OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

こんな感じで酒を飲みたい

2010-12-03 15:24:17 | 日本のロック

■ぐでんぐでん / 萩原健一 (Bourbon)

連日のマスコミトップ報道が某歌舞伎役者の暴行被害事件とか、情けない……。

まあ、それだけ今の日本が平和という証なんでしょうが、さて、こうした「酒」関連のトラブルって、事の大小を問わず、日常茶飯事なのが昔っからの実態でしょうね。

しかし表面的な報道しか知り得ない状況だとしても、双方がやってしまった事は許されるものではありませんし、今後は最良の解決策を目指して欲しいもんだと思うばかりです。

ただし、こんな偉そうなことを書いてしまったサイケおやじにしても、実は酒には酔わない体質でありながら、その場の雰囲気に酔ってしまったというか、酒席での喧嘩沙汰は事の大小に関係なく、それなりにやってしまった過去があります。

例えば全く知らぬ事とはいえ、酔って乱れて素人の女の子に悪戯していた中年おやじを罵倒した翌日、その人が仕事関係先の重役だったという現実に直面した時の始末の悪さは、決して若気の至りだけではありませんでした。

結局、格好をつけた挙句のブザマな醜態になるんですよねぇ……。自分が悪くも無いのに、卑屈に頭を下げなければならない事に対し、決して納得していないですからっ!

また、一番に自分が嫌になったのは、やはり酒席で「お前とは腹を割って話が出来ない」と言われた時ですねぇ……。

なにしろ、これは完全に自覚症状があるんですが、酒を飲むほどに頭が冴えてくるというか、客観的に周囲が見えてしまうんです。しかも、そうした態度が自然と周囲に知れてしまうんですから、嫌われて当然なのでしょう。

ですから、そういう場では積極的に「芸」をやったりして、溶け込むような努力をしている事については、以前も何度か書いたとおりです。

さて、そんなこんなから本日のご紹介は、元テンプターズのボーカリストというよりも、すっかり日本を代表する名優になっていた萩原健一が、その本分を発揮した歌手活動の中で、昭和55(1980)年秋に出した酒飲みソングの名唱シングル♪♪~♪

何時もの酒場で友人と会い、ぐでんぐでんになるまで飲み明かすという、そんな男の終りなき日常が、サイケおやじにとっては実に羨ましく歌われています。

もちろん曲調は歌謡ロックがど真ん中!

作詞:康珍化、作曲:鈴木キサブローという当時のヒットメーカーによる狙いは直球勝負ですが、とにかく、グッと心根に迫ってくる萩原健一、というよりもショーケンの魂の歌いっぷりに泣きのギターが絡みつき、さらに意外とも思えるソウルフルなロックビートが背後から煽るという展開は、当時からライプステージのハイライトだった人気曲の秘密でしょう。

ちなみにソロ歌手としてのショーケンの音楽活動は、どうしても俳優業の影に隠れている感も強いんですが、その中で出していたレコードの中には捨て難い名曲名唱が夥しく、そのほとんどが今日でも古びていないはずです。

これはテンプターズ時代の音源にも同じく言えることでしょうが、萩原健一という独得の翳りを自然体で身につけている歌手は、「萩原健一=ショーケン」を演じきっている事に他ならないのかもしれません。

そうした唯一無二の佇まいがあってこそ、どんな曲を歌っても最高の魅力を醸し出すわけですが、もちろんテンプターズ以降の本人は自らが歌う楽曲について、相当に我儘だったんじゃないでしょうか。

ちなみに余談になりますが、昭和60年頃の札幌にあった「チャック・ベリー」という飲み屋のショータイムでは、従業員がショーケンの演目をリアルな物真似的に披露していて、最高でした。実際、サイケおやじは出張する度に訪れては、楽しんでいたものですが、今はどうなっているんだろうなぁ~。

閑話休題。

ということで、この「ぐでんぐでん」は、酒はこうやって飲みたいもんだなぁ~、というサイケおやじの心の1曲です。

そしてショーケン=萩原健一のカッコ良さに憧れる歌でもあります。

おそらくはCD化されているはずですので、宴会シーズンの今こそ、お楽しみ下さいませ。

また同時期に制作されたライプ盤も、泣けるほど最高なんで、よろしくです。

件の歌舞伎役者も、このあたりを歌ったら如何なもんでしょう。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする