で流行り出した改造車の事で、それが1950年代末頃になると、ますます豪気な文化になったようですが、主流として使われるのは古いフォードで、エンジンは8気筒、ボディを軽くするためにバンパーを外したり、車高やサスペンションの改造、さらにはボディの装飾も独自のペイントを施すとか、そのあたりは掲載したシングル盤のジャケ写でもご覧になれる世界です。

で、そんな車で女の子と遊んだり、公道レースに興じたり、海や山へ出かける等々が、青少年の憧れのスタイルだったんでしょうねぇ~♪

それは先日書いたアネットの「恋のビーチ・パーティ」の世界であり、しかし同時期の世界の若者の大多数は、そんな事は夢のまた夢……。

ですから、せめて音楽だけでも、雰囲気に浸りたいっ!?

そんな需要を満たす目的も、所謂大衆音楽としての「ホッドロッド」にはあったと思われます。

ただし、本当にサウンドだけで「ホットロッド」の醍醐味を満喫させるには、相応の企画と技術が必要とされる事は言うまでもなく、この「ホット・ロッド・パーティ / El Aguila」にしても、その演奏テクニックは超絶的ですよっ!

特に終始スピードが落ちず、一定のリフを演じ続けるサイド&リズムギター、それに並列して強烈なピートを作り、テンションを高めていくベース&ドラムスの存在はスーパースター級で、颯爽としたリードギターも、それがあっての幸せな結末でしょうか。

もちろんアストロノウツのメンバーはボブ・デーモン(g)、リッチ・フィフィールド(g,vo)、デニス・リンゼイ(g)、ストーミー・パターソン(b)、ジム・ギャラガー(ds) の5人組とされていますが、この演奏を聴くかぎり、超一流のスタジオセッションミュージシャンが代行参加している事は間違いないはずですし、それにしたって、ライプの現場での再現は困難を極めるでしょうねぇ~~。

もしかしたら、テープの再生速度を上げるというスタジオの詐術が用いられている可能性も否定出来ません。

しかし出来上がったものが立派な商品価値を持っていれば、それは大成功♪♪~♪

ということで、とにもかくにも、現在一番に求められているのは、颯爽した雰囲気が社会に満ちてくれる事じゃ~ないか?

等々と思わざるをえないほど、連日の国民のストレスは飽和状態でしょう。

そこでせめても音楽ぐらいは、スカッとするものを聴きたいという事から、本日はこれを出してしまったというわけです。

まあ、今更高度成長とか昭和元禄なぁ~んてことは、絶対に繰り返されない……、とは思いますが、そういう夢を持ち続けるためにも、サイケおやじは往年の名曲名演に拘っているのかもしれません。

コメント (2)
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