マッタリ風景

散歩写真と戯れ言のブログ

100万年

2011年05月12日 | 戯言





「100万年前を最近というセンス」
わたしたち地質学を研究してきた者は、地球の数十億年の歴史をあつかっているので、その最後の部分の100万年前は、けっして遠いむかしのことではありません。
ときどき、わたしたちは「この断層は最近の100万年に活動している」なとど平気でいいます。
現在からさかのぼること100万年の期間を「最近」などという人間がいるということに、おどろかれるかもしれません。
そういう人たちは、たとえ数千年あるいは数万年、死んだように動かない断層にたいしても、いきていてまた活動すると考え、それを活断層とよんでいるのです。
恐竜が栄えていたのは一億年のむかしですから、過去100万年間は、恐竜後の期間の最後の一パーセントの長さにすぎないのです。
日常生活では、過去へ向かっての人びとの時間的視野は、100年か、長くても1000年ていどでしょう。
史上はじめての事件に出会ったとき、人びとはそれを未曾有の事件がおこったといいます。
しかし、もうすこし長い視野からみると、「史上初」がただちに「未曾有」とはかぎらないのです。
たとえば、ある地域では歴史はじまって以来大地震がおこっていないから、今後も大地震はおこらないだろうと考えがちですが、内陸活断層を相手にするばあいには、それは必ずしも通用しません。
活断層の活動間隔はふつう1000年かそれ以上であり、数万年以上のものもあります。したがって、活断層を知るためには、日常生活の時間尺度をはるかにこえた地球史的尺度を心のなかにもってもらう必要があります。
活断層の話は、時間尺度について、人びとの意識変革をしいているのです。


これは、「活断層」(松田時彦著 岩波新書423)から、引用した文書です。
地質学者が、未来予測に必要な過去の長さを考えるとき、最低限「最近の地質時代」を対象にするのだそうです。
「最近の地質時代」というのは、地質学上の分類で「第四紀」(250万年以上)と呼ばれるスパンだとのことです。

東日本大震災は、政府やマスコミは、た「想定外」の「未曾有」の災害だと言います。
でも、平安時代の古文書に、地震と大津波の記載があり、実際に地質調査したところ、今回の大震災と同じような大津波が発生した証拠が見つかっています。
地質学のスパンで地震や津波を想定した場合、1000年の発生間隔は普通な訳です。

となると、地震や大津波が、一定の間隔で発生するのは防ぎようはありません。
だから、原発は災害に対して絶対安全だと言い張ってきた「原子力村」の学者先生は、罪作りな発言をしてきたわけです。
福島原発第一号機は、結局「メルトダウン」していました。これも「想定外」だなんて言われたら、おはなしになりません。
まあ、学者先生というのも、色々な人がいるものなんだなと、感じました。


今日は、朝から快晴。
空の青さが、気味が悪いほど透明感を感じました、しかも気温が高くて湿気を帯びていました。
夕方前から、予報通り雨が降ってきて、これまた気味が悪いほど天気予報が当たりました。












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