ぼくたち「鉄腕アトム」世代にとって21世紀は輝ける未来であった。
しかし現実の21世紀は暗く重苦しい時代になってしまった。
少なくとも表面的に見るなら人類の歴史は逆転し始めている。
イスラム原理主義もそうだが、進化論を認めないアメリカのキリスト教原理主義、ヨーロッパのネオナチ、そして日本における極右政治家の台頭など、復古主義が世界を席巻している。
アトムが存在している世界の21世紀と現実の現代との決定的な違いは、おそらく人類の持つ世界観の違いだ。
アトムの世界では善でも悪でも基本的に人々は数千年、数万年単位の人類史のレベルで物事を考えていた。ところが現実の21世紀人の視野はせいぜい数年、数十年の範囲しかない。「やるのは今でしょ!」かもしれないが、ものを考える基準が「今だけじゃだめでしょ」と言わずにおれない。
歴史を見れば進取の時代のあとには必ず反動の暗黒時代が来る。それが現代なのかもしれないが、近代という進取の時代はあまりにも急激かつ巨大に発展しすぎてしまった。自らが持て余すほどの力を持ってしまった人類にとっては、暗黒時代がたんに暗黒時代ではすまなくなる危険性が十分にある。
人類の滅亡などというのは絵空事だと思うかもしれないが、本当にそうも言っていられない時が来ているのかもしれないのだ。
しかし現実の21世紀は暗く重苦しい時代になってしまった。
少なくとも表面的に見るなら人類の歴史は逆転し始めている。
イスラム原理主義もそうだが、進化論を認めないアメリカのキリスト教原理主義、ヨーロッパのネオナチ、そして日本における極右政治家の台頭など、復古主義が世界を席巻している。
アトムが存在している世界の21世紀と現実の現代との決定的な違いは、おそらく人類の持つ世界観の違いだ。
アトムの世界では善でも悪でも基本的に人々は数千年、数万年単位の人類史のレベルで物事を考えていた。ところが現実の21世紀人の視野はせいぜい数年、数十年の範囲しかない。「やるのは今でしょ!」かもしれないが、ものを考える基準が「今だけじゃだめでしょ」と言わずにおれない。
歴史を見れば進取の時代のあとには必ず反動の暗黒時代が来る。それが現代なのかもしれないが、近代という進取の時代はあまりにも急激かつ巨大に発展しすぎてしまった。自らが持て余すほどの力を持ってしまった人類にとっては、暗黒時代がたんに暗黒時代ではすまなくなる危険性が十分にある。
人類の滅亡などというのは絵空事だと思うかもしれないが、本当にそうも言っていられない時が来ているのかもしれないのだ。