山上俊夫・日本と世界あちこち

大阪・日本・世界をきままに横断、食べもの・教育・文化・政治・歴史をふらふら渡りあるく・・・

菅・岸田政権の日本学術会議への弾圧を放置できない

2023年01月12日 11時47分43秒 | Weblog
 22年12月27日、幅広い学者・文化人127氏による「学問と表現の自由を守る会」が、日本学術会議の独立を侵害する学術会議法改悪の政府方針を即時撤回することを求める声明を出した。
 日本学術会議は、日本学術会議法にもとづいて正規の手続きで任期満了による新会員の選考をおこなった。ところが20年9月、菅首相はそのうち6名を任命しなかった。いずれも集団的自衛権を行使する安保法制や秘密保護法などに異を唱えた研究者だ。政府の時々の方針に賛同しないからといって、法にもとづいて提案されたものを拒否する。これが菅首相が歴史に名を刻んだ仕事だ。犯罪的な仕事だ。菅首相が任命拒否に一片の道理があると思うなら堂々とそれを開陳すればいい。しかし、何の説明も弁明もしていない。何も言えない、言う根拠を持たないのだ。あまりに情けない姿だ。法にもとづいて政治、行政は行うのが民主社会の根本だ。ところが平然と法を破り、その理由について問われてもはぐらかす、逃げる。法にもとづく政治はすでに放棄された。よその国をとやかくいう資格はない。
 岸田首相は12月、23年の通常国会に日本学術会議法の改悪案を提出すると表明した。法を改変するとしても、提案者が犯している違法行為を正さないまま、違法を正当化する改変をするのは、もはや法治国家とはいえない。違法行為を後追いで合法化する。もはや天下御免の独裁国家だ。安倍・菅・岸田3大つづく立憲主義破壊は日本を暗闇の時代に引きずり込むものだ。
 政府は、学術会議の会員選考にあたって第三者委員会を設けて会員選考に介入しようとしている。また政府は、学術会議と政府が問題意識と時間軸を共有することを主張している。政府の問題意識と同じ立場に立つということは、時々の政府の政策に付き従うということになり、6名の任命拒否の永続化の道だ。NHKの経営委員を政府が意のままにしているのを学術の世界にも押し広げようとするものだ。
 時間軸も共有といっている。だが学術は、一国に限定されない普遍的な価値、真理追究が本来の役割であり、まして経済界の要求に左右されるのではなく、人類全体に奉仕すべきものだ。政治経済的な短期的判断を政府と共有する時間軸は学術の長期的視野とは相いれない。
 自らの違法行為を正すことなく、それを永続化すべく法改変をするなど、民主国家では認められるはずがない。安倍首相の立憲主義破壊は菅、岸田へと連続している。
 1933年の滝川事件がまず学問の自由に介入、弾圧をし、戦争国家へとすすんでいった歴史を想起せざるを得ない。

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