蛇口屋

リフォーム業界のあれこれ

久しぶりに手強い相手

2007-02-13 20:58:33 | Weblog
なんか、今日のボイラー交換工事って、一部不可能でした。

簡単に説明すると、鉄管て、ネジ接合って言って、パイプレンチって言われる専用工具を使って廻して繋げたり、外したりするんだけど、そこに減圧弁くんが着いていたんです。

一般に言われる減圧チャッキ弁とか言う、ダイヤフラム式二次圧力調整弁とかも言う人は言う。つまり、そこそこ大きな器具が着いていたんです。

でもって、鉄管と壁の離れは1㎝くらいで、廻そうにも、壁に減圧弁がぶつかってしまって廻すことが叶わない。その住宅にお住まいのお客さんに聞いたところ、この壁って、どうもユニットバスを入れ替えた時に張ったモノで、配管を組んでから壁を建てたと言う、変わった施工をしたそうでした。

施工者が目の前にいたら。ダッキングして、突き上げるような角度から右ストレートをぶち込んでやりたい衝動に駆られました。

しかも、減圧弁から、すぐにT字の分岐で、壁内部に進入して、シャワーの水に繋がっています。

一応は取れるようにと、屋内止水弁が弁圧弁と、減圧弁以降のティーズの上に取り付けられていましたが、屋内止水の袋ナットを外したところでぴくりとも動きません。

本来なら、全て撤去して、配管を組み直す所ですが、距離も無ければ奥行きもなくて、出発と終点と、途中立ち寄るところを決められている極端に短い旅に無理矢理倍以上の距離を持たす場所も無いのが実情でした。

久しぶりに唸っていましたね。

お客さんの出してくれた梅昆布茶に気がつく事も出来ない状態で、あっちうろうろ、こっちうろうろしていました。


ま、結局何とかなったんですがね。浴室にあるカラン類を全部外して、配管に多少の逃げを作って、鉄の若干の撓りに期待して、配管が壁の中を貫通する穴を広げて、無理矢理、空間を確保してました。このときの格好は、蛇口屋、設備屋さんとか、工事屋さんではなくて、中国雑伎団みたいになってました。

見えない配管を見透かす目(思いこみとも言う)と、自分の技術を信じる力(勢いだけとも言う)で、今日も無事に工事が終了しました。

苦労だったなあ。

もの凄い、発想と、技術力だよなあ。

でも、この会社では、蛇口屋の苦労を誰も判ってはいないんですよね。
言ったところで、「?」って顔をされるのはもう判ってますから、黙ってます。

こうして、ブログを書いていると、読んでいるみんなにちょっとだけ、自慢出来るのは嬉しいですね。

まあ、少なくとも、日々の原動力にはなっているようです。