ジーン・ウールの不思議な旅

ジーン・ウールは不思議な女性です。姿を変えて過去にも未来にも現れます。
もしかしたら貴方の友人や奥様かも知れません。

店主ご挨拶

ようこそお越し下さいました。 昨年(2010)、3ヶ月の雲水修行に行ってまいりました。 私は働き者で(自己申告)、精舎は朝は早く夜は遅く「朝瞑想」の時間は、気がつくといつも寝ておりましたが・・。 私の人生の1ページに、思いがけないご褒美を頂けたような日々を過ごさせて頂きました。・・ま、主婦でも決心ひとつで如何様な道も開けるんですね。 今も精舎に行くと「実家に帰った」ような気がします。 このブログ管理人は、最近物忘れ症候群中につき、おいで頂いた感謝を申し上げ、コメントを頂いても書いたり書かなかったり、付き合いが悪いことのご無礼をお許し下さいませ。

エメラルド・タブレット 2

2006-09-24 14:46:56 | エメラルドタブレット
2.
 トートの乗った船は、飛行船と言うよりは宇宙船だった。科学は進み惑星間を移動するのに 必要なものは、意志だった。
トートが船から見下ろすと、ウンダルの高い山に建てられていた神殿も、波打ちぶつかり跳ね返り、やがて海水に覆い尽くされていった。トートは朝の太陽に向かって進めと命じた。行き先はエジプト。  
やがて、下方にケムの 荒地が見えてきた。船は丘に着地し、アトランティスの民たちは、船から下り、新しい大地に一歩をおろした。はるか下にナイルの川が大蛇のように光って見えた。トートとアトランティスの民たちは、この地に生きるために新しい土地の探索を始めようとしていた。
火をたき、食事も整えた。その時、叫び声が聞こえた。最初に探索に出かけたものたちが、蛮族に捕まってしまったのだ。洞穴に住まう彼らは、侵入者を憎しみをもって迎えた。毛むくじゃらな男たちは怒り、槍と棍棒を振り上げ、アトランティスの民を殺そうと襲いかかってきた。恐ろしい光景だった。

その時、トートが杖をあげた。トートの杖から白い光が蛮族を打った。
「わあ!」また別の蛮族に向かって光が飛んだ。「わあ!」怒号のような戦場が一瞬止まった。トートは両手を高く掲げ、雲を呼んだ。
一点の曇りもない空に、最初は霞のような淡いベールがかかったかと見るや、見る見るうちに雲が集まった。雲は太陽をさえぎり、辺りは夕暮れのような暗さになった。そして、稲妻が走った。至る所に火柱がたった。そして、静寂が訪れた。
辺りは静まり返っていった。
毛むくじゃらな男たち、そしてすべての民がトートの前にひれ伏していた。