Rhythm Technique Fightingspirits

藤枝MYFCを中心としたサッカー観戦記やサッカーに関する個人的な意見の書き込みが中心です。

消えた天才3

2018年12月31日 14時58分40秒 | その他
ユーチューブにて消えた天才「河本光善氏編」を視聴。
※ユーチューブ元URLは改めて探したけれど見当たらず

河本光善氏はG大阪JYの時に宇佐美の1学年上の選手で当時の世代別代表に選出されていた選手。G大阪JY2年で10番を背負い、宇佐美が天才と称して憧れていた。
この河本選手が消えたという番組内容を簡単に紹介。

河本氏について
宇佐美「天才気質で、サッカーに才能が存在すると思わせてくれた人」「僕らの世代は全員憧れていた」「アイデアを表現するためにサッカーをしているような人物」
同級生の原口元気が当時の代表チームで河本氏の控えだった。
当時を知る監督も「10年に1人の逸材」「プロ上がりのコーチと1対1で対戦しても抜く」と絶賛。
しかし、宇佐美が「パタッといなくなった。根こそぎ消えてしまった」「サッカーを続けているといううわさも聞かない」と回想するように、彼は中学時代こそ日本代表に選ばれるものの、06年以降、宇佐美や原口が世代別の代表に選出される中、代表に選ばれることなく忽然と姿を消していた。

その後の河本氏について
・中学3年の時にユースに飛び級で昇格したが、ユースチームではJYの時のような個人技に頼るプレースタイルはなかなか受け入れてもらえず、チームプレーを要求された。
・河本氏はJYの時のプレースタイルにこだわり、周囲からの要求を拒否。次第に周りから相手にされなくなり、サッカーが面白くなくなりサッカーをやめてしまい、その後はクラブチームを退団、高校も退学した。
・その後は暴走族の仲間となり、荒れた生活を送っていたが、中学生から交際していた妻・茉優さんの励ましで改心、現在は真面目に仕事をして妻子を養っている。


感想
VTRを見終えたスタジオでは、宇佐美以上の天才の河本氏がサッカーをやめてしまった事について「サッカー続けていれば日本代表だったのに、もったいない」というような声が飛び交っていた。また「この才能を伸ばすことが出来なかったG大阪の指導者が無能だった」という感じでVTRがまとめられていたが、「G大阪に対して非常に失礼な番組の作り方をしたな」というのが自分の率直な感想で、ハッキリ言ってこれは才能ある子供が伸び悩むよくある話。
宇佐美の紹介という事と、現在はまじめに働いて妻子を養っているという事でVTRにまとめられた感じだが、中学時代にうまかった選手が伸び悩んで消えるというのは特別珍しい話ではない。
「選手の個性を指導者が潰した」という趣旨のまとめ方に、スタジオにいた駅伝の青山学院原監督が「指導者を代表して謝りたい」と発言していたが、「何勝手に代表して謝っちゃってるの?」と強く感じた。


このVTRを見て「選手の才能」について改めて考えさせられたので、この件に関する個人的見解をまとめておく
・才能には大きく分けて2つある。「能力的な才能」と「継続して努力を続けることが出来る才能」だ。
・能力的な才能とは、身体能力の他、ボールをうまく扱うスキルやのみこみの速さ。
・継続して努力を続ける才能は、文字通り飽きずに努力し続けることが出来る才能で主にメンタル面を指す。
・今回の河本氏の場合は、典型的な能力的な才能があるけど、努力を継続する才能が無かった選手となる。(いわゆる早熟タイプ)
・逆に能力的な才能が無いけれど永続して努力をする才能がある選手は、子供の頃は目立たないけれど後から追いつき追い越せで成長していく(いわゆる晩成タイプ)
・そしてこの2つの才能を両方とも持ち合わせた選手が、日本代表にまで上り詰める事が多い。
・子供の頃はサッカースキルに反映するのは能力的才能の部分だけなので、継続して努力できる才能の部分は無視されてしまいがち。
・今回のVTRも能力的才能の部分しか見ておらず、継続して努力を続ける才能については無視している。
・能力的才能のみある選手は子供の頃チヤホヤされて大人になったら消え、努力できる才能がある選手は子供の頃は注目されないけれど大人になった時に(サッカーに限らず)成功している場合が多い。


青山学院の原監督が勝手に指導者を代表して謝った件について
河本氏の場合、自身のテクニックだけでサッカーをやろうとしていたが、それだけでサッカー選手として成功することはまず不可能で、サッカーに必要な要素は多種多様。指導者がそれを河本氏に求めたが聞く耳持たなかったという事で、これは指導者の指導が悪くて消えたのではなく、消えたのは必然だったと考える方が自然だろう。

コメント
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