蛇口屋

リフォーム業界のあれこれ

蛇口屋的地球一周

2007-02-28 19:44:32 | Weblog
今日はお風呂の工事現場を大工さんに渡して、蛇口屋はボイラーの壊れているお客さんの家で、普通にボイラー交換に行って来ました。

普通のセミ貯湯式の減圧タイプの給湯器で、今、ガス器具とか大変な事になっているので、石油給湯器で良かったなあ、と、北海道の設備を見る度に常々思います。

このタイプのボイラー、給水・給湯の他にドレイン管をつけなきゃならないんで、工事の手間はなかなかの物です。

だいたい、蛇口屋の場合、銅管を6メートル程使います。少し普通の人より、大袈裟に取り替えているかもしれませんが、なるべく継ぎ手を少なく、ボイラーと配管のバランスを考えると、このくらいは使ってしまうんですよね。

ほぼ毎日、何らかの工事はしています。その中で、ボイラーの交換は年間、150台くらいはしているようです。蛇口屋一人で、150台。

多いのか少ないのかはよく分かりませんが、これに配管のメーター数を掛けると一年間でなんと900メートル。ちなみに蛇口屋、職歴は20年くらいですから、更に掛ける20で18000メートル、18㎞かあ…、なんか微妙な距離だなあ。

車で行くには近いし、自転車なら遠いし、徒歩ならちょっと厳しい距離ですよね。
多分、地平線の方へ擦れるくらいの距離を永延とトーチランプ片手に、ソルダーワイヤーを構えて、フラックスを塗りまくってただ黙々と溶接してきたって事なんですね。
ちなみに、一直線にこの距離を配管してゆくと、直管の延長に使われるソケットという継手の数は、4499個になります。一箇所の溶接に30秒掛かったとして、だいたい2日がかりです。昼も夜も無く、せっせと溶接して、大丈夫かな、漏れないかな…、なんて思いを持ちながら、ただひたすら溶接しているんですよ。

悟りでも開けそうな作業ですよね。

なんか、こういう仕事って、設備に対して未発達な外国あたりに本当にありそうですよね。

ちなみにこの銅管を金額に換算すれば、だいたい450万円くらいって計算になります。

おお、ちょっとした高給車なら新車で買えるお値段ですね。もちろん継手やら消耗品やらを合わせると、それ以上と言うことになります。

まあ、こういう想像で、お金の話を出すのは野暮ってモンでしょう。

もう少し、長い距離を稼いで、ぐるりと地球を一周、銅管で結んで見たい物ですね。
で、水に困っている人たちの所に、国境を越えて配水。なんか、ワールドワイドな話になってきました。

あ、でも、この銅管、何処にも繋がってないですね。どこかにティーズの取り出しと、水抜き用のカランと吸気弁も必要でした。

それに、給水があるって事は、排水も作らなきゃいけないって事ですよね。

VU50くらいの塩ビ管で…。

ああ、この話、エンドレスだ。